紀勢自動車道
紀勢自動車道(きせいじどうしゃどう、KISEI EXPRESSWAY)は、三重県多気郡多気町の勢和多気JCTから、同県尾鷲市の尾鷲北ICへ至る高速道路(高速自動車国道)である。略称は紀勢道(きせいどう、KISEI EXPWY)。高速自動車国道としての法定路線名は、近畿自動車道尾鷲多気線(尾鷲市-多気町)である。
目次
概要
三重県中部と東紀州(三重県南部)を結ぶ高速道路で、勢和多気JCTで伊勢自動車道に接続する。全線が国道42号の路線にほぼ沿っており、山間部を通過するためトンネルが多い。2006年(平成18年)3月11日に最初の供用を開始。2014年(平成26年)3月30日に全線開通した。豪雨・台風時に並行する国道42号が寸断されることがあるため、東紀州の道路交通事情が大きく改善される。
事故等がなければ、ゴールデンウィーク・お盆などの行楽シーズンや年末年始などを含めて激しい渋滞になることはほとんどない。
2010年(平成22年)6月28日から2011年(平成23年)6月19日までの間、開通済み区間の全線において、高速道路無料化社会実験を行っていた[1]。
紀伊長島IC以南は、高速道路会社によらない国と地方自治体の負担による新たな直轄事業である新直轄方式で計画されているため、通行料金は無料である。
2013年に、三重県紀北町内で建設中の「赤羽川橋」において、完成済みの橋台が約20cm傾いているのが確認され、これを受け国土交通省紀勢国道事務所が工事を休止して改修を行ったが[2]、当初の予定通り2013年度内に完成・開通することになった。
路線名
1987年(昭和62年)6月30日に第四次全国総合開発計画(四全総)で高規格幹線道路として構想された。1987年(昭和62年)9月1日、四全総を受け国土開発幹線自動車道建設法が改正され近畿自動車道紀勢線に指定された。
四全総で構想された紀勢自動車道に含まれる現在の路線名・道路名は、下記のようになる。
路線名 | 道路名 | 区間 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
紀勢線 | 松原那智勝浦線 | 阪和自動車道 | 松原IC-有田IC | 海南IC-吉備IC(現・有田IC)は当初、 並行する海南湯浅道路として整備された |
湯浅御坊道路 | 有田IC-御坊IC | 並行する一般国道自動車専用道路 | ||
阪和自動車道 | 御坊IC-すさみIC | 南紀田辺IC-すさみIC間は新直轄方式にて事業中 | ||
すさみ串本道路 | すさみIC-串本IC | 並行する一般国道自動車専用道路 事業中 | ||
基本計画区間(調査中) | ||||
那智勝浦新宮道路 | 太地IC-新宮 | 並行する一般国道自動車専用道路 太地IC-那智勝浦IC間は事業中 | ||
- | ||||
基本計画区間(調査中) | ||||
新宮紀宝道路 | 新宮北IC-紀宝IC | 並行する一般国道自動車専用道路 事業中 | ||
基本計画区間(調査中) | ||||
熊野道路 | 熊野IC-熊野大泊IC | 並行する一般国道自動車専用道路 熊野IC-熊野大泊IC間、尾鷲南IC-尾鷲北IC間は事業中 | ||
熊野尾鷲道路 | 熊野大泊IC-尾鷲北IC | |||
尾鷲多気線 | ||||
紀勢自動車道 | 尾鷲北IC-勢和多気JCT |
国土開発幹線自動車道の路線名である近畿自動車道紀勢線として事業が行われていたが、2005年(平成17年)12月19日にNEXCO中日本から、勢和多気JCT-大宮大台IC間の道路名を紀勢自動車道とすることが発表された[3]。
道路名の紀勢自動車道の起点は勢和多気JCTであり[4]、案内上も勢和多気JCT方面が上り線で尾鷲北IC方面が下り線として扱われるため、路線名の起終点は道路名の起終点と位置関係が逆になる。
通過市町村
接続高速道路
- 伊勢自動車道(勢和多気JCTで接続)
インターチェンジなど
- 全区間三重県に所在。
- IC番号欄がの背景色が■である区間は開通区間。施設名欄の背景色が■である箇所は未開通区間または未供用施設。なお、未開通区間の名称は仮称である。
IC番号 | 施設名 | 接続路線名 | 勢和多気から (km) |
備考 | 所在地 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
39-1 | 勢和多気JCT | 伊勢自動車道 | 0.0 | 多気町 | ||||
39 | 勢和多気IC | 国道42号 | 0.7 | |||||
- | 奥伊勢PA | - | 7.8 | 大台町 | ||||
1 | 大宮大台IC | 国道42号 | 13.4 | |||||
2 | 紀勢大内山IC | 県道68号紀勢インター線 | 23.8 | 大紀町 | ||||
- | 大紀TB[5] | - | 本線料金所 | |||||
3 | 紀伊長島IC | 国道422号 | 34.1 | 紀北町 | ||||
- | 三浦PA[6] | - | ||||||
4 | 海山IC | 国道42号 | 49.2 | |||||
5 | 尾鷲北IC | 国道425号 | 55.3 | 尾鷲市 | ||||
熊野尾鷲道路 熊野方面(事業中) |
SA・PA
紀勢自動車道は供用距離が短いこともあり、現在の所休憩施設は奥伊勢PAの1か所のみである。上下線とも一般的なPAの設備内容で、夜間営業はしていない。
トンネルと主な橋梁
テンプレート:Double image aside テンプレート:Double image aside
区間 | 構造物名称 | 長さ | 備考 |
勢和多気IC - 奥伊勢PA | 色太トンネル | 410m | |
神瀬トンネル | 720m | ||
奥伊勢PA - 大宮大台IC | 三瀬トンネル | 600m | |
紀勢宮川橋 | 537m | 2005年度土木学会田中賞受賞 | |
船木トンネル | 1,060m | ||
大宮大台IC - 紀勢大内山IC | 菅合トンネル | 2,270m | |
滝辺トンネル | 290m | ||
毘沙野トンネル | 150m | ||
阿曽トンネル | 770m | ||
大紀トンネル | 1,720m | ||
柏野トンネル | 1,060m | ||
崎トンネル | 180m | ||
紀勢大内山IC - 紀伊長島IC | 駒トンネル | 1,197m | |
芦谷トンネル | 440m | ||
真弓トンネル | 700m | ||
川口トンネル | 920m | ||
紀勢荷坂トンネル | 2,990m | 紀勢自動車道 最長 | |
紀伊長島IC - 海山IC | 紀伊長島トンネル | 1,040m | |
加田トンネル | 543m | ||
古里第3トンネル | 411m | ||
古里第2トンネル | 430m | ||
古里第1トンネル | 561m | ||
新道瀬トンネル | 2,041m | ||
始神トンネル | 1,465m | ||
海山トンネル | 1,591m | ||
海山IC - 尾鷲北IC | 高丸山トンネル | 2,612m | |
馬越トンネル | 2,272m |
トンネルの数
区間 | 上り線 | 下り線 |
---|---|---|
勢和多気JCT - 勢和多気IC | 0 | |
勢和多気IC - 奥伊勢PA | 2 | |
奥伊勢PA - 大宮大台IC | 2 | |
大宮大台IC - 紀勢大内山IC | 7 | |
紀勢大内山IC - 紀伊長島IC | 5 | |
紀伊長島IC - 海山IC | 8 | |
海山IC - 尾鷲北IC | 2 | |
合計 | 26 |
紀勢自動車道は、ほぼ全線が対面通行のため、トンネルや橋梁は上下線に1本ずつではなく、上下線合わせて1本になる。
歴史
- 2005年(平成17年)12月19日 : NEXCO中日本が道路名称を紀勢自動車道とすることを発表。
- 2006年(平成18年)3月11日 : 勢和多気JCT-大宮大台IC間開通[7]。
- 2009年(平成21年)2月5日 : 奥伊勢PA開業[8]。
- 2009年(平成21年)2月7日 : 大宮大台IC-紀勢大内山IC間開通[8]。
- 2010年(平成22年)6月28日 : 全線で高速道路無料化社会実験を開始。
- 2010年(平成22年)11月29日 : 三瀬トンネルで、大型トラックなど3台が衝突して炎上する事故が発生。3人死亡、4人重軽傷。
- 2011年(平成23年)6月19日 : 無料化社会実験終了。
- 2012年(平成24年)3月20日 : 海山IC-尾鷲北IC間開通[9]。
- 2013年(平成25年)3月24日 : 紀勢大内山IC-紀伊長島IC間開通[10]。
- 2014年(平成26年)3月30日 : 紀伊長島IC-海山IC間開通により全線開通[11]。
道路管理者
ハイウェイラジオ
- 紀勢荷坂 (紀勢大内山IC-紀伊長島IC)
車線・最高速度
区間 | 車線 上下線=上り線+下り線 |
最高速度 | 備考 |
---|---|---|---|
勢和多気JCT-尾鷲北IC | 2=1+1 (暫定2車線) |
70km/h | 対面通行 |
全線でほぼ暫定2車線の対面通行となっているが、途中奥伊勢PA付近の1.5kmの区間と菅谷川橋付近の1.4kmの区間に、それぞれ追越車線を設けている。
交通量
平日24時間交通量(台)(上下合計)[12]
- 斜字は推計値を示す。
- 平成22年度の調査期間中において、勢和多気JCT-紀勢大内山IC間(当時開通していた有料区間全線)では、高速道路無料化社会実験が行われていた。
料金 | 区間 | 平成22年度(2010年度) | 備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|
台数 | 混雑度 | ||||
有料 | 勢和多気JCT-勢和多気IC | 11,713 | 1.11 | 三重県 | |
勢和多気IC-大宮大台IC | |||||
大宮大台IC-紀勢大内山IC | 8,510 | 0.96 | |||
紀勢大内山IC-紀伊長島IC | 未開通 | ||||
無料 | |||||
紀伊長島IC-尾鷲北IC | 未開通 |
ギャラリー
- 紀勢宮川橋01.jpg
- Taiki TB.JPG
大紀本線料金所
脚注
関連項目
外部リンク
- 中日本高速道路株式会社(勢和多気JCT-紀伊長島IC間)
- 国土交通省 中部地方整備局 紀勢国道事務所(紀伊長島IC-尾鷲北IC間)
- ↑ 当初2011年(平成23年)3月31日までの予定であったが同年4月以降も当面の間継続とし、その後6月19日に終了することを決定。
- ↑ 紀勢道:完成した橋台、20センチ傾く 工事休止し調査 毎日新聞 2013年5月21日
- ↑ 道路名称は『紀勢自動車道』 -勢和多気JCT~大宮大台IC間が今年度開通-テンプレート:リンク切れ - NEXCO中日本、2005年12月19日
- ↑ 紀勢自動車道「紀勢荷坂トンネル」が貫通しました NEXCO中日本
- ↑ 紀勢自動車道(紀伊長島-紀勢大内山)の進捗状況 - NEXCO中日本
- ↑ 紀北町 三浦PAに地域振興施設を建設 - 建通新聞、2013年11月7日
- ↑ 紀勢自動車道(勢和多気(せいわたき)JCT~大宮大台(おおみやおおだい)IC)が3月11日に開通します -紀勢自動車道では初めて、また民営化後初めての開通区間です-テンプレート:リンク切れ - NEXCO中日本、2006年1月18日
- ↑ 8.0 8.1 紀勢自動車道(大宮大台ICから紀勢大内山IC)が2009年2月7日に開通します -美し国(うましくに)を結ぶ道。 紀勢自動車道- -奥伊勢PAもオープンします-テンプレート:リンク切れ - NEXCO中日本、2008年11月20日
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
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