神谷広志
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神谷 広志(かみや ひろし、1961年4月21日 - )は、将棋棋士。 棋士番号は149。廣津久雄九段門下。静岡県浜松市出身。
公式戦28連勝(歴代1位)の記録保持者として知られる。
昭和55年度にプロとなった強豪グループ、いわゆる「55年組」の一人。
棋歴
中学1年生のときには、まだアマチュア4級という遅咲きながら、それから1年足らずでアマチュア四段の実力となる[1]。そして、中学2年の秋に奨励会に入り、20歳の誕生日を迎える前にプロ棋士となった。
1983年の若獅子戦で準優勝。1984年の早指し新鋭戦でも準優勝。
1987年の2月から8月にかけて、公式戦28連勝の記録を樹立(下記参照)。これは、20年以上破られていない歴代1位の記録である。同じ「55年組」の塚田泰明が半年ほど前に作ったばかりの記録(22連勝)を、あっさりと、そして大幅に塗り替えた。
1997年度のB級2組順位戦で9勝1敗の成績を収め、B級1組へ昇級。
第48期(2007年度)王位戦で、同棋戦初のリーグ入り。森内俊之名人(当時)に勝利するが、リーグ残留失敗。
連勝 | 対局日 (1987年) |
棋戦 | 相手 | 手番 | 結果 | |
---|---|---|---|---|---|---|
- | 1月29日 | 第37期王将戦 | 一次予選 1回戦 | 小野敦生 | 後手 | ● |
1 | 2月10日 | 第45期順位戦 | C級1組 9回戦 | 野本虎次 | 後手 | ○ |
2 | 2月23日 | 第37回NHK杯戦 | 予選 | 伊藤果 | 先手 | ○ |
3 | 予選 決勝 | 安恵照剛 | 先手 | ○ | ||
4 | [[3月3日|3月テンプレート:03日]] | 第45期順位戦 | C級1組 10回戦 | 富沢幹雄 | 先手 | ○ |
5 | 3月19日 | 第13期棋王戦 | 予選 2回戦 | 山口英夫 | 先手 | ○ |
6 | 3月26日 | 第10回勝ち抜き戦 | 予選 2回戦 | 池田修一 | 先手 | ○ |
7 | 予選 決勝 | 佐伯昌優 | 先手 | ○ | ||
8 | [[4月1日|4月テンプレート:01日]] | 第51期棋聖戦 | 一次予選 2回戦 | 瀬戸博晴 | 先手 | ○ |
9 | [[4月8日|4月テンプレート:08日]] | 第13期棋王戦 | 予選 3回戦 | 池田修一 | 先手 | ○ |
10 | 4月30日 | 第13期棋王戦 | 予選 決勝 | 関根茂 | 後手 | ○ |
11 | [[5月4日|5月テンプレート:04日]] | 第37回NHK杯戦 | 本戦 1回戦 | 石田和雄 | 先手 | ○ |
12 | 5月12日 | 第13期棋王戦 | 本戦 1回戦 | 石田和雄 | 先手 | ○ |
13 | 5月15日 | 第51期棋聖戦 | 一次予選 3回戦 | 山口千嶺 | 後手 | ○ |
14 | 5月25日 | 第21回早指し戦 | 予選 | 武者野勝巳 | 先手 | ○ |
15 | 永作芳也 | 後手 | ○ | |||
16 | 鈴木輝彦 | 後手 | ○ | |||
17 | [[6月5日|6月テンプレート:05日]] | 第13期棋王戦 | 本戦 2回戦 | 青野照市 | 先手 | ○ |
18 | [[6月9日|6月テンプレート:09日]] | 第46期順位戦 | C級1組 1回戦 | 剱持松二 | 先手 | ○ |
19 | 6月12日 | 第51期棋聖戦 | 一次予選 4回戦 | 達正光 | 先手 | ○ |
20 | 6月23日 | 第51期棋聖戦 | 一次予選 決勝 | 堀口弘治 | 先手 | ○ |
21 | 6月27日 | 第21回早指し戦 | 本戦 1回戦 | 有野芳人 | 後手 | ○ |
22 | [[7月7日|7月テンプレート:07日]] | 第46期順位戦 | C級1組 2回戦 | 武者野勝巳 | 後手 | ○ |
23 | 7月10日 | 第6回全日本プロ | 1回戦 | 滝誠一郎 | 先手 | ○ |
24 | 7月13日 | 第51期棋聖戦 | 二次予選 2回戦 | 石田和雄 | 後手 | ○ |
25 | 7月17日 | 第13期棋王戦 | 本戦 3回戦 | 二上達也 | 後手 | ○ |
26 | 7月22日 | 第36期王座戦 | 一次予選 2回戦 | 武市三郎 | 先手 | ○ |
27 | 7月24日 | 第51期棋聖戦 | 二次予選 決勝 | 青野照市 | 後手 | ○ |
28 | 8月17日 | 第51期棋聖戦 | 本戦 1回戦 | 米長邦雄 | 後手 | ○ |
- | 8月21日 | 第36期王座戦 | 一次予選 3回戦 | 室岡克彦 | 後手 | ● |
棋風
居飛車、振り飛車ともに指し、また、それぞれ色々な戦法を指すオールラウンドプレーヤーであり、力戦調の将棋が多い。
強気の棋風であり、ギリギリの変化にも躊躇なく飛び込んでいく「見切り」「玉さばき」が持ち味。
人物
- 1989~1993年、関東奨励会幹事。
- 愛猫家であり、猫の手帖などの雑誌に自分の飼い猫の写真を数回投稿している。
昇段履歴
昇段規定は、将棋の段級 を参照(ただし、四段昇段は旧規定)。
- 1975年 5級 = 奨励会入会
- 1978年 初段
- 1981年3月18日 四段 = プロ入り
- 1984年4月1日 五段(順位戦C級1組昇級)
- 1989年3月17日 六段(勝数規定)
- 1997年12月12日 七段(勝数規定)
- 2014年5月1日 八段(勝数規定)
主な成績
在籍クラス
竜王戦と順位戦のクラスは、将棋棋士の在籍クラス を参照。
将棋大賞
- 第15回(1987年度) 連勝賞
記録(歴代1位のもの)
- 最多連勝 28連勝(1987年2月10日-8月17日)
著書
- 居飛穴なんかコワくない 振り飛車の逆襲(1987年3月、毎日コミュニケーションズ、ISBN 4-89563-510-4)
- 奇襲虎の巻 明日からすぐ勝てる(1994年12月、毎日コミュニケーションズ、ISBN 4-89563-621-6)
- 奇襲虎の巻(MYCOM将棋文庫、2003年5月、毎日コミュニケーションズ、ISBN 4-8399-1092-8)
脚注
関連項目
外部リンク
テンプレート:日本将棋連盟所属棋士 テンプレート:将棋竜王戦
テンプレート:将棋順位戦- ↑ 「将棋世界」2000年1月号付録
- ↑ 将棋連盟 棋士別成績一覧より。