珠洲駅
珠洲駅(すずえき)は、かつて石川県珠洲市野々江町にあったのと鉄道能登線の駅。2005年(平成17年)、能登線の廃止により廃駅となったが駅舎は一時保存され、珠洲市が待合室ならびに駅事務室を改装のうえ奥能登すずなり市場と称し地元特産物を販売していた。
その後、2008年(平成20年)末に市が検車庫等の付随施設も買収、さらに翌2009年(平成21年)1月から2月にかけて駅舎ごと取り壊し、多目的広場ならびに駐車場、また前述の市場に付随したバスターミナルを建設、2010年(平成22年)4月3日に道の駅すずなりとして生まれ変わった。
駅構造
島式ホーム1面2線をもつ地上駅であった。側線や車庫が設置された主要駅で、夜間滞泊も設定されていた。
当時この駅は列車運行上の節目となる駅とされ、当駅発着または長時間停車する列車が数多く設定されていた。 なお駅舎からホームへは構内踏切で数本の線路を渡る。
駅舎は鉄道廃止まで平屋建ての直営駅で、駅裏に位置する石川県立飯田高等学校、ならびに珠洲市総合病院へ向かう人々のためにホームから直接出ることのできる出入り口が設けられ、廃駅後も駅を隔てる南北の往来に利便を図るため、毎日午前8時から午後5時までは徒歩による通り抜けが可能であった。
駅周辺
路線バス
かつては西日本JRバスの路線バスが同駅構内に乗り入れていたが、現在は北陸鉄道グループの子会社である北鉄奥能登バスが一般路線の他、金沢方面へ向かう特急バス(珠洲特急線)の停留所を設けている。
廃駅までのバス停留所名は「珠洲駅前」であったが、廃駅後の2005年(平成17年)4月1日以降は、市街地循環バスならびに小屋線(うぐいす号)を除き、「昭和橋」と改称されたが、2010年(平成22年)4月1日以降は前述を含め、すべての路線において「すずなり館前」に統一された。
歴史
- 1964年(昭和39年)9月21日 日本国有鉄道(国鉄)能登線の駅として開業する。
- 1981年(昭和56年)11月20日 貨物の取扱を廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日 国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道の駅となる。
- 1988年(昭和63年)3月25日 のと鉄道への転換により同社能登線の駅となる。
- 2005年(平成17年)4月1日 能登線廃止に伴い廃止。
- 2005年3月31日の能登線最終列車は穴水駅発当駅止まりであった。この列車は4両編成で運転され到着後、前1両は蛸島駅ゆき回送列車として発車、車両は蛸島駅手前約300メートル地点の線路上に野天留置されることとなった。
- 2009年(平成21年)2月10日 駅舎ならびに検車庫の解体工事終了。
- 2010年(平成22年)3月25日 駅舎跡地にすずなり館という名称にて再生された道の駅が完成。その歴史に幕を閉じる。