GTK+
GTK+ (The GIMP Toolkit) は、クロスプラットフォームのウィジェット・ツールキット(GUIツールキット)である。当初は、GIMPの実装のために開発され、現在は、GNOMEデスクトップ環境のツールキット等として広く利用されている。
GTK+はGNUプロジェクトの一部であり、GNU LGPLの元で開発されているオープンソースなフリーソフトウェアである。
GTK+アプリケーションは、GNOMEに限らずKDEなどのGTK+ベースでないデスクトップ環境でも動作する。GNOMEライブラリを使用することにより、GNOMEデスクトップ環境のさまざまな機能を使用したアプリケーションを開発することができるが、GTK+だけでアプリケーションを構成することも可能。
GTK+は、主にFreeBSDやLinuxディストリビューションといったオープンソースのOS向けのソフトウェアに多く利用されているが、WindowsやMac OS Xにも移植されている。
目次
プログラミング言語
Qtと違ってGTK+はC言語を使うが、オブジェクト指向のパラダイムで普通デザインする。また、公式に C++ (gtkmm), Perl (gtk2-perl), Python (PyGTK), C#(Gtk#), Java (Java-GNOME), JavaScript, Vala、非公式に Fortran (gtk-fortran), Ruby (Ruby/Gtk2), PHP (PHP-GTK), Pascal, Lua, Haskell, FreeBASIC といった言語でもバインディングを用いることにより開発が可能である[1]。
テーマ(ルックアンドフィール)
ユーザーがGTK+の見た目を変えられる。これはテーマエンジンを切り替えることで実現されていて、多くのテーマが提供されている[2]。これらのテーマの中にはMac OS XのAquaやWindowsやMotifやQt等の他の有名なツールキットやプラットホームをまねた見た目を提供するのもある。
GTK+2
GTK+2とはGTK+1の次のバージョンのGTKとして開発されたツールキットである。Pangoによる多言語テキスト出力、新テーマエンジン、ATKによるアクセシビリティサポートの向上、UTF-8によるUnicode環境への移行などがされている。GTK+2はGTK+1と互換性がないので、GTK+1用のプログラムをGTK+2環境で動かすにはGTK+2用にソースコード等を修正する必要がある。いくつかのアプリケーションは軽量さや組み込みアプリケーションに適しているなどの理由からオリジナルバージョンを使いつづけGTK+1のままで使われているのもある。
インプットメソッドが必要な日本語などの言語のためにimmoduleというプラグインスタイルのフレームワークが用意されており、XIMやIIIMFを利用するための仕組みも、それぞれこのimmoduleの1つとして実装されている。
GTK+2を利用したソフトウェア
- GIMP
- Inkscape
- Mozilla Firefox
- Mozilla Thunderbird
- Sylpheed (メールソフト)
- Epiphany (Webブラウザ)
- 風博士 (Webブラウザ)
- mikutter (Twitterクライアント)
- 各種GNOME 2アプリケーション - GNOME環境はGTK+をベースにしており、GNOMEアプリケーションはツールキットとしてGTK+を使用している。
GTK+2 immodule のさまざまな実装
- im-canna - かんなのimmodule
- im-freewnn - FreeWnnのimmodule
- im-perl - Perlで入力メソッドを記述するためのimmodule
- im-euro - 'euro'をユーロ記号に変換して、欧米人に入力メソッドをわかりやすく説明するためのimmodule
- im-ja - im-cannaベースに、手書き入力などさまざまな日本語入力に対応
- im-ime - Windows専用のimmodule。Windows上のIMEでのインライン日本語入力に対応
- im-xim - Xインプットメソッドのimmodule
- im-iiim - IIIMFのimmodule
- im-uim - uimのimmodule
関連項目
参照
外部リンク
- GTK+オフィシャルサイト
- GNOMEオフィシャルサイト
- GTK 2.x APIリファレンス
- 日本GNOMEユーザ会(APIリファレンス・チュートリアル等の日本語訳)