Kondara MNU/Linux

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Kondara MNU/Linux(コンダラ・ムニュー・リナックス)はLinuxディストリビューションのひとつ。現在はメンテナンスされていない。名称中の「MNU」は英語の「Mount is Not Umount」に由来する。

Kondara プロジェクト の歴史

Kondara プロジェクト(コンダラ・—)は、もともと、RawHide のソースの修正パッチや日本語対応を含むSRPMを配布するプロジェクトだった。その後、方針を転換し、Linuxディストリビューションを開発するプロジェクトとなった。

  • 1999年11月11日 Kondara MNU/Linux 1.0(紀香) をリリース。
  • 1999年12月1日 商用フォントとサポートサービスを含むパッケージが発売された。
  • 2000年3月12日 Kondara MNU/Linux 1.1をリリース。
  • 2000年8月26日 Kondara MNU/Linux 1.2(あやか)をリリース。
  • 2000年9月9日 Kondara MNU/Linux 1.2をベースにした商用パッケージとして Kondara MNU/Linux 2000(Sushi)が発売された。1.2とは内容が一部異なり、ユーザーに混乱を招いた。
  • 2001年6月8日 Kondara MNU/Linux 2.0(Mary)をリリース。
  • 2001年12月13日 Kondara MNU/Linux 2.1(Asumi)をリリースするも、一時撤回。理由は「不具合のため」と発表されたが、パッケージ版の発売に関してスポンサーからの要求があったためとの噂が流れた。
  • 2002年3月18日 Kondara MNU/Linux 2.1(Asumi)を再度リリース。
  • 2002年7月15日 CVSリポジトリのすべてを公開し、Kondara プロジェクト解散。メンバーの一部は Momonga Linux へと移動した。

成果

数多くのパッチやソフトウェアが、Kondara プロジェクト内で作られた。とくに、サブプロジェクトである「北斗のK」によるKDEの改良や、「Gnome野郎Aチーム」によるGNOMEの改良がその代表例である。主に日本語対応や国際化対応のために各種ソフトウェアのハックが行われ、さまざまなコミュニティへの貢献が行われた。 また、以下のソフトウェアが制作された。

mgedit
GTK+を使ったテキストエディタ。操作方法が簡単。UTF-8に対応している。
sdr
X Window System 起動時に、言語、言語入力システム、ウィンドウマネージャを選択するソフトウェア。
cur
Ruby言語 で記述された電子メールクライアントmuttに似た操作画面を持つ。
mph-get
更新されたパッケージや依存性の関係にあるパッケージを自動的にダウンロードするソフトウェア。Debian系ディストリビューションやVine Linuxで使われるapt-getによく似たシステムである。Ruby で記述されている。
テンプレート:Sname
Ruby ベースのインストーラ。Python ベースであるAnacondaの使い勝手が悪いために開発が始められたが、結局完成の前にプロジェクトの解散を迎えた。

企業との関係

Kondara プロジェクトの成果物をベースにして、スポンサーである企業が商用フォントやユーザーサポートを含むパッケージを発売していた。その中にはサーバ用途の機能を盛り込んだ Kondara MNU/Linux Server 1.1や、ウェブ・クラスタリング機能つきの Kondara MNU/Linux Web Cluster 2000など独自の機能を盛り込んだものがあった。サーバの提供などの面で Kondara プロジェクトに貢献した面もあるが、Kondara 1.2/2000の混乱、Asumi リリース撤回事件、解散の原因となった商標問題の原因となるなど負の一面も持っていた。

関連項目

  • Momonga Linux — 解散時の Kondara プロジェクトのリポジトリを引き継いだ。
  • PS2 LinuxKondara ベースの Linux ディストリビューション。
  • コンダラ — 名前の由来になった都市伝説。