セガラリーチャンピオンシップ

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テンプレート:独自研究 テンプレート:Infoboxセガラリーチャンピオンシップ』 (SEGA RALLY CHAMPIONSHIP) は 、セガが発売したレースゲームのタイトルである。

WRCをモチーフとしており、実在するラリーカーを操作し高順位あるいは経過タイムを競うもので、それまでの「ラリーゲームは売れない」というジンクスを払拭した、現在のラリーゲームの元祖とも言える作品である。

概要

1995年にMODEL2基板を使用したオリジナル『セガラリーチャンピオンシップ』がアーケードゲームとしてリリースされ、その後セガサターンWindows PC、携帯アプリ、ゲームボーイアドバンスPlayStation 2向けにマルチプラットホーム展開された。また特殊な派生版としては、SEGAジョイポリス新宿に大型プロジェクタと本物のWRCワークスカラーであるセリカ GT-FOUR(ST205)を使用しアトラクションとして設置された『セガラリー スペシャルステージ』が存在した。

続編としてMODEL3基板を使用した『セガラリー2』が1998年にリリース。ドリームキャスト版の『2』では、登場車種とコースが大幅に追加されるとともにモードの拡充化や登場する各車の解説モードが追加され、一部のWRC専門誌などでも紹介された。

更に『セガラリー2006』がPlayStation 2用ソフトとして2006年1月12日にリリース、初回限定版で前途セガラリーチャンピオンシップの移植版が特典として同梱される。なお「2006」以降はコンシューマ機展開され、アーケード市場からは一旦姿を消すこととなる。 2008年には『セガラリーREVO』をPLAYSTATION 3PSPXbox 360、Windows PC向けにマルチプラットフォーム展開。 Sega Europe(SOE)は『REVO』Windows PC版リリースの落ち着いた2008年4月初頭にREVOの主な開発拠点であるSEGA Driving Studioを閉鎖[1]としたところ同月、数あるラリーゲームに関わりのあるイギリスCodemastersが同スタジオ買収により、閉鎖の危機は免れた。[2] そして2008年現在、ヨーロッパを皮切りに『REVO』ベースであるアーケード版『セガラリー3』を投入予定としており、ロケテスト、ローンチイベント段階まで進んでいたが、その後リリースへの目処は立たなかった。[3]

制限時間内にコースを完走することが必須目標となっている。コース中にはチェックポイントが用意され、これを通過することで残り制限時間が増える。レース中に先行している他のマシンを追い抜くことで順位が上がる。

従来のラリーゲームと違いヒットした要因として、3Dポリゴン化によるリアルさの強化に加え、路面や車の特性の感覚的なものまでリアルに再現したことが上げられる。それまでのラリーゲーム上、「砂地は滑りやすい」程度だったが、セガラリーはドリフト時に「タイヤの横面で砂利を押し分けている」ような感覚までをも再現した。 特に「2」においては、車種による加速力や最高速だけでなくオーバーステア・アンダーステアの程度や重心位置・駆動方式などによるクセの違いまでも再現している。

これにより車を操る面白さに加え、車の特性を感じ取れる楽しさ、それが更にラリー独特の変化に富んだ路面を感じ取り走りを適宜変える面白さを提供することが出来、一方でコースアウトや横転をせず、障害物にぶつかってもダメージを受けない、視界を妨げる泥のウインドウ付着においては反映されない点など、あえてシミュレータとしてのリアルさを廃し、本来のラリーであれば複数台が同時に走行して順位を競うことはないが一般的なレースゲームと同様に同時に走行するレース形式とし、良い意味でデフォルメを加えて走りを楽しめるようにしてある点はシリーズ共通である。これらにより「ラリーゲームは売れない」ジンクスを打破することに成功した。

更に、コースマップを表示せず、「コ・ドライバー」と呼ばれる、この先のコース状況を説明する者がマップ代わりをするというゲームシステムを採用し、レース状況も如何にもラリーらしい感じに仕上がっている(「REVO」ではコースマップを表示している。設定でコースマップを非表示にすることが出来る)。 「2006」では視覚効果のリアルさを追求し、「REVO」では「轍システム」によりこれまでスキール痕の例に漏れず感覚的効果による固定の物でごまかしていた物を動的視覚形状化の反映とすることでリアルタイム性の向上を図った。[4] また、「REVO」の隠し要素としてWRC外のパリダカなどのクロスカントリーカテゴリーの車種(マクレー・エンデューロ、MINI、ハマーなど)やヨーロッパで主流のラリークロス系や欧米主流であるかつてのパイクスピーク歴代系[5]、WRCで施行前に撤回されたカテゴリであるグループS[6]などの日本人からみればマイナーカテゴリ的な競技用の車種もゲーム趣旨に近くなる形で出現する。

登場車種

ゲーム中の車両は、ランチアトヨタの許諾を得て、実在のラリーカー、デルタHFインテグラーレセリカGT-FOUR (ST205) (外観は一部の205と185のデザインを使用している)を使用しており、カラーリングなどもWRCを戦うワークスマシンを忠実に再現している。ただし、エグゾースト以外の走る・曲がるといったゲーム上の基本性能は両車とも同一となっている。 更に2からスバル三菱プジョールノーフォードフィアットとより多くのラリー史実に携わっているメーカーが加盟することとなった。 2006からシトロエンが、REVOではシュコダBMWアウディフォルクス・ワーゲンが追加となっている。

セガサターン版では、上記の2車のほかに隠し車種としてランチア・ストラトスが追加されている(後にセガラリー2にて登場)。4WDのデルタやセリカと全く異なるハイパワーMR車の表現として、最高速と回頭性は高いが駆動輪が空転しやすくドリフト状態から復帰しにくいという極端な性能差がつけられており、その操作は非常に難易度が高い。 2からはFF車も加わり、車種間での操作性の違いを色濃くさせるものとなり、より各モード上のタイムアタックなどでの攻略性が深くなった。

EZアプリ版セガラリー

  • トヨタ・セリカ GT-FOUR ST205
  • ランチア・デルタ HFインテグラーレ

GBA版セガラリー

  • スバル・インプレッサ(GDB型)
  • 三菱・ランサーエボリューション7
  • フォード・フォーカスRS
  • トヨタ・カローラ WRC
  • トヨタ・セリカ GT-FOUR ST205(隠し車種)
  • ランチア・デルタ HFインテグラーレ(隠し車種)
  • ランチア・ストラトス HF(隠し車種)

アーケード版

ファイル:SegaRalley1995.jpg
セガラリーチャンピオンシップ ツイン筐体

1995年に稼動が開始された。実世界のラリーではタイムアタックで順位を競い、コースアウトする可能性があるが、セガラリーチャンピオンシップのゲーム内では同時に走行する他の車両との競走で、コースアウトが発生しないレースゲームとなっている。ゲームバランスを含む修正が加えられた前後で前期型と後期型があり、後期型は一部の標識も変更されている。

ゲーム内容
4ステージを連戦して1位を目指すモードのチャンピオンシップと練習用のプラクティスがあり、チャンピオンシップでは敵車が14台(前期型では15台)現れる。敵車のうち1位になるのは車種選択時に選ばなかった車種が選ばれ、プラクティスにも登場する。ツイン筐体であればデイトナUSAと同じく対戦が可能である。グラフィクスの演出としてウインドウガラス上空の景色が映り込みが見られる。3Dと2Dの統合技術として、沿道の木や人物は板状の書き割りで表現されていて、カメラ視点に対して正面を向く。木は十字型の書き割りで向きは固定して配置される。この手法は『セガラリー2』でも用いられた。車両が跳ね上げる砂利のエフェクトは視点に対して正面を向く平面上のテクスチャアニメーション、自車外視点では断続的に発生させていた。車の挙動では、サスペンションの動きが表現され、ターマックステージではタイヤがスリップした際に路面に付くタイヤ痕が表現された。悪路走行時の砂利の音や水溜りを通過する際の音は実車よりサンプリングされたものを加工して使用された[7]
筐体
ツイン筐体とDX筐体のほか、大型アミューズメント施設向けのSS(スペシャルステージ)が存在する。筐体は細部のデザインを除いてはデイトナUSA、デザートタンクと同じであった。セガラリーは完成品の筐体のみ出荷されており、デイトナ筐体からのコンバージョンキットなどは存在しない。H型ゲートのシフトレバーは、デイトナUSAではアルミ製だったがメッキ製に変更された。オペレータ向けの設定画面には筐体種別を登録する項目があり、この設定によってステアリングにかかるフォースフィードバックの制御と、ゲーム中の自車後方からの視点の位置が若干変化する。ツイン筐体とDX筐体ではステアリングユニットの構造が異なることや、画面サイズやプレーヤーから画面までの距離が異なることに対して最適化するための設定である。新宿ジョイポリスに設置されたオープン当初のバージョンのSSでは、実車をムービングエリアに換装し、投影型ワイドプロジェクタを3台横並びに設置した。1プレイ400円であった。
制作スタッフ

プロデューサーとして水口哲也が制作の指揮を取った。アシスタントディレクターは後に頭文字D ARCADE STAGEのディレクターを務めることになる松本功、チーフグラフィックデザイナー佐々木建仁だった。BGM光吉猛修、ゲーム中のボイスは当時AM3研のCGプログラマーだったケネス・イブラヒムによるものであった。他にも、自動車を専門とするイラストレーターの古岡修一が協力していた。

LIVEモニタ

セガラリー2を含めたこの2作品もバーチャレーシングからはじまったこのシステムの例には漏れず、ツイン筐体同様光ファイバーケーブル2本(ディジーチェーン方式)を使用したリンク方式のLIVEモニタに対応する。アーケード版独自のオプション品として稼動筐体内蔵の同ボード一組が内蔵される。ツイン筐体では使用していないプレイヤー側を設定により変更することで店舗大会や店頭デモンストレーションなどで活用できる。 このプレーヤー車を追っていくカメラ視点移動方式はコンシューマ版リプレイやエンディングへ応用されることとなる。 余談としては秋葉原GIGO(当時ハイテクセガ)では当時店頭稼動デモとしてバーチャレーシング筐体のワイドモニタを店頭のガラス越しに置いてデモンストレーションしていた。

セガサターン版

1995年12月29日発売。

アーケード版に忠実な移植が行われているとともに、画面分割による2人対戦プレイ、「カーセッティングモード」、上述の隠し車種のストラトスなど、タイムアタック時のゴーストカー導入などいくつかの追加が行われている。移植参考はMODEL2オリジナル版後期型ROM。

秒間表示フレーム数はアーケードの60枚から半分の30枚に落ちているが、同機種版「デイトナUSA」時の200ライン描画からインタレース描画機能の導入とコースレイアウトの工夫により背景が急に現れる場面は少ない。

3Dの2D統合技術的には跳ね上げの砂利の2Dテクスチャトーン、観客、木などの背景の前に来る前景においてはカメラ視点角度追随型。視点位置により視点方向に書割り表面が向いて方向が追随するところはアーケード版と同じ。後ろの瓦礫の山肌、建物などポリゴン数を落としつつ、テクスチャ表示エリアを短縮させているものの、トンネル外からトンネル内より先の背景までも表示するが、山肌までの前景まではトンネルの長さによって(例:中級ステージ)は非表示。煙などのエフェクトまではこの時点では反映に至っていない。

後に「セガラリーチャンピオンシップ・プラス」として、X-BANDによる通信対戦やセガマルチコントローラー(アナログ操作パッド)に対応した改訂版も発売された。

この改定に伴い同機種版「デイトナUSA」も後に「デイトナUSA・サーキットエディション」としてグラフィック共に上記「プラス」製作スタッフの手で同等レベルのリニューアルを行っており、以後同機種版「電脳戦機バーチャロン」など大型筐体からの移植物はこの頃の技術が影響されることとなる。

Windows PC(SEGA PC)版

シリーズのいずれもリリース時点のハードウェア要求としては3D表現レベルの緻密化により、その時代のミドルクラス以上の3Dグラフィクスボードを必須とし、リリース毎にその要求幅は高くなっていった傾向にある。 ノートPCでの動作はハードウェア進化により可能となるゲーミング用ノートPC、モバイル向けミニノートPCなども近年登場しており、旧作においては後の世代の対応外OS間の互換性をユーザーレベルで対処の上、推奨サポート外としているものの、スペックに余裕があればWindows2000以降に出てきたフリーウェアである仮想光学ドライブ化ツールなどイメージデータ組み合わせ利用上の動作例もある。[8] 「REVO」ではメモリキャッシュを大幅利用したローディングシーケンスとなったため、スペック猶予がある限りは比較的ストレスなくプレイすることが出来る。

1997年1月31日発売(税込9,240円)。
セガサターン版の移植である。推奨対応環境はWindows 95/98で、描画はDirectX5以上。体験版も配布された。

携帯ゲーム機、携帯アプリ版

手軽さを最優先される下位ビット機種へのダウングレード移植のため、いずれも単なるダウンバート移植ではなくポリゴン数、テクスチャ、エフェクト、ドット数の制約により続編からの進化はないものの、付加要素(販売時期の車種のアップデートなど)は可能な限り受け継いでいる。いずれも操作性の簡素化されたデジタルデバイス機器への移植のため、ライトなフィーリング最優先の移植レベルとなっている。

GBA版

セガラリー
2002年12月19日発売。 (5,800円税別)
「2」リリース後の作品でありGBAへのポリゴン作品元年と言うこともありフラットシェーディング、グーロシェーディングなどのエフェクトが削減、ダウングレード化されているものの車種のセレクトは「2」デフォルト準拠より一部車種はWRC史実の世代の流れにより例としては「フォード・エスコートWRC」から「フォード・フォーカスRS」へ変更され、隠し扱いであった車種は大幅削減となってしまったがそれでも充分にフィーリングは味わえる。

携帯アプリ(EZアプリ)版

セガラリー 1st Stage
2004年11月EzWebコンテンツ稼動開始。(月額従量制314円)
携帯電話W21T(EZアプリ_(BREW)対応)プリインストール同梱。
セガラリーオリジナルを基に製作。EZweb用ゲームサイト"セガ・パレード"内コンテンツ。ポリゴン数、テクスチャは削減されているものの再現力は当時の携帯アプリ移植レベルとしてはよくできており、その後数多くの携帯アプリへのポリゴン作品移植の指標ともなった。

シリーズ

脚注

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関連商品

  • 書籍
    • セガラリー・チャンピオンシップ必勝攻略法 (セガサターン完璧攻略シリーズ) 双葉社(ASIN-4575285641)
    • セガラリー・チャンピオンシップ コースアタックマニュアル アスペクト(ASIN-4893664603)
    • セガラリー・チャンピオンシップ コンペティションドライビングガイド (アーケード完璧攻略シリーズ) 双葉社(ASIN-4575285056)
    • セガラリー2 オフィシャルガイド (SEGA OFFICIAL BOOKS) ソフトバンククリエイティブ(ASIN-4797306238)
    • セガラリー2コンペティションドライビングガイド (アーケードゲーム完璧攻略シリーズ) 双葉社(ASIN-4575161136)
    • セガラリー2 ドライビングナビゲーション アクセラ(ASIN-4873000173)
    • セガラリー2 必勝攻略法 (ドリームキャスト完璧攻略シリーズ) 双葉社(ASIN-4575161543)
    • セガラリー2完全攻略 モーターマガジン社 (ASIN-4943924166)
  • サウンドトラック
    • Sega Rally Championship "Ignition" (TYCY-5438)1995年5月17日発売。東芝EMI/ユーメックス 3,000円(税込)
    • Sega Rally Championship Complete "Competition" (TYCY-5484)1995年5月17日発売。 東芝EMI/ユーメックス 2,000円(税込)
    • SEGA RALLY 2 (MJCA-00017)1998年04月01日発売。 MMV/ポニーキャニオン 2,310円(税込)
    • SEGA RALLY 2 RE-ARRANGE ALBUM another entries (PCCG-00520)1999年12月17日発売。 ポニーキャニオン 3,150円(税込)
    • SEGA RALLY 2006 ORIGINAL SOUND TRACK (WWCE-31116)2006年1月18日発売。 ウェーブマスター/エイベックス 2,400円(税込)
    • Sega Rally Revo / Game O.S.T (B001DL1NIS)2008年8月26日 発売。 Sumthing Else こちらは並行輸入でしか手に入らないUSA版。

外部リンク

テンプレート:セガラリー

テンプレート:Asbox
  1. Sega Europe,「SEGA RALLY REVO」の開発スタジオを閉鎖 -2008-4-9 4Gamers.netニュースリリース
  2. Codemasters,閉鎖の危機にあったSEGA Racing Studioを買収 -2008-4-28 4Gamers.netニュースリリース
  3. アーケード用筐体の最新作がヨーロッパで発表『Sega Rally 3』インプレッション -2008-5-28 Game Sperkニュースリリース
  4. 公式ページテクニカルデモムービー参考。
  5. アウディ・クワトロS1、パイクスピーク・レーサーなどが代表格。
  6. ランチアECV1、フォード・RS200E(WRCWRC草創期からグループB時代(1973年 - 1986年)内グループS車両参照)
  7. サウンドトラックSega Rally Championship "Ignition" 内ライナーノーツ参照
  8. そのため「2」が出た時点での初期版未パッチ状態ではプレイ環境によりけりでCD-DA部分データのローディング遅延によるミスロードによりBGM正常動作とは行かないケースが多かったが、当時のユーザー間での唯一の改善例として含まれる。(ひとつ前に出た作品であるSEGA PC版STCCでも同様)