警備局
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概説
課長級以上のポストはいわゆるキャリア組、準キャリア組の指定席。警備局員は警察官僚、自衛隊及び各省庁からの出向組、警視庁及び道府県警察本部からの出向組のノンキャリア警察官で構成される。
組織
- 警備企画課
- 警備総合研究官
- 画像情報分析室(2007.4.1設置)
- 総合情報分析室 - 通称「I・S班」または「7係」、「ゼロナナ」等と呼ばれる。様々な情報(幅広情報という)を収集するとされる。
- サイバー攻撃分析センター - サイバー攻撃対策官
- チヨダ - 理事官が担当している。公安警察の作業指導。
- 公安課
- 警備情報対策室
- 右翼対策室
- 極左対策室
- 特殊組織犯罪対策室
- 警備課
- 警備実施総合研究官
- 災害対策室
- 特殊警備対策官
- 上席警備指導専門官
- 警衛室
- 警護室
外事情報部
- 国際テロリズム対策課
- 国際テロリズム情報官
任務
警察法(昭和29年法律第162号)第24条に所掌事務が規定されている。
(警備局の所掌事務) 第24条 警備局においては、警察庁の所掌事務に関し、次に掲げる事務をつかさどる。 一 警備警察に関すること。 二 警衛に関すること。 三 警護に関すること。 四 警備実施に関すること。 五 第71条の緊急事態に対処するための計画及びその実施に関すること。 2 外事情報部においては、前項第一号に掲げる事務のうち外国人又はその活動の本拠が外国に在る日本人に 係るものをつかさどる。
局内の分課・分掌については、警察庁組織令(昭和29年6月30日政令第180号)第36〜41条、警察法施行規則(昭和29年6月30日総理府令第44号)第43〜52条、および警察庁の内部組織の細目に関する訓令(昭和32年3月14日警察庁訓令第4号)により定められている。
歴代局長
氏名 | 在任期間 | 前職 | 後職 |
---|---|---|---|
樺山俊夫 | 1948 - 1950 | 内務省国土局計画課長 | 皇宮警察本部長 |
柏村信雄 | 1950 - 1952 | 国家地方警察本部総務部長 | 公安調査庁調査第一部長 |
山口喜雄 | 1952 - 1958 | 国家地方警察本部警備部長 | 近畿管区警察局長 |
江口俊男 | 1958 - 1960 | 愛知県警察本部長 | 警察庁警務局長 |
三輪良雄 | 1960 - 1963 | 神奈川県警察本部長 | 防衛庁長官官房長 |
後藤田正晴 | 1963 - 1965 | 警察庁長官官房長 | 警察庁警務局長 |
秦野章 | 1965 - 1966 | 警視庁警務部長 | 警察庁警務局長 |
高橋幹夫 | 1966 - 1968 | 警察庁交通局長 | 警察庁次長 |
川島廣守 | 1968 - 1970 | 警視庁公安部長 | 警察庁警務局長 |
山口廣司 | 1970 - 1971 | 警視庁警務部長 | 退職 |
富田朝彦 | 1971 - 1972 | 警察庁長官官房長 | 警視庁副総監 |
山本鎮彦 | 1972 - 1975 | 兵庫県警察本部長 | 警察庁次長 |
三井脩 | 1975 - 1978 | 警視庁副総監 | 警察庁次長 |
鈴木貞敏 | 1978 - 1981 | 警察庁刑事局長 | 警察庁警務局長 |
山田英雄 | 1981 - 1984 | 警視庁副総監 | 警察庁次長 |
柴田善憲 | 1984 - 1985 | 警視庁副総監 | 近畿管区警察局長 |
三島健二郎 | 1985 - 1987 | 千葉県警察本部長 | 退職 |
新田勇 | 1987 - 1988 | 警察庁長官官房長 | 大阪府警察本部長 |
城内康光 | 1988 - 1991 | 警視庁公安部長 | 警察庁警務局長 |
吉野準 | 1991 - 1992 | 警察庁長官官房審議官(警備局担当) | 警察庁次長 |
菅沼清高 | 1992 - 1994 | 千葉県警察本部長 | 警察庁官房長 |
杉田和博 | 1994 - 1997 | 神奈川県警察本部長 | 内閣官房内閣情報調査室長 |
伊達興治 | 1997 - 1999 | 関東管区警察局長 | 退職 |
金重凱之 | 1999 - 2001 | 警察庁長官官房総務審議官 | 退職(病気) |
漆間巌 | 2001 - 2002 | 大阪府警察本部長 | 警察庁次長 |
奥村萬壽雄 | 2002 - 2004 | 大阪府警察本部長 | 警視総監 |
瀬川勝久 | 2004 - | 警察庁生活安全局長 | 退職 |
小林武仁 | 警察大学校長 | 退職 | |
米村敏朗 | 2006.7.28 - 2007.8.16 | 警視庁副総監 | 警察庁官房長 |
池田克彦 | 2007.8.16 - 2010.1.18 | 警視庁警務部長 | 警視総監 |
西村泰彦 | 2010.1.18 - 2013.1.25 | 警察大学校副校長兼長官官房審議官=刑事局・取調べ適正化担当 | 警視総監 |
高橋清孝 | 2013.1.25 - | 警視庁副総監 |
警備本部
- 全国年末年始特別警戒最高警備本部(本部長・警視総監)
- 浅草寺内特設警備本部(初詣などの際に設置)(警備局主導)
- 明治神宮内特設警備本部(同上)
- 新宿外苑内特設警備本部
- 京都御所周辺特別警備本部
- 首相官邸及び政府機関テロ対策警備本部
- 成田空港内特設警備本部(ハイジャック事件などに対応)
- 羽田空港内特設警備本部
- 大阪空港内特設警備本部
- NBCテロ対策本部
- 原子力施設最高警備本部
- 東京港警備本部
- 東京駅構内特設警備本部
- 在日米軍施設特別合同警戒警備本部
- 迎賓館・国際会議場警備本部(外国元首や国賓が来日した場合に設置)
- 空中警戒活動指揮本部
- チリ地震津波災害警備本部(本部長・警備局長)
この他、沖縄サミット開催時には未曾有の警備体制が敷かれた。
警備本部の等級
警備本部は設置される場所、対象、重要性により等級がある。警備本部設置発令が行えるのは課長補佐以上である。
- 最高警備本部
- 最高警備体制は一番重要で最も集中的に行う警備活動。一国家に甚大なる影響を及ぼすおそれのある事象を警戒し防止するため(例として、日本で開かれる主要国首脳会議への妨害対策、年末年始特別警戒態勢の指揮)に設置する。場所は警察庁本庁内(警察電話や警察無線などの通信線を引いてある専用の会議室が準備されている)。本部長は警察庁長官、もしくは次長が務める。
- 総合警備本部
- 本部長は警視総監、または道府県警察本部長。該当警察本部内に置かれる。警視庁であれば本庁舎13階の「最高指揮所」。
- 特設警備本部
- その名の通り特設。その時にどうしても警備する必要のある場所に臨時に設置させる。ほとんどの場合、キャンプを特設してそのなかで指揮官が警備命令を下す。警察署の建物など警察施設に陣を敷いて行う場合もあるが、国宝・文化財警備・雑踏・群集などの警備は指揮を現場で行うのが鉄則なので現地に陣を敷く。設置場所は通常非公開。本部長は警察庁警備局の警備課長(警視長)か警備課理事官(警視正)が務める。警察庁の課長級幹部が現場に出向くことはまれだが特設警備本部設置の場合は現場に出向く。
- 特別警備本部
- 特別な場合、短期的に設置する。本部長は警視長。
- 方面警備本部
- 場所を一地域に限定して設置する。ここから下は警備局が設置することはない。本部長は警視正。
- 管内警備本部
- 警察署だけで行う。警備範囲は一署の管内のみ。本部長はおおむね署長か署の課長。
職務領域
警備局には実働部隊がない。彼らが執り行う警備指導とは基本的に重要地区警備、広域警備を指す。寺社では浅草寺、明治神宮など人の集まる場所で、重要文化財などが置かれている場所は特別に警備を指導する(警備執行は警視庁が担う)。
都道府県レベルの警戒活動による警備には警備局は直接関与しない。ただし、浅草寺や明治神宮は国宝であり、国の重要文化財では国家警察である警察庁が警備を指導するのが慣わしである(警備執行は警視庁が担う)。
参考文献
- 大野達三『警備公安警察の素顔』(新日本出版社)
- 警備研究会著『日本共産党101問』(立花書房)
- 青木理 「日本の公安警察」(講談社)
- 別冊宝島編集部 「公安アンダーワールド」
- 黒井文太郎 「日本の情報機関」(講談社)
- 現代ビジネス 「驚愕の深層レポート 新たなる公安組織< I・S >の全貌」