名金急行線

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テンプレート:出典の明記 名金急行線名金線(めいきんきゅうこうせん、めいきんせん)は、国鉄バスおよびその後継会社により運行される路線バスである。

本項では、名金急行線を担当していたジェイアール東海バス美濃白鳥営業所についても記述する。また、接続路線であった大野線のうち、美濃白鳥自動車営業所への移管(1987年2月)以降の状況についても記述する。

概要

全盛期の運行区間は名古屋駅 - 金沢駅間で、当時日本一の長距離路線バスであり、10時間にもおよぶ長時間の運行であった。

当初は南側の一部区間において鉄道空白地帯を結び越美南線と接続する路線の運行を開始し、「白城線」と称した。また、北側でも「金福線」として同様の路線が運行されていたが、両線の接続および南側の名古屋への延伸に伴い、「名金急行線」と呼称するようになった。

その後、一部区間(鳩ヶ谷 - 福光駅)の運転を取りやめたことにより路線が南北に分断されて以降は特に、南側を「名金急行線」、北側を「名金線」と呼称した。1987年の国鉄分割民営化および後の分社化により、南側はジェイアール東海バス(美濃白鳥営業所)が、北側は西日本ジェイアールバス(金沢営業所)が運行したが、南側については2002年9月30日をもって廃止されている。

南側については、末期は岐阜駅と白川間の運行であった。なお、かつては並行して名古屋鉄道(現 名鉄バス)も「五箇山号」の愛称で、名古屋(名鉄バスセンター)と金沢駅間を直通運行しており、乗車券は共通で利用できたほか、JR東海バスの路線が途切れる鳩ヶ谷以北も、並行する加越能鉄道や西日本ジェイアールバスの路線と共通乗車が可能となっていた。

沿革

  • 【新設停車場】向小駄良、北濃下田、北濃中切、北濃学校前、北濃長瀧、毘沙門橋、歩岐島、前谷、小洞橋、神道、古谷、正ヶ洞、穴洞、中将、西洞、折立道、釜ヶ洞口、蛭ヶ野、新開地、御手洗、野々俣、瀧ヶ野、牧戸
  • 1934年8月16日 - 毘沙門橋停車場廃止および、北濃長瀧 - 歩岐島間に北濃(既設)停車場を新設する。前谷停車場の業務範囲を旅客のみに変更する。
  • 1935年4月15日 - 古谷、中将の各停車場、発送車扱貨物の取扱を開始する。
  • 1935年5月15日 - 野々俣停車場、発送車扱貨物の取扱を開始する。
  • 1935年10月3日 - 省営自動車「金福線」の金沢 - 古屋谷間が開業する[3]
  • 【新設停車場】武蔵ヶ辻、橋場町、小坂神社前、森本(既設)、深谷鉱泉口、不動寺、鳴瀬、加賀宮野、古屋谷
  • 【新設停車場】東金沢駅口、神谷内、法光寺(小坂神社前 - 森本間)、加賀高坂(加賀宮野 - 古屋谷間)
  • 1948年3月16日 - 白川村鳩ヶ谷に延長される[4]
  • 1953年12月30日 - 「白城線」鳩ヶ谷 - 境川橋詰間を延伸し「金白南線」に、「金福線」福光 - 境川橋詰間を延伸し「金白北線」に改称する。
  • 1967年 - 名古屋まで延長されるとともに、路線名を包括し名金急行線と改称する。名古屋鉄道(名鉄)との共同運行となる。
  • 1977年 - 車掌の乗務がなくなり、ワンマン化される。
  • 1979年 - 南側の国鉄バス担当便が名古屋 - 鳩ヶ谷に短縮され、鳩ヶ谷 - 福光間の運行を取りやめる。
  • 1987年4月1日 - 国鉄分割民営化に伴い、南側(名金急行線)は東海旅客鉄道(JR東海)、北側(名金線)は西日本旅客鉄道(JR西日本)の担当となる。
  • 1988年4月1日 - バス部門の分社に伴い、南側(名金急行線)はジェイアール東海バス、北側(名金線)は西日本ジェイアールバスの担当となる。
  • 2001年9月30日 - 唯一の全線直通運行であった名鉄バス名金線「五箇山号」(夏期運転)の運行を休止する。
  • 2002年9月30日 - この日をもって、ジェイアール東海バスが「名金急行線」および美濃白鳥営業所を廃止する。翌日から岐阜バスにより美濃白鳥(岐阜バスのバス停名は郡上白鳥) - 牧戸間の代替運行を開始する。
  • 2003年11月1日 - 岐阜バス「名古屋・白川郷線」「岐阜・白川郷線」の運行を開始する。
  • 2007年4月1日 - 岐阜バス「岐阜・白川郷線」が運休となる(岐阜からは郡上八幡で乗り換え)。
  • 2010年10月1日 - 岐阜バス「荘川八幡線」が廃止され、同日より郡上北消防署前 - 郡上白鳥 - ひるがの新開地間は郡上市自主運行バス「白鳥ひるがの線」として運行される。
  • 2011年3月1日 - 郡上市自主運行バス「白鳥ひるがの線」が桜の郷荘川まで延伸され、郡上市コミュニティバス「白鳥荘川線」として運行する。
  • 2011年4月8日 - 北側(名金線)の武蔵ヶ辻 - 橋場町間において、従来と別のルートとなる南町、香林坊、広坂、兼六園下、兼六元町の5停留所が新設され、加越能バス担当便を除くすべての便が尾張町を経由しないものに変更された(金沢駅 - 森本駅など一部区間便では尾張町経由も残った)。
  • 2012年4月1日 - 白鳥交通「郡上八幡白川郷線」の運行を開始する。

名金急行線の運行末期および廃止後の状況

ファイル:牧戸駅.JPG
牧戸駅(高山市荘川町、現在は濃飛バスと白鳥交通の停留所)

最末期の名金急行線は名古屋・岐阜 - 鳩ヶ谷間の運転で、名古屋・岐阜 - 美濃白鳥間は東海北陸自動車道経由であった。また、名鉄バスの路線も同様であったほか、名鉄バスセンターから金沢駅までの直通運行となっていた。高速に乗せかえる前は、名鉄便は名鉄バスセンターから尾張一宮駅岐阜駅(新岐阜駅=現 名鉄岐阜駅ではない)を経てここからノンストップで郡上八幡駅に達した。

美濃白鳥以南は岐阜バスの八幡白鳥線が、名金急行線がかつて走っていた国道経由で(郡上八幡まで)運転されている。なお美濃白鳥以南は戦前から岐阜バスのエリアで、国鉄バスは岐阜バスの親会社の名鉄との共同運行という形で名古屋まで乗り入れた。

美濃白鳥以北はすべて一般道経由で美濃白鳥 - 牧戸 - 鳩ヶ谷間の区間運行も存在した。実質的に白鳥から郡上郡高鷲村(現郡上市高鷲)の中心地区正ヶ洞地区へのローカル輸送がメインであった。大野郡荘川村(現高山市荘川町)の中心地牧戸にはバスの駅があり、高山方面へは濃飛バス牧戸線が現在も運行している。

牧戸以北は白川郷平瀬温泉付近を除き、ダムによる水没地帯が続き、人口希少地帯が続く。白川村の合掌造りの集落が点在する荻町を経由し、白川村の中心鳩ヶ谷が終点となる。

代替交通

岐阜 - 郡上白鳥間は現行の岐阜バスの路線バスと高速バスが代替を行い、郡上白鳥以北は岐阜バス(代替路線である八幡荘川線は、郡上八幡駅前 - 桜の郷荘川間で運行)が、従来からの系統を延長する形で牧戸(実際は、牧戸の先、東海北陸道荘川IC隣接の「桜の郷荘川」まで運行)まで運転された。牧戸以北は、既存の濃飛バス白川郷線(冬季2往復、その他3往復)と特急高山金沢線(通年運行2往復)が平瀬温泉などに停車することにより、名金急行線の代替となった。なお、岐阜バス八幡荘川線と濃飛バス白川郷線を乗継ぎ利用すると、乗継割引運賃が適用されていた。

また、岐阜バスが名古屋・白川郷線(4月~11月の毎日運転・開始当初は岐阜バスコミュニティ(各務原)、現在は岐阜バスコミュニティ八幡が運行)と岐阜・白川郷線(4月~11月の土休日運転)の運転を開始した。

2007年より岐阜白川郷線は多客時を除き運休。岐阜からは高速八幡線で八幡営業所まで行き、乗り換えることになっている。

名古屋 - 金沢間の輸送は、名鉄バス・ジェイアール東海バス他4社により1987年7月20日より発足した北陸道・名神経由の高速バス「北陸道特急バス」が担っている。

高速バス

2008年7月5日東海北陸自動車道が全通したことに伴い、これまで高山と白川郷を牧戸経由で結んでいた濃飛バスの路線は翌6日より全便が同道経由に切り替えられた。また、高山~牧戸間については1日2往復に減便の上存続し、白川村南部の平瀬・牧などの集落については高速経由の高山~白川郷線の一部が延長される形で代替されたが、沿線人口が皆無の牧戸~牧間の御母衣湖沿いの区間については完全廃止となった。

なお、岐阜バスの名古屋・白川郷線については東海北陸道全通後も平瀬経由で残っており、牧戸~平瀬・白川郷間の相互乗車も可能である。

一般路線バス

ファイル:JRbus 776.JPG
西日本JRバスの名金線(金沢駅)

テンプレート:Main 北側の「名金線」金沢駅(東口) - 森本駅 - 福光駅間は引き続き運行がなされている。名金線の支線として、牧線、才田線、中尾線、医王山線がある。

その他

ドリームなごや3・4号の名古屋 - 岐阜間については、名金急行線の路線免許で運行している。

ジェイアール東海バス美濃白鳥営業所

ジェイアール東海バス美濃白鳥営業所は、美濃白鳥駅東側にあり、名金急行線および大野線の残存区間(美濃白鳥駅 - 九頭竜湖駅、越美線の先行路線)を運行していた。

これ以外に、白鳥町(現郡上市白鳥地区)、高鷲村(現郡上市高鷲地区)にも路線があったが、名金急行線廃止前に撤退し、白鳥町自主運行バス(現郡上市自主運行バス)としてJR東海バスが受託運行していた。

2002年9月30日の名金急行線廃止と同時に営業所も廃止され、自治体から受託運行していたバスは、岐阜バスコミュニティ八幡や地元のタクシー会社などに引き継がれた。

大野線

テンプレート:Main

越美線の未開通区間である、美濃白鳥駅 - 九頭竜湖駅間を結んでいた路線。この路線はもともと大野自動車営業所の所管路線であったが、不採算線区であったため、国鉄分割民営化の際民営化新会社への承継対象とされず全廃されることとなり、上記区間を除く全線と大野自動車営業所は1987年1月31日付で廃止された。残る美濃白鳥駅 - 九頭竜湖駅間のみが季節運行路線として美濃白鳥自動車営業所に移管され、存続してきたものである。

越美線は石徹白地区を経由するルートで計画されていたが、大野線は国道158号経由で運行されていた。ただし石徹白地区へは、かつて路線があり、現在も郡上市自主運行バスとして運行されている。

大野線は冬季運休の季節運行で、極端に利用客が少なかったこともあって、ジェイアール東海バス撤退時に自治体等の対応もなく、2002年9月30日に廃止された。

さくら道

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名金急行線の車掌佐藤良二御母衣ダム建設によって水没する集落の桜の木(荘川桜)が移植され見事に開花したことに感動し、名金急行線の沿線に桜の苗木を植え続けたことから「さくら道」の別名がある。

関連項目

脚注

  1. 『全国乗合自動車総覧』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
  2. 「鉄道省告示第341号」『官報』1933年7月28日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  3. 「鉄道省告示第414号」『官報』1935年9月28日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  4. 「運輸省告示第96号」『官報』1948年3月16日(国立国会図書館デジタルコレクション)

外部リンク