アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁
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アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁(アメリカがっしゅうこくれんぽうきんきゅうじたいかんりちょう、Federal Emergency Management Agency of the United States、略称:FEMA)は、大災害に対応するアメリカ合衆国政府の政府機関である。天災にも人災にも対応する。アメリカ合衆国国土安全保障省の一部であり、緊急準備・即応担当次官 (Under Secretary of Emergency Preparedness and Response) の下に置かれている。
FEMAは、洪水、ハリケーン、地震および原子力災害を含む、その他の災害に際して、連邦機関、州政府、その他の地元機関の業務を調整することを請け負っている。また、家屋や工場の再建や企業活動・行政活動の復旧にあたって、資金面からの支援を行う。
各州や連邦政府直轄地等(ワシントンD.C.)には緊急事態管理局という下部組織が存在する。
組織
20世紀前半においては、自然災害に対応する連邦政府の部局は、公共道路局(Bureau of Public Roads)やアメリカ陸軍工兵隊などさまざまな部局に分散していた。1960年代から1970年代を通じてハリケーンや地震災害が相次いだことにより、連邦政府の災害対応部局拡大の一環として1979年4月1日にジミー・カーター大統領によってFEMAが設置された。
国土安全保障省(DHS)発足以前は、大統領直属の独立した連邦機関として自然災害を中心とする緊急事態に対し、連邦軍・州兵を含む他の連邦機関・州及び地方機関に対し、予算執行を含む強力な指揮命令権を有していた[1]。
その後、2003年3月にブッシュ政権による組織改編で国土安全保障省に編入され、危機管理能力向上を期待されたが、2005年に相次いだハリケーン災害への対応での政府の対応の遅れの原因はFEMAの国土安全保障省への編入による指揮系統の混乱ではないかという批判が出ていた。
実際、国土安全保障省が創設された以降も、FEMAを含む移籍したはずの22の機関はそれぞれの出身官庁に実質的に分散したままであり、人事管理のマニュアルも出来上がっておらず、また、これら22の機関の職員は互いのコミュニケーションが出来ていなかった。これらの混乱の原因の一つに、国土安全保障法の実行法が組織改編前と同様に、それぞれの省庁に分散していた(出来ていなかった)ことが挙げられる。
活動
- National Disaster Medical System (NDMS) 災害医療システム
- Urban Search and Rescue (USAR) 救助隊
- Disaster Mortuary Operations Response Team (DMORT) 遺体処理
- Disaster Medical Assistance Team (DMAT) 災害医療チーム
- Mobile Emergency Resource Support (MERS) 移動災害対処システム
- Training 教育・訓練
また原子力テロに対する放射能汚染対策である「Planning Guidance for Protection and Recovery Following RDD and IND incidents[2]」も策定している。
陰謀論
FEMAはREX-84プロジェクトとそれに続くOperation Garden Plotに基づくアメリカ連邦政府によるアメリカ人虐殺を信じる陰謀論者たちの告発にさらされてきた。戒厳令施行後には連邦政府に自治体および州政府の権限が移され、FEMAはマウントウェザーなどに拠点を置き連邦政府の執行機関として活動するとされる。
注釈
- ↑ 大統領から非常事態宣言、またはそれに準ずる命令等が発令された場合、現地に派遣されたFEMA係官は自身の判断で当該災害等に関するあらゆる措置を口頭で「大統領命令」として執行することができ、書類等の事務手続きは事後処理でよかった
- ↑ FEMA, DHS "Planning Guidance for Protection and Recovery Following RDD and IND incidents"
関連項目
- ノースリッジ地震(ロサンゼルス地震)
- ハリケーン・カトリーナ
- Xファイル 「影の政府」として登場。