竹内久美子

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テンプレート:存命人物の出典明記 竹内 久美子 (たけうち くみこ、 1956年 - )は日本のエッセイスト動物行動学研究家。愛知県生まれ。1979年昭和54年)京都大学理学部卒。同大学大学院博士課程へ進学。日高敏隆教室に在籍し動物行動学を専攻。

作家活動

代表作『そんなバカな!-遺伝子と神について-』は、1991年平成3)に出版されるやベストセラーとなり、平成4年度の第8回講談社出版文化賞「科学出版賞」を受賞。動物行動学の知見を駆使して、日常の様々な事象をユニークな視点で解説。特にリチャード・ドーキンス利己的遺伝子は、竹内の著作の中で、世の中を読み解く際の重要なキーワードとなっている。その軽妙洒脱な筆致とも相俟って話題となり、多くのファンを獲得した。その後は、週刊文春での連載「私が、答えます」のち「ドコバラ! ドウブツコウドウ学バラエティー!」、「竹内久美子のイキモノローグ」のコーナーを担当。

なお、生物学者の伊藤嘉昭らは、竹内の一連の著作は理論の濫用だとして批判している[1][2][3][4][5][6]。また、一部の著作はトンデモ本と批判されている[7]

著作

  • 『浮気人類進化論-きびしい社会といいかげんな社会-』1988年 晶文社 のち文春文庫
  • 『男と女の進化論 すべては勘違いから始まった』1991年 新潮社 のち文庫 
  • 『そんなバカな!-遺伝子と神について』1991年 文藝春秋 のち文庫
  • 『賭博と国家と男と女』1992年 日本経済新聞社 のち文春文庫 
  • 『小さな悪魔の背中の窪み-血液型・病気・恋愛の真実』1994年 新潮社 のち文庫
  • 『パラサイト日本人論-ウィルスが作った日本人のこころ』1995年 文藝春秋 のち文庫
  • 『BC!な話-あなたの知らない精子競争』1997年 新潮社、のち文庫
  • 『三人目の子にご用心!-男は睾丸、女は産み分け』1998年 文藝春秋、(改題)『浮気で産みたい女たち-新展開!浮気人類進化論-』文庫
  • 『シンメトリーな男』2000年 新潮社 のち文庫
  • 『私が、答えます-動物行動学でギモン解決!』2001年 文藝春秋(改題)『遺伝子が解く!男の指のひみつ』文庫
  • 『小顔・小アゴ・プルプル唇-「私が、答えます」2』2002年、文藝春秋 (改題)『遺伝子が解く!女の唇のひみつ』文庫
  • 『遺伝子が解く!愛と性の「なぜ」』2003年 文藝春秋 のち文庫
  • 『遺伝子が解く!アタマはスローな方がいい!?』2005年 文藝春秋 のち文庫
  • 『遺伝子が解く!万世一系のひみつ』2006年 文藝春秋 のち文庫
  • 『千鶴子には見えていた!—透視は、あっても不思議はない』2007年 文藝春秋 (改題)『遺伝子が解く!その愛は、損か、得か』文庫
  • 『ドコバラ!—シワの多いイケメン、大食い、美人薄命の謎』2008年 文藝春秋 「遺伝子が解く!美人の身体」文庫 
  • 『草食男子0.95の壁 動物行動学的オトコ選び』2010年 文藝春秋
  • 『女は男の指を見る』2010年 新潮新書
  • 同性愛の謎―なぜクラスに一人いるのか (文春新書)2012 

訳書

  • 『農業は人類の原罪である』コリン・タッジ 新潮社、2002 
  • 『シンデレラがいじめられる本当の理由』マーティン・デイリー&マーゴ・ウィルソン 新潮社、2002 
  • 『生物は体のかたちを自分で決める』ジョン・メイナード=スミス 新潮社、2002 
  • 『現実的な左翼に進化する』ピーター・シンガー 新潮社、2003
  • 『女より男の給料が高いわけ』キングスレー・ブラウン 新潮社、2003
  • 『寿命を決める社会のオキテ』リチャード・ウィルキンソン 新潮社、2004
  • 『女だけが楽しむ「ポルノ」の秘密』キャスリン・サーモン&ドナルド・サイモンズ 新潮社、2004 

共著

  • 『ワニはいかにして愛を語り合うか 動物たちのコミュニケーション』日高敏隆共著)1986年PHP研究所 のち新潮文庫 
  • 『もっとウソを!-男と女の科学の悦楽』(日高敏隆共著)1997年文藝春秋、のち文庫

脚注

  1. 伊藤嘉昭 「社会生物学の悪用―竹内久美子批判」『生態学と社会―経済・社会系学生のための生態学入門』東海大学出版会、1994年。 ISBN 4486012720。
  2. 粕谷英一「社会生物学と新型のオールドタイプ人間論 竹内久美子批判1」月刊『現代思想』1992年05月号。
  3. 川本隆史「利己的遺伝子への/からの反逆?福祉国家をめぐる社会生物学の言説」月刊『現代思想』1992年05月号。
  4. 池田清彦「ネオダーウィニストがダーウィンから学ばなかったこと:付録 竹内久美子氏の著書について」月刊『現代思想』 1993年02月号。
  5. 佐倉統 「科学と物語と進化論」『進化論という考えかた』 講談社〈講談社現代新書〉、2002年。ISBN 4061495984。
  6. 伊藤嘉昭「社会生物学と人間の社会 ―竹内久美子批判と最近の動き」『新版 動物の社会 社会生物学・行動生態学入門』 東海大学出版会、2006年。ISBN 4486017374。
  7. と学会編『トンデモ本の世界』、(1995)、洋泉社

関連項目

外部リンク