松本清張賞
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松本清張賞(まつもとせいちょうしょう)は、松本清張の業績を記念して、各年の良質な長篇エンターテインメント小説を表彰する(第11回以降。第10回以前に関しては後述。)公募の文学賞。公益財団法人日本文学振興会が主催、文藝春秋が運営する。
概要
選考会は各年4月に開催され、受賞作は『オール讀物』6月号誌上で発表される。贈呈式は6月に開催され、受賞者には正賞として時計、副賞として500万円が授与される。また、受賞作は文藝春秋から単行本として刊行される。
第1回(1994年)から第5回(1998年)までは短編を募集していたが、第6回(1999年)からは長篇作品を募集している。また、当初は「広義の推理小説又は、歴史・時代小説」を対象にしていたが、第11回(2004年)以降は「ジャンルを問わぬ良質の長篇エンターテインメント小説」を対象としている。
2014年現在の選考委員は石田衣良、北村薫、小池真理子、桜庭一樹、葉室麟の5名。
受賞作一覧
第1回から第5回
短編(推理小説または歴史・時代小説)
- 第1回(1994年) 葉治英哉 「(またぎ)物見隊顚末」(「またぎ」は「犭+又」) - 2010年の文庫化(新人物往来社)時に『マタギ物見隊顚末』に改題
- 第2回(1995年) 該当作なし(佳作 岡島伸吾 「さざんか」(未刊行))
- 第3回(1996年) 森福都 「長安牡丹花異聞」
- 第4回(1997年) 村雨貞郎 「マリ子の肖像」
- 第5回(1998年) 横山秀夫 「陰の季節」
- 短編を募集していた時期の受賞作は、同題の短編集に収録され、文藝春秋より刊行されている。
第6回から第10回
長篇(推理小説または歴史・時代小説)
- 第6回(1999年) 島村匠 『芳年冥府彷徨』
- 第7回(2000年) 明野照葉 『輪(RINKAI)廻』
- 第8回(2001年) 三咲光郎 『群蝶の空』
- 第9回(2002年) 山本音也 『ひとは化けもん われも化けもん』(「偽書西鶴」を改題)
- 第10回(2003年) 岩井三四二 『月ノ浦惣庄公事置書』
第11回以降
長篇エンターテインメント作品
- 第11回(2004年) 山本兼一『火天の城』
- 第12回(2005年) 城野隆『一枚摺屋』
- 第13回(2006年) 広川純『一応の推定』
- 第14回(2007年) 葉室麟『銀漢の賦』
- 第15回(2008年) 梶よう子『一朝の夢』(「槿花 、一朝の夢」を改題)
- 第16回(2009年) 牧村一人『アダマースの饗宴』(「六本木心中」を改題)
- 第17回(2010年) 村木嵐『マルガリータ』
- 第18回(2011年) 青山文平 『白樫の樹の下で』
- 第19回(2012年) 阿部智里『烏に単は似合わない』
- 第20回(2013年) 山口恵以子『月下上海』
- 第21回(2014年) 未須本有生[1][2]『推定脅威』
選考委員
- 第1回 阿刀田高、井上ひさし、佐野洋、津本陽、藤沢周平
- 第2回 阿刀田高、井上ひさし、佐野洋、津本陽
- 第3〜5回 阿刀田高、井上ひさし、佐野洋、高橋克彦、津本陽
- 第6〜10回 長部日出雄、佐野洋、白石一郎、高橋克彦、夏樹静子
- 第11〜14回 浅田次郎、伊集院静、大沢在昌、宮部みゆき、夢枕獏
- 第15回 伊集院静、大沢在昌、桐野夏生、宮部みゆき、夢枕獏
- 第16〜18回 伊集院静、大沢在昌、桐野夏生、小池真理子、夢枕獏
- 第19〜20回 石田衣良、北村薫、小池真理子、桜庭一樹、山本兼一
- 第21回〜 石田衣良、北村薫、小池真理子、桜庭一樹、葉室麟
脚注
関連項目
外部リンク
- 松本賞最新情報 - 公式サイト