SPEED GRAPHER

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/TVAnime テンプレート:Infobox animanga/FooterSPEED GRAPHER』(スピード グラファー)は、GONZO制作のテレビアニメ2005年4月7日から9月29日までテレビ朝日で木曜深夜26時40分に放送されていた。全24話。

概要

「大人の童話」をコンセプトに制作された[1]GONZOのオリジナルアニメ。ジャンルはハードコアサスペンス[2]

ラジオ・小説・漫画・ドラマCD・グッズなど、多数のメディアミックスを展開しており(後述)、オフィシャルイベントなども開催。

また、ヒロインである天王洲神楽の選考ではウェブ形式の一般投票によるオーディションが行われ、その結果、新人の斉藤圭(現:真堂圭)が選ばれた。

ストーリー

舞台は失われた10年の混乱から脱し、一部の富める者だけが我が世の春を謳歌する“快楽都市”と化した東京。

主人公・雑賀辰巳は、友人の戸越清冶郎からセレブリティーのみが出入りできるとされる闇の社交場“六本木倶楽部”の潜入取材を依頼される。潜入に成功した雑賀は、六本木倶楽部の深奥で行われる儀式の巫女、“女神”として崇められる謎の少女・天王洲神楽と出会う。

雑賀は助けを求める神楽を連れ逃亡するが、六本木倶楽部支配人・水天宮寵児が仕向ける欲望により特殊能力に目覚めた超人、“ユーフォリア”たちから執拗に追跡される。そして雑賀も神楽と接触したことにより、被写体の魂を吹き飛ばす“写殺能力”に目覚めていた。

自由を求める神楽のため、そして普通に写真を撮影する事の出来なくなってしまった自身を元に戻すため、彼らの孤独な逃避行が始まったのだった。

登場人物

登場キャラクターの苗字は、ボブ以外の脇役も含め、すべて首都圏の駅名や地名からとられている。

主人公と周辺の人物

雑賀 辰巳 (さいが たつみ)
- 高田裕司
33歳。元戦場カメラマンだが負傷したことにより帰国。現在はパパラッチ同然のフリーカメラマン。カメラが無いと勃たない。水天宮とは日本に戻る原因を作った殲滅作戦で一緒だったが、その事には気付いていない。写真一筋なので収入があってもそのほとんどを写真関連の機材の購入にあててしまうため、写真家として一時それなりの地位を築いていたにもかかわらず、マイカーすら持っていない(彼が普段乗用している車は銀座のもの)。戦場カメラマン時代から、完全機械式のNikonF2フォトミックASを愛用している。
フェティッシュは“写殺”で、写真を撮ると被写体が爆発する能力。戦場カメラマンとして極限状態にあって人の死の瞬間を撮ることを無意識のうちに至上の快楽とした結果ユーフォリアへ覚醒する資質が形成された。爆発の威力や範囲はレンズの種類に依存する。ドラマCDの設定では“カメラと神楽の服装”がフェティッシュとなっている。
天王洲 神楽 (てんのうず かぐら)
声 - 斉藤圭
15歳。水天宮に操られ、六本木倶楽部の女神として崇められる少女。体液が他の人間の身体に入り込むと、ある特定の因子を持った人間はユーフォリアとして目覚め、その他の人間はある物質により興奮抑制するホルモンの働きを抑えることで欲望に忠実な獣となる。これに関連して頭に摘出不可能な腫瘍があり、余命半年であることを知らない。
裕福な家庭で育ったことから世間知らずな一面があり、カップラーメンを食べたり電車に乗ったことが無かった。水天宮の実験等により生理などといった性徴を抑制されており、自分が操られていた事を知ってからは、雑賀と共に逃げるようになる。
水天宮 寵児 (すいてんぐう ちょうじ)
声 - 森川智之
28歳。六本木倶楽部の支配人。神泉とは愛人関係にあるが、その神泉も知らぬ別の顔を持つ、何を考えているのかよく分からない男。普段は手袋で隠されているが左手甲に目の形をした痣がある。幼い頃に神谷たちにより戦場に売り飛ばされ、少年期から青年期にかけてを戦場の最前線で生き抜いてきた。
ある殲滅作戦で雑賀と共に行動していたが、その事には気付いていない。また、生き別れた妹がいる。バイオウェポンは“血”。
銀座 ひばり (ぎんざ ひばり)
声 - 本田貴子
28歳。新都心署特務課警部。天王洲グループ関連株で一生使い切れないほどの大金を得ている。金にこだわらない雑賀の生き方にカルチャーショックを受け、それ以来、何かと雑賀の世話を焼く。雑賀に対しては友好的に接するが、神楽とはお互いを激しく嫌っており、仲が悪い。銃がないと濡れないらしく、ドラマCD版のフェティッシュは“銃器”となっている。
天王洲 神泉 (てんのうず しんせん)
声 - 高島雅羅
38歳。天王洲グループ総帥。高慢で冷静だが、娘の神楽に対してだけは感情的になり、虐待を加える。
昔はモデルをやっていたが、ある財界人の愛人となったことを機縁に遺産を相続、それを基に天王洲グループを創り上げた。ドラマCD版のフェティッシュは“蛸”。
豪徳寺 (ごうとくじ)
声 - 森ひろ子
神泉がモデル時代に所属した今は無きプロダクション「豪徳寺プロモーション」の女社長。神泉の隠れた才能を見出し、彼女の全身に整形手術を施してデビューさせた。
神泉がモデルを引退する前後に事故で入院し、その後天王洲邸に身を寄せて、監禁同然の扱いを受けていた。
辻堂 (つじどう)
声 - 結城比呂
水天宮に忠実にかしずく謎の人物。新治と真壁とは水天宮に会う前から共に行動していた。
フェティッシュは“犬”で、犬並みの驚異的な嗅覚を持っている。普段からマスクをつけており、決して外さない。
新治 (にいはり)
声 - 津田健次郎
倶楽部構成員の一人。辻堂と真壁とは水天宮に会う前から共に行動していた。
真壁 (まかべ)
声 - 江川央生
倶楽部構成員の一人。辻堂と新治とは水天宮に会う前から共に行動していた。
戸越 清冶郎 (とごし せいじろう)
声 - 広瀬正志
東西通信社・社会部勤務。戦場で負傷した雑賀を強制帰国させ、東京での面倒をみている。
ボブ
声 - 石井康嗣
雑賀と同じビルに住むマッサージ屋。ゲイで、北千住ゲイバーを経営している弟がいる。
江古田 (えこだ)
声 - 巻島直樹
銀座の上司であるが、強気の銀座には及び腰。異常なまでの脚フェチ。
椎名 (しいな)
声 - 山野井仁
新人警察官。上司の銀座にコキ使われている。
西谷 (にしや)
声 - 柳沢栄治
両国の知人。大学でDNA研究をしている。
両国 玄蕃 (りょうごく げんば)
声 - 小山力也
元NPO医師で、現在は伊豆在住の医師。瀕死の重傷を負った雑賀を助けて以来、親友関係となる。

ユーフォリア

白金 克也 (しろがね かつや)
声 - 子安武人
バレエダンサー。職業上、ゴムの持つしなやかさに惹かれていたことから、ゴムのユーフォリアとなった。
フェティッシュは“ゴム”で、フェティッシュの発動時には全身がゴムのようになり、軟らかく伸びやかな動きが可能になる。
小金井 薫 (こがねい かおる)
声 - 横尾まり
画家の妻であったが、現在は未亡人。ダイヤモンド好きが高じて倶楽部会員になる。
フェティッシュは“ダイヤモンド”で、フェティッシュの発動時には全身をダイヤモンド化する事ができ、指をナイフのように変形させる事もできる。
溝ノ口 敏輝 (みぞのぐち としき)
声 - 五王四郎
歯科医。歯のユーフォリアであり、秘密倶楽部のVIP会員。
フェティッシュは“歯”で、フェティッシュの発動時には背中から触手を生やすことができ、それを使用した高速移動が可能。小説版には登場しない。
百合ヶ丘 蘭 (ゆりがおか らん)
声 - 草尾毅
美容業界で名を馳せる、知らない人はいないとされている凄腕エステティシャン。背中に大きなクモの刺青がある。
フェティッシュは“刺青”で、フェティッシュの発動時には体に彫られた刺青を実物化する事ができる。
神田 (かんだ)
声 - 大友龍三郎
VIP会員の1人で、職業は神父。協会の御布施を秘密倶楽部の会費に注ぎ込んでいた。
フェティッシュは“電気”で、「電気こそが神」という独自の考えを持っており、フェティッシュの発動時には雷を操ることができる。小説版には登場しない。
弦巻 ミハル (つるまき ミハル)
声 - 岡本麻弥
幼少時に心中事件に巻き込まれ、それ以来愛人とともに入水自殺を繰り返すようになった。元チョイ役女優。フェティッシュは“水”。
落合 征二 (おちあい せいじ)
声 - 金尾哲夫
ジャーナリストで、現衆議院議員(小説版では参議院議員)。白い鷲の会代表。オーディオマニアであることから音のユーフォリアとなった。
フェティッシュは“音”で、フェティッシュの発動時には自身がスピーカーとなり、音を用いた攻撃をする。小説版でのフェティッシュは“健全な肉体と精神”となっている。
神谷 勝二 (かみや かつじ)
声 - 小山武宏
内閣総理大臣。幼い頃の水天宮とその妹を海外に売り飛ばした。
フェティッシュは“食”で、フェティッシュの発動時には顔が肥大化し、口から触手を生やす。小説版でのフェティッシュは“火”となっている。

スタッフ

主題歌

オープニングテーマ
『グラビアの美少女[3]
歌 - Duran Duran
『爆殺シャッタースピード』
作曲 - 光宗信吉
エンディングテーマ
『ひなげしの丘』(#1 - #12)
作詞・作曲・歌 - 湯川潮音
Break the Cocoon』(#13 - #24)
作詞・作曲・歌 - より子 / 編曲 - 中村太知
挿入歌
『JUMP UP!』
歌 - 斉藤圭

各話リスト

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督
1 背徳都市 吉田伸 杉島邦久 石浜真史
2 唸る札束 吉田徹 谷口守泰
中本尚子
中澤勇一
3 写殺爆撮 東海林真一 則座誠 矢上孝一
4 略奪少女 杉島邦久
嵯峨敏
加藤顕 松岡秀明
5 ダイヤモンド夫人 鈴木やすゆき 杉島邦久 黒田やすひろ
関根しげる
海老原雅夫
福島豊明
6 さよならダイヤモンド夫人 南康宏 浅野勝也 村松尚雄
7 猟奇ドリル 吉田伸 大原実 はしもとなおと をがわいちろう
8 神楽のともし灯 藤本ジ朗
根室大
藤本ジ朗 奥野浩行
9 湯殿にて 井内秀治 加藤顕 中井準
10 水天宮来る 吉田徹 小田真弓
中澤勇一
中本尚子
11 ハハキトク スグカエレ 鈴木やすゆき 大原実 山崎茂 福島豊明
12 左手に抱かれて眠れ 吉田伸 坂田純一 信田ユウ 矢上孝一
13 銀座番外地 鈴木やすゆき 牧野行洋 岡崎ゆきお 奥野浩行
14 人妻神楽 吉田伸 根室大 加藤顕 村松尚雄
15 濡れ女地獄 吉永亜矢 福田道生 はしもとなおと 加納瑞穂
16 半期決算報告 吉田伸 杉島邦久 川畑えるきん
17 死神成金 吉田徹 中澤勇一
吉田徹
18 第三局 鈴木やすゆき 石平信司 井草かほる 福島豊明
19 嘘とくちびる 吉永亜矢 坂田純一 鏑木ひろ 長沼範祐
20 グッドバイブレーション 鈴木やすゆき 根室大 奥野浩行
21 総理の朝食 吉永亜矢 大原実 松本マサユキ 飯飼一幸
22 オカネクダサイ 吉田伸 川畑えるきん 石浜真史
川畑えるきん
23 札束の墓標 吉田徹 根岸宏行
中澤勇一
吉田徹
24 六本木クライシス 杉島邦久 加藤顕
信田ユウ
海老原雅夫
矢上孝一

メディア展開

Webラジオ

斉藤圭のスピードグラファー『快楽超人ユーフォリア』皆様の不景気を救います![4]
音泉から2005年4月1日 - 12月23日に配信されたインターネットラジオ。全39回。
パーソナリティは天王洲神楽役の斉藤圭(現:真堂圭)、初回のみキャラクター原案のコザキユースケも務めていた。5回目からはアシスタントに番組ディレクターやまけんが参加。

書籍関係

ノベライズ
ハヤカワ文庫から全3巻で刊行された。著者は仁木稔。カバーイラストはコザキユースケによる描き下ろし。
  1. ISBN 4-15-030804-7
  2. ISBN 4-15-030816-0
  3. ISBN 4150308292
コミカライズ
メディアワークス月刊電撃コミックガオ!』に連載。作画はともぞ。単行本は電撃コミックスから全3巻で刊行。
オリジナルのクライマックスやドラマCDのシナリオを取り入れた特別編など、放送されたものとは違うストーリー展開や本編とは別のおまけ要素なども描かれている。
  1. ISBN 9784840231930
  2. ISBN 9784840234160
  3. ISBN 9784840235976
イラスト集
『コザキユースケ WORKS SHUTTERKILL』(発行:メディアワークス、ISBN 9784840235709)
キャラクター原案のコザキユースケによるイラスト集。描き下ろしイラストやラフ設定画などを収録している。
ストーリー&ビジュアルブック
新紀元社から発行。絵コンテ、キャラクター設定、制作スタッフによるインタビューなどを収録したビジュアルブック。
プロダクションブック
描き下ろしイラストやインタビュー、絵コンテなどを収録したプロダクションブック。コミックマーケット68で発売された。
電子書籍
見ナイト★読まナイト、アニ読メなどの携帯コミック形式で配信。
内容はコミカライズ版ではなく放送されたアニメ本編を電子書籍化したものとなっている。

ドラマCD

『大冗談・スピードグラファー』
「白金はかくかたりき」、「ボブのお店」、「神泉の人間ベッド」、「水天宮の電話相談室」、「刑事犬辻堂」、「SPEED GRAPHER the DRAMA」など数々のミニドラマを収録。
出演者:高田裕司、斉藤圭、森川智之、本田貴子、結城比呂、津田健次郎、江川央生、石井康嗣、子安武人、高島雅羅

DVD / UMD

DVD
ディレクターズカット版として最終話まで全12巻で発売。また、全てを収録したDVD BOXも発売されている。
UMD
PlayStation Portable専用のUMDビデオ。
『スピードグラファー ゴム怪人編』としてオンエア版の1話〜4話を収録。

その他

  • 携帯ゲームアプリ(iモード / コナミネットDX
  • 携帯待ち受け画像・待ち受けフラッシュ
  • 秘密倶楽部会員ピンズ、パペット、オリジナルTシャツなどグッズ展開も多数

関連項目

脚注

テンプレート:Reflist

外部リンク

  • -+-SPEED GRAPHER-+- ストーリー -+-
  • -+-SPEED GRAPHER-+- - 公式サイトのトップページ、Flashムービー内における記述より。
  • 原題は『Girls On Film』
  • 2005年10月7日配信分からは「元・斉藤圭のスピードグラファー『快楽超人ユーフォリア』皆様の不景気を救います!」に改題。