鎮江市
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テンプレート:基礎情報 中国の都市 鎮江市(ちんこうし)は中華人民共和国江蘇省に位置する地級市。古くから商業都市として発達した国家歴史文化名城である。
目次
地理
江蘇省西南部、長江(揚子江)下流南岸に位置し、長江と大運河とが交差する地点にある。 西は南京、北は揚州、東は常州、南は金壜と接する。
南京~上海を結ぶ鉄道(京滬線・鎮江駅)も通るが、北の揚州との間には川幅の広い長江(揚子江)が横たわっているため、フェリーでの渡岸か南京経由での移動が必要であったが、橋が開通し、揚州までは30分程度の道のりとなった。
歴史
かっては京口、丹徒などと呼ばれ、三国時代には呉の孫権が一時、京口に都を置いた。
- 北宋時代に鎮江の名が始まる。
- 1858年の天津条約で条約港に指定され、1861年から1927年まで英国租界が置かれていた。
- 辛亥革命後は丹徒県と改称し、1928年鎮江県となった。
- 1929年から1949年まで鎮江に江蘇省政府が置かれていた。
- 1949年鎮江市が成立したが、省都は南京に移った。
- 1978年対外開放都市となり、1986年には国家歴史文化名城に指定された。
- 1988年には沿海経済開放区に列した。
行政区画
鎮江市は3市区と3県級市を管轄する。
年表
蘇南行署区鎮江専区
- 1949年10月1日 - 中華人民共和国蘇南行署区鎮江分区が成立。鎮江県・江寧県・丹陽県・揚中県・句容県・溧水県・高淳県が発足。(7県)
- 1949年11月28日 - 鎮江分区が鎮江専区に改称。(1市7県)
- 鎮江県の一部が分立し、鎮江市が発足。
- 鎮江県が丹徒県に改称。
- 1949年12月 - 句容県・江寧県が南京市に編入。(1市5県)
- 1950年1月 - 南京市句容県・江寧県を編入。(1市7県)
- 1952年11月15日 - 江蘇省の成立により、江蘇省鎮江専区となる。
江蘇省鎮江専区(1952年-1958年)
- 1953年2月6日 - 常州専区武進県・金壇県・溧陽県を編入。(1市10県)
- 1953年2月27日 - 武進県の一部が分立し、常州市戚墅堰区となる。(1市10県)
- 1953年3月 - 金壇県の一部が武進県に編入。(1市10県)
- 1953年5月16日 - 溧陽県の一部が安徽省蕪湖専区郎渓県に編入。(1市10県)
- 1953年5月26日 - 武進県の一部が蘇州専区震沢県に編入。(1市10県)
- 1953年6月 (1市10県)
- 南京市九区・十区・十一区の各一部が江寧県に編入。
- 江寧県・句容県の各一部が南京市九区の残部・十一区の残部と合併し、南京市九区となる。
- 1953年9月23日 (1市10県)
- 武進県の一部(剣湖区景華郷の一部)が蘇州専区無錫県に編入。
- 蘇州専区無錫県の一部(玉祁区黄泥壩郷の一部)が武進県に編入。
- 1953年10月 - 南京市九区の一部が句容県に編入。(1市10県)
- 1953年11月 - 句容県の一部が溧水県・金壇県に分割編入。(1市10県)
- 1954年4月6日 - 溧陽県の一部が安徽省蕪湖専区広徳県に編入。(1市10県)
- 1954年8月27日 - 句容県の一部が江寧県に編入。(1市10県)
- 1955年6月 - 武進県の一部が蘇州専区江陰県に編入。(1市10県)
- 1955年11月 - 武進県の一部が蘇州専区江陰県に編入。(1市10県)
- 1955年11月7日 - 武進県の一部が金壇県に編入。(1市10県)
- 1955年12月13日 (1市10県)
- 1955年12月 - 丹陽県の一部が武進県に編入。(1市10県)
- 1956年2月22日 - 江寧県の一部が南京市雨花台区に編入。(1市10県)
- 1956年2月23日 (1市12県)
- 1956年3月28日 - 丹徒県の一部が金壇県に編入。(1市12県)
- 1956年4月25日 - 金壇県の一部が宜興県に編入。(1市12県)
- 1956年5月2日 (1市12県)
- 溧陽県の一部(竹篢区西沈郷、城東区山下郷の各一部)が金壇県に編入。
- 金壇県の一部(社頭区湖蕩郷の一部)が溧陽県に編入。
- 1956年5月21日 - 江寧県の一部が南京市秦淮区に編入。(1市12県)
- 1956年8月1日 - 丹陽県・丹徒県の各一部が金壇県に編入。(1市12県)
- 1956年8月22日 - 丹陽県の一部が丹徒県に編入。(1市12県)
- 1956年9月10日 - 溧陽県の一部が句容県に編入。(1市12県)
- 1956年9月 - 句容県の一部が金壇県に編入。(1市12県)
- 1956年11月8日 - 揚州専区揚中県を編入。(1市13県)
- 1956年12月14日 - 蘇州専区武進県の一部が丹陽県に編入。(1市13県)
- 1956年12月24日 - 儀徴県・六合県・江浦県が揚州専区に編入。(1市10県)
- 1956年12月 - 丹陽県の一部が蘇州専区武進県に編入。(1市10県)
- 1957年5月16日 - 句容県の一部が南京市棲霞区に編入。(1市10県)
- 1957年7月12日 - 金壇県の一部が丹陽県に編入。(1市10県)
- 1958年1月22日 (1市10県)
- 丹徒県の一部(宝堰郷の一部)が句容県に編入。
- 句容県の一部(伯群郷の一部)が丹徒県に編入。
- 1958年7月6日 (1市10県)
- 江寧県が南京市に編入。
- 蘇州専区武進県を編入。
- 1958年8月2日 - 鎮江専区が常州専区に改称。
江蘇省鎮江地区(1959年-1983年)
- 1959年7月24日 - 常州専区が鎮江専区に改称。(2市9県)
- 1959年9月5日 - 武進県の一部が常州市に編入。(2市9県)
- 1959年11月 - 宜興県の一部が武進県に編入。(2市9県)
- 1960年11月13日 - 武進県が常州市に編入。(2市8県)
- 1962年3月27日 - 鎮江市の一部が分立し、丹徒県が発足。(2市9県)
- 1962年6月25日 - 常州市が地級市の常州市に昇格。(1市9県)
- 1962年9月25日 - 南京市江寧県、常州市武進県を編入。(1市11県)
- 1964年1月 - 鎮江市の一部が丹徒県に編入。(1市11県)
- 1964年10月24日 - 常州市郊区の一部が武進県に編入。(1市11県)
- 1966年7月14日 (1市11県)
- 江寧県の一部(銅山公社山南大隊・独山大隊の各一部)が溧水県に編入。
- 溧水県の一部(柘塘公社和平大隊の一部)が江寧県に編入。
- 1966年7月 - 丹徒県の一部が鎮江市に編入。(1市11県)
- 1969年11月6日 - 句容県・溧水県の各一部が江寧県に編入。(1市11県)
- 1970年 - 鎮江専区が鎮江地区に改称。(1市11県)
- 1971年2月22日 - 江寧県が南京市に編入。(1市10県)
- 1973年10月19日 - 武進県の一部が常州市郊区に編入。(1市10県)
- 1978年7月1日 - 安徽省馬鞍山市郊区の一部が鎮江市に編入。(1市10県)
- 1983年1月18日
- 鎮江市が地級市の鎮江市に昇格。
- 高淳県・溧水県が南京市に編入。
- 宜興県が無錫市に編入。
- 武進県・金壇県・溧陽県が常州市に編入。
- 丹徒県・丹陽県・揚中県・句容県が鎮江市に編入。
鎮江市
- 1983年1月18日 - 鎮江地区鎮江市が地級市の鎮江市に昇格。金山区・北固区・諌壁区・郊区が成立。(4区4県)
- 鎮江地区丹徒県・丹陽県・揚中県・句容県を編入。
- 1983年4月30日 - 丹徒県の一部が諌壁区・郊区に分割編入。(4区4県)
- 1983年8月17日 (2区4県)
- 1984年10月13日 (2区4県)
- 1987年12月15日 - 丹陽県が市制施行し、丹陽市となる。(2区1市3県)
- 1994年5月18日 - 揚中県が市制施行し、揚中市となる。(2区2市2県)
- 1995年4月6日 - 句容県が市制施行し、句容市となる。(2区3市1県)
- 2002年4月3日 - 丹徒県が区制施行し、丹徒区となる。(3区3市)
経済
長江と大運河の交差点に位置する鎮江は歴史的に商品が集散する商業都市として発展した。 市内には省級経済技術開発区も設置され、2003年の国内生産総額(GDP)は対前年比14.1%増の643億人民元、 一人当たり生産増額は24,089元(約2,909米ドル)、対外輸出額は12億米ドルであった。
交通
水運
鉄道
道路
- 滬寧高速道路
教育
- 江蘇大学(Jiangsu University) 理工系・医学系で有名な江蘇省の一流大学、学生総数4万人前後という。
- 江蘇科技大学(Jiangsu University of Science and Technology ) 科学・先端技術の研究・開発に特化した省の重点大学。
- 鎮江高級師範大学(ZhenJiang teachers' college) 主に中学校・高校の教師を育成するための大学。
- 鎮江医学院
観光
鎮江博物館や民間文化芸術館があり、金山の江天禅寺は千年の古刹、焦山の定慧寺の住職は全国十大高僧のひとりで、海外の華僑の信仰が厚い。
宝華山は律宗第一山と呼ばれ、明清時代には全国最大の受戒道場で、全国の70%以上の僧侶がここで戒律を受けた。
特産
友好都市
- テンプレート:Flagicon 岡山県倉敷市(日本)
- テンプレート:Flagicon 三重県津市(日本)
- テンプレート:Flagicon 全羅北道益山市(大韓民国)
- テンプレート:Flagicon マンハイム、ドイツ
出身有名人
- パール・S・バックテンプレート:Flagicon 小説家
- 李嵐清 現・中華人民共和国国務院副総理、元・中華人民共和国教育部総長
- 唐家璇 現・中華人民共和国国務院委員長、元・中華人民共和国教育部・総長