海洋研究開発機構
独立行政法人海洋研究開発機構(かいようけんきゅうかいはつきこう、テンプレート:Lang-en-short、テンプレート:Lang-en-short)は、文部科学省所管の独立行政法人である。略称はJAMSTEC(ジャムステック)、海洋機構。
既存の調査船や潜水船などに加え、2004年の独立行政法人化の際に東京大学海洋研究所から移管された調査船を用いて、海洋、大陸棚、深海などを観測研究する。スーパーコンピュータで一時期世界一となった地球シミュレータなどの大型計算機を用いて、気候変動や地震などに関するシミュレーション研究をする。
1971年10月1日、認可法人として海洋科学技術センター設立。2004年4月1日、海洋科学技術センター解散、同時に独立行政法人海洋研究開発機構発足。
2007年12月24日に閣議決定された「独立行政法人整理合理化計画」に基づいて、独立行政法人防災科学技術研究所と統合し、2010年4月に独立行政法人海洋・防災研究開発機構が発足することを内容とする法案が2009年1月30日に閣議決定され、同日国会に提出されたが、国会審議の過程でこの統合部分は削除する旨の修正案が提出され、可決されたテンプレート:要出典。このため、統合は当分行われないこととなった。
概要
海洋研究開発および関連する地球物理学研究開発のために設置された研究所である。日本最初の深海潜水艇の開発を始めとして、国際地球観測プロジェクト推進のための研究船などを開発し運用する。また、長時間有人探査の難しい海溝探査を目的とした、無人探査機等を開発し運用する。スーパーコンピュータで、一時期世界一となった地球シミュレータを運用するほか、大陸棚に存在するメタンハイドレート・海底熱水鉱床・石油・天然ガスなどの資源を探査する。
東宝制作の映画『日本沈没(2006年版)』では、本研究開発機構の機材をそのまま使用した[1]。また、NHKとBBCが制作した『プラネットアース』でも、番組ナビゲータの緒形拳が深海からレポートを行う際などに、本機構の深海探査艇を使用した[2]。
組織
2011年4月現在。
- 地球環境変動領域
- 地球内部ダイナミクス領域
- 海洋・極限環境生物圏領域
- リーディングプロジェクト
- ラボシステム
- むつ研究所
- 高知コア研究所
- 研究支援部
- 海洋工学センター
- 地球シミュレータセンター - かつて世界最速を誇った大型計算機地球シミュレータの管理運営
- 地球情報研究センター
- 地球深部探査センター - 地球深部探査船ちきゅうに関連
- 事業推進部
- 経営企画室
- 総務部
- 経理部
- 安全・環境管理室
- 監査室
事業所
- 横須賀本部(神奈川県横須賀市夏島)
- 横浜研究所(神奈川県横浜市金沢区昭和町)
- むつ研究所(青森県むつ市関根)
- 高知コア研究所(高知県南国市物部、高知大学物部キャンパス内)
- 国際海洋環境情報センター(GODAC)
- 東京事務所
運用船など
- 地球深部探査船「ちきゅう」
- 海洋地球研究船「みらい」
- 深海調査研究船「かいれい」
- 深海潜水調査船支援母船「よこすか」
- 海洋調査船「かいよう」
- 海洋調査船「なつしま」
- 学術研究船「白鳳丸」
- 学術研究船「淡青丸」
- 東北海洋生態系調査研究船「新青丸」
- 有人潜水調査船「しんかい2000」「しんかい6500」
- 自律型深海巡航探査機「うらしま」
- 無人探査機(ROV)「かいこう」「かいこう7000-II」「ドルフィン-3K」「ハイパードルフィン」
- 自律型深海巡航無人探査機「じんべい」
- 深海探査機「おとひめ」
- 自律型深海巡航無人探査機「ゆめいるか」
- 高精度マイクロミル「GEOMILL326」- 島根大学と共同開発した、岩石試料をマイクロメートル単位で切削できる機械
関連項目
- 地球シミュレータ
- シートピア計画
- 海底地震総合観測システム
- 海洋調査技術学会
- 日本海洋事業 - かいよう、かいれい、なつしま、よこすか、しんかい6500、ハイパードルフィン運航会社
- グローバル・オーシャン・ディベロップメント - みらい運航会社
- 日本マントル・クエスト - ちきゅう運航・掘削会社
- マリン・ワーク・ジャパン - 観測支援業務会社
- H-IIロケット8号機 - 打ち上げ失敗し太平洋に水没後、JAMSTECがエンジンを捜索・発見[3]
- 江戸っ子1号 - 開発・運用を支援