KDE

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テンプレート:Infobox KDE(ケーディーイー)は、クロスプラットフォームな統合アプリケーションを制作する国際的なフリーソフトウェア共同体X Window System上などで動作するデスクトップ環境KDE Software Compilation』などを提供している。このデスクトップ環境はGNOMEと双璧をなす存在であり、GPLなどのライセンスの下で提供されている。

提供されるデスクトップ環境は、Qtなどのコアテクノロジの上で、ウェブブラウジングやファイル操作、マルチメディアの再生、オフィス作業など多くの用途のための数多くのソフトウェアが含まれており、SlackwareopenSUSEKubuntuMandriva LinuxPCLinuxOSTurbolinuxなどのLinuxディストリビューションの他、PC-BSDDesktopBSDといったFreeBSDディストリビューションが標準で採用している。

概要

ファイル:Krunner kde4.3.png
KDE4のアプリケーションランチャー、KRunner

KDEにより提供されるアプリケーションは、GUIツールキットQtを採用しており、ファイルマネージャ(DolphinKonqueror)やウェブブラウザ(Konqueror)、メディアプレーヤ(KaffeineAmarok)、メールソフト(KMail)、テキストエディタ(KEditKWriteKate)、オフィススイート(KOffice)などの多くのアプリケーションを含む。また、環境設定はKDE3ではKControlから、KDE4ではKDE システム設定から管理でき、KDE環境の設定に加えて、KDMというログインアプリケーションや、ハードウェアへの設定変更もできるようになっている。

特徴

  • インタフェースは、Microsoft Windowsなどからの影響が見られ、デフォルトで画面下部に配置されるパネルには、タスクバー、アプリケーションランチャ、システムトレイ、ページャ(仮想デスクトップ)、システムトレイなどを備える。freedesktop.orgを通じて、GNOMEやXfceなどの他のデスクトップ環境との操作体系の互換性も確保されている。
  • KDE PIMモジュールなどで各アプリケーション間の連携が優れているほか、多くのアプリケーションで共通性のある操作方法を持ち、多くの設定も一元的に管理できることから統合的な環境として利用できる。

ソースコードと配布について

KDEはソースコードと設定スクリプトが、FTPサーバー [1]にリリースされる。また、多くのLinux/FreeBSDディストリビューションではコンパイル済みのバイナリパッケージがリリースされている。

名称について

KDEの旧称はK Desktop Environmentであり、KDEはその略称として使われていた。ただし、KDEのKはとくに意味はない。創始者が発足時に"Kool Desktop Environment"と称していたが、"K"は特別意味を持たせないことがすぐに決められた。デスクトップ環境Common Desktop Environment(CDE)をもじって命名したともされる。なお、収録されていたヒント(KTip)の一つに、「Linuxの頭文字"L"の前のアルファベットだ」とする記述が見受けられたが、この説は正しくない [1]

2009年11月24日にコミュニティが関与している技術の拡大から名称変更し、「KDE」を正式名称として使用することに決定した[2][3]

KDE4について

2008年からリリースされている現行のバージョンで、すでに安定版(4.1.x以降)がリリースされている。最大の変更はこれまで別種のアプリケーションとして提供されていたルートウィンドウ(KDesktop)、パネル(Kicker)、ウィジェットエンジン(SuperKaramba)をPlasmaに統合したことである。これによって操作感が刷新されたほか、古いウィンドウマネージャとの互換性を高めた。ファイルマネージャには、KDE4よりKonquerorに替わりDolphinが採用された(Konquerorも利用できる)。そのほか、ハードウェアとの関係が強化され、マルチメディアフレームワークのPhononにより洗練されたマルチメディア環境が整えられた。

KDEアプリケーション

ここでは、KDEの一部として機能している各種アプリケーションの概要について述べる。

ウィンドウマネージャー

KWinが標準のウィンドウマネージャーとして利用されており、3Dデスクトップなどのデスクトップ効果が利用できるほか、動作やテーマなどのさまざまなカスタマイズを行える。ルック・アンド・フィールは、KDE標準、CDE風、Windows風、BeOS風など、導入時点から複数のテーマを利用できるほか、インターネット上にも多数公開されている。 KDE4では、標準で使用するウィンドウマネージャーを選択でき、CompizMetacityなども利用できる。 また、KDE4ではPlasmaにより柔軟なデスクトップの管理、さまざまなウィジットの利用なども可能になっており、壁紙についても、仮想デスクトップ毎の変更や、アプリケーションの出力を表示できるようになっている。

ファイルマネージャー

KDE3ではKonqueror、KDE4ではDolphinがその役割を担う。いずれもタブ機能、ファイルのサムネイル表示、充実したコンテキストメニューなど多くの機能を備える。 KDE4では標準で使用するファイルマネージャーを選択でき、DolphinやKonquerorだけでなくさまざまなファイルマネージャーをKDEで利用できる。

ターミナルエミュレーター

Konsoleという端末エミュレーターが標準で用意されている。プロファイルによる設定の管理、背景色、文字色等の細かな設定等の機能を備える。 また、Konsoleはタブ機能も備えており、複数のウィンドウを開く必要無しにいくつかの操作を同時に行える。

テキストエディター

Konquerorなどに組み込まれて使用されるエディター、KEdit、簡単なテキストの編集に向いているとされるKWrite、さらに多くの機能を備えるKateなどがある。 KWrite、Kateには検索や置き換え、その他基本的なエディターの機能が備わっている。

イメージビューアー

Gwenviewが標準的なイメージビューアーとして用意されている。Gwenviewは、イメージのスライドショー機能、簡単なエディット機能、簡易的なファイルマネージャーの機能をもつほか、プラグインによるさまざまな機能の拡張などにも対応している。

メディアプレーヤー

音楽のコレクション管理、再生のためのAmarokや、動画を再生することも可能なKaffeineDragon Playerなどが用意されている。 KDE4向けのAmarokは、Plasmaのようなウィジットの機能なども搭載しており、Last.fmShoutcastなどの各種インターネットサービスなども、簡単に利用できるようになっている。

Webブラウザ

ファイルの管理機能も備えるKonquerorが、KDE向けのウェブブラウザとして用意されている。レンダリングエンジンにはKHTMLを利用しており、Mozilla向けのプラグインなども、別途利用できる。そのほか、フォントや履歴、クッキーなどに関するさまざまな設定を行える。

メーラー、PIM

メーラーとしてはKMailが用意されており、その他予定管理用のソフトウェアやアドレスブックなども含んだPIM、Kontactも用意されている。 KMailは、検索や振り分け等の機能など数多くの機能を備え、Kontactを利用することによって、予定やアドレスなどの数多くの個人情報をも管理できる。 その他、インスタントメッセージングをするためのKopeteも用意されており、MSN(Windows Live)やYahooなど、様々なアカウントでメッセージングを行える。

オフィス作業向け

ワードプロセッサーのKWord、スプレッドシートのKSpreadなどが、KOfficeとして用意されており、さまざまなオフィス作業を行える。

開発者向け

KDevelopが用意されており、KDEアプリケーションやQtアプリケーションを開発する統合開発環境として利用できる。


その他にもさまざまなKDE用アプリケーションがあり、様々な操作をKDE環境上で行うことができるようになっている。

また、Konquerorなど、KDEアプリケーションの一部はWindows[4]Mac OS Xにも移植されている[5]

開発体制

他の多くのフリー/オープンソフトウェアと同じく、ボランティアによる開発を中心としており、その他にもノベルや、QtソフトウェアMandrivaなどの企業も開発に参加している。

開発の本拠地はドイツに置かれている。

リリースについて

KDEのリリースには、大きく分けてプラットフォームリリースとスタンダードリリースがある。

  • このうちプラットフォームリリース (x.0) はそれぞれのリリース間でAPIABIなどのバイナリ互換性ない。このリリースは、Qtのリリース間隔と関連している。
  • スタンダードリリースはメジャーリリース (x.1, x.2, x.3 など)とメンテナンスリリース (x.1.1, x.1.2, X.1.3 など)に分けられる。メジャーリリースは新機能を含み、メンテナンスリリースはバグフィックスが中心となる。

沿革とバージョン、スクリーンショット

ファイル:Konqi-klogo-official-400x500 b.png
KDEプロジェクト・マスコットであるKonqi

KDE 1

  • 1998年7月12日 - KDE 1.0リリース
  • 1999年3月4日 - KDE 1.1リリース - さまざまな改良。新しい背景やアイコンが含まれている。

KDE 2

KDE 3

Trinity Desktop Environment(TDE)

KDE3の開発は公式には3.5.10で終了したが、その後もTDEと名前を変え、有志の手によってメンテナンスが続けられている。

KDE 4

Color Meaning
Red 過去のリリース
Green 現在のリリース
Blue 将来のリリース
バージョン リリース日 おもな新機能と変更点
4.0 2008年1月11日[7] Qt4ベースに移行
新テーマ(Oxygen)、PlasmaPhononSolidAkonadiなどの新しいコアテクノロジ
DolphinOkularなどによる一部アプリケーションの置き換え
4.1 2008年7月29日[8] Dragon PlayerKDE PIMモジュールなどの新アプリケーション
いくつかのアプリケーションが、Microsoft WindowsOS Xに対応
4.2 2009年1月27日[9] KRunnerなどPlasmaの改良
電源管理機能の追加
プリンター設定システムの改善
4.3 2009年8月4日[10] PolicyKitへのフロントエンドの提供
多数のPlasmaウィジットの追加
ソーシャルネットワークのサポート強化
4.4 2010年2月9日[11] KDE PIMの改善
Plasmaのネットブック向けインターフェイスの提供
4.5 2010年8月10日[12] KonquerorのWebkitへの対応
アプリキャッシュ機能の搭載
4.6 2011年1月26日[13]

4.7 2011年7月27日[14]

4.8 2012年1月25日[15] Dolphin と Gwenview のレンダリングを改善し、表示を高速化。
全体的なパフォーマンスの改善と安定性の向上。
電源管理設定の充実
4.9 2012年8月1日[16] Dolphin に新機能を多数追加。
全体的なパフォーマンスの改善と安定性の向上。
4.10 2013年2月6日[17] デザインや操作の一貫性や安定性が向上。
KWin にGet Hot New Stuff(GHNS)アプローチを統合。
4.11 2013年8月14日[18] Plasma Workspaces、Dolphinのパフォーマンスの向上。
PIM stackの大規模な改善により、PythonJavascript開発者の生産性を向上。
4.12 2013年12月18日[19] PIM stackのパフォーマンスの向上。
多数のマイナー最適化、バグフィックス。
4.13 2014年4月16日[20] Kontact、Okular、他に多数のアプリケーションに新機能。
多数のマイナー最適化、バグフィックス。
4.14 -

脚注

テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

テンプレート:Commons&cat テンプレート:Portal

テンプレート:KDE

テンプレート:FOSS
  1. テンプレート:Cite web
  2. テンプレート:Cite web
  3. テンプレート:Cite web
  4. Projects/KDE on Windows/Installation
  5. KDE on Mac OS X
  6. KDE開発の発表
  7. テンプレート:Cite web
  8. テンプレート:Cite web
  9. テンプレート:Cite web
  10. テンプレート:Cite web
  11. テンプレート:Cite web
  12. テンプレート:Cite web
  13. テンプレート:Cite web
  14. テンプレート:Cite web
  15. テンプレート:Cite web
  16. テンプレート:Cite web
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  18. テンプレート:Cite web
  19. テンプレート:Cite web
  20. テンプレート:Cite web