阪急嵐山線
|} 嵐山線(あらしやません)は、京都府京都市西京区の桂駅から嵐山駅までを結ぶ阪急電鉄の鉄道路線。
沿線に嵐山などの観光地を控え、行楽客や年末年始の初詣客で賑わう。かつては嵐山支線と表記した例も見られた。
なお、正式な起点は桂駅だが、列車運行上は嵐山駅から桂駅へ向かう列車が下り、逆方向が上りとなっている。
路線データ
- 路線距離(営業キロ):4.1km
- 軌間:1435mm
- 駅数:4駅(起終点駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:全線電化(直流1500V)
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 最高速度:70km/h
- 車両基地:桂車庫
運行形態
通常は線内折り返し列車のみの運行で、朝夕は毎時6往復、日中は毎時4往復運行している。運行間隔は不均一で、朝夕は交互に約8分と約12分の間隔、日中は交互に約13分と約17分の間隔となっている。
2009年4月2日より2300系電車に代わり、京都線特急用の6300系電車をリニューアルした4両編成での運行が開始された[1]。
行楽シーズンの土曜・休日や大文字五山送り火の日には6両編成が使用されたり、約10分間隔に増発されたりすることがある。この6両編成は京都本線用車両の8両編成のうち梅田方の2両を切り離し、分割して運用される。また、6両編成が運用時は4両編成が嵐山駅に留置されることがある。かつては毎時6本の行楽ダイヤでも乗客の積み残しが発生し、その際に急遽臨時増発便を走らせていた時代の名残であるが、近年は準備はされても使用された実績はない。
直通臨時列車
テンプレート:See also 主に春・秋の行楽シーズンに京都本線と直通する臨時列車が運転されている。なお、嵐山線内のホーム有効長の関係上、各線から嵐山線まで全区間6両編成で運行される。
2000年秋までは、春・秋の行楽ダイヤ設定時に、梅田 - 嵐山間に直通の臨時急行「嵯峨野エクスプレス」が運転されていた(社内では始終着駅の頭文字をとって梅嵐急行(ばいらんきゅうこう)と呼ばれていた)。この直通急行は、午前から正午頃までに嵐山行きと、日中から夕方に梅田行きが設定され、おおむね15分間隔で運転された。嵐山線内は各駅に停車し、京都線内は急行(現在の快速急行)と同じ停車駅(長岡天神駅・高槻市駅・茨木市駅・淡路駅・十三駅)に停車していた。しかし、2001年3月24日のダイヤ改正で行楽ダイヤ設定時に新たに「いい古都エクスプレス」が設定されるなど京都本線で大規模なダイヤ改正が行われたことに伴い廃止となった。
2001年春には、行楽ダイヤ設定時に嵐山発桂行きの普通を長岡天神駅まで延長運転し、長岡天神駅で梅田行きの特急に同一ホームで乗り換えできるダイヤが設定された(折り返し長岡天神・桂間は回送され、桂から嵐山行きとして運行)。しかし、利用自体が芳しくなく、桂駅のすぐ南側にある(正確には構内にある)川岡踏切の作動時間が長く開かずの踏切となり、近隣で激しい交通渋滞を引き起こすことになったため、以降の行楽期では設定されていない。
2008年秋には、阪急自身による嵐山誘客キャンペーンの一環として、神戸本線西宮北口駅から京都本線を介して嵐山線に直通する臨時列車が運転された。
2009年秋には、河原町、高速神戸、宝塚(今津線経由)各駅からの直通列車が、また同年12月5日・6日には、大阪市営地下鉄堺筋線との相互直通運転40周年を記念した天下茶屋からの直通列車が運転され、大阪市交通局の66系車両が初めて嵐山線に入線した(乗り入れのため同運転時のみ6両編成化)。
2010年3月14日のダイヤ改正以後は、行楽期に定期的に梅田・河原町・高速神戸・宝塚(今津線経由)からの直通列車が運転されることになり[2]、同年春の行楽期より運転されている。同時に、梅田・河原町発着の列車には「快速特急」、高速神戸・宝塚発着の列車には「直通特急」の種別が新たに設けられた(2008年、2009年は「臨時」の種別で直通列車が運転された)。また、2011年5月14日のダイヤ改正以後の行楽期には、天下茶屋からの「直通特急」も運転されている。
2011年3月19日からは、6300系電車1編成を改装した「京とれいん」が、同年5月8日までの土曜・休日に限り運転された[3][4]。ダイヤは、前記の2010年春以降のものを使用していた。なお「京とれいん」は、同年5月14日のダイヤ改正後は梅田 - 河原町間で土曜・休日に運転されている[3][5]。
歴史
京都電燈が所有していた鉄道敷設免許を譲り受け、京阪電気鉄道傘下の新京阪鉄道が複線で全線を開業させた。嵐山駅は6面5線と大きな構造であったが、思ったほどの需要が得られず、開業のわずか2年後には複線の設備を残したまま単線運行になった。戦局の悪化で金属供出令により不要不急線として単線化され、現在に至っている。その名残で、路盤や架線柱は複線分の幅があり、橋台や橋桁が残っている部分もある。ただし、桂駅の京都本線との分岐部は、戦後の構内改造によって単線分の路盤に削られている。
- 1924年(大正13年)5月13日:京都電燈に対し鉄道免許状下付(葛野郡松尾村-乙訓郡海印寺村間)[6]
- 1927年(昭和2年)10月13日:鉄道敷設権を新京阪鉄道へ譲渡(許可)[7]
- 1928年(昭和3年)11月9日:新京阪鉄道により桂駅 - 嵐山駅間が開業[8]。
- 1930年(昭和5年)9月15日:新京阪鉄道の京阪電気鉄道への合併により、同社の路線となる。このころ、乗客の激減により複線の片側だけ用いた単線運行になる[9]。
- 1943年(昭和18年)10月1日:京阪電気鉄道の阪神急行電鉄への合併により、京阪神急行電鉄の保有路線となる。
- 1944年(昭和19年)1月9日テンプレート:要出典:太平洋戦争の戦局悪化に伴う物資の欠乏による金属供出の対象となり、線路はテンプレート:要出典範囲単線となる[9]。途中列車交換設備なしテンプレート:要出典。
- 1948年(昭和23年)1月1日:松尾神社前駅を松尾駅に改称。
- 1950年(昭和25年)3月13日:上桂駅と松尾駅に列車交換設備を設置[10]。
- 2013年(平成25年)12月21日:松尾駅を松尾大社駅に改称、同時に全駅に駅ナンバリング導入[11][12]。
駅一覧
- 全駅京都府京都市西京区に所在。
- 臨時で運転される快速特急・直通特急も含め、全列車が各駅に停車。
- 快速特急・直通特急の直通区間は「阪急京都本線」を参照。
- 線内の全ての駅で列車交換が可能。
- 駅番号は2013年12月21日より導入[11][12]。
駅番号 | 駅名 | 駅間営業キロ | 累計営業キロ | 接続路線 |
---|---|---|---|---|
HK-81 | 桂駅 | - | 0.0 | 阪急電鉄:京都本線 |
HK-96 | 上桂駅 | 1.4 | 1.4 | |
HK-97 | 松尾大社駅 | 1.4 | 2.8 | |
HK-98 | 嵐山駅 | 1.3 | 4.1 |
すべての駅で天神橋筋六丁目駅経由・大阪市営地下鉄各駅への連絡切符ならびに、同堺筋線天下茶屋駅経由・南海関西空港駅への連絡切符がそれぞれ購入でき、また年に2度発売されている「高野山1dayチケット」でも同ルート経由で南海高野線への乗車が認められている。さらに2011年5月14日からは、京都本線と接続する桂駅のみではあるが、先述の連絡きっぷよりもさらに割安な「関空アクセスきっぷ」も発売している(こちらは発売開始当初から同ルート経由で設定)[13][14]。
出典
関連項目
外部リンク
嵐山なび - 阪急電鉄による嵐山駅周辺関連の情報を扱うサイト。
テンプレート:阪急電鉄の路線- ↑ 阪急6300系リニューアル車,嵐山線で営業運転開始 - railf.jp 2009年4月3日
- ↑ テンプレート:PDFlink - 阪急電鉄、2009年12月9日。
- ↑ 3.0 3.1 乗ればそこはもう嵐山 3月19日から阪急が梅田直通電車- 京都新聞、2011年2月21日。
- ↑ テンプレート:PDFlink - 阪急電鉄、2011年2月22日。
- ↑ テンプレート:PDFlink - 阪急電鉄、2011年2月22日。
- ↑ 「鉄道免許状下付」『官報』1924年5月15日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ↑ 「鉄道敷設権譲渡」『官報』1927年10月18日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ↑ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1928年11月21日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ↑ 9.0 9.1 引用エラー: 無効な
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タグです。 「kyoto_np20140814
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ 京阪神急行電鉄『京阪神急行電鉄五十年史』(1957) p. 55
- ↑ 11.0 11.1 テンプレート:PDFlink - 阪急阪神ホールディングス、2013年4月30日
- ↑ 12.0 12.1 テンプレート:PDFlink - 阪急阪神ホールディングス、2013年6月5日。
- ↑ 河原町-関空1200円 阪急、南海、大阪市地下鉄が協力 - 京都新聞、2011年5月9日。
- ↑ 【報道発表資料】関西国際空港~大阪~京都間の新たなアクセス手法の提案について 〜関西から日本の元気を発信します〜 - 大阪市公式サイト、2011年5月9日(ただし、発信元の名義は「交通局」であり、逆に南海関西空港駅でも「京都アクセスきっぷ」を同時発売開始した旨も併載)。