電脳戦機バーチャロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

電脳戦機バーチャロン』(でんのうせんきバーチャロン、CYBER TROOPERS VIRTUAL-ON)は、セガ1995年12月に発売したアーケードゲーム、および同作を第1作とするコンピューターゲームのシリーズである。

3次元コンピュータグラフィックスで描かれた空間の中で「バーチャロイド」と呼称される戦闘用の巨大ロボットを操縦し、敵プレイヤーと対戦するTPS形式の対戦アクションゲームで、メカニックデザインはカトキハジメが手掛けている。設定やゲームシステムを共有する全4作が発売され、家庭用ゲーム機パーソナルコンピュータでの展開や移植版も発売されたほか、ゲームのプロデューサーである亙重郎の構想の下、小説や設定資料集、ドラマCDなどの形で作品世界の構築が行われた。

概要

プレイヤー対プレイヤーの対戦アクションゲームは『ストリートファイターII』シリーズ以来対戦型格闘ゲームが主流で、前進・後退・ジャンプのみという狭い自由度でしか移動できないものであった。しかし、バーチャロンシリーズの特徴は、プレイヤーは自機の後方の視点から3Dの戦闘フィールドをみて、前後左右空中と自由な機動を楽しめるようになっていることである[注 1]カトキハジメによるバーチャロイドのデザインや、高速で機動しながらの射撃戦・近接格闘戦なども特徴。

ロボットゲームの草分け的存在というわけではなく、以前にも『バトルテック』などのロボットゲームのタイトルや、『サイバースレッド』のように類似したインターフェースを持つFPS形式の対戦アクションゲームは存在した。しかし、これらのゲームは「アニメのような操縦桿を使ったロボット操作の再現」に重点が置かれ「対戦」はそれに付随するものでしかないか、もしくは逆にロボットゲーム独自の操作性やけれん味が重視されていなかった。このことにより操作は複雑でアクション性に乏しく、地味でマニアックな印象は拭えなかった。それ故『バーチャロン』以前のゲーム業界では「ロボットものは売れない」という評価が一般的であった。それにもかかわらず、毎年セガに入社してくる新人の中にロボットゲームの企画書を上げてくる者が多くおり、それでは売れないということを分からせる「あえて失敗させるためのプロジェクト」という名目で企画に許可が下され[3]、『バーチャロン』の開発は始められた。しかし、会社のこの想定に反して完成した作品は大ヒットし、その結果としてロボットゲームの代表的な作品と見なされることとなる。

『バーチャロン』は3D格闘ゲームとそれまでのロボットゲームをミックスしてよいとこ取りをしたような、つまり、操作系を対戦前提にシェイプアップしたことにより格闘ゲームにあるスピーディさと緊迫感を手にしたロボットゲームである。また、シリーズのプロデューサーが「アクション詰め将棋」と形容する、高速で撃ち合いつつもある程度制限された動作の中で相手を理詰めで追い詰めていくようなゲーム性も志向されている[2]

シリーズ構成

『バーチャロン』シリーズは、大きく分けると4作品[注 2]だが、さらに移植作品やマイナーチェンジなども多数存在するため、シリーズにおける統一的なバージョンであるM.S.B.S.Verが設定されている。

電脳戦機バーチャロン

テンプレート:Infobox 1995年末にアーケードゲームとして登場したシリーズ第1作[4][5]。バーチャロイドと呼ばれる8種のロボットが登場する。操縦桿2本という斬新な操作インターフェースを採用した。バーチャロイドはこの操縦桿の操作に応じてダッシュやジャンプ、攻撃などを行う。次作以降と区別する場合、背景設定の「オペレーション・ムーンゲート」に因んだ『O.M.G.』もしくはドットのない『OMG』、単に『初代』とも呼ばれる。

M.S.B.S.Ver.3.3b
1995年[4][5]1996年年始とも[6])稼動開始。アーケード用。初期バージョン。攻撃を受けた時の無敵状態がしゃがみ攻撃を続けることにより永久に持続した。視点切り替えに上視点、横視点などもある。少数ながら存在。
M.S.B.S.Ver.3.3c
アーケード用。上記3.3bのバグを改修したバージョン。
M.S.B.S.Ver.3.3s
1996年11月29日[7]に発売されたセガサターン移植作。スタンドアローン版とXBAND対応版がある。ダッシュ攻撃時の振り向きウエイトが少ない等ゲームバランスがアーケードと大幅に異なる。
M.S.B.S.Ver.3.3w
1997年6月13日[8]に発売されたWindows移植作。MMX専用版とPC-3Dエンジン2(PowerVR)専用版がある。当時隠し要素として入れられていた60フレーム/秒表示などが現在では実用的な速度に達しアーケードと遜色ないゲーム環境になった。通信対戦やユーザー主催のインターネット大会などがいまだに行われている。セガサターンのXBAND版とのオンライン対戦も可能であった[9]
M.S.B.S.Ver.3.3p
2007年10月25日[10]に発売されたPlayStation 2移植作。セガエイジス2500シリーズVol.31として発売された。基本的にはアーケード版の忠実な再現を目指したものとなっているが[11]、オプションとしてオリジナルの特殊技や隠しキャラクターが使用できたり、機体が2頭身のちびキャラに変化したりといったゲームモードも用意されている[12]。画面分割対戦の他にはLANを用いた通信対戦に対応。解説書(マニュアル)の後半には開発スタッフや関係者による合計38ページのコラム記事が読み物として収録されている。
M.S.B.S.Ver.3.3
2013年2月13日配信開始[13]のXbox 360およびPlayStation 3版。「MODEL2 COLLECTION」シリーズの一つとして発売。オンライン対戦に対応しているが、過去の家庭用にあった隠し要素はない。

電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム

テンプレート:Infobox 1998年3月[14]にアーケードゲームとして稼動開始。1対1を追求したシリーズ2作目、通称『オラタン』または『OT』。バーチャロイドの種類も増え、機体毎の防御力の差の表現に「V-アーマー」が導入された。動作パターンも大幅に追加され「クイックステップ」「バーティカルターン」「空中ダッシュ」「スライディング(しゃがみダッシュ)攻撃」「ダッシュ近接」などの操作が可能となり、攻撃も左右ターボボタンの使い分けにより多彩なものとなった。またシステム基板の性能向上によってバーチャロイドのデザインにも制約が少なくなり[注 3]、エフェクトもシンプルだった『O.M.G.』に比べ派手なものになった。発売直前のAMショーのバージョンでも、グラフィックの向上が見られたが、テムジンの前ダッシュボムがOMGのままだったりと試行錯誤が開発にあった。

M.S.B.S.Ver.5.2
1998年3月[14]稼動開始。アーケード用。初期型。後に発売されたドリームキャスト版でも、ゲーム上で一定条件を満たすことによりVer.5.2準拠のレギュレーションでプレイすることができる[16]。筐体に使用した基板はMODEL3。
バーチャロン・スペシャル
1999年4月18日[17]稼動開始。ジョイポリスに設置されたシミュレータ型筐体。ゲーム内のバーチャロイドの動きに合わせて筐体が振動する[17]。M.S.B.S.Ver.5.2を元に作成された。
M.S.B.S.Ver.5.4
テンプレート:要出典範囲稼動開始。アーケード用。ゲームバランスを調節した改良型。近接戦闘の仕様が大幅に変更されているほか、射撃攻撃の誘導性や左ターボ攻撃全般の性質にも差異がある[16]。バーチャロイド背中のV.コンバータが、セガサターン風からドリームキャスト風のデザインへと変更された。
M.S.B.S.Ver.5.45
1999年12月9日[18]に発売されたドリームキャスト移植作。O.M.G.のステージの追加[注 4]や機体のカラーエディットとエンブレム、ネットワーク対戦機能、インスタントメッセージ機能も追加されている。ネットワーク対戦は2001年8月31日に打ち切られている[18]
M.S.B.S.Ver.5.66
2000年夏頃[19]に稼動開始。アーケード用。通称ミレニアムエディション。シュタインボック、10/80 SP、アファームド・ザ・コマンダーの3機とステージが追加され、ビジュアルメモリによってVer.5.45でエディットしたオリジナルカラーのバーチャロイドやインスタントメッセージを使用できるようになったが、追加された3機に関してはドリームキャスト版では対応出来ない為、雑誌の付録ソフトでエディットに対応出来る様にもなっていた。 筐体に使用する基板がNAOMI基板になった事で、前Ver.と比べてグラフィックとBGMの音色が若干違っている。ゲームバランスも更に調整されている。
M.S.B.S.Ver.5.66(XBLA版)
2009年4月29日[20]に発売されたXbox 360移植作。Xbox Live Arcadeのコンテンツとしてダウンロード販売された。Ver.5.66をベースに、Xbox Liveによる通信対戦機能、ハイデフ(720p)画面対応表示、全機種対応のカラーエディット機能を追加。機体背部のV.コンバータの形状はドリームキャストのままである。BGMはAC版[注 5]ではなくドリームキャスト版[注 6]に変更されている。5.45に登場した試作型テムジンと試作型ライデンも使用可能。ユーザーの検証でAC版5.66とゲームバランスに差異があることがわかっている。方向パッドの「歩き旋回」が出来ない等の不具合があったが、アップデート後に「歩き旋回」が可能となった。
元々はセガの正式な事業計画にはなかったが、後に「暴走プログラマ」と呼ばれることになる社員[注 7]が自主制作という形で作り始め、ある程度出来上がったところで発売の是非を問う形で認可された経緯を持つ[21][22]。広告・販促の予算は0円[23]、かつ配信時点で10年以上前の作品[24]ながら、2009年度の日本国内におけるXBLAダウンロードランキング第1位になった[24]

電脳戦機バーチャロン フォース

テンプレート:Infobox 2001年10月にアーケードゲームとして稼動開始[25]。通称『フォース』または『VO4』。ロゴマークはアラビア数字の「4」であるが、これは4人対戦の意味の「4」であり、実際のシリーズは3作目である[注 8]。前述の通り1対1の対戦だった前作とうってかわり、2対2の最大4人対戦となる。アーケード版では、当時の対戦ゲームとしては珍しい[26]磁気カードによる継続プレイシステムを採用している。このカードには名前、使用中の機体、戦績、ゲーム状況、オプションの記録が行え、カードの発行と内容確認は別の「VO4ターミナル」と呼ばれる筐体で行う。このカードを作らないと大半の機体が使えない[注 9]

使用基板が高価なSEGAHIKARUで、大型筐体のみ出荷され、1P&2P、3P&4P、ターミナル[注 10]が必要であったため、設置スペース及びコストの関係上導入した店舗が少なかった[27][28]。一方で時間経過とともにインカムが落ちて撤去された筐体が、発売当初は設置されなかった別の地域に運ばれて稼動・再燃するといった現象も起きた。現時点でバーチャロン・シリーズのアーケード最終作であることもあって、単一タイトルとしては非常に息が長いゲームとなっており、2013年時点でも一部の店舗で稼動している。[26]

M.S.B.S. Ver. 7.5
2001年10月[25]稼動開始。アーケード用。初期型。
M.S.B.S. Ver. 7.6
2002年2月[29]稼動開始。アーケード用。747テムジンの追加、707テムジンが基幹機種から外される。
M.S.B.S. Ver. 7.7
2002年4月23日[30]稼働開始。アーケード用。アファームドT、景清、ガラヤカ、10/80adv追加。
M.S.B.S. Ver. 7.7(Xbox 360版)
2010年12月22日発売[31]。アーケード版稼働開始9年目を経ての家庭用移植版で、パッケージ販売ソフトとしてリリースされた。機体支給にはアーケード版とは異なる方法が採用されている[注 9]。BGMはOMG、OT、4、光吉の4種類から選択できるようになっている。
シリーズ15周年を記念して、シリーズを総括する内容のサウンドトラックや冊子を同梱した限定版も発売された[31]。予約特典は女性型バーチャロイドのバストサイズを選択できるようになる「フェティッシュ解放コード」のDLCカードと『ボーダーブレイク エアバースト』で使用するオリジナルペイントコード。2012年4月26日にXbox 360 プラチナコレクション版、同年5月1日にゲームオンデマンド版が発売される。

電脳戦機バーチャロン マーズ

テンプレート:Infobox 2003年5月29日[32]に家庭用向け専用にPlayStation 2で発売された[33]シリーズ最新作、通称『マーズ』もしくは『MARZ』。フォースのレギュレーションをベースにして、ミッションクリア型のアクションアドベンチャーゲームに仕立て上げている。

戦闘はほぼフォースと同じであるが、ストーリーモードでは敵2-3機を同時に相手にしたり、軍事施設や輸送トレーラーを破壊するミッションなどもある。ステージについても迷路ステージや地雷ステージもあったりと、家庭用機ならではの要素が追加されている。回復アイテムや一定時間能力が上がるアイテムが追加されており、アクション性が重視される。また従来はムック・雑誌等の資料でしか知ることができなかった背景設定が、ゲームの随所でおおまかに語られている。

『フォース』のレギュレーションに準じた通常の対戦モードも備わっており、コンピューターが操作する機体を交えての2人対戦や協力プレイも可能ではあるが、4人プレイには対応していない[注 11]

『マーズ』では初心者やアクションに自信のないプレイヤー向けのオプションとして[34][35]、操作を簡略化したオート操作モードも用意されており、本作の特徴の一つとなっている[34]

本作はシリーズとしては初の移植作ではない家庭用オリジナルの作品であり、旧来のファンだけではなく、今まで『バーチャロン』に触れたことがなかった新規のユーザーを取り込むというコンセプトが掲げられた[36]。その一方で、2009年4月にXbox 360版『オラトリオ・タングラム』の公式サイト上で行われたアンケート結果では、同作を「シリーズ4作品中で最も好きなタイトル」として挙げた回答者は少数に留まり、第3位に大差をあけられて最下位となっているほか、本作を「移植作を含めた7作品中で初めてプレイした作品」に挙げた回答者も、PS2版OMGに次いで下から2番目という低い順位に留まっている[37]

M.S.B.S.Ver.8.5
2003年5月29日発売[32]。マーズ唯一のバージョンで、他のバージョンは発売されていない。
M.S.B.S.Ver.8.5(PS3版)
2013年3月21日にPlayStation 3向けダウンロードサービス「PS2アーカイブス」で配信[38]

システム

操作方法

『バーチャロン』シリーズは基本的に、攻撃ボタンとダッシュボタン(『オラトリオ・タングラム』以降はターボボタンという呼称)のついた、左右一対の操縦桿(ツインスティック)を操作して、自分が操縦する機体(バーチャロイド)の操作を行う。

家庭用では専用のツインスティックが発売されている場合もあるが(詳細は「#ツインスティック」を参照)、ゲームパッドなどを用いることもできる。この場合はコントローラーの形状に合わせた独自の操作が用意されているが、ツインスティックによる操作を模した操作を設定できる場合もある。例えば専用ツインスティックが発売されなかったPlayStation 2の場合、専用コントローラー(DUALSHOCK)の方向キー又は左アナログを左スティック(ターボ:L1、左攻撃:L2)、十字に並んだ4つのボタン又は右アナログを右スティック(ターボ:R1、右攻撃:R2)に見立てるモードが用意されている。

『マーズ』のみ[注 12]上記の操作に加えて、基本的な操作が少ない入力で済むように変更・簡略化された「オート操作」(AIサポート)がオプションとして用意されており、攻撃の使い分けや[注 13]近接戦闘でのガードを半自動化することができる。

移動

各バーチャロイドは一人称視点で描かれた3D空間の中で、前後左右への移動と旋回、ダッシュ、短時間のジャンプと下降を行うことができる。各動作はそれぞれある程度の制約を伴い、有利不利に結びつく。

  • 2本の操縦桿のどちらか一方或いは両方を同じ方向へ倒すことで前後左右への移動ができ、後者の方が移動速度が速い。操縦桿は8方向にしか動かないが、左右の操縦桿の倒す方向をずらすことによって16方向への移動が可能となる。
  • 移動しながらダッシュボタン(ターボボタン)を押すことで高速移動(ダッシュ)となる。
    • ダッシュ速度は一定ではなく、移動方向による違いがある。また機体ごとにダッシュの性質は異なり、前ダッシュが速く後ダッシュが非常に遅い機体や、横ダッシュが速い機体など様々である。
    • ダッシュ中は動きの自由度が少なく隙ができるが、ダッシュ攻撃を行っていなければ急停止(ダッシュキャンセル)ができる[注 14]。ダッシュ中に何も操作を行わなければ、ある程度の距離を走ってから停止する。停止直後には若干の隙が発生する。
    • ダッシュ攻撃(後述)を行うと、自動的に相手の方向を捕捉して向き直りつつ攻撃することができるが、攻撃した後は一定距離を移動し終えるまでダッシュを止めることも、後述の方向転換を行うことも、基本的に[注 15]再攻撃を行うこともできず、機体が停止するまでの間に大きな隙をつくることになる。
    • 『オラトリオ・タングラム』以降ではダッシュ中に方向転換(バーティカルターン)が可能で、ダッシュ中に一度操縦桿をニュートラルに戻し、直前の進行方向に向かって左右90度の範囲内で異なる方向へレバーを倒すことで成立する。
  • 2本の操縦桿を前後互い違いに倒すと旋回となる。このときターボボタンを押していれば素早く旋回できる(ターボ旋回)。
  • 2本の操縦桿を左右外側に開くとジャンプ、ジャンプ中に左右内側に倒す[注 16]とジャンプキャンセル(急降下)となる。通常はジャンプすると同時に敵の方向に向き直るため、ジャンプ直後にキャンセルすると簡単に敵を索敵することができる。
    • ジャンプ上昇中・下降中にはある程度前後左右に移動することができる。何もしなければジャンプの頂点に達した後に降下する。降下中には後述の2段目のジャンプや空中ダッシュ、攻撃を行うことはできない。着地の瞬間には若干の隙が生じる。
    • ジャンプの頂点ではジャンプ攻撃を行うことができるが、ダッシュ攻撃同様、ジャンプ中に攻撃をしてしまうと急降下はできなくなる。これも隙が大きい。
    • 『オラトリオ・タングラム』ではジャンプの上昇中にもう一度ジャンプ操作を行うと2段目のジャンプが発生する。
    • 『オラトリオ・タングラム』以降では、ジャンプの上昇中にダッシュ操作を行うことで、上昇を停止して飛翔しながらの高速移動(空中ダッシュ)を行うことができる。空中ダッシュ中は地上でのダッシュと同様、キャンセルや空中ダッシュ攻撃(後述)を行うことができる。空中ダッシュを終えるとその場で降下し、着地するまでの間に隙をつくることになる。

通常攻撃

各バーチャロイドは攻撃ボタンと移動操作の組み合わせにより、多彩な攻撃手段を使い分けることができる。ただし各種攻撃には動作に応じたルールが付随し、不用意な攻撃には反撃を受けるリスクが伴う。

  • 攻撃目標となる敵を視界内に捉えていると自動的にロックオンする。基本的にロックオンした状態であれば攻撃は自動的に敵を追尾するが、追尾性能は攻撃によって差異があり、ロックオンの有無にかかわらず無誘導の武器もある。複数の敵が出現する『フォース』『マーズ』では、左右のターボボタンを同時押しする[注 17]ことで攻撃目標を選択することができる。
  • 攻撃には右操縦桿の攻撃ボタンを使う右手攻撃(Right Weapon/RW)、左操縦桿の攻撃ボタンを使う左手攻撃(Left Weapon/LW)、両方の攻撃ボタンを使う両手攻撃(Center Weapon/CW)がある。
    • 射撃攻撃を行うと、使用した攻撃ボタンに応じて画面の右・左・中央に表示された武器ゲージを消費する。消費量は使用した攻撃の種類によって異なり、またゲージが必要量に満たない攻撃は行うことができない。武器ゲージは一定時間で回復するが、ゲージの回復速度は機体ごとに、また各武器ゲージごとに異なる。ゲージの消費が少なく連射が可能な武器もあれば、一度使用するとしばらく使用不可能になる武器もある。
  • バーチャロイドの状態(「立ち/通常移動」「ジャンプ中」「ダッシュ移動中」)によって武器の特性や攻撃のパターンが変化する。
    • 中でもダッシュ攻撃は移動しつつ相手の方向に向き直りながら攻撃するという点こそ共通であるものの、移動方向(前・後・左右)によってまったく違った攻撃になる。特に前ダッシュからの攻撃は強力なものに設定されていることが多いが[39]、強力な攻撃であるほど隙も大きいなど一長一短があるため[39]、プレイヤーは相手との位置関係や攻撃手段の特性などを考慮して攻撃を選ぶ必要に迫られる。
    • 地上で2本の操縦桿を左右内側に倒しつつ攻撃すると「しゃがみ攻撃」になり、姿勢を低くしながら上方へと攻撃する。攻撃を撃たずにしゃがむ事はできない。しゃがみ中は停止状態だけでなく、歩き直後にしゃがみ動作を入れる事で、若干の距離を滑るように移動しながら発射出来る。
    • 『オラトリオ・タングラム』以降、「地上ダッシュ(斜め前方・斜め後方が加わり5種類に)「空中ダッシュ中(前・斜め前方・後・斜め後方・左右)」「しゃがみダッシュ移動中(前・斜め前方・後・斜め後方・左右)」の状態が加わった。いずれも通常の地上ダッシュとは異なる性質の攻撃に変化するため、武器も多彩になった。
    • 『オラトリオ・タングラム』以降、「立ち」「しゃがみ」「ジャンプ中」でターボボタンを押しながら攻撃すると、静止状態から通常の立ち攻撃とは異なる攻撃を繰り出す「ターボ攻撃」となる。さらに『オラトリオ・タングラム』のみ[注 18]左右のターボボタンで右ターボ攻撃と左ターボ攻撃に別れている[注 19]
  • 実際にどのような攻撃が繰り出されるかは各バーチャロイドによって異なる。一撃必殺の威力があるもの、隙の少ないもの、攻撃よりも敵弾を打ち消す用途に向いたものなど多種多様である。
  • 一部の例外[注 20]を除き、バーチャロイドは自分自身または味方機による攻撃と干渉せず、ダメージを受けることも射線を遮ることもない。

近接格闘

バーチャロイド同士の戦闘は比較的広い空間で行われるが、ソード鈍器による打突、あるいは四肢を用いた格闘攻撃が届く間合いになると攻防の手段や移動方法が自動的に変化し、近接格闘独自のルールが適用される。

  • 敵が至近距離にいるとき、自動的にロックオンサイトが二重になってダブルロックオンとなる。この状態で攻撃ボタンを押すことで、自動的に攻撃手段が射撃から格闘へと変化し、近接戦を仕掛けることができる。近接格闘による攻撃は射撃攻撃と比べ、おおむね威力が高めに設定されており[40][41][42]、また射撃攻撃と異なり武器ゲージを消費しない。
    • ダブルロックオン状態では武器のリーチに関わらず、相手との間合いを素早く詰めながらの格闘攻撃を行うことができるが、ダブルロックオンになる距離は各バーチャロイドによって異なる。一般的に、近接格闘能力の低いバーチャロイドはこの距離が短く(=ある程度密着してからでないと攻撃できない)、高いバーチャロイドはこの距離が長い(=少し離れていても近接攻撃が出せる)。一部作品では「相手が近接攻撃のリーチが届く範囲にいる(ダブルロックオン範囲と近接可能範囲はイコールではない)」事が近接攻撃が出るトリガーとなっていたため、機体によってはロックオンせずに近接攻撃が出ることもある。
  • 近接格闘戦も左手攻撃・右手攻撃・両手攻撃で別れている。また操作を加えることで、様々な攻撃に変化する。
    • 『オラトリオ・タングラム』以降では通常攻撃と同様、ターボボタン入力を加えることで[注 21]ターボ近接攻撃が出せる。
    • 『オラトリオ・タングラム』では、しゃがみ攻撃動作を行うことによりガード不能のしゃがみ近接攻撃が可能である。これも右手・左手・両手の区別がある。
    • 『O.M.G.』『フォース』『マーズ』では、ダブルロックオン状態で、レバーを横に入れてトリガーを入力することにより、相手の側面に回り込みながら近接攻撃を行う回り込み近接を出すことができる[注 22]。また『オラトリオ・タングラム』では、ダブルロックオン状態でターボボタンを押してからレバー入力をすることによって、相手を正面に捉えつつ側面や後方に回り込むクイックステップが可能であり、更にトリガー入力を加えることにより回り込み近接に相当するクイックステップ近接を出すことができる。
    • 他に、『オラトリオ・タングラム』以降では、ダブルロックオン状態で「ジャンプ+トリガー」で小ジャンプからの近接攻撃を行うジャンプ近接、ダウンした相手をダブルロックオンした状態でトリガー入力することにより追い打ちのダメージを与える近接ダウン攻撃、『フォース』『マーズ』では、ダブルロックオン状態で「レバーを後ろに入れてトリガー」で上空への攻撃を行うアッパー近接を出すことができる。
    • 『O.M.G.』および『フォース』『マーズ』では、一部のトリガーが近接武器にアサインされていない機体が存在する。当然のことながら、たとえ近接間合いであっても近接武器にアサインされていないトリガーを使用した場合は射撃攻撃が発生する。『O.M.G.』では逆に遠距離攻撃のモーションが近接と共用になっている武器も存在し、遠距離攻撃ながら近接と同じ攻撃判定が存在していたため、これを利用したしゃがみ近接や遠距離近接キャンセルダッシュが可能であった。
  • 『オラトリオ・タングラム』以降では、前or斜め前ダッシュ中にレバー後に入れながらトリガーを引くことによって、ダッシュ近接を出すことが出来る。なお、『オラトリオ・タングラム』ではサイファー、『フォース』『マーズ』ではテムジン系列の一部・マイザー・フェイ-イェン系列のみ空中ダッシュ近接を出すことが出来る。これらのダッシュ近接は通常の近接攻撃と異なり、敵との距離に関わらず(つまり、ダブルロックオン状態ではなくとも)出すことができる。
  • 至近距離で両方のレバーを内側に倒すと相手の近接攻撃[注 23]をガードできる。ガードが可能になる距離の定義は作品によって異なり、『O.M.G.』及び『オラトリオ・タングラム』では概ね自機がダブルロックオンすることができる範囲[注 24]、『フォース』『マーズ』では機体ごとの差異はなく、敵機体が一定距離内にいればガードが可能となる。

特殊入力技

一部の機体にはレバーの入力とボタンを組み合わせた、固有の特殊入力技が用意されている場合もある。

  • どのような状況で使うことができるのか、どのような効果が発揮されるのかは技によって異なる。
  • 使用することで右・左・両手武器の全ゲージを消費してしまう技もあれば、一部のゲージしか消費しないもの、ゲージをまったく消費しないもの、1ゲームに1回しか使えないものなど、使用コストは技によって異なる。
  • 体当たりによる攻撃など、近接攻撃のように相手側のガード入力による防御が可能な技もあれば、特殊な弾丸を射出するもののように、射撃攻撃扱いとなっている技もある。
  • 『オラトリオ・タングラム』では特殊入力技にスタートボタンを使用することもある。

補給

『フォース』および『マーズ』の対戦モードでは、戦闘中にスタートボタンを押すことでレスキューダッシュと呼ばれる操作を行うことができ、僚機に接触して互いのライフを分け合い、均等に再配分することができる。レスキューダッシュを行うと全ての武器ゲージを消費してしまう。また、リーダー機ではない僚機が撃墜された場合、行動不能になった僚機に接触することで同様にライフを再配分することができる。

『マーズ』のストーリーモードでは、敵機を倒したりコンテナを拾ったりすることでアイテムを入手できる。このうち回復アイテムは最大5個までストックすることができ、取得した回復アイテムを消費することによって自機および僚機のライフを約半分程度回復することができる。僚機が同伴するミッションでは、回復アイテムを持っていないか、ライフが100パーセント残っている状態に限り、同じ操作でレスキューダッシュを行うことができる。

ちなみにSS(セガサターン)のツインスティックを改造し、変換器で無理矢理「ツインB」の操作タイプで対応させる事もできる

勝利と敗北

お互いに攻撃しあい、先にヒットポイントをすべて失った方が敗北となる。また、制限時間内に決着がつかなかった場合は、残りヒットポイントの多い方の勝利となる[注 25]。これを3セット行い、2本先取した側の勝ち抜きとなる。ドローの場合も極稀にある。なお、制限時間の有無や長さ、対戦本数は内部設定により変更可能。特に時間無制限1本勝負は『デスマッチ』とも呼ばれる。

『フォース』及び『マーズ』における対戦モードのレギュレーションでは、隊長機のヒットポイントが先になくなったチームが敗北となる。また、制限時間内に決着がつかなかった場合は、残りヒットポイントの合計が多い方の勝利となる。

一人用のアクションゲーム仕立てとなっている『マーズ』のストーリーモードでは、プレイヤー機のヒットポイントが失われるか、制限時間内に決着がつかなかった場合にゲームオーバーとなる。勝利条件はミッションの内容によって異なり[注 26]、提示された条件を達成できなかった場合にもゲームオーバーとなる。

機体支給

『O.M.G.』『オラトリオ・タングラム』では、基本的には[注 27]自由に機体を選ぶことができる。

『フォース』のアーケード版では、継続プレイ用の磁気カードを作成した際に基幹機種の中から1機体を選び使用することになり、プレイしていくうちに新しい機体が支給される。支給は原則として同系列だが、テムジン707系と747系、フェイ・イェン系とエンジェラン系とガラヤカ、マイザー系とスペシネフ系と景清系、アファームドJ系とアファームドT系はまれに相互に支給されることがある。また、現在使用している機体と同じ機体で、外見上の特殊仕様機(色違い、あるいはいわゆる胸パーツの変更)が支給されることもある。機体支給時は「乗り換える」か「今までの機体を使う」を選ぶことになる。乗り換えた場合、今までの機体を使いたければ、今度はそれが支給されるまで待つしかない。カードを用いない場合は、各系列ごとに1機種存在する基幹機種のみが選択可能となる。そのため7.6以降ではテムジン707系列はカード無しでは使用できない。

『マーズ』の場合、ストーリーモード中に機体ごとに定められた支給条件[注 28]を達成することで、使用可能な機体やカラーバリエーションが開示されていく。一度使用可能となった機体は自由に乗り換えることが可能で、また別のセーブデーターでも共用される。

『フォース』のXbox 360版では、シングルプレイで特定の条件を達成することで使用可能な機体が開示されていくという、アーケード版と異なる仕様になっている[44]

ストーリー

ゲームの舞台は巨大企業群が行政レベルまで運行するようになっている架空の未来世界であり、暦は16進数で表記される電脳暦(Virtual Century:V.C.)と呼ばれるものになっている[注 29]

この時代、社会活動の全てが商業ベースで運行されるようになった事、そして人類共通の認識としての自分たちの限界──限りある地球圏でひしめき合うように生きていかざるをえないという事実は、紆余曲折の末お互いを潰しあう従来型の戦争を放棄させ、その役割の大部分を情報戦争へと推移させていった。しかし物理的戦争、闘争という形への欲求・需要を放棄するには至らず、代替として共存的闘争を旨とする「見世物」「戦争ゴッコ」たる限定戦争という概念が提出され、社会に組み込まれていった。

本作品の設定・ストーリーはこの限定戦争に投入されることとなった巨大人型戦闘兵器「バーチャロイド(Virtuaroid)」と、バーチャロイドをもたらしたオーバーテクノロジー及びその周辺を中心に展開されていく。

O.M.G.

舞台は電脳歴V.C.a0年[45]。月で発見された遺跡(ムーンゲート)から得られた技術(V.コンバータ)によって画期的な人型ロボット兵器「バーチャロイド(VR)」が開発され、極秘裏に販売準備が進められ、それと平行してビデオゲーム「バーチャロン」で優秀な成績を収めたプレイヤーがパイロットとしてスカウトされていた。そのなかで、月の遺跡が暴走を開始した。この脅威を排除するため、バーチャロイドを大量に投入し月遺跡破壊作戦が行われた。「オペレーション・ムーンゲート」と名づけられたこの作戦を描いたのが第1作である。ある事情でO.M.G.に参戦可能なのは「バーチャロン」用の機体に限定されており、軍事作戦のためにビデオゲームをプレイしなくてはならないという冗談のような事態となっている。前半のステージはシミュレーションによる適性検査であり、クリアすると遠隔操作用バーチャロイドが割り当てられ後半の実戦に入る。適性検査クリアに時間が掛かると、実戦の前にシミュレーターのバグでヤガランデと闘う事になる。

副読本『SCHEMATIC』が発刊される前は、「プレーヤーはゲームをしているつもりでも、未来に実際に存在しているバーチャロイドを遠隔操縦しており、無自覚のまま戦場に投入されている」という趣旨の設定がセガサターンマガジン誌上で発表されていたが、上記のように改められた。

オラトリオ・タングラム

オペレーション・ムーンゲートによって月遺跡の暴走の危機は免れた。しかし、バーチャロイドを開発していた企業国家DN社は月遺跡暴走の責任を問われる形で崩壊した。それに伴い、傘下にあった8つのプラントは独断による行動を開始する。最終的にはDNAを擁する第8プラントフレッシュ・リフォーを中心とした陣営とRNAを擁する第4プラントTSCドランメンを中心とした陣営に分裂した状態で事態は膠着することになる。そしてV.C.a4年[45]、この両陣営の間で大規模な限定戦争が企画、実行された。その大戦役「オラトリオ・タングラム」を描いたのが第2作「オラトリオ・タングラム」である。なお、勝利者へは時空因果律制御機構タングラムの所有権が与えられることになっているが当のタングラムは電脳虚数空間の中で行方不明となっている。この戦役の真相は「マーズ」のゲーム中、プラモデル商品の説明書、一部の書籍において明かされている。

フォース

オラトリオ・タングラム開幕より4年後のV.C.a8年[45]、火星圏と木星圏で発見されたV.クリスタル(各々マーズ・クリスタル、ジュピター・クリスタルと呼ばれる)が活性化し、木星圏ではジュピター・クリスタルから出現する戦闘結晶体アジムとゲランによる被害が深刻化していた。この対策として「打撃艦隊フォース」が木星に派遣されるが、木星資源を巡る権益を持つ諸勢力はこれを歓迎せず、フォースの妨害を仕掛けることすらあった。後に、「木星継承戦争」と呼ばれるこの戦争を描いたのが、第3作「フォース」である。なお、プレイヤーが所属する「打撃艦隊フォース」はジュピター・クリスタルからリバース・コンバートしてくる戦闘結晶体「アジム」と「ゲラン」を水際で撃破、実世界への侵入を阻止するというアンベルIVの目的のもとで結成されている。ゲーム前半の火星ステージは一般部隊による限定戦争興業であると同時にフォースへの選抜プログラムを兼ねているという設定[46]

マーズ

マーズのバックストーリー

舞台はV.C.a9年[47]の火星圏。木星継承戦争の開幕後、混乱を極める火星戦線は限定戦争としての管理ができなくなり、さらなる混乱への一途をたどり始めた。それらの混乱を意図的に引き起こし何らかの企てをする謎の組織「ダイモン」の存在が確認された。タングラム消失にまつわる一連の事件も全て、彼らダイモンが引き起こしたと言われるが真相は定かでない。フレッシュ・リフォー盟主の座を引退したリリン・プラジナーは、ダイモンを討伐すべく特務機関「MARZ」を設立した。MARZとダイモンの戦い、それに関わる様々な機関や人物との交錯を描いたのが、第4作「マーズ」である。

マーズのあらすじ

MARZ所属の隊員であるハッター軍曹が敵に捕われ、消息を絶ったという報告から物語は始まる。プレイヤーはハッター軍曹の捜索を命じられて火星圏におけるDNAの勢力圏に向かうが、そこでかつて「オペレーション・ムーンゲート」に出現した巨大要塞型の兵器ジグラットを操る未知の敵と遭遇する。ハッターを救出[注 30]したプレイヤーは陽動作戦を兼ね、敵の詳しい情報を得るため、ハッター軍曹と共に木星圏にあるRNAの支配域へと向かう。情報を得るために接触した薔薇の三姉妹の態度はMARZと敵対的であったが、彼女らからダイモン・フラグメントなる未知のアイテムに関する情報を得る。ダイモン・フラグメントは木星圏に所在するJクリスタル(ジュピター・クリスタル)に似た性質を持っていることが解析され、プレイヤーは詳しい情報を得るため、Jクリスタルから実体化したアジムとゲランと交戦する。しかしアジムとゲランが倒されるとJクリスタルはいずこかへと消滅し、プレイヤーは消滅の余波によって地球または月へと転送されてしまう。プレイヤーは、MARZの組織から援助を受けられない土地で孤立する。

月では、白虹騎士団の白騎士クリアリア・バイアステンと行動を共にし、Jクリスタル消滅の影響によってムーンゲート周辺で多発するシャドウ現象を追う。地球では「オラトリオ・タングラム」が継続中の禁制領域シバルバーでハッター軍曹と合流し、薔薇の三姉妹やMARZの上官に言われるままワイルド・クリスタルと呼ばれるアイテムの収集に当たるが、そのせいで恐るべきヤガランデの幻影やジグラットと交戦することになり、結果としてハッター軍曹は上官への不信感を募らせてMARZを離反してしまう。いずれにせよプレイヤーの遭遇した事件の背後にダイモンを名乗る存在があることが示された後、プレイヤーは月から地球へ、地球から月へと転送され、両方のルートを経由する。その間にも火星圏では、ダイモンが提供するオーバーテクノロジーを巡って企業国家同士の攻防が激化しており、MARZは苦境に立たされていく。ダイモンによって火星の極地へと秘匿されていたJクリスタルを奪取するため、プレイヤーは火星へと帰還し、通信回線をハッキングして挑発的な言説を浴びせてくるダイモンの罵倒を受けながらも、攻撃に晒されている拠点を防衛したり、ダイモンにハッキングされた大型ミサイル基地を破壊したり、報酬のために独断で精鋭部隊S.H.B.V.D.を巻き込んでダイモンに荷担したギル少尉の一味と敵対したりする。騒乱の中、MARZを離反していたハッターはS.H.B.V.D.所属時代のコネクションを使ってギル一味を退かせるが[注 31]、その一方で事態の攪乱こそがダイモンの思惑に対抗する術であると主張し、プレイヤーとも対決する。

プレイヤーはハッターを退け、Jクリスタルの元に辿り着いてこれを解放するが、ダイモンの狙いはその際に発生する時空の歪みにあり、これがダイモン側の大量破壊兵器である事象崩壊要塞の完成を間近なものにしてしまう。電脳虚数空間に潜んでいる要塞の位置を探し出すには、要塞のセンサーであるダイモン・フラグメントを7つ集めて逆探知を仕掛ける必要があり、プレイヤーはその任につく。新たに若い女性のオペレーターがプレイヤーの専属として配属され、彼女はミッションの合間に「オペレーション・ムーンゲート」や「オラトリオ・タングラム」の裏側で暗躍していたダイモンの正体について明かしていく。彼女の話によれば、ダイモンとは現人類誕生以前にムーンゲートを建造し、Vクリスタルを意のままに制御した古代文明の残留思念のようなものであるという。オペレーターの話題はやがて、かつてダイモンに養父を暗殺され、15歳から指導者として「オラトリオ・タングラム」の争乱を率い、後にMARZの創設者となった女性、リリン・プラジナーの話題へと及ぶ[注 32]。オペレーターは最後に、他ならぬ自分こそがリリン・プラジナーその人であることを明かし、MARZの真の創設理由がダイモンとの戦いに決着を付けることにあると語る。

プレイヤーはリリンに命じられ、ダイモンとの決戦の場である事象崩壊要塞内部へと送られる。要塞内部では、かつてリリンが設計したタングラムのAIが、ダイモンに乗っ取られて要塞と同化されかかっており、プレイヤーに助けを求める。プレイヤーは要塞内部に配置されたジグラットなどのダイモンの兵器群を蹴散らし、途中、かつて主人公に救出[注 30]された時の恩義を返しに来たハッター軍曹の助力[注 33]を得ながら要塞の中心部へと辿り着き、ダイモンに操られたタングラムと対決する。タングラムを拘束する6つのRSTユニットをプレイヤーが破壊するとエンディングとなるが、エンディングにおいてタングラムが語る内容は、それがプレイヤーが見た何周目のエンディングかによって異なる[注 34]。ダイモンから解放されたクリスタルは宇宙空間を飛び越え火星へと向かっていき、火星は青い星となる。

バーチャロイド

テンプレート:Main ゲーム中、プレイヤーが操作することになる巨大人型兵器。略称VR。正確には、戦闘バーチャロイドという。また、O.M.G.で活躍するVRを基準として第1世代、第2世代、第3世代がある。限定戦争で用いられるVRは商品兵器であり、扱いとしては機材に近い、あるいは機材そのものである。

第1世代VR
『O.M.G.』で活躍するVR群、および『オラトリオ・タングラム』『フォース』『マーズ』に登場している10/80系列のことを指す。
第2世代VR
『オラトリオ・タングラム』で活躍するVR群。V-アーマーと呼ばれる障壁を装備しており、第1世代VRに比べて圧倒的な性能を有する。地球圏での活動に特化しているため、マーズ・クリスタルの影響下にある火星圏では機能不全に陥る。地球圏でもV.クリスタルの影響による機能不全が発生した後は、第3世代VRへ主力の座を譲る(『フォース』でのテムジン707系列は第2世代VRに該当するが、前述の設定によりV-アーマーは動作していない)。
第3世代VR
『フォース』『マーズ』で活躍するVR群。V.クリスタルの影響による機能不全に対応したV.コンバータを搭載する。『フォース』では火星圏・木星圏で使用されていたが、『マーズ』では地球圏でもV.クリスタルを用いた実験の影響により、第2世代VRの機能不全が発生したため使用されるようになった。

バーチャロイドのメカニックデザインは全てカトキハジメが手がけている。デザインに当たっては、これらのメカニックに同じ技術基盤が用いられていることを示すために外見の共通化が図られており[49]、具体的には頭部には当時ジョイポリスで稼動していたセガのアトラクション『VR-1』用のヘッドマウントディスプレイ「メガ・バイザー」の意匠が[49]、背部に背負った装置V.コンバータにはセガサターン[49]ドリームキャストなどのセガ製の家庭用ゲーム機本体の意匠が使用されている。

登場人物

テンプレート:See 電脳戦機バーチャロンシリーズは、唯一ストーリーモードを導入している『マーズ』を除き、ゲーム中では登場人物が明確な形で物語に関わる場面は少ない。ただしゲームのバックストーリーや小説、漫画、ドラマCD作品などには多数の登場人物が登場し、中にはイッシー・ハッター軍曹やミミー・サルペンといった、複数の作品に登場する人物も設定されている。

用語

社会

テンプレート:Visible anchor 
企業によって国家運営が行われる電脳歴の時代ではイデオロギー、民族、宗教の違いによる旧来の戦争は根絶されていたが、代わりに企業国家間の利害調整が不調に終わった場合の最終手段として戦場や期間を限定した限定戦争が行われるようになっている。戦場では兵士たちによる生死をかけた戦いが繰り広げられる一方、その様子は一般市民にも中継されており、企業国家の営利活動の一環であることから娯楽としての面白味や見栄えが要求されるなどプロスポーツ競技さながらの様相を呈している。バーチャロイドはビジュアル的なインパクトが強く、大衆受けしやすいため限定戦争に最適の兵器であった。
ムーンゲート 
月面上に存在する人類以前の知的生命体を起源とする遺跡。この遺跡の最深部にムーン・クリスタルが存在する。その影響から、近傍の区域はシャドウ出現率が高い。
C.I.S. 
電脳虚数空間(Ciber Imaginary Space)の略称。V.クリスタルを入り口として存在する特異空間であり、さらに深奥に別の次元があると考えられている。アジムとゲランはこの空間から発生していると考えられている。
シバルバー 
地球の南米にあるアースクリスタル近傍のエリアで、ヤガランデの幻影が出没する危険性があることから立ち入りが禁止されている。オラトリオ・タングラムの裏ではヤガランデの実体化を阻止するために時折V.ポジティブの高いパイロットが生贄としてここへ連れて来られており、これが後に「ヤガランデの供儀」と呼ばれ問題となる。
レンタリア 
限定戦争の戦場として貸し出される場所、すなわちレンタル・エリア。人類が活動するあらゆる場所に存在する。
T.A.I.(テラ・アウストラリス・インコグニタ) 
オーストラリア大陸のこと。作品世界ではレンタリアとして大陸が丸ごと国際戦争公司の管理下に置かれている。

組織

DN(Dyna-tech & Nova)社 
地球圏最大の企業国家(O.M.G.以前)。月面上で古代文明の遺跡であるムーンゲートを発見し、この遺跡由来のオーバーテクノロジーを利用するため各プラントを設立した。O.M.G.後、その影響を受け崩壊する。
DNA 
最も代表的なVR運用組織。元々はDN社所属の軍事組織(Corporate Army)であり、初めてVRが配備された組織。DN社瓦解後、その資産を吸収し受け継いだフレッシュ・リフォーがVRを不良在庫とみなしたため、それを大量に保有するDNAは放逐され、独立法人(要は傭兵部隊)となる。RNAの出現により皮肉にもそのフレッシュ・リフォーによってテコ入れを受け、大きく息を吹き返す。その組織の大きさゆえに人員の質には大きなばらつきがあり、単騎で戦況を左右するスーパーエースから事なかれサラリー傭兵までピンきりである。主なスポンサーはフレッシュ・リフォー。
S.H.B.V.D. 
0プラントのずさんな開発計画[注 35]により僅か26機しか生産できなかった第1世代型ライデンを、高級ブランド化することで存在を正当化すべくDNA内に設立された「特殊重戦闘VR大隊(Special Heavy Battle Virtuaroid Division)」が母体の限定戦争代行業者。O.M.G.によるDN社ならびにDNAの混乱の果てに放逐、独立を余儀なくされる。エース級のパイロットが集められ、伝統的にライデンタイプのVRを使用する。彼らが所有する第2世代以降のライデンは一般部隊のものより高品質なものとなっているほか、規律の厳しさや意識の高さからエリート部隊として有名である。「マーズ」に登場するギルやレドンもS.H.B.V.D.の所属である。
RNA 
O.M.G.以降突如出現し、今やDNAと並ぶ代表的な、しかし未だ謎多きVR運営組織。それまで唯一のVR運用組織であったDNAの対抗勢力となり、戦争商品として問題視されていたVRの市場価値を爆発的に高める結果をもたらした。DNAに比べ組織規模としては小さいが、出現当初より非常に優れたVR運用システムを持っており、また所属員のモチベーションも総じて高いため戦闘能力は高い。主なスポンサーはTSCドランメン。
0プラント 
DN社により最初に設立され、当初はオーバーテクノロジーの研究を一手に手がけており、優秀な人材を抱え、莫大な研究費が費やされていたが、C.I.S.突入実験の失敗、第1世代型ライデンの開発失敗などの重大な損害を及ぼした末に、オリジナル フェイ-イェン逃亡事件がアンベルIVと最高幹部会の逆鱗に触れ、危険分子として解体され、所員全員が勤務期間の記憶抹消という厳罰に処された。オーバーテクノロジーの利用・研究は第1~第9の各プラントに引き継がれる。
ダンシングアンダー (1st PLANT DU-01 Dancing Under)
第1プラントとして設立され、O.M.G.後ムーンゲートの管理を行っていたが、V.クリスタル質の強奪を意図したマシュー艦隊(サッチェルマウス)に一時占領されてしまった経歴がある(V.クリスタル質はその際に大量に持ち去られている)。業務の重要性からTSCドランメンは自陣営に加わるよう熱烈に勧誘している模様。
トランスヴァール (2nd PLANT TV-02 Transvaal)
第2プラントとして設立され、第1世代型アファームドの開発を行う。O.M.G.後は第2世代型アファームドおよびドルドレイを開発し、秘密裏にRNAに提供した。火星戦線が激化した後は、RNAを介した国際戦争公司の依頼により第3世代型アファームドの開発を行う。トランスヴァールは堅実な設計で現場からの評判がよいアファームド系のようなVRが多いが、サイファー系のような奇抜で視聴者受けしやすいVRが多いサッチェルマウスとはVR開発方針の違いから犬猿の仲。
ムーニーバレー / アダックス (3rd PLANT MV-03 Moony-Valley/Adax)
第3プラントとして設立され、ドルカスを開発する。オラトリオ・タングラムでのVOK系列の成功により地球圏最大のVR生産プラントとなった。V.C.a6年、火星に新たなプラントを設立し、自らの名称をアダックスへと改名する。限定戦争に最も熱心なプラントであり、開発・生産・販売・新規市場の開拓などを積極的に行っている。しかし、10/80のライセンス生産を強要される、第2世代型MBVの開発を実績の無いリファレンスポイントに奪われるなど陣営の宗主プラント「フレッシュリフォー」に数々の嫌がらせを受けている。火星戦線ではいち早く第3世代型VR「VOX系列」を投入し優位に立つ。また、第3世代型ライデン系列の開発も行ったが、これはデッドリーダッドリーの生産ラインを引き継ぐ形で第2世代型ライデンを生産した実績を買われての事である。
TSCドランメン (4th PLANT TSC-04 TSC Drammen)
第4プラントとして設立された。本拠地は南米にあり、支配区域にある禁制領域「シバルバー」内にはアース・クリスタルが存在する。アース・クリスタル質を産出できるため、非常に重要なプラントである。第2世代型VR「エンジェラン」を開発するも、同機のオリジナルVR『アイス・ドール』がフレッシュリフォーに略奪されて以降、RNAへの支援を積極的に行うようになり反フレッシュリフォー陣営の中心となる。なお、この事件は「エンジェランの略奪」と呼ばれており、オラトリオ・タングラムの切っ掛けとなった事件の一つである。
デッドリーダッドリー (5th PLANT DD-05 Deadley-Dudley)
第5プラントとして設立された。第1世代型ライデンの開発者が移籍しており、彼らにより第2世代型ライデンの開発が行われた。しかしDNAと優先供給契約を結んだ一方で、DNAへの販売が失敗した場合の保険としてRNAにも第2世代型ライデンを供給したことが問題となった。これに対する制裁として、レンタリアとして国際戦争公司に提供され、戦闘によって壊滅的な打撃を受け、閉鎖の憂き目に遭うこととなった。V.C.a8年時点では焦土となっているが、C.I.S.へ突入するための特異点が近くにあることから、オラトリオ・タングラムにおいて非常に重要な地点となっている。
サッチェルマウス (6th PLANT SM-06 Satchel Mouth)
第6プラントとして設立された。O.M.G.後、マシュー大佐率いるマシュー艦隊およびアイザーマン博士によるクーデターにより「略奪艦隊」として独立。独自に開発したVR「サイファー」を駆り猛威を振るうも、彼らの活動に業を煮やしたフレッシュリフォーの仕掛けた情報戦争によって孤立無援の状況に追い込まれた。だがサイファーの優先提供を条件にRNAに対して支援を依頼、それによって契約を取り付け消滅を免れた。後にRNAの依頼で第2世代型スペシネフを開発し、これをRNAに優先提供している。火星戦線に進出後はマイザー系列、第3世代型スペシネフ系列、影清系列の開発を手がけている。
リファレンスポイント (7th PLANT RP-07 Reference Point) 
第7プラントとして設立されるが設立にはフレッシュリフォーが大きく関わっており、同プラントの直轄プラントである。フレッシュリフォーより第2世代型MBVの開発を請け負うが、それは便宜を図った結果である。本来は宇宙港として地球圏における交易の要としての役割を担っていたため、VR開発能力は無いに等しい。開発は難航するも請け負わせたフレッシュリフォーからの技術供与や開発に携わった技師らの努力によってなんとか完成まで漕ぎ着く。「第2世代型テムジン」と名付けられたそれは初陣となる「クレプスキュールの会戦」で歴史的大勝利を収める。
フレッシュリフォー (8th PLANT FR-08 Fresh Refoe) 
第8プラントとして南極に設立された。DN社崩壊後、当時の盟主『トリストラム・リフォー』の手腕によって他のプラントを含むDN社傘下の各企業を統括してみせ、地球圏最大の企業国家として君臨する。O.M.G.以後のRNA出現当初、特に盟主として「リリン・プラジナー」が担ぎ上げられた当初はバーチャロイドの開発・販売に冷淡であったが、RNAを実質的な脅威として認知して以降は態度を一変しバーチャロイドの開発を全面的に解禁する。自社所有の海中プラントにて第2世代型バルシリーズを開発するばかりかムーニーバレーにVOK系列を、リファレンスポイントには第2世代型テムジンの開発を発注している。火星戦線では第2世代型テムジンの性能を過信し遅れを取ったものの、第3世代型のバル系列及びテムジン系列の開発により巻き返しを図る。
第9プラント (9th PLANT final reactor TANGRAM) 
フレッシュリフォー直轄のプラントであり、後に同プラントの盟主となる「リリン・プラジナー」を開発主任としてタングラムの開発を目的として設立された。だがその業務内容は外部には極秘とされ、オラトリオ・タングラム開闢前のアンベルIVとの公式会見で初めてその存在が明らかにされた。
白虹騎士団 (ホワイトナイツ)
リリン・プラジナーを総帥としてシャドウを殲滅するために設立された専門組織「白檀艦隊(ホワイトフリート)」のVR部隊の名称。「びゃっこうきしだん」と読む。また、所属するVRパイロットは「白虹の騎士(ホワイトナイト)」と呼ばれる。極めて高い戦闘能力を持つシャドウを殲滅するため、莫大な資金と資材、選りすぐりの装備と人材が惜しみなく投入されている。主装備であるVRには一貫してテムジン系列が選ばれているが、限定戦争に用いられている同系列の商品兵器と違い高品質のV.コンバータが奢られており、性能には歴然とした差がある。
ダイモン 
太古にV.クリスタルの制御方法を編み出し、ムーンゲートを建造した知性体の残留思念[50]。電脳虚数空間に潜み、デジタル情報網を掌握することによって人間社会に介入し、戦争を影から操っている。MARZ創設者リリン・プラジナーにとっては、養父トリストラム・リフォーを殺害した仇でもある。
MARZ 
混乱する火星戦線の治安維持を名目として設立された組織。創始者はリリン・プラジナー。しかし、秘められたMARZの真の設立理由とは、ダイモンによって秘匿されているタングラムを奪回し、それによってダイモンを討伐することである。MARZは設立当初、VOX系列の機体を主力として導入する予定であったが、アダックスが難色を示したために見送られ、現在はテムジン系列を改造・強化した機体を主力としている。
国際戦争公司 
限定戦争に関わるあらゆる業務を管理・運営する国際組織。主な業務は戦闘スケジュールの調整、戦場の提供、審判、兵士の訓練など限定戦争に関することなら多岐にわたる。
マージナル 
火星開拓のために入植したものの、開発中止された際にそのまま置き去りにされた人々の子孫。火星における権力者であり、限定戦争の火星戦線を開催するにあたり収益の30%が彼らの懐に入る。
インペリアル・ライン 
太陽系内の惑星間物流を担うロジスティックス業界の最大手。宇宙船を使った輸送を行っていたが、定位リバース・コンバートの実用化によってその地位が脅かされつつある。
フォース 
元々はアンベルIVが所有する私兵集団であったが、対アジム・ゲラン専門部隊に再編して木星圏へ派遣される。装備されるVRはMARZのものほどではないにせよ、一般部隊のものよりは強化されている。

テクノロジー

V.クリスタル 
「virtual-on crystal」。月面遺跡で発見された8面結晶構造体。バーチャロン現象をはじめとする不可思議な特性をもち、またC.I.S.(電脳虚数空間)の発見にも繋がった。真の能力は「事象の転送」。
その後、太陽系各地に同様のものが存在することが判明した。現在確認されているのは地球(アース・クリスタル)、(ムーン・クリスタル)、火星(マーズ・クリスタル)、木星の衛星(ジュピター・クリスタル)である。
バーチャロン現象 
「virtual-on」現象。後にV.クリスタルと呼ばれる結晶体によって引き起こされる精神干渉現象のこと。適性(耐性)のないものはその過程で精神が拡散し、精神異常を起こし最悪廃人となる。戦闘バーチャロイドの操作には実はこれが利用されており、それゆえに極めて高いレスポンスを発揮している。
V.ポジティブ 
「virtual-on positive」(バーチャロン適性)。バーチャロン現象に巻き込まれても自我を保ち無事でいられるかの適性度を相対的評価した値。バーチャロイドパイロットの場合、この適性値が高いほどメイン・ユニットであるV.コンバータの活性率を上げて運用でき、バーチャロイドを高い性能で操縦できるということになる。
V.クリスタル質 
V.クリスタルが発見された遺跡付近で確認されるV.クリスタルとほぼ同じ性質を持つ物質。ムーンゲートでは壁に塗布されており、自然剥離したものが底部に大量に堆積していた(壁に塗布されているものは人の手で剥がすことは現状不可能)。TSCドランメン内の遺跡でも堆積、採取可能であることも確認されている(これをアース・クリスタル質ともいう)。これらを粉砕、巨大ディスクに均一に塗布したものがV.ディスクであり、つまりV.コンバータの核となる材料である。
V.コンバータ 
月面遺跡で発見されたV.クリスタルの機能を模して作られた装置。内部には粉砕したV.クリスタル質を均一に塗布したV.ディスクが内装されている。本来は、BBBユニットの補助装置として開発されたが、後に偶然にもリバース・コンバート現象が発見され、戦闘バーチャロイド開発へと繋がってゆく。
リバース・コンバート 
バーチャロイドの本体はコクピットとV.コンバータからなる「C.I.S.突入艇」であり、あらかじめ記録されている機体の設計データを基にV.コンバータによってバーチャロイドとして具現化される。この具現化現象をリバース・コンバートといい、その様子はドリームキャスト版オラトリオ・タングラムのオープニングムービーで見ることができる。また、任意の場所にある物体を、別の任意の場所にリバース・コンバートさせることを定位リバース・コンバートと呼んでいる。
M.S.B.S. 
「Mind Shift-Battle System」の略称であり、戦闘バーチャロイドの戦闘用OS。元々XMUプロジェクトと呼ばれる人型戦闘兵器開発計画において、人の精神と機械(兵器)の制御系を直結させて制御するためのオペレーション用ソフトウェアとして作られた。人の精神に戦闘時の興奮状態を強要させる機能があり、長時間の利用は人の精神にかなりの負担になる。またリバース・コンバートに必要なマインドフォーマット用ソフトウェアでもあるが、元々が人型兵器の制御に特化したものであることから人類がリバース・コンバートで作り出せる建造物は戦闘バーチャロイドにほぼ限定される。なお開発元はS.E.(Sentinel Electronics)社、供給元はG.A.(General Aerodyne)社(合わせてSEGA)である。詳細はバーチャロイドの一覧#M.S.B.S.を参照。
V-アーマー 
第2世代型VRのみが持つ特殊装甲。光学系・ビーム系の射撃武器を無効化あるいは威力を減衰できる。実弾系の攻撃を受けるとV-アーマーが削れてしまい効果が薄くなる。V-アーマーが厚いものは装甲も厚い傾向があるが、一概にそうではない。マーズ・クリスタルの影響下では機能が阻害されるため展開することができない。
シャドウ 
パイロットが精神崩壊を引き起こし制御不能になったVRあるいはその原因となるもののこと。V.コンバータが持つ精神干渉機能がVRパイロットの無意識下の混沌と結びつくと、VRの暴走が起きシャドウ化する。通常はVRにはシャドウ化を防止するためのリミッターがかかっているが、性能を上げるためにカットして惨事に至る例が後を絶たない。この状態になったVRは黒味がかった色に変色し、機体およびそのパイロットを回収する事は不可能となる。シャドウ化したVRは無差別に破壊を繰り返すうえM.S.B.S.の特性に由来して機体性能が極めて高くなるため、この上なく危険である。その戦闘力の高さは、「シャドウ汚染率」という数値から推測が可能。V.クリスタルの干渉作用によってもシャドウが発生し、オラトリオ・タングラム以降、月で消息不明になったVRの数多くがシャドウと化しており、それゆえムーンゲート近傍はシャドウ発生率が図抜けて高い地域として、白虹騎士団によって封鎖されている。

関連商品

ツインスティック

二本のジョイスティックを左右に配した専用ゲームコントローラ。バーチャロンシリーズ独自の形状ではなく、類似のインターフェイスはバーチャロン以前にも他社のアーケードゲームなどに用いられており[51]、後発のゲームでも採用しているものがある[52]。バーチャロンシリーズの場合、人差し指で引くトリガーで右手および左手の武器を、親指で押す上部のボタンにダッシュ(ターボ)の操作が割り当てられており(詳細は「#操作方法」を参照)、各スティックは8方向へのデジタル入力となっている。

本作の関連商品として家庭用のツインスティック・コントローラが発売されており、セガサターン用、ドリームキャスト用、Microsoft Windows用、Xbox 360用のものが発売されている。

セガサターン用ツインスティック
セガサターン版『O.M.G』に対応し、同作の発売日[7]でもある1996年11月29日に同時発売された[53]。バーチャロン専用のコントローラーとして発売されたものだが、後にバンダイから発売された『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』の第2作以降にも対応している[53]
Windows用ツインスティック
Windows版『O.M.G.』に対応している。スタートボタンがないこととゲームポート接続になっていることを除いてサターン用とほぼ同じ構造になっている。
ドリームキャスト用ツインスティック(ツインスティックDC)
ドリームキャスト版『オラトリオ・タングラム』に対応し、テンプレート:要出典範囲に発売された。他のドリームキャスト専用コントローラー同様、ビジュアルメモリのスロットを備えている[54]
Xbox 360用ツインスティック(ツインスティックEX)
Xbox 360版『オラトリオ・タングラム』『フォース』『O.M.G.』に対応する。『オラトリオ・タングラム』のダウンロード発売当初は用意されていなかったが、ファンの強い要望を受け、ダウンロード専用ゲームとしては例外的ながら予約限定生産という形で、2009年11月29日[55]HORIから発売された。また、『フォース』『O.M.G.』の販売に伴い、予約販売による再発売も行われる。
PlayStation 3用ツインスティック(ツインスティック3)
PlayStation 3版『O.M.G.』に対応する。2012年11月15日から11月19日にかけて予約受付が行われる[56]

専用ツインスティックが発売されなかったPlayStation 2版『O.M.G.』『マーズ』や、発売が遅れたXbox 360版『オラトリオ・タングラム』では、個人でセガサターン(SS)用ツインスティックを改造したものを変換器で接続したプレイヤーもいる[57]

書籍

バーチャロンシリーズはゲーム本編では語られない設定が多々あり、それらを補完する解説書やサイドストーリーも幾つか発表されている。

CYBER TROOPERS VIRTUAL-ON REFERENCE SCHEMATIC - 電脳戦機バーチャロン副読本
ソフトバンク刊、1997年10月発行。ISBN 4-7973-0359-X
第1世代バーチャロイドの開発経緯を中心に、ムーンゲートの発見からO.M.G.の顛末までを解説。その中で、ムーンゲートの自動防衛機構に乗っ取られたVRを排除するために派遣された、ライデンを擁する特殊重戦闘VR大隊(後のS.H.B.V.D.)の活躍が描かれる。
電脳戦機バーチャロンオラトリオ・タングラム「真実の璧」
ソフトバンク刊、2000年12月発行。ISBN 4-7973-1490-7
第2世代バーチャロイドの開発秘話やボスキャラクターの解説を、各プラントで繰り広げられた内部抗争や、指導者たちの対立の模様を交えて描く。『週刊ドリームキャストマガジン』1999年第5号から2000年第4号にかけて連載された作品に書き下ろしエピソードを加えて書籍化したもの。
電脳戦機バーチャロン オフィシャルストーリー エピソード#2.42 One-Man Rescue
著者 - 亙重郎、『月刊ホビージャパン』1999年9月号から2000年5月号まで連載。
連載形式の小説作品で、単行本化はされていない。タイトルは『O.M.R.』『OMR』とも略される[58]
V.C.a2年にオーストラリア大陸跡地で繰り広げられたサンド・サイズ戦役を描く。上官の戦死によりS.H.B.V.D.を指揮する立場となったミミー・サルペン准尉は、第2世代の新型アファームドを擁するRNAの軍勢に対し、旧式機となりつつあった第1世代のライデン、10/80、ベルグドルの部隊を率いて分の悪い戦いを繰り広げる。後に『オラトリオ・タングラム Ver.5.66』のゲーム本編に登場することになるアファームド・ザ・コマンダーや10/80など、本作が初出となるオリジナルのバリエーション機体が多数登場し、物語の結末部分では第2世代型ライデン(試型雷電)の初陣が描かれた。また連載と並行する形で、ウェーブからプラモデルやガレージキットなどの関連商品が発売されている。
亙がTwitter上で語ったところによれば、連載されたのはダイジェストでしかなく、構想の上では数倍のボリュームがあるという[59]。そして、本来のプロットに基づいた形でリメイクすることをホビージャパン2012年9月号誌上で発表。数年をかけてコミックマーケット東京ゲームショウなどのイベントで同人誌として頒布する予定[60]
電脳戦機バーチャロン FRAGMENTARY PASSAGE
著者 - 亙重郎、『電撃ホビーマガジン』2000年11月号から2002年7月号まで連載。
連載形式のオムニバス小説作品で、単行本化はされていない。バーチャロンの世界で繰り広げられた様々な出来事を描く。本作オリジナルのバリエーション機体も多数登場した。
"VIRTUAL-ON" SCRAMBLING CONCERTO EPISODE #8
原作 - 亙重郎、作画 - 美夜川はじめ、『月刊コミックドラゴン』1997年2月号掲載
読みきりの漫画作品。モンゴル平原で、とあるバーチャロイドの捕獲任務に一兵卒として参加していた主人公「ダン」は、乗機であるテムジンのモニターから現れた謎の少女「フェイ・イェン」に導かれ、地下に隠されていた「0プラント」の廃墟へと足を踏み入れる。
電脳戦機バーチャロンキッズ
作 - 坂本かずみ、原案 - 亙重郎(セガ・AM3研)、『コミックボンボン』'96冬休み増刊号(1997年1月号増刊)掲載
読みきりの漫画作品。ゲームショップで主人公「ジン」と対戦して負けた不良が、謎の人物よりブラックディスクを譲り受け、再戦を要求してくる。不良のコントロールするアファームドのボディが黒く変じ、ゲームにはない動きでジンの操るテムジンを倒す。不良がブラックディスクに操られていることを見抜いたゲームショップの店長ワタリは、ジンにゴールドディスクを渡し、密かに開発したバーチャルシミュレーションマシンで不良と対戦させる。
バーチャルシミュレーションマシンは、「M.S.B.S. Ver.3.9」という設定になっており、多分に『プラモ狂四郎』を髣髴させるものとなっている。
朝礼暮改バーチャ論
作 - たもりはタル
解説コミック。

ドラマCD

  • ドラマCD「CYBER TROOPERS VIRTUAL-ON "CyberNet Rhapsody" Episode#14」 (東芝EMI
  • ドラマCD「CYBER TROOPERS VIRTUAL-ON "COUNTERPOINT 009A" Episode#16」 (東芝EMI)

プラモデル

組み立て説明書に記載される機体解説で新設定が公開されることが多い。また、1/144(ウェーブ)と1/100(ハセガワ、壽屋、ボークス)スケール。ただし、ウェーブの1/144シリーズ、壽屋の1/100シリーズは現在生産されていない。

ウェーブ
  • テムジン (Ver.1PとVer.2P)
  • ライデン(Ver.1PとVer.2P)
  • バイパーII (Ver.1PとVer.2P)
  • ライデン ブラックオニキス(ドラマCD "COUNTERPOINT 009A" に登場した黒輝大地(ブラックオニキス)の専用機)
  • ライデン ミミー・サルペン専用機
  • ライデン ダッシュ・プロンガー専用機
  • ライデン エルデン・リットー専用機
  • テムジン O.M.G.(One-Man Rescueの連載にあたってアップデートしたデザインを元に金型自体を新規に起こしており、上記のものとは別物)
  • テムジン ザ・シャドウ
  • 10/80
  • テムジン707(Ver.1PとVer.2P)
ハセガワ
  • テムジン 747J
  • テムジン 747J シャドウ
  • テムジン タイプa8 白虹騎士団
  • テムジン 747A/c
  • テムジン 747-FF ファイアフライ
  • テムジン 747A/c 雪の勲
  • テムジン 747J ラジカル・ザッパー
  • アファームド・ザ・ハッター
  • アファームドT タイプF
  • アファームドT タイプB
  • アファームドT タイプD/X
  • フェイ・イェンVH
  • フェイ・イェンBH&PH
  • フェイ・イェンCH 萌葱白糸折鶴蘭
  • フェイ・イェンBH+&PH+ フレッシュリフォー
  • フェイ・イェンVH+&CH ファイナル 14 スペシャル
  • フェイ・イェンBH+&PH+ ファイナル 14 スペシャル
  • フェイ・イェンVH PSO2モデル
  • ガラヤカ
  • ガラヤカ きゅいーん・ふろむ・すかい
  • ガラヤカ おしおき☆パピポン
  • マイザーデルタ
  • マイザーガンマ
  • マイザーデルタⅣtypeR/Ⅰ 薔薇三姉妹
  • マイザーイータ
  • 景清「火」
  • 景清「林」
  • 景清「風/凬」
壽屋
  • テムジン (Ver.1P)
  • ライデン (DNA SIDE)
  • スペシネフ (DNA SIDE)
  • ライデンII (RNA SIDE)
  • バイパーII (Ver.1P)
  • フェイ・イェン・ザ・ナイト (DNA SIDE)
  • テン・エイティ スペシャル
  • ベルグドル (Ver.1P)
ボークス
  • テムジン (DNA SIDE)
  • フェイ・イェン・ザ・ナイト (RNA SIDE)

攻略本

  • 『電脳戦機バーチャロン 電脳攻略マニュアル』(AC Ver.3.3) 新声社〈ゲーメストムック〉、1996年5月30日。雑誌 63381-32。
  • 『電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム』(AC ver.5.2) 新声社〈ゲーメストムック〉、1998年9月27日。ISBN 978-4-88199-530-3。
  • 『電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム オフィシャルガイド』(AC ver.5.2) ソフトバンクパブリッシング、1998年12月8日、1,575円、ISBN 978-4-7973-0704-7。
  • 『電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム パーフェクトプレイングマニュアル』 (ドリームキャスト) 勁文社、2000年2月10日、1,554円、ISBN 978-4-7669-3407-6。
  • 『電脳戦機バーチャロン フォース ハンドブック』 (AC ver.7.6) ソフトバンクパブリッシング 2002年3月10日、2,310円、ISBN 978-4-7973-1958-3。
  • 『電脳戦機バーチャロン フォース マスターズガイド』(Xbox 360 ver.7.7) ソフトバンククリエイティブ 2010年12月29日、2415円、ISBN 978-4-7973-6125-4。

話題

電脳戦機バーチャロンが登場する作品

クラインの壺
岡嶋二人の同名小説を原作とする1996年のテレビドラマ。ドラマ版の主人公は、本作のゲーム大会で優勝した経験があるという設定で、第1話に大会シーンが登場する。
絶望系 閉じられた世界
2005年に出版された谷川流のライトノベル。主要登場人物の一人「悪魔」は、作中の全編に渡って黙々とドリームキャスト版『オラトリオ・タングラム』[注 36]のシングルプレイに没頭し、撃破されてはコンティニューを繰り返しつつ、他の登場人物にツインスティックの中古品を買いに行かせるなどする。ゲームの持ち主である建御は不平を言いつつ「悪魔」の欲求に甲斐甲斐しく付き合うが、物語の終盤になると「悪魔」は自らの使命を果たすため、ラストボスであるタングラムとの戦いを勝利寸前で放棄して建御の部屋を立ち去ってしまう[61]
涼宮ハルヒシリーズ』などの作品で知られる著者は、セガサターン版の発売当時はラストボスの攻略が楽なバル・バス・バウを持ちキャラにしていたといい[62]、同作中ではバル・バス・バウの後継機であるバルバドスが「悪魔」の持ちキャラとして登場する。
スーパーロボット大戦シリーズ
第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
2005年に発売されたPlayStation 2用シミュレーションRPG。 『オラトリオ・タングラム』/『マーズ』の主なバーチャロイドがゲスト的に数機種登場(ストーリー面での絡みは無い)。グラフィックはゲームデザインに合わせて2DSD化されたが、戦闘アニメーションではバーティカルターンやジャンプキャンセルなど細かい動作も忠実に再現されている。
スーパーロボット大戦K
2009年に発売されたニンテンドーDS用シミュレーションRPG。『マーズ』が登場し、ストーリーにも絡むようになった。
スパロボ学園
2009年に発売されたニンテンドーDS用ゲームソフト。『マーズ』が登場。ただしゲーム内に登場する戦闘シミュレーター「スパロボバトル」に限り登場。
スーパーロボット大戦UX
2013年に発売されたニンテンドー3DS用シミュレーションRPG。初音ミクとのコラボキャラクターの『フェイ・イェンHD』のみが登場し、それ以外のバーチャロイドは登場しない。
〈古典部〉シリーズ
2001年からシリーズ化されている米澤穂信の推理小説シリーズ。2007年に出版された第4巻『遠まわりする雛』収録の短編「手作りチョコレート事件」および、同シリーズを原作とする2012年のテレビアニメ『氷菓』の第21話に、主要登場人物である折木奉太郎と福部里志がゲームセンターで対戦し、語り手である奉太郎が相手のプレイスタイルの変化から推理の着想を得る場面がある[63][64]。原作では数ページにわたってゲームの内容が詳細に描写され、具体的な固有名詞こそ出ないものの『オラトリオ・タングラム』を想起させる描写となっているのに対し[64][注 37]、アニメ版では『OMG』が実名で登場し、筐体やゲーム本編の映像が登場している。原作小説では、奉太郎が「両肩のレーザーや右手の滑腔砲で戦う大艦巨砲主義の機体」、里志は「右手に機関砲を内蔵しボディからはビーム砲が突き出した、空中戦を得意とする細身の機体」を使用している。アニメ版ではそれぞれライデン、バイパーIIを使用する描写になっている。
同エピソードがアニメ化された際には、劇中で使用された機体を痛車風にアレンジしたコラボレーションイラストが『月刊ニュータイプ』2012年11月号に掲載された[64]
ヴォイス〜命なき者の声〜
2009年のテレビドラマ。第5話において、主要登場人物である桐畑哲平の私物の一つとして、壽屋のライデン(DNA SIDE)1/100スケールプラスチックキットが登場している。
阪急電車 片道15分の奇跡
有川浩の小説『阪急電車』を原作とする2011年の映画。劇中序盤にて、登場人物である森岡ミサの交際相手であるカツヤがプレイしているゲームとしてXBLA版『電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム Ver.5.66』の映像が登場。カツヤは話しかけてくるミサを無視してゲームを続けるが、ステージ2(mission-02 / WATER FRONT)で何度も撃破されてはコンティニューを続けているうちに苛立ち、ミサに対して暴力を振るう。カツヤの使用キャラクターおよび敵キャラクターは10/80SP。
それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ
1993年から2013年にかけて刊行された、庄司卓のライトノベル。主人公である山本洋子はゲームマニアであり、作中でプレイする様々なゲームの一つとしてO.M.G.が登場。

著名なファン

  • 久米田康治 - 漫画家。ブロードバンドインターネット接続による常時接続環境が一般に普及していなかった時代、ドリームキャスト版オラトリオ・タングラムのオンライン対戦にのめり込み、電話代が高騰したというエピソードが知られている[65]
  • 豊崎愛生 - 声優。本シリーズの熱烈的なファンであり、1台3万円するツインスティックEXを2台持つ強者として知られる。2010年12月時点での持ちキャラはライデンだが、本当はエンジェランを使いたいらしい[66]。Xbox 360版フォースの発売の際には公式サイトにスペシャルメッセージが掲載された[67]。その関係で発売後セガから製品版が贈られ、ブログにて喜びを表している[68]
  • 和月伸宏 - 漫画家。『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』や『武装錬金』には、本作に使用されるBGMの曲名を冠したサブタイトルのエピソードが登場する。テンプレート:要出典

関連項目

外部リンク

脚注

注釈

テンプレート:Reflist

出典

テンプレート:Reflist

参考文献

  • テンプレート:Harvnb
  • 2.0 2.1 テンプレート:Harvnb
  • テンプレート:Harvnb
  • 4.0 4.1 テンプレート:Cite web
  • 5.0 5.1 テンプレート:Harvnb
  • テンプレート:Cite journal
  • 7.0 7.1 テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • 12.0 12.1 テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • 14.0 14.1 テンプレート:Harvnb
  • テンプレート:Harvnb
  • 16.0 16.1 テンプレート:Cite journal
  • 17.0 17.1 テンプレート:Cite press release
  • 18.0 18.1 テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite journal
    テンプレート:Cite journal
  • テンプレート:Cite press release
  • テンプレート:Cite interview
  • テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • 24.0 24.1 テンプレート:Cite web
  • 25.0 25.1 テンプレート:Cite web
  • 26.0 26.1 テンプレート:Cite press release
  • テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • 31.0 31.1 テンプレート:Cite press release
  • 32.0 32.1 テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • 34.0 34.1 テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite interview
  • テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • 39.0 39.1 テンプレート:Harvnb
  • テンプレート:Harvnb
  • テンプレート:Harvnb
  • テンプレート:Cite journal
  • テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • 45.0 45.1 45.2 テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Citation
  • MISSION 1-5クリア後のナレーション
  • テンプレート:Cite web
  • 49.0 49.1 49.2 テンプレート:Harvnb
  • 家庭用『フォース』付属冊子「クロニクル15」による追加設定では元々はムーンゲート自動防衛機構のプログラムであったが、O.M.G.の原因のひとつでもあるタングラム発動によって半ば破壊され、自己修復する過程で変質していったとされた。
  • ナムコのアーケードゲーム『アサルト』『サイバースレッド』『サイバーコマンド』など。
  • タイトーのアーケードゲーム『ゾイドインフィニティ』など。
  • 53.0 53.1 テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite journal
  • http://twitter.com/#!/vow_2010/status/25378130230
  • テンプレート:Cite web
  • 61.0 61.1 61.2 61.3 61.4 61.5 61.6 61.7 61.8 61.9 テンプレート:Cite book
  • テンプレート:Cite journal
  • 63.0 63.1 テンプレート:Cite book
  • 64.0 64.1 64.2 テンプレート:Cite web
  • かってに改蔵』第7巻巻末で、壊れたツインスティックと共に請求書の写真を公開
  • テンプレート:Cite journal
  • テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web

  • 引用エラー: 「注」という名前のグループの <ref> タグがありますが、対応する <references group="注"/> タグが見つからない、または閉じる </ref> タグがありません