膠着語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
膠着語(こうちゃくご、英 agglutinative language)は、言語の形態論上の分類のひとつ。膠着語に分類される言語は、ある単語に接頭辞や接尾辞のような形態素を付着させることで、その単語の文の中での文法関係を示す特徴を持つ。ヴィルヘルム・フォン・フンボルトによって1836年に提唱された。
概要
膠着語に分類される言語は、トルコ語、ウイグル語、ウズベク語、カザフ語等のテュルク諸語、日本語、満州語、朝鮮語、モンゴル語、フィンランド語、ハンガリー語、タミル語、エラム語、シュメール語、エスペラント語などである。
エスキモー・アリュート語族、マヤ語族なども膠着語的だが、膠着の長さが極端(文全体が膠着する)なので、抱合語(正確には複統合的言語)とすることが多い。
例
日本語
例えば、「飛ぶ」という動詞だと
のように語尾を付着させて変化させる。 このように日本語における膠着語とは、語幹に語尾をいろいろ変化させて付着させていく言葉をいう。
フィンランド語
- talossani:"talo"(「家」)-"ssa"(~の中で、内格)-"ni"(私の、所有接辞)
トルコ語
- evimde:"ev"(「家」)-"im"(「私」の、所属人称接尾辞)-"de"(~で、位置格)
補足
普通の日本語では「膠着」という言葉は(「膠着状態」で示されるように)付着して容易に離れないことを意味することが多い。しかし、膠着語の「膠着」は単語に接頭辞や接尾辞を貼り付けるという意味だけで使われており、「容易に離れない」という意味はない。[2]