近鉄6400系電車
テンプレート:鉄道車両 近鉄6400系電車(きんてつ6400けいでんしゃ)とは、近畿日本鉄道南大阪線用の通勤形電車の1系列。
なお、本稿ではその4両編成の系列である6620系電車についても紹介する。また6400系は厳密には細かく系列が分かれている(派生系列の6407系、6413系、6419系、6422系、6432系)が、本稿ではまとめて記述する。いずれの系列もGTO素子によるVVVFインバータ制御車である[1]。
目次
6400系
1986年(昭和61年)3月に登場[1][2][3]。登場から30年が経ち、非冷房車であり老朽化が目立っていた6800系の置換え用として製造された。電算記号は「Mi」で、Mc-Tcで2両編成を組む[1][2]。1422系、1220系の狭軌版だが、登場はそれらより1年早い[2]。
車体・走行機器
日立製作所製のGTO素子によるVVVFインバータ装置を装備[1][2]。主電動機1台あたりの出力は155kW[1]。歯車比は6.31とした。制御回路マイコンは16ビットのものを採用し、制動装置はT車優先遅れ込め付きのHSC-R形を採用している。MGはHG-77463形を[3]、CPはHS-10形をそれぞれTc車に設置している[3]。裾を絞った幅2800mmのアルミ製の車体を持つ[1][2][3]。 台車はKD-94形(Mc)、KD-94A形(Tc)を装備[3]。車輪径は動輪・付随輪とも860mmとなった。
6400系(Mi01~06)の他、標準軌用のインバータ通勤車と同じ仕様変更の歩みを続けている派生系列を以下に挙げる。
- 6407系(Mi07~12):1989年登場[3]。ホイールベース間隔を標準軌の1430系、1230系と同様の2,100mmに短縮した新仕様台車KD-98(Mc)、KD-98A(Tc)に変更[3]
- 6413系(Mi13~18):1990年登場[3]。通勤車の全線共通仕様に基づく新仕様の車体を採用し[1][3]、台車をKD-98B形(Mc)、KD-98C形(Tc)に変更
- 6419系(Mi19~21):1992年登場[3]。Tcに設置されている補助電源装置を電動発電機からSIV(静止型インバータ、BS-483Q形)に変更し[1][3]、バリアフリー対応として車椅子スペース(後に6400系列全車にも設置)を設置
- 6422系(Mi30,31):台車をKD-305形ボルスタレス式に変更[1][2][3]、抑速制動を追加[2](ボルスタレス台車を新製当初から装備する初めての通勤形車両)
- 6432系(Mi32、33と6422系より改造されたMi22~29):6422系のワンマン仕様[1][3]
6433Fで製造を完了し、シリーズ21の6820系が後継系列として製造されている。
改造・車体更新
1999年から2001年にかけて6422F - 6429Fにワンマン運転対応工事が行われ、6432系に編入されている。悪天候時の空転発生を考慮して6422F・6424F・6425Fは増粘着剤噴射装置の取り付けが行われている[4]。
現在は一部編成において車内案内表示器およびク6500形に連結部注意喚起スピーカーを取り付けたバリアフリー化工事が行われ、1999年から2012年にかけて全車両に転落防止幌が設置されている[2]。2008年から新型ATS(ATS-SP)設置・デッドマン装置更新工事、戸締灯の増設工事が開始され、6401F - 6412F・6415F・6418F - 6432Fが設置を完了している[2]。
6401F・6407F - 6425F・6427F - 6429F・6431F - 6433Fの車体側面の乗務員室扉と乗降扉の間に貼られていたVVVFインバータ制御車のシンボルマークが撤去されている[2]。
2009年から1422系・1220系で行われている簡易内装更新が6400系の一部でも行われている。2013年12月現在、6403F - 6430Fがこの改造を受けており、車内の床材が従来のマルーンから7020系や6200系B更新車両等に採用されている砂目のグレー系に更新され、転落防止幌が設置されている。2010年10月以降に改造された6412F - 6430Fでは座席モケットも5200系車体更新車両と同等の赤系に、優先席は5800系と同等の紫系にそれぞれ更新された。しかし、車内案内表示器やドアチャイムの設置は行われていない。また、6406Fは2005年に座席モケットが豹柄の赤系に試験的に張替えられている。6431F - 6433Fは座席モケットの交換のみ行われている。
初期車両は製造から28年経過したが、2014年現在では先述の床材更新のみで、外装張り替え等の車体更新は施工されていない。
編成
テンプレート:TrainDirection | ||
6400系 Mi01 - Mi06 |
ク6500 | モ6400 |
6501 - 6506 | 6401 - 6406 | |
6407系 Mi07 - Mi12 |
ク6507 | モ6407 |
6507 - 6512 | 6407 - 6412 | |
6413系 Mi13 - Mi18 |
ク6513 | モ6413 |
6513 - 6518 | 6413 - 6418 | |
6419系 Mi19 - Mi21 |
ク6519 | モ6419 |
6519 - 6521 | 6419 - 6421 | |
6422系 Mi30・Mi31 |
ク6522 | モ6422 |
6530・6531 | 6430・6431 | |
6432系 Mi22 - Mi29・Mi32・Mi33 |
ク6532 | モ6432 |
6522 - 6529・6532・6533 | 6422 - 6429・6432・6433 |
2014年4月現在、2両編成33本 (66両) が古市検車区に配置されている[5]。 テンプレート:-
6620系
テンプレート:鉄道車両 1993年(平成5年)に登場した6400系(6422系)の4両編成バージョンである[1][2][3]。電算記号は「MT」。登場後30年以上経っていた6000系の置換え用として[2]、1997年までに合計7編成が製造された[1][2]。1026系、1620系の狭軌バージョンである。
1020系の場合、編成中の母線の引き通しでMc、M車ともパンタグラフ1基だが、6620系の最初の2編成はMc車、M車ともパンタグラフを2基装備し[1]、母線の引き通しを行わなかった。
6623F以降、1620系、1020系と同様に母線の引き通しが行われ、パンタグラフ1基ずつになった[1][3]。そのため、6623F以降を指して6623系とも言う(ただし特に正式形式名を分けてはいなかった)。その後、6620系の最初の2編成も母線引き通しが行われたため、現在は全車ともMc車、M車ともパンタグラフ1基である。1997年に製造された6626F以降は乗降口床面のノンスリップ加工が施されている。
アートライナー
- 6623F:「YOSHINO Foresta」 (1999年(平成11年)3月ダイヤ変更前後 - 2002年12月。4両編成を四季に見立て、淡いカラーリングと吉野の動物が描かれており人気だった。)
- 6624F:「solaha」(2014年3月 - )
- 6625F:「不思議の国のアリス」(2007年5月 - 2008年4月)
- 6626F:「吉野線ラッピング列車」(吉野線開業100周年記念。2012年10月1日 - )
改造
標準軌線VVVF車と同様にバリアフリー改造が全編成に行われており、6622F・6624Fは車内案内表示装置と転落防止幌(スクリーン式)、ク6720形に連結部注意喚起スピーカー[6]を設置したバリアフリー改造車である。6621F・6623F・6625F - 6627Fは転落防止幌(棒状)のみを装備している。また、悪天候時の空転発生を考慮して全編成に増粘着剤噴射装置の取り付けが行われ、2003年までに完了している。
6622F - 6627Fの車体側面の乗務員室扉と乗降扉の間に貼られていたVVVFインバータ制御車のシンボルマークが撤去されている[2]。
2009年から新型ATS(ATS-SP)車上装置設置・デッドマン装置更新工事が開始され、6625F - 6627Fが設置工事を完了している[2]。
2014年現在のところ、車体更新は施工されていないが、座席モケットの更新は行われている。
編成
テンプレート:TrainDirection | ||||
6620系 MT21 - MT27 |
ク6720 | モ6670 | サ6770 | モ6620 |
6721 - 6727 | 6671 - 6677 | 6771 - 6777 | 6621 - 6627 |
2014年4月現在、4両編成7本 (32両) が古市検車区に配置されている[5]。
テンプレート:Multiple image
テンプレート:-
脚注
参考文献
- カラーブックス「日本の私鉄 近鉄2」p.26 - p.29・p.129・p.146(著者・編者 諸河久・山辺誠、出版・発行 保育社 1998年) ISBN 4586509058
- 近畿日本鉄道のひみつ p.132・p.133(発行者 小林成彦、編者・発行所 PHP研究所 2013年)ISBN 978-4-569-81142-0
- 日本の私鉄「近畿日本鉄道」p146 - p153(著者・編者 広岡友紀、出版・発行 毎日新聞社 2012年) ISBN 978-4-620-32003-8
関連項目
外部リンク
テンプレート:リダイレクトの所属カテゴリ- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13 引用エラー: 無効な
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」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ 2.00 2.01 2.02 2.03 2.04 2.05 2.06 2.07 2.08 2.09 2.10 2.11 2.12 2.13 2.14 近畿日本鉄道のひみつ p.132・p.133(発行者 小林成彦、編者・発行所 PHP研究所 2013年)ISBN 978-4-569-81142-0
- ↑ 3.00 3.01 3.02 3.03 3.04 3.05 3.06 3.07 3.08 3.09 3.10 3.11 3.12 3.13 3.14 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。 「ka-4
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ 他車への増結時に編成の先頭となることが多いク6500形への取り付けとなっている。
- ↑ 5.0 5.1 『鉄道ファン』2014年8月号 交友社 「大手私鉄車両ファイル2014 車両配置表」
- ↑ 阪神乗り入れ対応の5800系や1026系1026F - 1029F、1252系1271F - 1277Fと同様のものである。