深田祐介

テンプレート:Infobox 人物 テンプレート:Portal 深田 祐介（ふかだ ゆうすけ、本名：雄輔 1931年7月15日 - 2014年7月14日）は、日本の作家。1982年に『炎熱商人』で第87回直木賞を受賞した。

経歴

生い立ち

東京市（現東京都千代田区）生まれ。曾祖父は江戸城の奥に出入りした御用商人だった。祖父は日本橋に深田銀行を設立したが、不況で東海銀行に吸収された。父は入サ証券を起こすが、やはり後に丸三証券に買収された。

フランス系カトリック校の暁星高等学校を経て、早稲田大学法学部に入学、在学中から堀辰雄に傾倒し、曽野綾子らとともに同人誌『ラマンチャ』に参加した。

サラリーマン作家

大学卒業後は観光会社や外国航空会社など、会社を転々としながら執筆を続け、小説『空港』が群像新人文学賞候補となったのに続き、1958年小説『あざやかなひとびと』で、第7回文學界新人賞を受賞した。さらに直木賞候補ともなったが、その後日本航空に入社し、文壇の第一線を離れた。同社ではロンドン支店駐在員や広報室次長などを歴任した。

ロンドン勤務から帰国した1970年代後半から盛んな執筆活動を再開、1976年最初の著作であるエッセイ『新西洋事情』で、第7回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。1978年から毎年直木賞候補となり、経済小説『炎熱商人』で1982年に第87回直木賞を受賞。これを機に日本航空を退社し作家活動に専念することになる。

退社後

その後も1987年『新東洋事情』で文藝春秋読者賞を受賞する。長年のサラリーマン生活と海外駐在経験を生かした、海外ビジネス関連や企業小説の著書が多数ある。最近は特に中華民国についての著書が多く、中華民国の李登輝前総統との対談も数回に渡り行っている。また、日本航空の機内誌『ウィンズ（Winds）』で長年対談連載のホストを務めていた。

2014年7月14日午後2時20分、肺炎のため死去。82歳没。

人物

スチュワーデス物語

本人が日本航空の元社員の上に妻も元スチュワーデスということもあり、堀ちえみの主演でテレビドラマになって当時一世を風靡した『スチュワーデス物語』や、これも山田邦子主演でドラマ化した『トップスチュワーデス物語』、2008年に映画化された『フライング☆ラビッツ』などの「スチュワーデスもの」の著書も多い。なお、妻は同じく作家で元客室乗務員の安部譲二とは日本航空時代の同僚であった。

フランス好き

テンプレート:要出典範囲。

ドラゴンズ好き

プロ野球・中日ドラゴンズの大ファンであり、芸能人や文化人、マスコミ関係で結成されている「われらマスコミドラゴンズ会（通称：マスドラ会）」の初代会長も務めた。

著書

• 新西洋事情 北洋社, 1975 のち新潮文庫
• 西洋交際始末 文藝春秋, 1976 のち文庫
• 対談・新西洋事情 講談社, 1977.7 のち文庫
• 貿易戦争と中産階級 成長政策研究会, 1977.10
• 日本悪妻に乾杯 文藝春秋, 1978.3 のち文庫
• 日本商人事情 新潮社, 1979.1　のち文庫
• 新女性問答 深田祐介対談21 集英社, 1979.6 「深田祐介いきいき対談21」文庫
• 革命商人 新潮社, 1979.8 のち文庫、文春文庫
• 海外旅行と日本人 旅行にみる文化特性 現代研究会, 1979.11
• 昨今日本白書 新潮社 1980.6 のち文庫　
• われら海を渡る 文藝春秋, 1980.6 のち文庫
• 男たちの前線 新潮社, 1981.5 のち文庫
• 炎熱商人 文藝春秋, 1982.5 のち文庫
• 深田祐介の東西旅案内 新潮社, 1982.12 のち文庫
• さらりーまん野戦学 講談社, 1982.7 のち文庫
• 美貌なれ昭和 諏訪根自子と神風号の男たち 文藝春秋, *1983.10 のち文庫
• あざやかな悪妻たち マイルド・エッセイ 文春文庫 1983.12
• 新・さらりーまん野戦学 講談社, 1983.3 のち文庫
• スチュワーデス物語 新潮社, 1983.10 のち文庫、文春文庫　
• 男の本音 対談 ティビーエス・ブリタニカ, 1984.6 「男のホンネ」知的生き方文庫
• 新ワンマン・リーダーのすすめ 講談社, 1984.3 「さらりーまん指揮官学」文庫
• さらば麗しきウィンブルドン 文藝春秋, 1985.11 のち文庫、中公文庫
• 美貌なれ、ニッポン 深田祐介vs.12人のリーダーたち 広済堂出版, 1986.5
• 神鷲（ガルーダ）商人 新潮社, 1986.11 のち文庫、文春文庫
• ビジネスマン新人学 集英社文庫 1986.2
• さらりーまん発奮学 社内起業家のすすめ 講談社, 1986.2 のち文庫
• 深田祐介の最先端ウーマン学 講談社文庫 1986.5
• 深田祐介の東西トラベル対談 新潮文庫 1986.8
• ドジ添乗員（コン）物語 文藝春秋, 1987.1 のち文庫
• バンコク喪服支店 文藝春秋, 1987.7 のち文庫
• 新人類スチュワーデス物語 新潮社, 1987.8 のち文庫
• 新東洋事情 文藝春秋, 1988.4 のち文庫
• 新日本人事情 講談社, 1988.11 のち文庫
• ワーキングガールナウ 集英社, 1990.4
• 深田祐介スカイトーク 集英社文庫 1990.6
• トップスチュワーデス物語 集英社, 1990.3 のち文庫
• 新・新東洋事情 文藝春秋, 1990.12 のち文庫
• 仮面海峡 文藝春秋, 1991.7 のち文庫
• 黎明の世紀 大東亜会議とその主役たち 文藝春秋 1991 のち文庫、「大東亜会議の真実」PHP新書
• 華やかな悪妻たち 小学館, 1991.2 のち文庫
• Tokyoワーキングウーマン新事情 集英社, 1992.3
• 地球味な旅 新潮社, 1992.12 のち文庫
• カイシャの不思議 新OLサバイバル学 集英社文庫 1994.9
• 暗闇商人 文藝春秋, 1994.4 のち文庫、「闇からの逃避行」グラフ社
• あの街この街暮らしてみたら 日本悪妻海を渡る 小学館, 1995.7
• 最新東洋事情 1995年版 文藝春秋, 1995.5 のち文庫
• 鍵は朝鮮半島にあり! 小学館, 1996.12
• 高麗奔流 金正日・野望のトンネル 文藝春秋 1997.4 のち文庫
• 激震東洋事情 1998年版 小学館, 1998.4 のち文春文庫
• 高感度人間の人生学 自分の真価を、いま発揮する情報力の磨き方 青春出版社, 1999.1
• 美食は人にあり 新潮社, 1999.3 「美味交友録」文庫
• 怪鳥艇 新潮社, 2000.5 「蘇る怪鳥艇」文庫
• 決断は我にあり 講談社, 2000.6 「決断」文庫
• 中国に媚びてはいけない 東洋事情2000～2001 小学館文庫 2001.12
• スチュワーデスわが天職 新潮文庫 2003.3
• 翔べ!ラビッツ 新世紀スチュワーデス物語 文藝春秋, 2004.5 「フライング・ラビッツ」文庫
• 金正日亡命 扶桑社 2005.3
• 深田祐介の憂国十番勝負 対談集 PHP研究所, 2005.7
• 歩調取れ、前へ! フカダ少年の戦争と恋 小学館, 2007.6

共編著

• 私の日本私の西洋 イーデス・ハンソン 文藝春秋, 1978.6 のち文庫
• セーヌで語ろう 新フランス文化・観光案内 磯村尚徳対談 文藝春秋, 1980.10 のち文庫
• 日本型資本主義なくしてなんの日本か ロナルド・ドーア共著 光文社 1993 (カッパ・ホームス)
• 大成功アジアで会社をつくる（編）プレジデント社, 1994.10
• アジアの世紀は本当か ポストトウ小平をズバリ読む! 中嶋嶺雄 PHP研究所, 1995.11
• 鍵は「台湾」にあり! 「日・台」新関係がアジアを変える 金美齢 文藝春秋, 1996.3
• 深田祐介のサラリーマン人生を充実させる事典（編著）PHP 1997.4
• アジアは復活するのか 経済危機と日本の戦略 中嶋嶺雄 PHP研究所, 1998.6
• アジアに未来はあるのか 憂鬱の中国、絶望の北朝鮮、危うい日本 中嶋嶺雄 PHP研究所, 1999.6
• 敵は中国なり 日本は台湾と同盟を結べ 金美齢 光文社, 2000.11
• アジア再考 外務省には任せられない! 古森義久 扶桑社, 2001.11 のち小学館文庫
• 北朝鮮・狂気の正体 金王朝の謀略と崩壊の行方 萩原遼 扶桑社, 2003.1
• 男友だち、女友だち もっと自由に、もっと素敵に 山本容子 集英社be文庫 2003

翻訳

• 成長人間の実学 ロバート・ヘラー 三笠書房, 1980.5　のち知的生き方文庫　
• ジャパニーズ・マネジメント 日本的経営に学ぶ リチャード・T.パスカル,アンソニー・G.エイソス 講談社, 1981　のち文庫　* マコーマックのマンビジネス ハーバードでは教えてくれない経営177則 マーク・マコーマック 植山周一郎共訳 集英社, 1985.2 のち文庫
• 大予兆 世界経済が崩壊する日 ウィリアム・クラーク 田辺一夫共訳 講談社, 1985

関連項目

• 李登輝
• 小倉寛太郎
• 客室乗務員
• くれない寮