欧州共同体

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テンプレート:欧州連合 欧州共同体(おうしゅうきょうどうたい)とは、1992年に調印された欧州連合条約のもとで導入された欧州連合3つの柱のうち、第1の柱を構成する政策の枠組み。またはその政策の実現のために設置されている国家間の共同体。ECとも。欧州共同体は超国家主義の原則に基づいており、欧州連合の前身である欧州経済共同体が起源となっており、共同体としても欧州経済共同体設立条約から改称された欧州共同体設立条約が法的根拠となってきた。2009年のリスボン条約発効で3本柱構造が廃止されたことにより欧州共同体と残りの2つの柱は統合され、法人格を持つ共同体としても消滅した。

歴史

テンプレート:See also 欧州連合条約は、欧州連合の創設について単一欧州議定書欧州の統合に関する宣言を土台に起草されている。欧州連合条約は1992年2月7日に調印され、1993年11月1日に発効した。欧州連合とは従来の欧州諸共同体に替わるものであり、また欧州諸共同体は政策分野の欧州共同体として3つの柱構造に組み入れられた。このとき欧州経済共同体は欧州共同体に改称され、欧州連合としての初代欧州委員会委員長には、欧州経済共同体の委員長であったジャック・ドロールが、1994年にジャック・サンテールに交替するまで務めた。

アムステルダム条約では査証不法移民難民といった人の移動の自由についての政策を司法・内務協力の柱から欧州共同体の柱の対象分野に変更した(なおこれにより司法・内務協力は警察・刑事司法協力に改称された)[1]。またアムステルダム条約とニース条約では共同決定手続きを用いる案件を拡張し、欧州共同体の対象とするほぼすべての政策分野において欧州議会欧州連合理事会と対等の権限を有することになった。

2002年、欧州諸共同体を構成する3共同体の1つである欧州石炭鉄鋼共同体の根拠条約であるパリ条約が、ほかの基本条約にはない50年という有効期限を持っていたために、その効力が消滅した。ほかの基本条約と重複するものと考えられていたためパリ条約は更新されることがなく、かわりにニース条約においてパリ条約の要素は欧州共同体設立条約に継承され、欧州石炭鉄鋼共同体の機能は欧州共同体の機構により欧州共同体の政策分野の一部として引き継がれた。2009年に発効したリスボン条約では3本柱構造が廃止され、これにより欧州共同体はその法人格を欧州連合が継承したことで消滅し、欧州共同体設立条約も「欧州連合の機能に関する条約」に改称された。いっぽうで欧州原子力共同体については欧州連合と完全に統合せず、欧州連合の内部で独立した主体として存続している。

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政策分野

テンプレート:See also 欧州共同体の柱は以下の分野を対象としている[1]

超国家主義

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欧州連合の3つの柱構造では加盟国の首脳が超国家的な機関に権限を委譲しないものの、ヨーロッパ規模での協力を行う政策の枠組みが増やされている。柱構造は欧州連合を政策分野ごとに区別しており、従来欧州経済共同体がになってきた分野は欧州共同体の柱に含められた。また欧州政治協力が第2の柱の共通外交・安全保障政策とされ、さらに司法・内務協力という分野も第3の柱として加えられた。

従来の欧州経済共同体の機関は欧州連合の機関となったが、その役割は柱ごとに異なるものである。欧州委員会欧州議会欧州司法裁判所は第2、第3の柱における権限はほとんど与えられておらず、これらは欧州連合理事会がもっぱら担うものとされた。このことは機関の条約上の名称にも表れており、欧州連合理事会はまさしく「欧州連合の理事会」とされている一方で、欧州委員会は「欧州諸共同体の委員会」とされている。このため第2、第3の柱の対照となる分野では政府間主義、すなわち加盟国政府の間での全会一致を原則としており、多数決での票決や各機関の決定といった政治過程はとられないことになっている。

しかしながら欧州連合条約以降、欧州議会の役割は増大している。欧州連合条約では共同決定手続きの制度が導入され、この手続きがなされる欧州共同体の案件については欧州連合理事会と対等の立法権が欧州議会に与えられている。このため超国家的な性格を持つ機関が権限を強め、また欧州連合理事会における特定多数決方式が実行されることにより、共同体の柱は意思決定の手法において連邦主義の傾向が強まっていると表現されることがある。事実として、欧州憲法条約は「連邦主義的」と言われていたが、イギリスにおける 'federal' という言葉の政治的意味合いから「共同体的な手法」という言い回しに変えられていた。

脚注

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関連項目

参考文献

外部リンク

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  1. 1.0 1.1 テンプレート:Cite web