指示電気計器

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

指示電気計器(しじでんきけいき)とは、電気諸量を直接に指針などでアナログ表示する電気計器である。

分類

動作原理

指示電気計器の動作原理による分類
種類 記号 文字記号 使用範囲 測定要素 指示 用途 動作原理 特徴
周波数[Hz] 電流[A] 電圧[V]
可動コイル形 M 直流 10-4~104 10-2~103 電圧・電流・電気抵抗温度磁束・回転 平均値 標準用・携帯用・配電盤用 可動コイルと永久磁石磁界との相互作用 高感度、消費電力・外部磁界の影響小
可動鉄片形 S 101~102 10-2~104 101~105 電圧・電流 実効値 携帯用・配電盤用 可動鉄片と固定コイル磁界との相互作用 安価、堅牢、外部磁界・波形・周波数の影響大、零点付近の目盛間隔が狭くなる
電流力計形 空心 D 直流~103 10-1~104 101~105 電圧・電流・電力 実効値 標準用・携帯用 電流の流れた2つコイル磁界の相互作用 交直差小、外部磁界の影響・消費電力大
鉄心入
静電形 E 直流~106 - 102~105 電圧 実効値 携帯用・据置用 2つの金属板間の電位差による静電吸引力 機器単独で高電圧測定可能、消費電力・交直差・波形の影響小
誘導形 I 101 10-1~104 101~105 電力量・電力・電圧・電流 実効値 配電盤用 固定コイル磁界とアルミニウムの回転円盤の誘導うず電流との相互作用 構造が簡単、堅牢、駆動トルク・周波数の影響大
振動片形 V 101 - - 周波数 - 配電盤用 固有振動数の異なる振動片の交流電流との共振 構造が堅牢、半永久的に使用可能、周波数変化に対する即応性が劣る
可動コイル比率計形 XM 直流 10-4~104 10-2~103 電気抵抗・絶縁抵抗・温度 平均値 携帯用・配電盤用 2つの電気量を2つのコイルに与えそのトルクの比率を表すもの
可動鉄片比率計形 XS 101~102 10-2~104 101~105 電圧・電流 実効値 携帯用・配電盤用 2つの電気量を2つのコイルに与えそのトルクの比率を表すもの
電流力比率計形 空心 XD 直流~103 10-1~104 101~105 力率位相・周波数 実効値 配電盤用 2つの電気量を2つの電流力形コイルに与えそのトルクの比率を表すもの
鉄心入
整流形 R 101~104 10-4~104 100~105 電圧・電流 平均値×正弦波の波形率 携帯用・配電盤用 整流素子の出力を可動コイル形で指示するもの 交流用の中では最も高感度、波形の影響大
熱電形 直熱 H 直流~107 10-3~104 101~102 電圧・電流・電力 実効値 携帯用 測定電流に比例する抵抗の温度上昇による、熱電対の出力を可動コイル形で指示するもの 高周波用計器に最適、過負荷に弱い、指示が安定するまで時間がかかる、周辺温度の影響あり
絶縁
  • 電流・電圧の使用範囲は、計器用変成器・分流器・倍率器などを外付けする場合を含む。
  • 変換器形(電子デバイス形)は、測定値を直流電流で出力するトランスデューサと可動コイル形を組合わせたもので、近年使用される割合が増加しているものである。(従来はトランスデューサ形と呼ばれていたが1997年のJIS改正により呼称変更)

使用回路

  • 直流用
  • 交流用
  • 交直両用
  • 平衡三相用
  • 不平衡三相用

表示部(指針・目盛)

  • 平等目盛
  • 不平等目盛
  • 対数目盛
  • 広角度目盛
  • 両振れ目盛
  • 多重目盛
  • 鏡付目盛

取り付け位置

  • 鉛直用
  • 水平用
  • 傾斜用

測定要素