武庫川信号場
武庫川信号場(むこがわしんごうじょう)は、兵庫県西宮市にある阪神電気鉄道本線の信号場。
武庫川駅西方、武庫川橋梁と地平区間との間の勾配途中にあり、本線と武庫川線を結ぶ連絡線が分岐する。
構造
本線上り線と武庫川線を結ぶ連絡線が、本線北方(上り線の外側)へ分岐する。
武庫川線で運用される車両の回送時にのみ使われる施設であり、当信号場での客扱いはないのでプラットホームはなく、また分岐器や信号機は遠隔操作されるため、信号扱所のような建物もない。
また、当信号場を経由して武庫川線と本線を直通する営業列車は存在しない。
かつては、上り線と下り線を結ぶ渡り線も存在し、武庫川線で運用する車両の出入りはすべて当信号場で処理されていたが、渡り線が撤去されてからは、尼崎車庫から出庫して本線下り線を回送し武庫川線へ入線する車両は、いったん甲子園駅まで進み、甲子園駅の引き上げ線を使って折り返し、本線上り線を当信号場まで戻って入線するという運用になっている。
また、かつては朝の出庫と夜の入庫が各2回で1日4回使用されていたが、現行ダイヤでは1編成が武庫川線内に夜間駐泊するため、朝の尼崎車庫→甲子園駅→武庫川線の出庫回送と、夜の武庫川線→尼崎車庫の入庫回送の2回のみ使用されている。
連絡線の途中には、スイッチバック部分を含めて2か所の踏切が存在するが、通過列車が朝夕の1日2本だけで、かつ最徐行で通過することと、武庫川駅に隣接し係員がすぐ近くにいることから、この踏切部から軌道内にみだりに人が立ち入らないようにするため、線路側をふさぐための手動で開閉できるフェンス状の扉が設置されている。また、スイッチバック部分の線路は2本に分かれているが、西側の線路しか使われていない(東側は西ノ宮 - 洲先間の貨物線廃止から使用されておらず、現在は阪神大震災でレールが曲がってそのままの状態で放置されている)。
歴史
- 1943年(昭和18年)11月21日 - 武庫川線の開業と同時に設置。この当時は下り線側から海側に分岐していた[1]。
- 年月不明 - 上り線側から山側への分岐となる(現在の位置より武庫川駅寄り)[1]。
- 年月不明 - 現在の位置に移設される[1]。
- 2011年(平成23年)3月 武庫川駅 - 甲子園駅間の高架化準備工事に伴い、本線上り線の仮線移行より一足先に上り仮線部分からの分岐となり、分岐位置がそれまでよりも神戸寄りに変更となる。