アニラジ

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テンプレート:複数の問題 テンプレート:ウィキポータルリンク アニラジは、アニメコンピュータゲーム(およびゲームソフト)・漫画ライトノベルなどの関連のラジオ番組のこと。また、主にアニメで活躍する声優がパーソナリティを務めるラジオ番組のこと。「アニラジオ」を略した俗称で、多くは深夜放送として放送される。本項では正式名称ではないが、一般的な俗称の「アニラジ」で記述する。

歴史

1980年代まで 黎明期

そもそも1960年代から声優がパーソナリティを務めるラジオ番組は存在したが、第一次声優ブームでの人気から深夜番組に起用された例を含め、アニメなどが前面に出された番組は作られなかった。

(代表的な例として第一次声優ブームの中心で活躍した野沢那智白石冬美のコンビ、ナチチャコなどで知られるJRN系のパックインミュージックなど)

初めてラジオにてアニメで活躍する声優にスポットライトが当てられたのは1978年NHKラジオ『ラジオSFコーナー』の特番として放送されたものとされる。この特番はNHK総合テレビテンプレート:要出典範囲平日のある1週間22:15 - 23:00に日替わり5人の声優が一人語りしたもので、半年後にも別の5人で放送されている。

その後、第二次アニメブームに合わせ1979年10月から始まったラジオ大阪アニメトピア』を皮切りに、文化放送アニメNOW!』、東海ラジオ週刊ラジオアニメック』など、1980年代前半頃に東名阪を中心にアニメなどの情報を総合的に扱う番組が放送された。そのうち、『アニメトピア』はアニメから脱線した内容が好評となりブーム末期まで続いたのと、東海ラジオの当時ラジオたんぱにて学生DJとして人気を博した小森まなみと、『週刊ラジオアニメック』にてレポーターを務めたミンキー・ヤスによる、現在のアニラジの奔りと言える『mamiのRADIかるコミュニケーション』が25年という長寿番組になった他は短命に終わる。これらの番組を指す一般的な呼称も生まれなかった。

アニラジが安定して放送されるようになったのは第二次アニメブームが沈着した1980年代中頃。地方局を中心にローカル番組でアニメを扱う番組が放送され、そこから現在のアニラジが確立していく。この時期に開始した代表的な番組として、南日本放送采野吉洋アナウンサーによる『アニメでGo!Go!』・エフエム山口水谷寛アナウンサーによる『ウキウキ放送局』、ラジオ関西岩崎和夫アナウンサーによる『アニメ玉手箱』・文化放送、「アニメチックアナウンサー」長谷川のび太こと長谷川太タッチ等で人気を博していた日高のり子の『ノン子とのび太のアニメスクランブル』など。これらはアニメを趣味とする局所属の男性アナウンサーがパーソナリティを担当していることが共通している。

1990年代 第3次声優ブーム

1990年代に入ると第3次声優ブームが始まり、林原めぐみ國府田マリ子椎名へきるらを初めとするアイドル声優がパーソナリティを務める番組が増える。それらは従来からアニラジを放送していた局に加え、冨永みーな日高のり子によるKBS京都ラジオはいぱぁナイト』、椎名へきるによるJFN系G1 Grouper』をはじめとする一連の番組、多くの声優が起用されたMBSラジオオレたちやってま〜すシリーズ』など、これまでアニラジに積極的でなかった局でも放送された事が特徴である。また、番組名に当時展開されたアニメ・漫画名を冠した、トーク15分+ラジオドラマ15分という構成の番組も多く放送され、テンプレート:要追加記述範囲を占めた。こちらは企画側としては放送後のドラマCDの販売による収益も見込まれる。

1990年代中頃には第三次アニメブームがピークを迎え、アニラジ番組も乱立と言えるほど放送。局によっては平日の帯、全てにアニラジが編成されたりなど地上波のアニラジも全盛期を迎えたと言える。

特に文化放送A&Gゾーンにではディレクターおたっきぃ佐々木がメインパーソナリティを務める2時間生放送の『超機動放送アニゲマスター』とアニソンランキング番組『SOMETHING DREAMS マルチメディアカウントダウン』といったワイド番組をはじめに金曜日から日曜日の週末にそれぞれ6時間、それに加え平日にアニラジが放送されていたこと、ニッポン放送の最大3時間半という長時間生放送の『岩男潤子と荘口彰久のスーパーアニメガヒットTOP10』、ラジオ大阪1314 V-STATIONにて1995年から聴取率調査週間(6月と12月)に放送された『Vステ夏(冬)の陣』などが全盛期を物語る事例として挙げることが出来る。

このブームにより1995年に創刊された声優総合雑誌『声優グランプリ』の姉妹誌、『アニラジグランプリ』によってアニラジの呼称は定着したとされる[1]

2000年代以降 地上波ラジオから他メディアへ

2000年代からは、インターネット上など他のメディアでアニラジ番組が放送されることが多くなる。

特徴的な展開をした文化放送について記すと、1999年から配信が開始されたインターネット配信BBQRから始まる。

内容は地上波番組のネット版やネット独自の番組のオンデマンド配信が主な物であり、今では多く見られる物だったが、 2000年から放送が開始されたBSデジタル音声放送BSQR489では夜20時以降の放送枠全てをアニラジに充て、地上波とのサイマル生放送や局独自の生放送番組が放送されるなどさながらアニラジ専門放送局となった。BSQR489はBSデジタル音声放送という聴取の難しい環境に加え、国の方針でBSデジタル放送はテレビ放送を中心に普及を図っていくことが決まり2006年に放送終了するが、アニラジ専門放送局の流れはデジタルラジオ推進協会により2003年から放送されていたUNIQue the RADIO内のアニラジ番組を独立させるといった形で開設された超!A&G+が後を継ぐ。

こちらは毎日20時間程度の放送時間全てをアニラジ番組に充てるという完全なアニラジ専門放送局で、デジタルラジオの試験放送が終了した現在も引き続きウェブ上でストリーミング放送をしているという特徴的な物となっている。

一方『ツインビーPARADISE』など90年代のアニラジ人気の中核を担う多くの番組を提供したコナミが開設したdb-FMやレコード会社によるランティスウェブラジオといったメーカーによるもの、アニメイトTVといったアニメ系グッズショップによるもの、加えて元はフリーランスのディレクターであるやまけんが設立した音泉など多くのアニラジオンデマンド専門インターネットラジオ放送局が開かれた。それらは無料配信が基本のスタイルであるが、先述の『オレたちやってまーす』の流れを汲む『おしゃべりやってまーす』を放送するK'z Stationなど有料ベースのインターネットラジオ放送局も登場している。

更に近年は、超A&G+による簡易動画配信やニコニコ生放送での声優が出演する動画付き番組など映像も提供されるコンテンツ、文化放送によるAG-ONTBSラジオによるらじこんによる有料配信、地上アナログテレビ放送が停波した後のVHF Hiバンドの空き領域を利用して行われる携帯電話(スマートフォン)向け放送であるNOTTV内での放送など新たな番組配信の形態が模索されている。 (これらは一般にアニラジと呼ばれることは少ないが、声優が活躍する番組形態の変化として記した。)

これに伴い2000年代にはインターネットラジオでのアニラジ番組数が増加を続けているのに対して、地上波での放送は主にWEB配信に切り替わる形で減少傾向にあり、2009年の秋季改編にて『mamiのRADIかるコミュニケーション』などの終了、2010年秋には『ノン子とのび太のアニメスクランブル』がネット放送のみに切り替えられるなど地上波長寿番組の終了が相次ぎ数を減らした。この傾向は関東圏に顕著に見られ、超A&G+を持つ文化放送にて地上波で放送される、特に30分枠の番組はほぼ全て強力なスポンサーを抱えている。

一方第二次声優ブームの時期の神谷明(金曜二部)以来、全国22局にネットされている『オールナイトニッポン』(旧二部)にスフィアが月一回とはいえレギュラーを務めている(『スフィアのオールナイトニッポンR』)ことは2000年代に入って以降も続くアイドル声優の人気を表していると言える。

他にも特殊な例として有線放送にアニラジ専門のチャンネルが存在し、業界最大手のUSENがC/G26チャンネルで配信している[2]

番組形態

放送局

AM放送は電波特性上、夜間には放送エリア外での受信が可能なことから徐々にエリア外をも含めた内容構成になることもあり、番組があらゆる意味で広がりをみせる。インターネットラジオでは性質上特にそれが顕著である。

東京関西東海の主要放送局は何らかの形でアニラジ番組を放送している。特に文化放送・ラジオ大阪・ラジオ関西東海ラジオが長年アニラジに力を入れている放送局として挙げられる。関西のみ放送のアニラジも多数存在するが、アニメ業界は東京一極集中が激しいために収録は専ら東京都内のスタジオであることが多い。(例えば兵庫県に本社を構えるラジオ関西のアニラジの中で、本社にて製作されるのは(当時)局のアナウンサーがパーソナリティを務める『青春ラジメニア』とナイターオフに制作される番組のみである)文化放送・ラジオ大阪・ラジオ関西は各アニメ番組をブロック編成またはブランド化を行っている。ただし、ラテ欄ではゾーン名が出されることはない。

TBSラジオは「954 V-STATION」を設けるなどかつて熱心だった時期もあったが、現在は『林原めぐみのTokyo Boogie Night』のみ。ニッポン放送もかつては土曜夜に大型アニラジ番組を放送していた時期があるものの、現在は声優が毎週ゲスト出演するオタクで知られる吉田尚記アナウンサーによる『ミュ〜コミ+』を放送しているが純粋なアニラジ番組ではない。そして、かつてCBCラジオ・ラジオ日本はアニラジが無かった時期があり、特にラジオ日本は「社会の木鐸」により全廃した、という過去がある。CBCラジオは唯一のアニラジ番組であった『夏子と千和のツンピリラヂヲ』のネットを終了したため2011年秋からアニラジの放送が再び消滅していたが、2013年1月現在は『スフィアのオールナイトニッポンR』をネットしているため一応は解消している。

大都市圏での放送が活発になる一方で、それ以外の主要都市圏ではアニラジの放送本数が決して多いとは言えないのが現状である。地方の番組は主にキングレコード第三クリエイティブ本部、同スターチャイルドレーベル提供、以前は綜合放送など製作の番販、ナイターオフ向け番組(『ラジオアミューズメントパーク』・『A&G 超RADIO SHOW〜アニスパ!〜』21時台)、アナウンサー等による30分の自社製作番組が主であり、1時間を越える番組や生放送等ワイド番組といえる物はSTVラジオ川田まみのアタックヤング』やNRN系スフィアのオールナイトニッポンR』などあるが稀な存在である。

これは地方局での放送枠に空きが無いこと(地域当たりのラジオ放送局が少なく、JRN系及びNRN系列のクロスネットであるため)や、それと同じ事情、スポンサーの都合などから地上波によるアニメの放送自体が少ないため、大都市圏に比べ「アニメ」「声優」があまり根付いていないことが考えられる。これはUHFアニメなどの深夜アニメでも同様のケースがある。 そのため、出力が大きく夜間の電波の飛びがよいAMラジオ局で放送される番組を雑音や混信と格闘しながら聴取する地方在住リスナーも少なくない。また、そういったリスナー向けのコーナー等も存在する。(『林原めぐみのHeartful Station』など)

東名阪地区以外でアニラジを比較的多く放送しているAM局
全く放送していないAM局(2014年5月現在)

AM以外の地上はラジオについて、ラジオたんぱ(現・ラジオNIKKEI)では2000年12月頃からBSデジタル放送「BSラジオNIKKEI」放送開始に伴い、『デジタルボイスステーション』(DVS)という名称を使用していたなどかつてはアニラジ放送に積極的であったが、2006年3月にBSラジオNIKKEIが放送終了したためこの名称は廃止された。

FMではTOKYO FMNACK5FM-FUJIなどが放送している。JFNでも放送していたが現在は放送していない。JFLMegaNetおよび一部の独立FM放送局(α-Stationなど)も放送していない。FM放送が音楽中心の番組構成であり、アニメなどを扱う番組には積極的になれなかったことが要因とみられている。

インターネット配信

テンプレート:いつ範囲インターネットラジオとして配信されている番組も急激に増え、スポンサーの一部はインターネット配信に軸足を移し始めている。

制作側にとっては、放送枠買取の多額の資金を提供できるスポンサーの獲得や聴取に有利な放送時間枠の獲得にとらわれず、番組制作費とサーバー管理費だけの低コストで番組配信が出来て、聴取者からの課金による有料放送で番組制作費の捻出をすることも可能である。全世界に向けて、決められた放送の『尺』にとらわれない融通の利く収録・配信が出来て、厳密な数の聴取者数が分かる他、使用OSIPアドレス・接続時間帯などから推定できる情報により聴取層を把握、マーケティングリサーチすることで番組制作に生かせることなどのメリットがある。また、音声に加えて映像も同じ枠組みで配信可能なため、地上波アナログラジオでは不可能な映像や静止画を付加して配信している例も少なくない。

聴取者にとっては、決められた放送時間にとらわれず、居住地に関係なく、自分の生活リズムで番組が聴取出来る。ラジオと違って雑音のないクリアな音質で楽しめる。ポッドキャスティングなどでは音声データの携帯音楽プレイヤーへの取り込みなどが地上波ラジオ番組を録音した場合に比べて容易になる。

インターネットラジオの聴取にはパソコン・一部の携帯電話及びネット環境が必要であり、地上波ラジオ番組に比べて、聴取の気軽さや一般リスナー向けの宣伝効果では劣る。また、アクセスが集中した場合はサーバーや回線が混雑して聴取が困難となる。サイトによっては人気番組の更新後の混雑が慢性化しているところもある。

インターネットラジオ専用で制作されている番組が多いが、最近は番組によっては地上波ラジオ局で放送された番組をインターネット上でも配信している。その場合は、インターネットラジオでは時間の制約が緩いため、地上波でカットされた部分を追加出来る一方で、番組と関係の無いCM著作権の都合上一部楽曲はカットされることがある。生放送番組の場合は、ストリーミング配信が可能なサイトとの同時配信(上記のとおり、収録現場の映像を一緒に流している場合もある)もある。また過去にはそれとは逆に1314 V-STATIONではネット配信した後、地上波放送していた。同じ媒体宣伝で、パーソナリティを変えて、地上波ラジオ局向けの番組とインターネットラジオ番組を別に制作する場合もある(THE IDOLM@STERの宣伝番組など)。

新人パーソナリティを起用して養成の場として活用したり、過去の地上波ラジオ番組で熱心な聴取者を獲得したパーソナリティによるより濃い番組制作が行われることが多い。とりわけ文化放送のラジオどっとあいは新人声優の登竜門的存在である。放送時間の縛りが緩いため、タイムスケジュール本位の事務的な進行になりがちな地上波ラジオ番組に比べ、まったりした内容になる傾向もある。

一方、従来のラジオ放送での主な収入であったスポンサー収入が得にくい面もあるため、番組の内容をデータ化し新録の番組と共にCD化して販売したり、スピンアウトとしてDVDを販売するといったことも増えている。

配信サイト
これらのサイトで配信されている番組に関しては各項目を参照。一部地上波番組を並行もしくは遅れて配信するサイトもある。
ランティスウェブラジオ 音泉 超!A&G+ アニメイトTV BEAT☆Net Radio!
メディファクラジオ 超!放送局 キャララジオ ニコニコ動画 HiBiKi Radio Station
ZAKZAK ジャスクリ キャラアニ Galge.com WISETONE
過去のサイト
db-FM(2007年9月にて終了)
AZステーション(2008年6月配信終了)
Showgate RADIO(2008年9月配信終了)
アニスタTV(2009年3月配信終了)
スタチャインターネットラジオ
携帯電話専用サイト
電話音声による配信に加えて、テンプレート:いつ範囲第三世代携帯電話の性能向上やパケット定額制の普及を背景に、携帯向けストリーミングによる配信も行われている。
文化放送 超!Mobile A&G
ケータイサイト「声優V-STATION」
アニメイトモバイルシリーズ 声優アニメイト+hm3 おしゃべり放送局
アニメイトON AIR!
ランティスウェブラジオ FOMA向け配信
どこでもUSEN
GONZOモバイル

主な番組

  • 他局へのネット番組も含む(この項では●印の番組。ただしインターネット配信も行っている番組に関しては省略)。
  • 一般的にアニラジと言われない、アニメでも活躍する声優がDJを務める番組についても記す。

アニラジではないが、アニメ関連の話題を番組内容の一部として扱う番組。

終了した番組

  • 他局へのネット番組も含む(この項では●印の番組。ただしインターネット配信も行っていた番組に関しては省略)。

厳密にはアニラジではないが、多少なりとも関連性のある番組。

出典

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関連項目

外部リンク

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