棄民
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(棄民政策から転送)
テンプレート:出典の明記 棄民(きみん、abandoned people)とは、政府によって切り捨てられた(元)自国民を指す語。
概説
日本では、満州の開拓にかり出され敗戦後に当地に取り残された人々や、国内の食料難から政府に奨励されてハワイ、カリフォルニア州、中南米諸国に移住していった人々などが「棄民」と呼ばれることがある。また、第二次世界大戦後に朝鮮半島の混乱から日本に渡り、祖国に帰らず残留したり、帰還事業で北朝鮮に渡った在日コリアンを韓国政府から見捨てられた棄民と見なすこともある。
自国民を国外追放することは国際法上許容されないこととされているが、中華人民共和国政府は自国民の民主活動家の入国を拒否し「中国公民の事実上の国外追放」と批判されている。日本と関連する事例では、馮正虎が中国への帰国を拒否され成田空港での寝泊まりを続けた事件がある。
近年、一部では、日本における就職氷河期に遭遇した若者、特に1970年代後半〜1980年代前半に生まれた世代(ポスト団塊ジュニア)を「棄民」や「見捨てられた世代」や「ロスト・ジェネレーション(略称はロスジェネ)」と呼ぶ事例がある。
関連項目
- 移民
- ボートピープル
- 中国残留日本人
- 日系ドミニカ人
- 日系台湾人
- ヴォルガ・ドイツ人
- ドイツ人追放
- 北朝鮮による日本人拉致問題#拉致事件解決の鈍い進展、北朝鮮による韓国人拉致問題#韓国の反応
- 少年十字軍
- からゆきさん
- 自国民に対する国外追放 - チャールズ・チャップリン#赤狩りの嵐、レフ・トロツキー#失脚、中国民主化活動家(魏京生、方励之、王丹)、ナポレオン・ボナパルト#百日天下とその後、サヴォイア家、パーレヴィ王家、フェルディナンド・マルコス一家
- プレカリアート
- 社会的排除(国内における公民権制限や剥奪、国内幽閉、隔離) - 旧ロシア帝国におけるシベリア追放刑、旧ソ連におけるラーゲリ、アメリカにおける日系人の強制収容#被害、北朝鮮における強制収容所 (北朝鮮)、中国における労働改造所、中国における上山下郷運動(文化大革命終結・安定後、足手まといになった紅衛兵志願青少年達の辺境地方一斉追放)、旧ナチスドイツにおける強制収容所 (ナチス)、旧ナチスドイツにおけるユダヤ系ドイツ人の公民権・生存権・人権の剥奪(ホロコースト)、アンドレイ・サハロフ、ニキータ・フルシチョフ#年金生活と回想録、趙紫陽#失脚と軟禁生活、優生学#優生政策、ハンセン病療養所