川本隆史
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川本 隆史(かわもと たかし、1951年 - )は、日本の倫理学者。専門は倫理学、社会哲学。
1951年、広島市生まれ。広島学院中学校・高等学校を卒業後、1970年に東京大学教養学部文科一類に入学。法学部から文学部に転部し、1975年、東京大学文学部倫理学科卒業。学位論文はカントの歴史哲学。1980年東京大学大学院人文科学研究科博士課程を単位取得退学。1997年、東京大学より博士(文学)の学位取得。跡見学園女子大学文学部教授、東北大学文学部教授を経て、2004年度より、東京大学大学院教育学研究科教授。日本におけるロールズ正義論研究の第一人者であり、ノーベル経済学賞を受賞したインドのアマルティア・センを、大庭健と共に日本に紹介した。近年は、「ケア」概念の再検討を行い、医療・看護・教育など諸領域を横断する倫理を探求している。
2010年11月にロールズの主著『正義論』の新訳を紀伊國屋書店から刊行[1]。
著書
単著
編著
- 『ケアの社会倫理学――医療・看護・介護・教育をつなぐ』(有斐閣, 2005年)
共編著
- (須藤訓任・水谷雅彦・鷲田清一)『マイクロ・エシックス――小銭で払う倫理学』(昭和堂, 1993年)
- (高橋久一郎)『応用倫理学の転換――二正面作戦のためのガイドライン』(ナカニシヤ出版, 2000年)
共訳書
- アマルティア・セン『合理的な愚か者――経済学=倫理学的探究』(勁草書房, 1989年)
- キャロリン・マーチャント『ラディカルエコロジー――住みよい世界を求めて』(産業図書, 1994年)
- マイケル・ウォルツァー『解釈としての社会批判――暮らしに根ざした批判の流儀』(風行社, 1996年)
- ジョン・E・ローマー『分配的正義の理論――経済学と倫理学の対話』(木鐸社, 2001年)