ファイナルファンタジーシリーズ

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テンプレート:独自研究 テンプレート:コンピュータゲームシリーズ ファイナルファンタジーシリーズFINAL FANTASY series、略称:FFシリーズ)は、日本のゲーム設計者坂口博信によって生み出され、スクウェア・エニックス(旧スクウェア)によって開発・販売されているRPGシリーズ作品(一部MMORPGアクションRPG)。CGアニメアニメでも展開されている。

1987年に発売された『ファイナルファンタジー』を第1作とする日本製のRPGシリーズ。派生作品を含め様々な世界観を持った作品が数多く発売されており、シリーズ全タイトルの世界累計出荷本数は1.1億本以上(48作品)[1](2014年3月時点)を数える。国内を代表するゲームシリーズの一つである。

名称と略称

「ファイナル」とは、第1作『ファイナルファンタジー』制作当時、それまでのスクウェアの業績が芳しくなく、制作者たちの間でもおそらく最後の作品になるであろうという意味を含めて付けられた名称である[2]。しかし、思いがけずヒットし、『ファイナルファンタジー』は同社の看板作品となった。

公式な略称は"FF"だが、人によっては“ファイファン”と呼ぶ者もいる[3]。開発スタッフは「FF」(エフエフ)という略称を想定していた[3][4]

販売

第1作『ファイナルファンタジー』から第6作『ファイナルファンタジーVI』までは、一貫して任天堂の家庭用ゲーム機(ファミリーコンピュータスーパーファミコン)向けにソフトが開発・販売されていた。しかし『ファイナルファンタジーVII』以降は、ソニー・コンピュータエンタテインメントのゲーム機であるPlayStationシリーズ向けソフトとして開発・販売されている。マルチプラットフォーム化されることもあり、『ファイナルファンタジーXIII』シリーズではマイクロソフトXbox 360向けにも開発・販売されている。

以前は、PS3といった家庭用ゲーム機のスペックに合わせた開発だったが、『ファイナルファンタジーXV』などではDirectX(PC)上でオリジナルを作り、そこから最適な移植を行う方針に変更している[5]

任天堂との関係

『ファイナルファンタジーVII』をPlayStationで開発したことをきっかけに、それまでハードウェアを供給し続けてきた任天堂とスクウェアは険悪な関係となった。これは、大容量のメディアを採用したハードを求めていたスクウェアの開発姿勢と任天堂の方針が大きく食い違っていた事が原因であった、と後のインタビューでは語られている(そのためスーパーファミコンの末期のスクウェアタイトルは、ソフトの発売スケジュールが全て繰り上げられた)。詳細はスクウェア・エニックス#任天堂との関係を参照のこと。

これ以後、長らくスクウェアは任天堂のハードでFFシリーズを開発することはなかった。その中で、携帯ゲーム機市場においてスクウェアは大きな苦戦を強いられることとなる。2000年以降、スクウェアはFFシリーズのスピンオフ作品である『はたらくチョコボ』を皮切りにバンダイの携帯ゲーム機であるワンダースワンに参入し、その後FFシリーズ初のリメイク作品をリリース。しかし、携帯ゲーム機市場における任天堂のゲームボーイシリーズの圧倒的優位は揺るぐことがなく、ワンダースワン自体が短命ハードとして市場から姿を消していった。

だが、映画事業の失敗に伴い、代表取締役社長が和田洋一に交代、方針転換してからは関係が改善し、ゲームボーイアドバンス用ソフトとして外伝的作品『ファイナルファンタジータクティクスアドバンス』や『チョコボランド』などがリリースされる。その後、スクウェアとエニックスの合併を経て、ゲームキューブ用ソフト『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』が発売。任天堂ハードでの新作FFとしてシリーズ化されている。

また、2004年からはナンバリングタイトルの移植・リメイク作品が任天堂の携帯ゲーム機向けに発売されるようになった。同年7月には『ファイナルファンタジーI・II アドバンス』を発売。2005年10月には『ファイナルファンタジーIV アドバンス』のゲームボーイアドバンスでの発売を発表すると共に "Finest FANTASY for ADVANCE" というキャッチフレーズで「携帯機完全移植計画」を開始。ゲームボーイアドバンス向けには2006年10月に『ファイナルファンタジーV』、同年11月に『ファイナルファンタジーVI』の移植版が、ニンテンドーDS向けには2006年8月に『ファイナルファンタジーIII』、2007年12月に『ファイナルファンタジーIV』のリメイク版が発売された。

作品一覧・タイトル

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ゲーム

初代『ファイナルファンタジー』は、1987年12月に日本で発売された。タイトルにナンバリングが振られている続編が数多くあるが、それらナンバリングタイトル間において、ストーリー上のはっきりとした関係はない。それぞれの作品世界は、いわゆるパラレルワールドのような立ち位置となっている。

多くのシリーズのゲームは、北米、ヨーロッパ、オーストラリア市場向けにローカライズされている。また、多数のゲーム機、PCそして携帯アプリ向けにも発売されている。

2007年3月時点で、28のゲームが存在する[6]

この数字には、『ファイナルファンタジー』から『ファイナルファンタジーXIV』までのナンバリング作品の直接の続編とスピンオフ作品を含む。多くの旧作品は、複数のプラットフォームにリメイクおよび移植が行われている。

第一作・ナンバリングの作品

日本における発売年の年表
1987 – ファイナルファンタジー
1988 – ファイナルファンタジーII
1989 –
1990 – ファイナルファンタジーIII
1991 – ファイナルファンタジーIV
1992 – ファイナルファンタジーV
1993 –
1994 – ファイナルファンタジーVI
1995 –
1996 –
1997 – ファイナルファンタジーVII
1998 –
1999 – ファイナルファンタジーVIII
2000 – ファイナルファンタジーIX
2001 – ファイナルファンタジーX
2002 – ファイナルファンタジーXI
2003 –
2004 –
2005 –
2006 – ファイナルファンタジーXII
2007 –
2008 –
2009 – ファイナルファンタジーXIII
2010 – ファイナルファンタジーXIV

初期の3つのファイナルファンタジーシリーズは、任天堂のファミリーコンピュータをプラットフォームとして発売された。第1作は日本で1987年に発売され、北米では1990年に販売が始まった[7][8]

ファイナルファンタジー』は、据え置きゲーム機のRPGジャンルに多くの新しいコンセプトを導入した。また、複数のプラットフォーム上でリメイクされている[8]

ファイナルファンタジーII』は日本で1988年に発売された[8][9][10]

ファミリーコンピュータ上での最後の作品となる『ファイナルファンタジーIII』は、日本で1990年に発売された[11]。しかし『FFIII』は2006年にニンテンドーDS上でリメイクされるまで移植されなかった[10]

スーパーファミコン上でも、『ファイナルファンタジーIV』-『ファイナルファンタジーVI』までの3つのシリーズ作品が製作されており、それらの全てが他のプラットフォームに移植されている。

ファイナルファンタジーIV』は、1991年に発売された。北米では、当初 "FINAL FANTASY II" として発売された[12][13]

『IV』ではアクティブタイムバトルシステムが初めて導入された[14]

1992年に発売された『ファイナルファンタジーV』は、OVA『ファイナルファンタジー』という、ストーリー上での続編が作られた初めての作品である[8][15][16]

ファイナルファンタジーVI』は、日本で1994年に発売されたが、北米では "FINAL FANTASY III" として発売された[17]

続く『ファイナルファンタジーVII』-『ファイナルファンタジーIX』までの3作品はソニー・コンピュータエンタテインメントのPlayStation上で発売された。

1997年に発売された『ファイナルファンタジーVII』は、それまで使われていた2Dグラフィックスではなく3Dグラフィックスを使った最初のシリーズ作品である。その後のシリーズ作品は全て3Dグラフィックスを用いて作られている。『FFVII』では、ポリゴンのキャラクターがプリレンダリングされた背景に登場している。また、『FFVII』はより現代的な設定を導入し、そのスタイルは後のシリーズにも受け継がれていった[8]。『FFVII』はヨーロッパで発売された最初のシリーズ作品でもある。

ファイナルファンタジーVIII』は、1999年に発売された。『FFVIII』は、より写実的なキャラクターと音声を、テーマ音楽を元に一貫性を持って使用した最初の作品とされる[8][18]

ファイナルファンタジーIX』は、2000年に発売された。『FFVII』や『FFVIII』のような現代的な世界ではなく、FFシリーズの伝統的な世界設定に戻されている[8][19]

『FFX』-『FFXII』までのシリーズは、オンラインゲーム1作を含めてPlayStation 2 (PS2) で発売された。

2001年に発売された『ファイナルファンタジーX』は、フル3Dのフィールドとキャラクターボイスを採用した初めての作品である。また、直接の続編となるゲーム『ファイナルファンタジーX-2』が作られた初めてのシリーズ作品でもある[20][21]

ファイナルファンタジーXI』は、2002年にPS2とPCで発売され、後にXbox 360でも発売された[22][23]。シリーズ中では最初のMMORPGである。同様に、この『FFXI』はリアルタイムでのシームレスな戦闘システムをランダムエンカウントの代わりに使用した初めての作品である[23]

ファイナルファンタジーXII』は2006年に発売された。前作と同様に、相互接続されたフィールドでのリアルタイムでの戦闘システムを用いている[24][25]

2009年に、『ファイナルファンタジーXIII』がPlayStation 3 (PS3) 用ソフトとして日本で発売され、翌年北米とヨーロッパでもPS3とXbox 360で発売された[26][27]。『FFXIII』は、ファブラ ノヴァ クリスタリス ファイナルファンタジーと呼ばれる一連の作品のフラグシップタイトルである[28]

MMORPGである『ファイナルファンタジーXIV』は、世界中でWindows用ソフトとして2010年に発売され、PS3[29]・PS4上での発売も予告されている。

続編とスピンオフ作品

ファイナルファンタジーは多くのスピンオフ作品とメディアミックスを生んだ。

大型の作品としては『FFX』、『FFXIII』の続編としてそれぞれ『FFX-2』、『FFXIII-2』がある。 また、色々な追加点を加えたインターナショナルシリーズがFFⅦとFFⅩで発売されている。                                         テンプレート:節stub

他メディア化

スクウェアエニックスは、アニメ、CGアニメーションを含む様々なメディア上にファイナルファンタジーシリーズを展開している。 テンプレート:節stub

開発および歴史

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ファイル:Hironobu Sakaguchi 20070706 Japan Expo 1.jpg
坂口博信。ファイナルファンタジーの開発者

1980年代半ばに、スクウェアはシンプルなRPG、レーシングゲームといったゲームによって、任天堂のファミリーコンピュータ上で日本のコンシューマーゲーム産業に参入した。

1987年に、スクウェアのゲームデザイナーの坂口博信は、エニックスの『ドラゴンクエスト』、任天堂の『ゼルダの伝説』、オリジンシステムズの『ウルティマ』シリーズなどからインスピレーションを受け、ファミリーコンピュータ向けに新しいファンタジーRPGを創作することを決定した。

しかし、スクウェアは当時経営危機に直面していたため、坂口は新しいRPGがゲーム産業での最後の仕事になるだろうと考えていた。そのため、新たなゲームには“ファイナルファンタジー”という名前が付けられた。もしも新しいゲームが売れなければ、坂口は会社を辞め大学へ戻ろうと考えていた[30][31][32]

しかし坂口の予想に反して、『ファイナルファンタジー』は予期せぬ大きな売上を記録し、スクウェアの経営危機を救うこととなった[33][31]

それどころか、『ファイナルファンタジー』はスクウェアの看板タイトルとなった[31][34]

第1作の成功を受け、スクウェア社はすぐに続編の開発に着手した。しかし、坂口は『ファイナルファンタジー』を単独の作品として考えていたため、初期の作品は続編を開発しうるストーリー構成となっていなかった。そのため、後継作品はテーマ上の類似性や、いくつかのゲーム要素(例えばキャラクター成長システム)のみを受け継ぎ、ストーリー上の関係を持たないものとなった。このアプローチはシリーズを通して受け継がれている。FFシリーズのそれぞれの作品は、新しい設定やキャラクターを用い、戦闘システムは更新されている。テレビゲームライターのジョン・ハリスは、ゲームシステムの再構築とストーリー上の緩い繋がりを持つシリーズ構成は、日本ファルコム『ドラゴンスレイヤー』シリーズに起源があると分析している[35]。『ドラゴンスレイヤー』シリーズには、以前にスクウェアも開発に関わっている[36]。 FFシリーズには主人公が仲間の「死」に直面する場面がいくつかあるが、それは1990年に坂口の母親を火災で失っていることに起因する。坂口曰く「人の死を悲しむだけで終わるのではなく、それを乗り越える強さを持つことが大事」と母の死から学び、ユーザーにメッセージとして伝えるためと語っている。テンプレート:節stub

基本的なシステム

シリーズ作品の中では共通の世界観として、あらゆる力の源である「クリスタル」を中心とする世界が描かれる事が多い。「クリスタル」にあたる位置に『FFVI』の「魔石」や『FFVII』の「マテリア」などがあてられる場合もあるが、その基本的な役割に大きな変更はない。ただ、『FFVI』以降に発売された作品では「クリスタルを中心とした世界」の枠にとらわれず、作品ごとに多彩な世界が描かれる傾向にある。

ナンバリングタイトル同士の直接的な物語のつながりはなく、聖剣伝説ファイナルファンタジータクティクスなどの外伝も続編として作られたものではない。『FFI』-『FFIII』-『FFV』間や、『FFII』-『FFIV』間、『FFVII』-『FFX』間、『FFIII』-『FFXI』間のように間接的なつながりを暗示するものもあるが、これらにおいても、あくまで古い作品のストーリーは新しいものの中で伝説・逸話として語られるにとどまっている。

ただし一部の人物名、キーワード、デザインの中には、シリーズ共通のものもあり、シド(人名)、飛空艇チョコボビッグス&ウェッジギルガメッシュポーション、ギル(通貨単位)などは代表的な例である。シドは老人、中年、青年と、作品ごとに容貌や役回りは異なるが飛空艇発明家として登場することが多い。ほか、ほぼ全作品にバハムートと呼ばれる屈強な竜が登場するが、本来竜ではないこの神話的幻獣を、日本で竜のイメージとして定着させたのはこの作品によるところが大きい。

FFX』と『FFX-2』のように、同じ世界を使用した続編を製作する流れがあり、"COMPILATION of FINAL FANTASY VII" や「イヴァリースアライアンス」 "FABULA NOVA CRYSTALLIS FINAL FANTASY" と共通の世界観を持つ作品群を複数発表している。『FFXII』と「イヴァリースアライアンス」のひとつである『FFXII RW』は、主人公を同じとしているが、続編ではないという位置づけで登場した。

ハード環境の進展に応じて、ATB(アクティブタイムバトル)アビリティシステムなど、常に新たなシステムを試みている。これは小改良のみで基本的なシステムの変更が無いドラゴンクエストシリーズなどとは異なる特徴である。また、美麗かつ大規模なグラフィック、映画のようなストーリー演出と、徐々に広がる世界のスケールの壮大さも本シリーズの魅力である。積極的にムービーやボイスを利用する演出も他の大作RPGシリーズとは異なる。しかし一方で、プレイヤーのストーリー進行の自由度が失われているという閉鎖的な見方もある。

チョコボの不思議なダンジョン』や『チョコボスタリオン』など、FFシリーズならではの“世界観”と他会社のソフトの“既存のシステム”を応用して製作される外伝作品も多い。

音楽

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植松伸夫。多くのFFシリーズの音楽を作曲した。

シリーズ中では多くの音楽が使われているが、テーマは頻繁に再利用されている。

第1作から作曲を担当していた植松伸夫の存在は、ゲーム音楽界で非常に大きいウエイトを占めており、2005年には米国Time紙において「現代の音楽における革新者のひとり」として紹介されている。

ゲームエンジン

一般的なゲーム制作はゲームエンジンありきで行われることが多いが、FFシリーズはそれぞれの作品に応じて新規にゲームエンジンを作るスタイルを採用している。SFC版の『FFIV』以降は全て異なるゲームエンジンを使ってゲームを制作してきた。しかし、この方式では1作品ごとに新しいゲームエンジンを作ることになり開発費の高騰につながるため、ゲームエンジンをシリーズ内において共通化することが今後の課題となっていた。2007年にFFシリーズのための開発ツールとして「Crystal Tools」(クリスタルツールズ)が開発され、『FFXIII』『FFvsXIII』『FFXIV』で使用されている。

ゲームエンジン「Luminous Studio」を使った技術デモではFF的要素としては次の項目が必要最小限として挙げられている[37]

  • 魔法
  • 召喚獣
  • ゴージャスで美しい
  • 洗練
  • 変化と挑戦

非FF的要素としては「流血・しみ」「しわ・肉体の欠損」といった項目が挙げられている。

プロットとテーマ

多くのファイナルファンタジーのゲームにおいて、ゲーム中の世界の支配を目論む対立者との戦いに焦点が置かれている。ストーリー中では独裁国家における反乱が描かれ、主人公たちのグループは反乱に参加することが頻繁にある。主人公たちは悪と戦うことを運命づけられていて、悪の行動の結果によって仲間が集結することが多い[8][38]

シリーズの他の主題として、「複数の悪役が存在する」ということがある。最初に現れた敵は実際は他のキャラクターや組織の手下であり、その闘いの後に仲間となるケースが多い。また、真の敵は最初はそうだとは分からず、ストーリーが進んでいく中で敵対関係が判明していく[8]。ゲームの最初に現れた主要な敵は常に真の最終ボスであるとは限らないため、プレイヤーは最終的な決着までにゲーム中のクエストを続けなければならない[38]

シリーズ中のストーリーでは、頻繁に登場人物たちの精神的な葛藤、情熱や悲劇が強調される。そして、ゲームの主なテーマはキャラクターの個人的な生い立ちから世界をめぐる戦いにシフトしていく[25][39]。また、愛や対立といったキャラクター同士の関係性も模索される[8]

他に繰り返し現れるシチュエーションには、記憶喪失、主人公が悪の力によって堕落させられたり、アイデンティティを喪失したり、登場人物が他人のために自己犠牲を払ったりする状況がある[8][40][41]

魔術的な力を持つ魔石やクリスタルも、ゲーム中のアイテムとして頻繁に再登場する。それらはゲームの中心的なプロットと結びついていることが多い[38]。クリスタルは世界の創造で中心的な役割を持っており、多くのファイナルファンタジーのシリーズではクリスタルや魔石は惑星のエネルギーと関係を持っている。そのような世界で、クリスタルの所有や利用が物語中の中心的な衝突を引き起こす[38][42]四大元素の設定もシリーズ中で繰り返し表れるテーマであり、クリスタルや魔法といった要素にも使われている。[38]

他によく使われるプロットやテーマは、ガイア理論終末論や科学の発展と自然の対立などがある[38][40][43]。過去に勃発した大きな戦争が、現在に暗い影を落としているという設定も多い。

ゲームシステム

コンピュータRPGとしては、主人公とその仲間を操作して、モンスターとの戦闘を繰り返し経験値やそれに類するポイントを蓄積してパワーアップし、徐々に行動範囲を広げていき最終的に架空世界の危機を救う、といった典型的なものである。しかし、新作を出すたびにその時代における革新的なシステムを提示している。

成長システム

基本的にレベルを上げることで成長するが、「ジョブ」・「スフィア」といった要素のポイントを貯め、アビリティを習得していくことが中心になっている作品もある。作品ごとの独自のシステムについては、各作品のシステムの節を参照。

レベル制
『FFII』『FFX』『FFXIII』以外で採用されている。経験値をためることによってレベルを上げるシステム。これを上げればキャラクターは強くなる。
基本的にレベル制では、戦闘で得られる経験値から、戦闘終了時点での戦闘可能状態の人数で経験値を分配するシステムとなっている。
ただし『FFVIII』では、戦闘で得られる経験値を戦闘終了時点で戦闘可能なキャラに均等に分配した上で、敵にトドメを刺したキャラにはボーナス値を与えるシステムになっている。
また『FFXI』では敵とキャラクターのレベルの比較により経験値が決定され、キャラクターに比べて敵が弱くなるにつれ経験値が減り、あまりに弱い敵からは経験値が入らなくなる。『FFXII』においても、キャラクターが強くなると徐々に弱い敵から得られる経験値が減る傾向がある。
例外的に『VIII』では敵のレベルも上がる。
ジョブチェンジシステム
『FFIII』『FFV』『FFタクティクスシリーズ』『FFX-2』『FFXI』『チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮』で登場する。ジョブ(職業)に転職(変身)することで固有の特殊技能を使用できるようになったり、能力値が変化したりする。登場ジョブは各シリーズによって様々である。
熟練度システム
『FFII』に登場する成長システム。総合的な経験値およびレベルを廃し、キャラクターの戦い方や行動の内容によって熟練度が蓄積され、使った各魔法や武器、盾のレベルが別個に成長するというもの。同様に各ステータスの上昇(下降)も行動内容に依存する。厳密に言えば熟練度システムではないが、スキルシステムとして『FFXI』に同様の物が存在する。
アビリティシステム
ジョブ固有の能力、ないし特殊な能力をプレイヤーの好みに合わせて装着・解除できるシステム。
魔石システム
『FFVI』に登場する「魔石」を使用したシステム。魔石を装備することにより、それに対応した召喚獣の召喚、および魔石固有に設定された魔法の習得が可能となる。また、一部の魔石はキャラクターのステータス成長にも関与する。
マテリアシステム
『FFVII』に登場する「マテリア」を使用したシステム。マテリアごとに固有のアビリティが設定されており、マテリアを武器や防具の空きスロットに装着することによってその能力を引き出すことが可能となる。また、マテリアは戦闘を重ねることで成長する。
ジャンクションシステム
『FFVIII』に登場するGF(ガーディアン・フォース)を使用する成長システム。魔法を敵キャラから「ドロー」というコマンドで入手、もしくはアイテムから精製するなどして作り、それを力や魔力などの各パラメータに装着することによってキャラを強化する。
装備アビリティシステム
アクセサリシステムの発展型。レベルアップの成長をカスタマイズしたり、装備に存在するアビリティを習得するシステム。『FFIX』の項目を参照。
スフィアシステム
『FFX』に登場する「スフィア」を使用した成長システム。スフィア盤という巨大な双六盤のようなボードの上を、戦闘で稼いだスフィアレベルを消費しながら進んでいく。各コマには力を上げたり魔法を習得したりと、様々な効果が設定されているので、それに対応したスフィアを使ってアビリティを入手していく。
ライセンスシステム
『FFXII』に登場する成長システム。魔法や装備は、たとえ所持していてもそれに対応するライセンスを持っていないと使用・装備ができない。そこでこのライセンスボードを使ってライセンスを習得し、キャラを成長させていく。基本的にはスフィア盤に似ているが、こちらは近接するコマに進むまではどこに何のアビリティがあるのかが見えないため、手探りで進んでいかなければならない。

戦闘

本シリーズの戦闘シーンは、ドラゴンクエストシリーズなどに代表されるプレイヤー視点の形式と対照的に、『FFVI』までの2D作品では、プレイヤーサイドと敵サイドが向かい合い、その様子を横から眺めるという「サイドビュー形式」、『FFVII』以降の3D作品ではカメラアングルがめまぐるしく変化しながら戦闘の様子が映し出される形式となっている。

『FFXI』『FFXII』以外はエンカウント制が採用されており、通常はあらかじめ設定されたエンカウント率に従ってバトルが発生する(いわゆるボス戦闘など、エンカウント率とは無関係に発生するバトルを除く)。なお、一部の作品においては装備によってエンカウント率を下げることも可能である。

各キャラクターは打撃や魔法など、様々な手段で戦闘を進めていく。魔法についての詳細はファイナルファンタジーの魔法形態の項目を参照のこと。代表的な戦闘システムおよび戦闘に関する概要は以下を参照。

ターン制
第1作『FFI』-『FFIII』で採用。味方が全員コマンドを入力すると「1ターン」が始まり、おおむね「すばやさ」の高い順に行動する。
ATB(アクティブ・タイム・バトル)
『FFIV』-『FFIX』、『FFX-2』で採用。時間経過によって敵味方ともにゲージが溜まってゆき、そのゲージが溜まった者から行動を決定・開始できるというシステム。ファイナルファンタジーシリーズの戦闘の顔ともいえる。なお、ATBは当時業界初の新システムで、スクウェア(現スクウェア・エニックス)は特許(特許第2794230号)を取得している。かつてシステムは特許の対象外とされていたが、ソフトウェア関連発明の保護が重要視される状況にスクウェアが敏速に対応したと言える。
CTB(カウント・タイム・バトル)
『FFX』で登場した独自のシステム。詳しくは『FFX』を参照。
RTB(リアル・タイム・バトル)
『FFXI』で登場。入力コマンドが即時に行動に反映される。ただし魔法などには効果発動までに「詠唱時間」、再び使えるようになるまでの「再詠唱可能時間」(待機時間)が存在する。
ADB(アクティブ・ディメンション・バトル)
『FFXII』で登場。フィールド画面(移動画面)と戦闘画面とが一体化している。詳しくは『FFXII』を参照。
敗北条件
味方全員が戦闘不能及び石化、ゾンビになる、など。
勝利条件
敵モンスターの全滅及び特定の敵を撃破すること。作品によっては特定の条件を満たすことによって勝利と判定されるような場面も存在する。
隊列
『FFI』-『FFIX』で採用。『FFI』は並び順で「上」にいるキャラクターの方が攻撃を受けやすいという方式だったが、『FFII』-『FFVII』および『FFIX』では前列と後列の概念が採用されている。後列は前列に比べて敵からの物理攻撃ダメージが減少するが、近距離武器での敵に対する物理攻撃ダメージも同様に減少する(例外として、『FFII』では弓以外では敵に対しての物理攻撃が不可能になる)。また、魔法・弓などの一部の武器は隊列に関係なく攻撃できる。大抵の作品では敵にも当てはまり、奥にいる敵には物理攻撃ダメージが減少する。

基本用語

作品に関連して頻繁に登場する用語で、独自の意味を持つもの。

アイテム関係

ポーション
HPを回復するアイテム。上位に「ハイポーション」や「エクスポーション」がある。
エーテル
MPを回復するアイテム。上位に「エーテルターボ」や「ハイエーテル」などがある。
エリクサー
1人のHP・MPを完全回復するアイテム。この効果を味方全体に及ぼす「ラストエリクサー」もある。『FFII』では「エリクシャー」という表記だが効果は同じ。ただし『FFXI』のみ効果が低くHP、MP共に最大値の4分の1しか回復せず、ハイエリクサーで半分回復し、ラストエリクサーで初めて全回復する(使用者のみ)。
フェニックスの尾
死亡した者(戦闘不能になった者)を生き返らせることができるアイテム。上位に「メガフェニックス」や「フェニックスの羽」がある。
テント
味方全員のHP・MP・ステータス異常を回復できるアイテム。ただし、フィールドマップやセーブポイントでしか使えない。「コテージ」として登場することもある。

キャラクター関係

シド
FFシリーズを通して登場するキャラクターの名前。『FFII』から登場している。各作品で設定は違うものの、なんらかの形で主人公達に協力または敵対し、飛空艇に関わる事が多い。時にはプレイヤーキャラクターであったり、敵として戦うボスキャラクターである事もある。シドがプレイヤーキャラクターである作品は、『FFIV』『FFVII』『FFタクティクス』。『FFI』の原作には登場していなかったが、GBA版『FFI・IIアドバンス』やPSP版『FFI』では、村人の話の中で天空人「ルフェイン人」の先祖だとされている。
チョコボ
『FFII』から登場した、大型の鳥のような生き物。移動に利用できる。独特の体臭をもち、「クエッ」と鳴く(『FFV』以降)。さまざまな形で人間と共存しており、FFシリーズのマスコット的存在となっている。チョコボが主に活躍するスピンオフ作品については#チョコボシリーズの節を参照。
モーグリ
『FFIII』から登場した、小型の白い生き物。「クポー!」と鳴き(FC版『FFIII』を除く)、作品によっては人間の言葉をしゃべる。人目を避け隠れ住む場合がほとんどだが、『FFIX』や、『FFXI』、『FFXII』などでは、世界規模の独自の文化を形成し人間と共存する。
ギルガメッシュ
『FFV』から登場したキャラクター。FFV以外に関しては、『FFI・II アドバンス』のようにFFVのキャラクターとしてゲスト出演する場合や、『FFXII』のようにキャラクターを作り直す場合などがあり、設定はシリーズ毎に大きく異なる。

主なモンスター

システム関係

ジョブ
特殊な能力を持つ職業のこと。FFシリーズにおいてはキャラクタークラスの意味で使用されている。『FFI』『FFIII』『FFV』『FFXI』に登場するほか、『FFXII』ではインターナショナル版に追加されている。同義に『FFX-2』のドレスがある。また『FFIV』『FFVI』のメニュー画面では、キャラクターごとにそれぞれ「肩書き」が表示されるが、こちらもジョブとほぼ同義のものである。例「戦士」「黒魔道士」など。同名のジョブであっても作品によって扱いが大きく異なる場合もある。
アビリティ
何らかの方法で習得した特殊な能力や技。自分自身の装備枠の許す限り設定しておける。
クリティカルヒット
通常の物理攻撃(たたかう)を選択した際、まれに発生する大ダメージを与える攻撃。通常の2倍ほどのダメージを与えられる。「運」などのステータスが関わってくる。
召喚獣
召喚士がアビリティで「召喚」することによって現れる強大な存在。人、獣、竜などさまざまな形状で現れ、通常の魔法では得られない絶大な効果を発揮することが多い。
セーブポイント
『FFIV』以降に登場する。フィールドマップ以外でプレイ経過を記録したり、テントを張って休息したりできる地点である。基本的には特殊な結界・物質であることが多いが、『FFIX』ではモーグリがこの役割を代行している。『FFX』や『FFXII』では触れるだけで状態異常やHP・MPが全回復する。なお、オンラインゲームである『FFXI』にはセーブポイントは存在せず、替わりに戦闘不能時やデジョンなどの魔法を使用した際に戻ることができるホームポイントが存在する。
ラグナロク
北欧神話の「神々の黄昏」を意味する、

主なスタッフ

  • 坂口博信 - FFシリーズの生みの親。『ファイナルファンタジーX-2』までの歴代作品のプロデューサー・ディレクターなどを数多く務める。
  • 植松伸夫 - FFシリーズのBGMの作曲を手がける。『FFI』-『FFX』まではメインコンポーザー。『FFXI』の一部、『FFXII』の挿入歌を担当。
  • 天野喜孝 - 『FFVI』までと『FFIX』のキャラクターデザイン、全作品のイメージイラストなど。
  • 田中弘道 - 『FFI』-『FFIII』のゲームデザイン、『FFXI』『FFXIV』のプロデューサーなど。
  • 渋谷員子[44] - 『FFI』-『FFVI』のグラフィック、『FFIV』『FFV』のパッケージイラストなど。
  • 寺田憲史 - 『FFI』-『FFIII』のシナリオライター。
  • ナーシャ・ジベリ - 『FFI』-『FFIII』のメインプログラマー。
  • 石井浩一 - 『FFI』の企画コンセプト、『FFII』のゲームデザイン、『FFIII』のジョブデザイン、設定など。サイドビュー戦闘画面の発案者。チョコボとモーグリの生みの親。
  • 伊藤裕之 - FFシリーズのゲームデザイナー。ATB、アビリティ、アクセサリシステム等の生みの親。
  • 河津秋敏 - 『FFI』『FFII』ゲームデザイン、『FFCC』プロデューサーなど。
  • 北瀬佳範 - 『FFVI』-『FFVIII』のディレクター。『X』、『XIII』のプロデューサーなど。
  • 野村哲也 - モンスター・キャラクターデザイン、ディレクターなど。
  • 吉田明彦 - 『FFIII(DS版)』、『FFXII』、『FFXIV』、『FFT』キャラクターデザインなど。
  • 野島一成 - 『FFVII』、『FFVIII』、『FFX』、『FFXV』のシナリオライター。

タイトルロゴ

タイトルロゴは『FFIV』から統一したスタイルを採用している。ほぼ同一の書体のアルファベットで書かれたタイトルの背後にイラストが配置される。イラストは、各タイトルのテーマを暗示するものが多い。『FFI』、『FFII』、『FFIII』のリメイク版でもこの統一ロゴが使用されている。

『FFIV』はDSのリメイク版でロゴが変更となった。『FFI』、『FFII』のPSPリメイク版のロゴはイラストのモデル自体は同じだが、新たに描き起こされている。初公開された時点では『FFXII』のような巨大なイラストだったが、発売直前に縮小された。

FFCCシリーズでの統一ロゴのイラストは、GC版『FFCC』を除いて中央ではなく右側に配置されている。また、Wiiウェアの2作品はFFCCの表記が小さく副題が大きい。

FC版の『FFI』のロゴは「ファイナルファンタジー」とカタカナで書かれたもので、フォントもまったく異なっている。『FFII』、『FFIII』ではアルファベットをデザイン化した独自のロゴが使用され、これらも『FFIV』以後のフォーマットとは大きく異なる。タイトルロゴの背後にイラストも配置されていない。『FFI』-『FFIV』では、ゲーム中に表示されるタイトルは商品パッケージのロゴとは別のデザインが使用されている。また、FFTシリーズのタイトルロゴもFFシリーズのものとはフォーマットが異なる。

下記は、統一ロゴの一覧。

作品名(略称) タイトルイラスト デザイナー
FFI(WSC版、PS版) 光の戦士のひとり 天野喜孝
FFI(PSP版)
FFII(WSC版、PS版) パラメキア皇帝
FFII(PSP版)
FFIII(DS版) 光の戦士のひとり
FFIV カイン
FFIV(DS版) ゴルベーザ
FFV 飛竜
FFVI 魔導アーマーに乗るティナ
FFVII メテオ
FFVIII 抱き合うリノアとスコール
FFIX クリスタル
FFX ユウナ、シン
FFX-2 ユウナ、リュック、パイン
FFXI 冒険者(群像)
FFXII ジャッジ・ガブラス
FFXIII パルスに落ちたコクーン
FFXIII-2 ライトニングとカイアス
FF零式 人差し指を合わせようとするふたりの人物[注 1]
FABULA NOVA CRYSTALLIS 有翼の人物
FFXIV 武器を持つ冒険者達
FFXV 眠る人物[注 2]
FFIV THE AFTER 2つの月
FFVII AC メテオとフェンリル(オートバイ)の車輪を合わせたもの 直良有祐
BC FFVII ふたりのタークス(人物はキャリアによって異なる) 野村哲也
DC FFVII ケルベロスの頭部
CC FFVII 青空
FFXII RW 飛空艇と有翼の人物を合わせたもの 上国料勇
FFT ジョブキャラクター(複数人) 吉田明彦
FFT 獅子戦争
FFTA ジャッジ 伊藤龍馬
FFTA2 封穴のグリモア 吉田明彦
FFCC ミルラの樹 板鼻利幸
FFCC RoF ユーリィとチェリンカ
背景はシングルプレイヤーモードの登場キャラクターたち
FFCC EoT 猫とクリスタル
小さな王様と約束の国 FFCC 城と城下町
光と闇の姫君と世界征服の塔 FFCC 世界征服の塔
DFF、DDFF 調和の女神コスモスと混沌の神カオス 天野喜孝
シアトリズムFF 調和の女神コスモスと混沌の神カオス[注 3]、中央には音符 モンスターオクトパス
ファイナルファンタジー レジェンズ ソールと謎の人物 天野喜孝
FFブリゲイド 飛空艇
  • "FABULA NOVA CRYSTALLIS" は作品名ではなく開発プロジェクトの名称であるが、統一ロゴを使用している。
  • リメイク版でオリジナル版とは異なるデザインのロゴを使用しているのは以下の通り:
    • WSC版、PS版、PSP版『ファイナルファンタジー』
    • WSC版、PS版、PSP版『ファイナルファンタジーII』
    • DS版『ファイナルファンタジーIII』
    • DS版『ファイナルファンタジーIV』
    • 『ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争』

評価

幅広いファン層を誇り、歌手の加山雄三ノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊も、本シリーズのファンであると公言している。 テンプレート:節stub

影響

ドラゴンクエストとの関係

家庭用ゲーム機向けRPGとして先に人気を博したのは、登場の早かった『ドラゴンクエスト』である。同シリーズは、日本初の家庭用ゲーム機向けRPG作品であり、そのインパクトと影響は大きく、ファイナルファンタジーシリーズの生みの親である坂口博信はそのビジネス的成功を見て、「ファミコンでもRPGが作れると気づいた」と語っている。また、石井浩一も坂口が「ドラクエのようなRPGを作りたかった」と話していた、と述べている[45]。『ドラゴンクエスト』に遅れをとる形になったファイナルファンタジーシリーズの第1作は「ドラクエの亜種」と評価されることもあり、評価が固まらなかった。しかしその後、両シリーズは「競争」しながら独自の路線を確立していくことになり、両者は「2大RPG」と呼ばれるまでに成長する[46]。本シリーズの日本におけるソフト累計販売本数は、『FFVII』と『FFVIII』においてトリプルミリオンを続けて記録していたが、『FFIX』以降は作品によっては販売本数を減らしている[注 4]。これに対し、ドラゴンクエストシリーズは『DQVII』で400万本の大台を叩き出した後も、『DQVIII』でトリプルミリオン、『DQIX』ではシリーズ最高の432万本を達成している。ただし、DQの「一番売れているハードで売る」というコンセプトに対し、FFは「FFで新しいハードの普及率を伸ばす」というコンセプトとなっているほか、発売周期もDQよりも短いため、単純に比較することはできない。

なお、DQの全世界累計売上のほとんどが日本国内の売上であるため、世界市場での累計出荷本数ではファイナルファンタジーシリーズの方が大幅に上回っている。また、世界的な市場別での販売本数を見た場合は、タイトル(開発チーム)によって売り上げが大きく異なる傾向も見られる[注 5]2003年4月1日、ファイナルファンタジーシリーズの発売元であるスクウェアとドラゴンクエストシリーズの発売元であるエニックスが合併。2004年12月に発売された『ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー in いただきストリートSpecial』では両シリーズのキャラクターが共演し、2社合併の象徴ともいえる存在となった。

このような歩み寄りは見られるものの、それぞれのシリーズの独立性は失われることなく保たれている。『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』がニンテンドーDSで発売された一方で、ファイナルファンタジーシリーズは『ファイナルファンタジーXIII』がPlayStation 3で発売されており、両者の明確な路線の違いを見て取ることができる。

その他

飛空艇
ドラえもん のび太の大魔境』に登場する飛行船。造形が似ているだけでなく、『FFIV』ではまったく同じドリルタイプのバリエーションが登場している。
召喚獣
半熟英雄』のエッグモンスター。当時はモンスターが味方になるというのは画期的だと言われていた。この設定をFFに輸入したのが召喚獣のルーツである。
ミッドガル
SF映画『ブレードランナー』の影響を受けたとスタッフが語っている。
ダークナイト、ゴルベーザ、ジャッジ、(少し遠い意味で)シン
SF映画『スターウォーズ』シリーズのダース・ベイダー。仮面の下の正体が実は身内というパターンが守られている。
ビッグス&ウェッジ
SF映画『スターウォーズ』シリーズのデススターに突入する戦闘機部隊で主人公のルークと共に行動する傍役の名前を使用している。
トロの剣
ドラゴンクエストシリーズに登場するロトの剣のもじり。スクウェアとエニックスが合併した事によって可能となったもの。

脚注

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注釈

  1. 『FFアギトXIII』から『FF零式』へのタイトル変更と共に、イラストの色彩も変わっている。
  2. 『FFヴェルサスXIII』から『FFXV』へのタイトル変更と共に、イラストの色彩も変わっている。
  3. ただし、2体はデフォルメ調に描かれている。
  4. ただし、『FFIX』ではソフト発売前に情報規制があり、雑誌等での宣伝機会を失ったために前2作ほど売れなかった、という見方もある。詳しくは「ファイナルファンタジーIX#備考・関連情報」を参照。
  5. 例として、日本国内ではシリーズ内で売れた部類に入る『FFIX』の販売本数が、北米では『FFX-2』よりも下である。

出典

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関連項目

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外部リンク

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  10. 10.0 10.1 テンプレート:Cite web
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  44. テンプレート:Cite web
  45. 週刊ファミ通2月29日増刊号特別付録『ファイナルファンタジー』生誕20周年記念冊子 FINAL FANTASY Festa! Files クリエーターインタビューより。
  46. 藤井大児「『ファイナル・ファンタジー』の誕生-株式会社スクウェアによる家庭用ゲーム・ソフト開発の事例-」(岡山大学経済学会雑誌、36巻1号)57頁以下参照。