東山タワー

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東山タワー(ひがしやまタワー)は、名古屋市昭和区中京テレビ本社内に置かれている県域FMラジオの送信所、名古屋高速道路の業務用無線の基地局およびNTTドコモの中継所である。

概要

「中京テレビ鉄塔」という名称も持つ。1989年東山スカイタワー完成以降は、混同されやすいことからか、付近住民も中京テレビの職員の間でも東山タワーの名称をあまり使わなくなっている[1]

かつては、自社を含めたUHFアナログテレビ放送も送信していたが、テレビ完全デジタル化により2011年7月24日を以って廃止された。NHK名古屋総合テレビCBCテレビなどのVHFアナログテレビだった放送局は名古屋テレビ塔から、2010年9月に閉局した外国語放送局のRADIO-i瀬戸市三国山から、それぞれ送信されていた。地上デジタルテレビ放送瀬戸デジタルタワーから送信されている。

名古屋初のUHF放送だった中京テレビが、1969年の開局に合わせて同局の敷地内に建てたもの。敷地内に建てた理由は、UHF電波の特性として遠距離やビル群で電波が減衰してしまうために高い丘陵地が必要であったことと名古屋空港(小牧空港)への飛行機の進入路や警察無線の妨害にあたらない場所として最適だったためである。

標高65mのところに高さ162mの鉄塔が建設され、両方の高さを併せると名古屋市中心部にある名古屋テレビ塔(180m)よりも高い。建設費は当時のお金で1億7000万円。中京テレビOBの話によれば、砂利道しかない雑木林を切り開いて造ったという。後に、FMラジオ局・名古屋高速道路会社・NTTドコモが送信所・基地局・中継所として使用している[1]

送信所概要

FMラジオ放送

周波数 放送局 コールサイン 空中線電力 ERP 放送対象地域 放送区域
内世帯数
77.8MHz ZIP-FM JOQV-FM[2] 音声10kW[2][3][4] 音声39kW[2][3][4] 愛知県 約-世帯
80.7MHz FM AICHI JOCU-FM[3]
82.5MHz NHK名古屋
FM
JOCK-FM[4]
79.5MHz InterFM NAGOYA JOCW-FM[5] 音声5kW[5] 音声18kW[5] 名古屋市を中心として同一の放送番組の放送を
同時に受信できることが相当と認められる
区域として総務大臣が別に定める区域[6]

廃止された局の概要

地上アナログテレビジョン放送

チャンネル 放送局名 コールサイン 空中線電力 ERP 放送対象地域 放送区域
内世帯数
25ch TVA
テレビ愛知
JOCI-TV 映像10kW
音声2.5kW
映像110kW
音声27kW
愛知県 不明
35ch CTV
中京テレビ放送
JOCH-TV 映像30kW
音声7.5kW
映像360kW
音声90kW
中京広域圏

歴史

  • 1969年
    • 3月1日 - NHK名古屋放送局のFM放送が開局。
    • 4月1日 - 中京テレビ放送(中京テレビ)が開局。
    • 12月24日 - エフエム愛知(FM AICHI)が開局。
  • 1983年9月1日 - テレビ愛知が開局。
  • 1993年10月1日 - ZIP-FMが開局。
  • 2011年7月24日 - 当所に置かれている全ての地上アナログテレビジョン放送が廃局となった。
  • 2014年4月1日 - エフエムインターウェーブなごや(InterFM NAGOYA)が開局。

放送エリア

  • 中京テレビは広域放送を行っており、中京広域圏(愛知・岐阜・三重の東海3県)を放送対象地域としていた。
  • テレビ愛知は県域放送を行っており、愛知県を放送対象地域としていた。
  • FMラジオは、愛知県を放送対象地域としている。InterFM NAGOYAは他3局より空中線電力、ERPが弱い。

存廃問題

  • テレビはアナログ放送が2011年7月24日に終了してデジタル放送に移行されたが、このタワーでは名古屋テレビ塔と同様に地上デジタルテレビ用のアンテナを設置すると強度不足が生じると判断されたため、中京テレビとテレビ愛知両局のデジタル送信所は、NHKおよび他の民放局共々、新造の瀬戸デジタルタワーに設置された。
  • 一方、FMラジオ3局と名古屋都市高速については今後も引き続きこのタワーでの送信を継続する予定だったが、2016年度に中京テレビがささしまライブ24地区に新社屋を建設、移転する予定となっているため、今後の存続がどうなるかが取りざたされている。中京テレビは「ラジオ局の関係もあり、今後は白紙状態」で「栄のテレビ塔(名古屋テレビ塔)のようにシンボル化してきたわけでもない」とし、FM3局も様子見の状態である。名古屋高速道路公社は「デジタル無線に切り替える際に別の候補地を検討する」としている[1]
  • 2013年現在、このタワーそのものの耐久性は問題ないとされているが、仮に維持した場合は7年ごとのペンキの塗り替え作業で維持費がかかり、仮に解体する場合でも中京テレビが試算を明らかにしないほどの撤去費用が掛かると見られている[7][1]
  • 付近の住民の中には「中京テレビが移転した際に鉄塔だけ残されても困る」という声も上っている[1]。一方で、AMラジオを運営するCBCラジオ東海ラジオ放送が共同でFMの電波を利用したサイマル放送(AM電波と同じ番組のFM電波による送信)を検討しており、その送信所にこのタワーを利用する話が出ている[8]
  • そんな折、東京中心に外国語FM放送を実施しているInterFMが、2010年に閉局した愛知国際放送(RADIO-i)の代わりに2014年春の開局を目指して、新たな外国語FM放送局の準備を進めており、2013年11月1日付で予備免許を取得。RADIO-iとは違って送信所を「名古屋市昭和区」に設置することにしていた[9]。2014年3月3日にInterFM NAGOYAは東山タワーから試験電波を発射し、テンプレート:要出典範囲

脚注

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関連項目

  • 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 2012年11月5日中日新聞夕刊11面(社会欄)「中京テレビ 社屋が16年移転 残る鉄塔どうする?」より。
  • 2.0 2.1 2.2 無線局免許状情報(総務省)
  • 3.0 3.1 3.2 無線局免許状情報(総務省)
  • 4.0 4.1 4.2 無線局免許状情報(総務省)
  • 5.0 5.1 5.2 無線局免許状情報(総務省)
  • 基幹放送用周波数使用計画(総務省)
  • 仮に名古屋テレビ塔が解体に至った場合の費用は14億円と見積もられている。
  • 中日新聞 2013年5月15日夕刊
  • 総務省|名古屋地区における外国語超短波放送局の予備免許 2013年11月29日閲覧