陰の季節
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テンプレート:基礎情報 書籍 『陰の季節』(かげのきせつ)は、横山秀夫による日本の短編推理小説。第5回松本清張賞受賞作、第120回直木三十五賞候補作。
目次
概要
それまでの警察小説と異なり、警務課調査官という管理部門(一般警察官の人事責任者)の警官(警視)を主人公に据えた作品である。本作の主人公・二渡(ふたわたり)が所属するのはD県警という架空の警察本部で、「D県警シリーズ」の1つでもある。
収録作品
あらすじ
テレビドラマ
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:Sidebar with collapsible lists TBS系列の2時間ドラマ「月曜ミステリー劇場」(毎週月曜日21:00 - 22:54)で放送されていたシリーズのひとつ。2000年から2004年にかけて放送。全7回。主演は上川隆也。
放送枠は「月曜ドラマスペシャル」(1989年 - 2001年)、「月曜ミステリー劇場」(2001年 - 2006年)。
原作が短編作品のため、『陰の季節』収録作品以外からも映像化された。原作では二渡は「陰の季節」のみで主人公を務めるが、ドラマでは全作で主人公になっている。
キャスト
神奈川県警察
- 二渡真治
- 演 - 上川隆也
- 神奈川県警警務部警務課調査官(警視)。父親(第2作と第3作の間に死去)も元警察官。県警採用の出世頭だが、同期や部下を大切にする。
- 大黒克己
- 演 - 高田純次
- 神奈川県警警務部長(警視長)。警察庁採用のキャリア。警務課の腕の見せ所である人事で失敗するわけには行かないと、二渡に発破をかける。
- 前島泰雄
- 演 - 清水宏次朗
- 神奈川県港警察署刑事課長。二渡とは警察学校時代の同期。
- 七尾友子
- 演 - 麻木久仁子
- 神奈川県警警務部警務課、二渡の部下。県警女性初の警部。二渡とは警察学校時代の同期。
- 上原徹
- 演 - 近江谷太朗
- 神奈川県警警務部警務課、二渡の部下。
- 斉藤香澄
- 演 - 内田量子
- 神奈川県警警務部警務課、二渡の部下。
- 白田晋介
- 演 - 市川勇
- 神奈川県警警務部警務課長。
- 青山元幸
- 演 - 須永慶
- 神奈川県警本部長。
- 佐々木勝利
- 演 - 鈴木ヤスシ
- 神奈川県警留置管理室長代理。情報通で、二渡から度々相談を持ちかけられ、その度に他の部署に異動させてほしいと頼んでいる。
- 山本明彦
- 演 - 首藤健祐
- 神奈川県港警察署刑事課一係刑事。
- 水谷正人
- 演 - 河野洋一郎
- 刑事部科学捜査研究所次長(警部)。二渡から度々極秘の調査を頼まれる。
その他
- 尾坂部道夫
- 演 - 伊東四朗
- 元・神奈川県警刑事部長。ノンキャリアながら数々の事件を解決した功績により刑事部長の地位まで昇りつめた。定年退職後に天下りし、産業廃棄物不法投棄監視センター専務理事。第2作以降は「あけぼの保育園」園長。第6作で胆石で入院。
- 吉村梢
- 演 - 浅田美代子【友情出演】
- 小料理屋「あい」の女将。
ゲスト
- 第1作(2000年) 「陰の季節」
- 第2作(2001年) 「動機」
- 第3作(2001年) 「密告」
- 第4作(2002年) 「失踪」
- 第5作(2003年) 「事故」
- 第6作(2003年) 「刑事」
- 第7作(2004年) 「清算」
スタッフ
- 原作 - 横山秀夫
- 脚本 - 浅野有生子(第1作 - 第6作)、安井国穂(第7作)
- 監督 - 真船禎(第1作、第3作、第5作、第7作)、中山史郎(第2作、第4作、第6作)
- プロデューサー - 照喜名隆、越智貞夫、井上由紀、角田正子
- 制作 - TBS、THE WORKS
放送日程
# | 放映日 | サブタイトル | 原作 | 脚本 | 監督 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2000年5月1日 | 陰の季節 | 『陰の季節』より「陰の季節」 | 浅野有生子 | 真船禎 | 18.5% |
人事異動の内示発表の5日前、3年前に民間企業に天下りしていた尾坂部道夫が、“3年で辞める”という暗黙の掟を破り、「辞めない」と言い出す。人事担当の調査官・二渡がその理由を調べ始めると、結婚間近の尾坂部の娘・恵が5年前に被害に遭い、被疑者死亡というわだかまりが残ったまま終わった暴行事件にけりをつけようとしていることを突き止める。 | ||||||
2 | 2001年1月29日 | 動機 | 『動機』より「動機」、『陰の季節』より「黒い線」 | 浅野有生子 | 中山史郎 | 16.3% |
保管庫に収められていた警察手帳30冊が盗まれる。警察官にも手帳から解放される時間が必要であると二渡が主張した一括保管が仇となった。内部犯行が疑われ、記者会見まで2日の猶予が与えられた。そんな中、連続通り魔犯検挙に貢献した婦警が無断欠勤をしていることが分かる。 | ||||||
3 | 2001年12月24日 | 密告 | 『陰の季節』より「地の声」 | 浅野有生子 | 真船禎 | 17.3% |
警視昇任を控えた浜浦署の万年警部の曾根がパブのママと不倫をしている、という密告書が警務課に届く。大きな手柄を立てたこともなく、警察官としての経歴もイマイチの曾根は部下からの評判も芳しくなかった。密告者は一体誰なのか、二渡は浜浦署の刑事で元公安課の柳刑事に極秘に調査を依頼する。 | ||||||
4 | 2002年10月28日 | 失踪 | 『看守眼』より「看守眼」 | 浅野有生子 | 中山史郎 | 14.2% |
冤罪を訴えていた被疑者・柴崎が留置場で自殺を図り、発見者の看守・近藤が彼を救急搬送した後失踪してしまう。懲戒免職が検討されるが、定年を間近に控えていた近藤が簡単な理由で失踪するはずがないと考えた二渡は、冤罪事件と失踪事件の調査のために48時間の猶予をもらう。そして、長年刑事になりたかった近藤がある未解決事件を追っている可能性に行き当たる。 | ||||||
5 | 2003年3月17日 | 事故 | 『陰の季節』より「鞄」 | 浅野有生子 | 真船禎 | 15.2% |
鵜飼県議会議員が県警を揺るがす不祥事に関する「爆弾質問」を出すという情報が入る。議会までの猶予は3日間、二渡は質問内容を掴み備えようとするが、二渡をライバル視する議会担当秘書官(警察官)の柘植は、鵜飼の弱味を探して質問自体を潰そうと企む。 | ||||||
6 | 2003年9月15日 | 刑事 | 「刑事の勲章」「警告」 | 浅野有生子 | 中山史郎 | 14.2% |
大黒警務部長が、警察庁次長の息子の結婚披露宴があるから職務中に亡くなった署員の署葬には出られないと言い出し、署葬を蔑ろにするわけにはいかないと両方に出席できるよう二渡は調整に奔走する。同じ頃二渡は、入院した尾坂部から捜査一課刑事OBの会「一の会」の幹事の代行を頼まれ、その会で二渡は葉山元刑事から過日起こった殺人事件の犯人が同期の猪熊だと伝えられる。二渡は猪熊を信じ調べ始める。 | ||||||
7 | 2004年11月29日 | 清算 | 安井国穂 | 真船禎 | 15.0% |