高野秀行
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高野 秀行(たかの ひでゆき、1966年10月21日 - )は、日本のノンフィクション作家、翻訳家。東京都八王子市出身。
誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをして、それを面白おかしく書く。 をモットーに執筆活動をつづける辺境作家(公式サイトより)。
妻は『愛犬王―平岩米吉伝』で第12回小学館ノンフィクション大賞を受賞した、ライターの片野ゆか。
義姉(妻の姉)にミャンマー研究者・翻訳者の高橋ゆり。その夫(義兄)にニュージーランド生まれでオーストラリアで活躍するジャズ・ピアニストのマイク・ノック。
略歴・人物
早稲田大学第一文学部仏文科卒業。在学中は探検部所属。探検部の後輩に、平井竜一(のち逗子市長)、四倉幹木(のち朝日新聞記者)らがいた。
大学在学中に、探検部での探検行をまとめた、『幻の怪獣・ムベンベを追え』でデビュー。
1992~93年にはタイ国立チェンマイ大学日本語科で、2008~09年には上智大学外国語学部で、それぞれ講師を務める。
自身の作品も含めた「エンターテインメント的なノンフィクション」を、雑誌『本の雑誌』2007年8月号の誌上で「エンタメ・ノンフ」と命名[1]。翌月号でさっそく特集が組まれるなど[2]、反響を呼んだ。2009年1月には、宮田珠己、内澤旬子と「エンタメノンフ文芸部」を結成。また、大野更紗のデビューのきっかけを作った。
『ワセダ三畳青春記』で第1回酒飲み書店員大賞を受賞。2013年、『謎の独立国家ソマリランド』で第35回講談社ノンフィクション賞受賞。なおこの回の同時受賞者である角幡唯介も早稲田大学探検部の後輩である。
著書
- 『幻の怪獣・ムベンベを追え』早稲田大学探検部名義、PHP研究所 1989(のちに高野秀行名義で『幻獣ムベンベを追え』と改題して集英社文庫)
- 『アマゾンの船旅』(地球の歩き方) 鈴木邦弘写真 ダイヤモンド・ビッグ社 1991 (のちに『巨流アマゾンを遡れ』と改題され集英社文庫)
- 『怪しいシンドバッド 愛と野望のアジア・アフリカ・南米』朝日出版社 1997(のち、集英社文庫)
- 『ビルマ・アヘン王国潜入記』草思社 1998(のち、『アヘン王国潜入記』と改題して集英社文庫)
- 『極楽タイ暮らし「微笑みの国」のとんでもないヒミツ』ワニ文庫 2000
- 『極楽アジア気まぐれ旅行』ワニ文庫 2001
- 『西南シルクロードは密林に消える』講談社 2003 (のち、講談社文庫)
- 『ワセダ三畳青春記』集英社文庫 2003 - 2006年に第一回「酒飲み書店員大賞」受賞
- 『異国トーキョー漂流記』集英社文庫 2005
- 『世界のシワに夢を見ろ!』小学館 2005(のち、小学館文庫)
- 『ミャンマーの柳生一族』集英社文庫 2006
- 『アジア新聞屋台村』集英社 2006 (のち、集英社文庫)
- 『怪獣記』講談社 2007 (のち、講談社文庫)
- 『怪魚ウモッカ格闘記 インドへの道』集英社文庫 2007
- 『神に頼って走れ! 自転車爆走日本南下旅日記』集英社文庫 2008
- 『辺境の旅はゾウにかぎる』本の雑誌社 2008 (のち、『辺境中毒!』と改題し集英社文庫)
- 『メモリークエスト』幻冬舎 2009 (のち、幻冬舎文庫)
- 『アジア未知動物紀行』講談社 2009
- 『放っておいても明日は来る 就職しないで生きる9の方法』本の雑誌社 2009
- 『間違う力 オンリーワンの10か条』BASE CAMP 2010
- 『腰痛探検家』集英社文庫 2010
- 『世にも奇妙なマラソン大会』本の雑誌社 2011
- 『イスラム飲酒紀行』扶桑社 2011
- 『未来国家ブータン』集英社 2012
- 『またやぶけの夕焼け』集英社 2012
- 『移民の宴』講談社、2012
- 『謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア』本の雑誌社、2013
- 『地図のない場所で眠りたい』角幡唯介との共著 講談社 2014
訳書
- エマニュエル・ドンガラ『世界が生まれた朝に』(小学館 コンゴの文学)1996
- アンソニー・ヘイデン=ゲスト『54ザ・ラストパーティ』(アーティストハウス 1999