松尾スズキ
松尾 スズキ(まつお スズキ、本名:松尾 勝幸(まつお かつゆき)、1962年12月15日 - )は、日本の俳優、演出家、脚本家、映画監督、コラムニスト。福岡県北九州市八幡西区生まれ。父親は佐賀県、母親は鹿児島県阿久根市の出身[1]。八幡大学附属高等学校(現・九州国際大学付属高等学校)、九州産業大学芸術学部デザイン学科卒業。劇団『大人計画』主宰。以前は松尾すずきと表記していた。愛猫は「オロチ(雌)」
目次
人物
漫画家になりたくて高校生の時に漫画賞に応募し続け、大学ではデザインを専攻し漫画研究会に入った。元々絵が下手で、漫研の中でも最も下手であった為プライドが叩き潰れ、演劇研究会に入った。コメディにも興味があり高校生の時に財津一郎やジョン・ベルーシの真似を一人部屋でしていたが、演劇研究会でいよいよコメディにはまる。在学中に劇団エクボを創設、学外からも人材を集め公演を行なった。大学3年生で演劇をやめ、大学4年で絵画に目覚め、落第。心を入れ替えて就職活動をして、東京へ出る。
大学卒業後は23歳で上京し印刷会社でサラリーマンをしていたが、仕事も人間関係も上手くいかず社内全体のやる気の無さなどから一年で挫折。その後、イラストで細々と生計を立てながら、1980年代後半に雑誌で団員を募集し劇団大人計画を26歳で設立する。『ファンキー! 宇宙は見える所までしかない』で第41回岸田國士戯曲賞受賞。
2004年公開の映画監督デビュー映画『恋の門』はヴェネツィア国際映画祭に出品された。漫画原作者としても活動。特に漫画家、河井克夫との活動は名義を「チーム紅卍」としている。最近では山本直樹の漫画原作などもした。コラム、小説など著書も多数。2006年1月、小説『クワイエットルームにようこそ』で第134回芥川龍之介賞候補。2010年、『老人賭博』で第142回芥川賞候補。2006年から太田出版より、松尾がスーパーバイザーをつとめる雑誌『hon-nin』が刊行されている。
出演作品
テレビドラマ
- 世にも奇妙な物語「行列」(1991年、フジテレビ)
- 高校教師(1993年、TBS)
- 有言実行三姉妹シュシュトリアン 第20話(1993年、東映/フジテレビ) - 妖怪・坂本原料魔
- マンハッタンラブストーリー(2003年) - 土井垣
- おじいさん先生 第6話(2007年、日本テレビ)
- 帰ってきた時効警察 第9話(2007年、テレビ朝日)
- 熱海の捜査官(2010年、テレビ朝日)- 朱印頭
- TAROの塔(2011年、NHK総合テレビジョン)- 岡本太郎 役
- 金曜スーパープライム・犬の消えた日(2011年8月5日、日本テレビ) - 鈴木正夫
- 推定有罪(2012年、WOWOW) - 坂井浩明
- まほろ駅前番外地(2013年、テレビ東京)- シンちゃん
- あまちゃん(2013年上半期、NHK) - 甲斐さん 役
- 変身インタビュアーの憂鬱(2013年、TBS) - 蝉岡蟷螂
- 55歳からのハローライフ 第2話(2014年、NHK) - 高巻幸平 役
映画
- NIGHT HEAD 劇場版(1994年) - 都築洋介
- 愛の新世界(1994年) - 松木
- 殺し屋1(2001年) - 二郎、三郎(二役)
- 世界の終わりという名の雑貨店(2001年)
- チキン・ハート(2002年)
- ピンポン(2002年) - 橋の上の巡査
- 突入せよ! あさま山荘事件(2002年) - 小雀彰夫
- DRIVE(2002年)
- ざわざわ下北沢(2002年)
- 日本の裸族(2003年) - シャブおじさん
- 恋する幼虫(2003年)
- いま、会いにゆきます(2004年) - ケーキ屋店主
- キューティーハニー(2004年) - 係長
- 恋の門(2004年) - 毬藻田
- 真夜中の弥次さん喜多さん(2005年) - ヒゲのおいらん
- イン・ザ・プール(2005年) - 伊良部一郎
- スクールデイズ(2005年)
- 同じ月を見ている(2005年) - 中田
- サイレン 〜FORBIDDEN SIREN〜(2006年) - 東
- 陽気なギャングが地球を回す(2006年) - 鴨打
- ユメ十夜 第一夜(2007年) - 百閒
- 図鑑に載ってない虫(2007年、三木聡監督作品) - エンドー
- ヒートアイランド(2007年) - 折田
- 自虐の詩(2007年、堤幸彦監督作品) - 中年男
- 戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH(2009年、清水崇監督作品)
- ロボゲイシャ(2009年)
- カイジ 人生逆転ゲーム(2009年、佐藤東弥監督作品) - 大槻
- 悪人(2010年、李相日監督)
- まほろ駅前多田便利軒(2011年、 大森立嗣監督)
- カイジ2 人生奪回ゲーム(2011年11月5日、東宝、佐藤東弥監督)
- 俺俺(2013年5月25日) - 白バイ警官 役
- まほろ駅前狂騒曲(2014年10月18日公開予定、大森立嗣監督)
- ジヌよさらば〜かむろば村へ〜(2015年春公開予定) - 多治見
バラエティ・教養番組他
- 世界ウルルン滞在記ルネサンス(ナレーター)
- 松尾スズキpresents 美しい男性!(出演、企画・構成・総合演出)
- スポーツ大陸(ナレーター)
- ETV特集「HIVと生きる」(朗読)
- 終電〜ミッドナイト・ピクニック〜(小泉今日子と共に語り)
- 課外授業 ようこそ先輩(ナレーター)
OVA
- フリクリ(ナンダバ・カモン)
CM
脚本・演出担当作品
舞台
- 絶妙な関係(1988年・作・演出・出演)
- 手塚治虫の生涯(1988年・作・演出・出演)
- マイアミにかかる月(1989年・作・演出・出演)
- 嫌な子供(1989年・作・演出・出演)
- 絶妙な関係II(1989年・作・演出・出演)
- ゲームの達人(1990年・作・演出・出演)
- 鼻と小箱[鼻始め](1990年・作・演出・出演)
- 絶妙な関係 Live at秘宝館(1990年・作・演出・出演)
- 猿ヲ放ツ(1991年・作・演出・出演)
- 溶解ロケンロール(1991年・作・演出・出演)
- サエキナイト〜ムーディを探せ〜(1991年・作・演出・出演)
- やられたい男(1992年・作・演出)
- 冬の皮(1992年・作・演出・出演)
- インスタントジャパニーズ(1992年・演出・出演)
- セックスキングダム(1993年・作・演出・出演)
- 鼻と小箱(1993年・演出・出演)
- ゲームの達人(再演)(1993年・作・演出・出演)
- 愛の罰(1994年・作・演出・出演)
- 嘘は罪(1994年・作・演出・出演)
- カウントダウン(1995年・作・演出・出演)
- ちょん切りたい(1995年・作・演出・出演)
- ファンキー!(1996年・作・演出・出演)
- ドライブイン カリフォルニア(日本総合悲劇協会・1996年・作・演出・出演)
- 愛の罰(再演)(1997年・作・演出・出演)
- 生きてるし死んでるし(1997-1998年・作・演出・出演)
- ニッキー・イズ・セックスハンター(ウーマンリブ・1998年・出演)
- ヘブンズサイン(1998年・作・演出・出演)
- ふくすけ(日本総合悲劇協会・1998年・作・演出・出演)
- 母を逃がす(1999年・作・演出・出演)
- キレイ(2000年・作・演出・出演)
- エロスの果て(2001年・作・演出・出演)
- マシーン日記(スズキビリーバーズ・2001年・作・演出・出演)
- 春子ブックセンター(2002年・出演)
- 業音(日本総合悲劇協会・2002年・作・演出・出演)
- ニンゲン御破産(2003年・作・演出・出演)
- 熊沢パンキース03(2003年・出演)
- ドライブイン カリフォルニア(再演)(日本総合悲劇協会・2004年・作・演出・出演)
- イケニエの人(2004年・作・演出・出演)
- キレイ(再演)(2005年・作・演出・出演)
- まとまったお金の唄(2006年・作・演出・出演)
- ウーマンリブ先生(2006年・出演)
- ドブの輝き(2007年・作・演出・出演)
- キャバレー(2007年・演出)
- 女教師は二度抱かれた(2008年・作・演出・出演)
- サッちゃんの明日(2009年・作・演出・出演)
- 農業少女(2010年・演出)
- 裏切りの街(2010年・出演)
- 男子はだまってなさいよ!7 「天才バカボン」(2010年・出演)
- 母を逃がす(再演)(2010年・作・演出・出演)
- 欲望という名の電車(2011年・演出)
- ウェルカム・ニッポン(2012年・作・演出)
- 生きちゃってどうすんだ(2012年・作・演出・出演)
映画(脚本・演出)
- 恋の門(監督・脚本・出演)
- ユメ十夜 第六夜(監督・脚本・振り付け)
- クワイエットルームにようこそ(監督・原作・脚本・振り付け)
- female 夜の舌先(監督・脚本)
- 東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜(脚本)※日本アカデミー賞・最優秀脚本賞受賞
- ジヌよさらば〜かむろば村へ〜(監督・脚本・出演)
テレビドラマ(脚本・演出)
- 演歌なアイツは夜ごと不条理な夢を見る(脚本・出演)
- 恋は余計なお世話(脚本・演出・出演)
- 映像版・松活妄想撮影所 まぶだちの女(監督・脚本・出演) - WOWOWの「特集:松尾スズキと大人計画 第3弾」として放送
- 演技者。「マシーン日記」(原作)
アニメ
- ニャロメ (2008年、監督・脚本)
DVD
- 『月刊すほうれいこ 能力の女』(2004年、イーネット・フロンティア)監督・脚本・挿入歌作詞・出演
著書
戯曲
- 『ファンキー! 宇宙は見える所までしかない』(1997年・白水社)
- 『ヘブンズサイン』(1998年・白水社)
- 『キレイ 神様と待ち合わせした女』(2000年・白水社)
- 『手塚治虫の生涯』(2000年・ENBU研究所)
- 『マイアミにかかる月』(2000年・ENBU研究所)
- 『嫌な子供』(2000年・ENBU研究所)
- 『ゲームの達人』(2000年・ENBU研究所)
- 『猿ヲ放ツ』(2000年・ENBU研究所)
- 『溶解ロケンロール』(2000年・ENBU研究所)
- 『冬の皮』(2000年・ENBU研究所)
- 『SEX KINGDOM』(2000年・ENBU研究所)
- 『鼻と小鼻』(2000年・ENBU研究所)
- 『嘘は罪』(2000年・ENBU研究所)
- 『ちょん切りたい』(2000年・ENBU研究所)
- 『生きてるし死んでるし』(2000年・ENBU研究所)
- 『マシーン日記 悪霊』(2001年・白水社)
- 『母を逃がす』(2001年・白水社)
- 『エロスの果て』(2002年・白水社)
- 『ふくすけ』(2002年・白水社)
- 『ニンゲン御破産』(2003年・白水社)
- 『ドライブインカリフォルニア』(2004年・白水社)
- 『キレイ2005』(2005年・白水社)
- 『まとまったお金の唄』(2006年・白水社)
シナリオ
- 『恋の門 フィルムブック』(2004年・マガジンハウス)
- 『クワイエットルームにようこそ シナリオ&アーツBOOK 』(2007年・ぴあ)
- 『ザ・シナリオ 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(2007年・扶桑社)
小説
- 『同姓同名小説』(2002年・ロッキング・オン)
- 『宗教が往く』(2004年・マガジンハウス)
- 『クワイエットルームにようこそ』(2005年・文藝春秋)
- 『老人賭博』(2010年・文藝春秋)
- 『私はテレビに出たかった』(2012年 朝日新聞の連載小説)
エッセイ他
- 『大人失格』(1995年・マガジンハウス)
- 『第三の役たたず』(1999年・情報センター出版局)
- 『この日本人に学びたい』(1999年・ロッキング・オン)
- 『ぬるーい地獄の歩き方』(1999年・演劇ぶっく社)
- 『永遠の10分遅刻』(2001年・ロッキング・オン)
- 『これぞ日本の日本人』(2001年・ぴあ)
- 『演技でいいから友達でいて 僕が選んだ舞台の達人』(2001年・岩波書店)
- 『寝言サイズの断末魔』(2003年・扶桑社)
- 『撮られた暁の女 松活妄想撮影所』(2003年・扶桑社)
- 『実況生中年』(2004年・扶桑社)
- 『スズキが覗いた芸能界』(2004年・太田出版)
- 『監督ちゃん 松尾スズキの映画『恋の門』制作日記』(2004年・ロッキング・オン)
- 『厄年の街』(2006年・扶桑社)
- 『12歳の大人計画 課外授業ようこそ先輩』(2006年・文藝春秋)
- 『東京物欲道場』(2007年・ソニーマガジンズ)
- 『ドブロクの唄』(2008年・新潮社)
- 『サビシーマン 寝言サイズの断末魔IV』(2008年・扶桑社)
- 『中年入門』(2008年・朝日新聞出版)
- 『俺はモテても困らない』(2009年・ロッキング・オン)
脚注
関連項目
外部リンク
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- 大人計画