行政警察活動
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行政警察活動(ぎょうせいけいさつかつどう)とは、政府の機関による、公共の安全や秩序の維持を目的とする活動の総称である。
規制行政
例えば、
- 保健所(食品衛生監視員・薬事監視員・毒物劇物監視員・他)や労働基準監督署(労働基準監督官)や経済産業省資源エネルギー庁原子力安全・保安院などによる許認可や立入検査(臨検)や行政指導などの行政行為
- 建築基準法(9条1項)に基づく特定行政庁による違反建築物に対する措置
- 国土交通省鉄道局・自動車交通局・海事局・航空局による技術安全や交通安全に関する許認可や立入検査や行政指導などの行政行為
- 消防による防火対象物に対する消防同意・予防査察・消防用設備の設置に関する指導や危険物の規制(許認可や立入検査や行政指導などの行政行為)
- 総合通信局による不法無線局の取締や放送局に対する許認可や行政指導などの行政行為
- 金融庁による金融機関に対する監督や検査(許認可や行政指導などの行政行為)
- 出入国管理(広義)
- 公安調査庁(公安調査官)による調査や規制
など、いわゆる規制行政と呼ばれる活動も含まれ、必ずしも「警察」という名称の機関が担う機能に限定されない。警察官や警察署長などの担う行政警察活動としては、
- 警察官による警邏(けいら、パトロール)活動(警察官職務執行法に基づく職務質問など)
- 警察官による検問や道路交通法に基づく交通取締
- 警察署長による風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(3条1項)に基づく風俗営業の許可
などが挙げられる。
司法警察活動との関係
犯罪の捜査を意味する司法警察活動との違いは、紙一重である。例えば、パトロールの最中に不審な人物に職務質問したところ、覚醒剤の所持を確認して現行犯逮捕する、といった初めに行政警察活動だったのが途中から司法警察活動となるケースもある。
そのため、行政警察活動から司法警察活動へ段階的に移行する、行政警察活動と司法警察活動とが競合する、との考えが提示されている。また、現在においては、各種の法令によって警察活動が法定され、司法警察活動や行政警察活動の区分そのものが無意味、とする説も有力である。
鎮圧・監視
行政警察活動としての犯罪の鎮圧は、警察官など、一部の公務員のみの権限である。
機動隊によるデモの監視や取締は、広義に行政警察活動に含まれるが、治安警察活動として別にされることも多い。また、反政府組織などに対する監視などは、公安警察活動とされ、やはり別にされることが多い。
参考文献
- 警察庁総務課監修『新版注解警察官職務執行法』(立花書房)
- 古谷洋一『注釈 警察官職務執行法〔改訂版〕』(立花書房)
- 田村正博『警察行政法の基本的な考え方』(立花書房)