出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テンプレート:農業
畜産(ちくさん)は、動物のうち家畜・家禽を飼育し乳製品や皮や肉などを得て生活に役立てる産業である。飼育する動物が水棲生物である場合は養殖と呼ぶことが一般的である。
畜産を営む農家は特に、畜産農家、または畜産家と呼ばれる。
放牧により畜産をする場合、牧畜とも言う。
乳を得ることを目的とする場合は酪農という。
飼育される主な動物
- ウシ
- 母牛を飼育し、交配させて子牛を得てそれを販売する農家を繁殖農家と言い、子牛を購入して飼養し、主に肉牛として販売する農家を肥育農家という。乳牛を飼養し、乳を主に販売する農家は酪農家と言うが、乳牛の加齢等により乳の生産量が採算水準を下回ると乳牛を廃牛にし、肉用として販売することが多い。アメリカ大陸では大需要地である都市から遠く離れた経費の低い地方で繁殖を行い、ある程度育った若牛を群にして数人の騎乗の牧人が数週間をかけて都市に近い牧場へ輸送し、そこで肥育してからと畜場に送るというスタイルをとる場合も多い。近年、乳牛は模様が綺麗な牛や、赤白斑の珍しい毛色の牛。共進会(競馬の重賞に当るようなもの)で優秀な成績を収めた牛は、乳牛を引退後に観光牧場などで寿命まで、観光展示用として飼育する例が増えている。
- ブタ
- 養豚(ようとん)。飼育された豚は、ほとんどが食肉用として出荷される。ペット用のミニブタの繁殖・販売は養豚扱いする自治体と、しない自治体がある。また、イノブタと言うブタとイノシシのハーフも存在し、発祥地の和歌山県が主産地。
- ニワトリ
- 養鶏(ようけい)。主に採卵を目的とする場合と、食肉を目的とする場合。そしてそれらの種鶏を得る種鶏場がある。採卵目的のニワトリが産卵率の低下により廃鶏とされると、通常の食用にされることはほとんどなく、主に加工肉に利用される。(ごく稀にだが)愛玩用として観光牧場やニワトリスト(愛鶏家)に引き取られる事もある。またチャボなどの愛玩鶏の繁殖・販売は、愛玩鶏の多くが天然記念物に指定されている品種が多く「種保存の意味合い」で養鶏にあたる。
- めん羊
- 羊毛・食肉・乳を目的とする。日本では少ない。オーストラリアやニュージーランドが多い。
- ヤギ
- 毛・食肉・乳を目的とする。日本では長野県佐久地方や、南九州(宮崎県・鹿児島県・沖縄県)での飼育が目立つ程度。観光展示用に飼われている所もある。
- ウマ
- アメリカ合衆国、オーストラリアが中心。乗用や競馬用の軽種馬・中間種の繁殖・育成が多い。その他観光用・肉用など雑多。日本では北海道の日高地方と、鹿児島県大隅地方が軽種馬の代表的な産地である。一方、肉用馬は青森県南部(東部)地方・山梨県・長野県・熊本県が主産地。
- ラクダ
- 中東諸国が中心。肉・乳・毛以外にも乗用や競駝用に利用する。
- ダチョウ - 肉・革・卵・観光用
- アヒル - 肉・卵・観光用。
- ホロホロチョウ - 肉・観光用。和歌山県の名産品。
- ミツバチ
- 養蜂(ようほう)。蜂蜜・蜜蝋などを採取する他、園芸栽培において受粉をするために飼育する農家も存在する。岐阜県が近代養蜂の発祥地。
- カイコガ
- 養蚕(ようさん)。絹糸を採取する。日本の行政では、養蚕は畜産扱い(養蚕の分類は茶や菜種などの工芸農作物の扱い)されていない。衰退気味であるが、近年は人工血管や手術用の糸 (縫合糸) などの医療用材料として再注目され始めている。
- カブトムシ
- 幼虫の頃から養殖し、成虫になってまもなく全国のデパート等に出荷する。農水省の広報担当テンプレート:誰によるとテンプレート:要出典範囲。過去、茨城県の材木店のオガクズ置き場でカブトムシが大量発生して、知人を通じて販売したら莫大な利益になって、通称・カブトムシ御殿と言う大きな屋敷を構えた上、材木店をやめて、専業でカブトムシ養殖に転向した材木店テンプレート:誰が全国ニュースで数年前テンプレート:いつに放送された。
- イヌ
- 近年テンプレート:いつ、農業高校の畜産の授業で取り上げられている。番犬・盲導犬・警察犬など用途は多数。
- ガチョウ
- 肉・卵・羽毛を目的とする。またガチョウの脂肪肝化した肝臓が世界三大珍味の一つとして知られるフォアグラであるが、生産過程で強制給餌を伴うことから動物虐待に当たるとして生産や販売を禁止する動きが広がっている。
関連項目
外部リンク
テンプレート:Sister
テンプレート:Agri-stub