伊勢自動車道

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テンプレート:Infobox road 伊勢自動車道(いせじどうしゃどう、ISE EXPRESSWAY)は、三重県津市伊勢関ICから、松阪市などを経由し、同県伊勢市伊勢ICへ至る高速道路高速自動車国道)である。通称は伊勢道(いせどう、ISE EXPWY)。法定路線名は近畿自動車道伊勢線名古屋市-伊勢市)である。

概要

三重県中部と伊勢志摩間の亀山松阪伊勢といった各主要都市を結ぶ三重の大動脈で、勢和多気JCT紀勢自動車道に、伊勢IC伊勢二見鳥羽有料道路(伊勢二見鳥羽ライン)にそれぞれ接続している。1975年10月22日に最初の供用を開始し、1993年3月29日に全線開通した。

2010年6月28日から2011年6月19日までの間、津IC以南の区間において高速道路無料化社会実験を行っていた[1]

全線を通じて勾配が小さくカーブが少ない線形となっており、特に伊勢平野の部分を通行する伊勢関IC-松阪IC間は、ほぼ平坦な区間である。だがその後山間部を通る松阪IC-勢和多気IC間に入ると、勾配・カーブともにややきつくなっており、全3箇所(5本)あるトンネルのうち2箇所(4本)はこの区間にある。また、伊勢西IC-伊勢IC間は完成2車線(片側1車線)であるために最高速度は60km/hに設定されており、走行には注意が必要である。

現在はオービスは全く設置されておらず、速度違反の取締りはパトカーが行っている。

通常時は事故等がなければ渋滞が発生することはほとんどないが、正月などの観光シーズンには伊勢神宮への参拝客などにより渋滞が発生するため、伊勢地域観光交通対策協議会を設けて「パーク&バスライド」(後述)を実施し、渋滞の緩和を図っている。他の区間では東名阪自動車道上り線の渋滞末尾が津IC付近まで達することがある。

1975年10月の開通当初から約30年間は、東名阪道と伊勢道は直結しておらず、東名阪道の亀山ICを通行後は無料の名阪国道国道25号)を経由して、伊勢道の関JCT(現・伊勢関IC)から入るようになっていた。また、この当時は東名阪道には鈴鹿本線料金所、伊勢道には関本線料金所の計2箇所の本線料金所が設けられていたが、この両料金所付近を原因とする渋滞が多く発生していた。この渋滞を解消すると同時に、東名阪道と伊勢道とを通し料金で通行出来るようにするため、東名阪道・伊勢道を直結する「亀山直結線」が計画され、2005年3月13日に開通した。「亀山直結線」の開通と同時に鈴鹿本線料金所は廃止となり、亀山ICには新たな料金所が設置される。また、関JCTは伊勢関ICへ名称が変更され、さらに旧・関本線料金所は一部が伊勢関ICの料金所へと転用された。

パーク&バスライド

正月やゴールデンウィークにおいて、伊勢神宮に向かう参拝客による伊勢自動車道本線や、伊勢神宮周辺道路での渋滞対策のため、伊勢地域観光交通対策協議会を中心に伊勢市・三重県警・NEXCO中日本等の協力のもとに、パーク&バスライドを実施している[2]。これは、県営サンアリーナに臨時駐車場(駐車料金1,000円)を設け、シャトルバス(無料)で伊勢神宮内宮(実施日によっては外宮も)へ送迎するものである。伊勢自動車道においては、伊勢西IC・伊勢ICの出口規制が行われ、参拝客は伊勢ICから接続する伊勢二見鳥羽ラインのサンアリーナICまで走行しそこでバスに乗り換えるよう誘導している。

路線名

伊勢自動車道に含まれる現在の路線名・道路名は、下記のようになる。

路線名 道路名 区間 備考
伊勢線 環状2号国道302号 名古屋西JCT-飛島IC 整備計画区間
伊勢自動車道 伊勢関IC-伊勢IC

通過市町村

接続高速道路

インターチェンジなど

IC番号 施設名 接続路線名 伊勢関から
km
備考 所在地
東名阪自動車道に接続
34 伊勢関IC 名阪国道国道25号 0.0 伊勢方面出入口
名阪国道国道25号)のみ接続
津市
35 芸濃IC 県道10号津関線 5.2
- 安濃SA 8.7
36 津IC 県道42号津芸濃大山田線 13.7
37 久居IC 国道165号 20.0
37-1 一志嬉野IC 県道67号一志嬉野線 25.8 松阪市
- 嬉野PA 28.3
38 松阪IC 県道58号松阪一志線
県道59号松阪第2環状線
32.2
39-1 勢和多気JCT 紀勢自動車道 46.1 多気町
39 勢和多気IC 国道42号
- 多気PA 52.0
(52.3)
上下線で0.3km
ずれている
40 玉城IC 県道65号度会玉城線 56.4 玉城町
- 伊勢TB 本線料金所 - 伊勢市
41 伊勢西IC 県道32号伊勢磯部線 65.9 伊勢関方面出入口
42 伊勢IC 国道23号 67.7
伊勢二見鳥羽有料道路 に接続

SA・PA

売店は安濃SAと嬉野PAに設置されている。ガソリンスタンド・レストランは安濃SAにのみ設置されている(伊勢・尾鷲方面最終給油所)。安濃SA上り線のガソリンスタンド以外は24時間営業を行っていない。

また、NEXCO中日本と伊勢道沿線の企業であるおやつカンパニーとが協力して商品化した「イセエビ味のベビースターラーメン」が、伊勢自動車道限定として安濃SA・嬉野PAで販売されている。なお、「伊勢自動車道限定」と商品に記載があるが、接続する紀勢自動車道の奥伊勢PAでも販売されている。なお、イセエビ味のベビースターラーメンはこれとは別に千葉県の地域限定商品としても発売されている。

主なトンネルと橋

テンプレート:Double image aside 表中、橋梁の長さが空欄であるのは不明を示す。

区間 構造物名 長さ 備考
津IC-久居IC 安濃川
岩田川
久居IC-一志嬉野IC 雲出川 400m
松阪IC-勢和多気JCT 松阪トンネル 下り線919m・上り線870m ※1
櫛田川 200m
多気トンネル 下り線700m・上り線728m ※2
玉城IC-伊勢西IC 宮川 580m
伊勢西IC-伊勢IC 伊勢トンネル 70m
  • ※1 : 伊勢自動車道最長のトンネル。上り線が一期線(1990年12月6日開通)、下り線が二期線(1998年12月11日開通)。
  • ※2 : 上り線が二期線、下り線が一期線。

トンネルの数

区間 上り線 下り線
伊勢関IC-松阪IC 0 0
松阪IC-勢和多気JCT 2 2
勢和多気JCT-伊勢西IC 0 0
伊勢西IC-伊勢IC 1
合計 3 3

歴史

道路管理者

ハイウェイラジオ

  • 津(伊勢関IC-芸濃IC)
  • 一志嬉野(一志嬉野IC-松阪IC)
  • 勢和多気(勢和多気JCT-玉城IC)

一志嬉野局と勢和多気局は2013年に新設

車線・最高速度

区間 車線
上下線=上り線+下り線
最高速度
伊勢関IC-松阪IC 4=2+2 100km/h
松阪IC-伊勢西IC 80km/h
伊勢西IC-伊勢IC 2=1+1 60km/h

上記のとおり、ほとんどが4車線で整備されていて、伊勢関IC-松阪ICは最高速度が100km/hのところがある一方、伊勢西ICから伊勢ICは2車線で最高速度が60km/hのため、速度超過に注意する必要がある。また、伊勢西ICから伊勢ICは完成2車線のため拡幅も行われない。

交通量

平日24時間交通量(台)(上下合計)[3]

  • 平成22年度において、津IC以南(伊勢IC方面)では高速道路無料化社会実験が行われていた。
区間 平成17年度
(2005年度)
平成22年度(2010年度) 備考
台数 混雑度
亀山IC-伊勢関IC 30,774 30,045 0.47 伊勢関IC本線側(亀山直結線)
東名阪自動車道方面)
関JCT-伊勢関IC 9,271 6,569 0.21 伊勢関ICランプウェイ(旧本線)
名阪国道方面)
伊勢関IC-芸濃IC 30,774 36,614 0.70
芸濃IC-津IC 28,855 34,424 0.60
津IC-久居IC 28,108 47,156 0.84
久居IC-一志嬉野IC 22,264 43,390 0.68
一志嬉野IC-松阪IC 21,364 41,556 0.68
松阪IC-勢和多気JCT 14,142 29,790 0.51 平成17年度は勢和多気IC
現在の勢和多気ICは構造上
紀勢自動車道上にある
勢和多気JCT-玉城IC 9,743 22,617 0.36
玉城IC-伊勢西IC 7,169 17,789 0.30
伊勢西IC-伊勢IC 3,984 9,001 0.64

2002年度 区間別平日平均交通量(台)

  • 伊勢関IC-伊勢TB(区間平均) : 19,235(前年度比97.9%)

脚注

テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:Sister

外部リンク

テンプレート:日本の高速道路 テンプレート:中日本高速道路 テンプレート:伊勢自動車道

  1. 当初2011年3月31日までの予定であったが同年4月以降も当面の間継続とされ、その後6月19日まで延長された。
  2. 年末年始、伊勢自動車道で交通規制をおこないます ~伊勢神宮への初詣はシャトルバスで!~ - NEXCO中日本、2011年4月15日
  3. テンプレート:Cite web