電流計
テンプレート:出典の明記 電流計(でんりゅうけい、テンプレート:Lang-en)は、電流を測るための電気計器である。
自動車やオートバイに使用される電流計についても、この項目で説明する。
目次
使用方法および接続の仕方
内部電気抵抗の小さな測定器であり、測定箇所の回路を開いてその2点間に直列に接続する。実際には、回路に小さな抵抗(分流器)を挿入し、その抵抗の両端の電圧を測定することで電流値としている。
また、測定範囲の拡大のために、分流器や変流器が使用される(変流器は被測定回路と電流計を絶縁するためにも使用される)。
内部構造
電圧計と構成は同じであるが、内部抵抗を極力小さくするために太いコイルが巻かれる。右は可動コイル形、その下は可動鉄片形である。
直流電流計
直流においての電流を測定するのに使用される。構造は可動コイル型であり永久磁石およびコイルで構成される。電流計単体だけでは大きな電流を測れないので目的の電流にあわせて分流器を使用する。
交流電流計
商用周波数程度 (45 - 65Hz) の交流電流を測定するのに使用する。直流にも使用することは可能だが、電流が大きくなるにつれて誤差が大きくなるので実際には使用されない。
電流力計型電流計
構造的には電力計と同様だが内部配線が異なる。原理的には直流から商用周波数程度(DC - 1000Hzまで可能なものも)である。
検流計(ガルバノメーター)
テンプレート:Main 一目盛りで10-6アンペア[A]以下の高感度の検出をする電流計である。ブリッジ回路(ホイートストンブリッジなど)の平衡を確かめるために使用される。
直流用のものは、強力な永久磁石を使用した可動コイル形計器である。また、電子回路を利用した簡易電子式検流計もある。
ガルバノメーターという名称は、イタリアの物理学者、ルイージ・ガルヴァーニにちなむ。
熱電形電流計
電流によるジュール熱を熱電対を用いて直流電流に変換し、それを可動コイル形計器で測定するものである。
熱電対に流れる電流の二乗に比例するので目盛りは二乗目盛りとなり実効値を表示する。交流および直流どちらでも使用可能であり、直流で校正した後に交流を測定すれば正しい値が得られる。
測定範囲はDC - 1MHzまでと非常に幅広い反面、電流の測定範囲は融通が利かず2 - 3倍程度の過電流により熱電対が簡単に焼損してしまう。測定範囲は1 - 1000mA程度までである。
分流器(シャント)及び計器用変流器
分流器(ぶんりゅうき)は、直流電流計の測定範囲拡大に使われる直流用測定範囲拡張器である。電流計に並列に接続し電流計に流れる電流を分流させる抵抗器である。
電流計の最大目盛りの時の測定対象の電流をIm、電流計の内部電気抵抗をr・流れる電流をIr、分流器の抵抗をRP、とすると次のようになる。
- <math> I_m = I_r + I_r \frac{r}{R_P} = I_r \left(1 + \frac{r}{R_P}\right)</math>
- <math>\frac{I_m}{I_r} = \left(1 + \frac{r}{R_P}\right)</math>
よって、最大目盛りの時の電流が<math>\left(1 + \frac{r}{R_P}\right)</math>倍に拡大されたことになる。
また、端子の切り替えにより分流器の倍率を変更できる多重目盛りの電流計も製作されている。
計器用変流器(けいきようへんりゅうき)は大電流の測定のために使用される。電流計は100A程度まで製作されているがそれ以上となると、大電流による接続端子部分の電圧降下及び発熱、磁界の発生による指示誤差などが生じてくるためである。なお計器用変流器を使用するときは一次側を接続した状態で二次側を開放してはならない。それは測定している電流が全て励磁電流となり、二次側に高電圧が誘起されて大変危険であり焼損の危険もあるからである。
自動車・オートバイにおける電流計
自動車やオートバイの一部には、メーターパネル内などに電流計を備えた車種が存在する。
この場合、計器の文字盤の表示はアンペアを数値的に示すのではなく、+と−で表記される。指針がプラス側のゾーンを示している場合にはオルタネーターやダイナモから発電される電流が、車体側の消費電流を上回っている事を示す。逆に、指針が中央線を横切ってマイナス側のゾーンを示している場合には、発電電流が車体側の消費電流を下回っており、バッテリーから電流が持ち出しの状態になっている事を示す。
関連項目
外部リンク
- 電流計 理科ねっとわーく(一般公開版) - 科学技術振興機構