月風魔伝
テンプレート:Infobox 『月風魔伝』(げつふうまでん)は、1987年7月7日(当初は6月26日発売とCM告知されたが7月7日に発売延期した)にコナミ(現・コナミデジタルエンタテインメント)から発売されたファミリーコンピュータ用ソフトのアクションRPGゲーム。
目次
概要
日本だけでの発売で、海外版は存在しない。またコナミはPS2のときに「真 月風魔伝」という商標を取ったこともあったが、実際に作品が発売されることはなく、現在まで続編は出ていない。
ストーリー
西暦一万四千六百七十二年(14672年)、魔暦元年(まれきがんねん)。地獄界より覚醒した魔王「龍骨鬼」が地上に出現し、人類は滅亡の危機に立たされていた。地上の統治者「月氏三兄弟」(げつしさんきょうだい)のうち生き残った末弟の月風魔は、奪われた一族の秘宝「波動剣」を取り戻して龍骨鬼を討ち、殺害された兄たちの無念を晴らすために魔歴元年と呼ばれる異形に満ちた世界を廻る長い旅に出る。
主要キャラクター
- 月風魔(げつ ふうま)
- 龍骨鬼の出現以前に地上を統治していた月氏三兄弟の末弟。身長180cm、体重75Kg、19歳、琉球出身。100mを6秒で走る俊足(時速換算で60km/h)と、米俵を一度に三つ(約180kg)持ち上げられる怪力を持つ。
- 龍骨鬼(りゅうこつき)
- 地獄界より覚醒し、地上に出現した魔王。三匹の魔神を筆頭に数多くの魔物を従え、凶鬼島(きょうきとう)に城砦を構えて世界を恐怖と混乱に満ちた魔歴元年に塗り替えた張本人。風魔の兄2人を殺害し、一族の秘宝である波動剣を奪い去った。対決時には三形態に変化し、最初はローブを着た魔術師のような姿から、盾を構えた鎧姿を経て、手足が人間の頭蓋骨で構成された巨大な骨の龍に変化する。
- 独眼独頭(どくがんどくず)
- 庇に「死」の文字をあしらった兜をかぶった単眼の生首の姿をした魔神。口からの火炎と強烈な体当たりを仕掛けてくる。鬼顔島(きがんとう)を支配し、波動剣の一本を守っている。
- 凶骨牛骸(きょうこつぎゅうがい)
- 甲冑に身を包んだ巨大な骸骨武者の姿をした魔神。腕部が欠損している代わりに4本の巨大な剣を意のままに操る。獄門島(ごくもんとう)を支配し、波動剣の一本を守っている。
- 竜頭鬼尾(りゅうとうきび)
- 長い一対の腕と尻尾に鬼の顔を持つ巨大な蛇の姿をした魔神。普段は3体の忍者に変身しての連携攻撃を得意とするが、合体によって本性を現すと俊敏な動きによる体当たりと火炎攻撃を仕掛けてくる。三首島(みつくびとう)を支配し、波動剣の一本を守っている。
- 邪鬼(じゃき)
- 骨男(ほねおとこ)に飼い慣らされている巨躯の妖怪。骨男の持つ島間通行手形「鬼面符」(きめんふ)を得るために訪ねてきた挑戦者の相手を務める。歩行速度こそ遅いものの、それを補う跳躍移動と凄まじい攻撃力を備えている。
システム
「けん」と「いのち」
本作は画面上部に「けん(剣)」と「いのち(命)」の2本のゲージが示されている。「けん」は攻撃アイテムを装備していない状態での攻撃力を表し、倒した敵の数が多ければ多いほど上がってゆく(ロールプレイングゲームにおける経験値と同等)。「いのち」は風魔の生命力を表し、ゲージが0になると1ミスとなる。
復活呪文
ゲームオーバー時に画面に表示される16文字の羅列から成る『復活呪文(パスワード)』を控えておくと、次回プレイ時にパスワードを取った時点で揃えたアイテムを保持した状態でスタート地点から再開できる。裏技として、最強状態で龍骨鬼戦直前や、エンディングを見られる、最弱状態などのパスワードもある[1][2]。
画面構成
フィールドマップ
トップビュー方式のマップ画面。フィールドマップではランダムエンカウントによる戦闘は無い。道中にある「鳥居」、あるいは一部の地域に存在する「赤鬼」「骸骨」などに接触すると横スクロールアクション面に切り替わる。その他には情報収集や回復などで利用する「ほこら」、アイテムを購入する道具屋が点在している。
アクションステージ
サイドビュー方式の横スクロールアクション面。さまざまなタイプのアクション面が存在する。ステージによっては足場が途切れている場所があり、転落すると1ミスとなる。この他にも様々な障害物が配置されており、一部の障害物は攻撃アイテムの岩の剣によって破壊が可能。
3Dダンジョン
凶鬼島を除く3つの島にそれぞれ存在する地下迷宮。内部は3D視点の迷路となっており、特定の場所に配置された敵と遭遇すると戦闘が開始される。また、敵と同じく特定の場所に配置された先人の亡霊(武者、修験者など)に遭遇すると、進行のヒント提供や「いのち」の一定量回復などの補助が得られる。
迷宮の最奥部に到着すると、横スクロールアクション面「三途の川」に切り替わり、さらにその奥に待ち受ける魔神を撃破すると波動剣を入手できる。
アイテム
攻撃アイテム
- 守り太鼓
- 前方に力(ちから)の文字を飛ばして敵を攻撃する。
- 岩の剣
- 横アクションステージ面の一部の障害物を破壊できる。
- 呪いの爆薬
- 斜め下に発射され、一定の距離を這うか壁面に触れると上、右、左の三方向に炸裂する。
- 手裏剣
- 前方に三つ同時に手裏剣を放つ。
- 魔性のコマ
- 回転斬りを繰り出す。一部アイテムとの併用が可能。
- 呪いの衣
- 呪いの力によって体が発光し、数秒だけボス以外の敵を体当たりで倒せる無敵状態になる。使い捨て。
- 波動剣
- 月一族門外不出の聖剣。使用者の精神エネルギーを増幅させて邪悪を滅ぼす衝撃波へと変える「大念動波(だいねんどうは)を放つ。」
防御アイテム
- お守り
- 一時的に防御力を上げ、ダメージを軽減する。
- 霊薬
- 「いのち」を一定量回復する。使い捨て。
- 呪文の赤玉
- 3Dダンジョン面の敵を一撃で消滅させる。使い捨て。
- 呪文の青玉
- 横スクロールアクション面の画面上の敵を消滅させる。使い捨て。
- 方向石
- 3Dダンジョン面で風魔が進んでいる方角を表示する。
- ろうそく
- 3Dダンジョン面で洞窟内を明るく照らし出す。
- 守り玉
- 周囲に3つの火の玉が現れて回転し、敵の攻撃から身を守る。一定量のダメージによって消滅する。使い捨て。
その他
- ワラ人形
- 横スクロールアクション面の特定の場所に存在し、取ると残機数が1増える。
- 巾着
- 横スクロールアクション面で敵を倒すと出現する巾着袋。取ると「おかね」が増加し、その金額は敵によって異なる。
- 魂
- 横スクロールアクション面で敵を倒すと出現する人魂。取ると「いのち」が回復し、その回復量は敵によって異なる。
備考
本作のパッケージはレンチキュラー仕様になっており、見る角度を変えると別の絵になる
源平討魔伝との類似点について
本作は前年の1986年にナムコから発売されたアーケードゲーム『源平討魔伝』に類似する点が見られるとして当時の『月刊Beep』の読者ページにてこの件に関する論争の投書が掲載されている。事実、それから十数年後に月刊Beepの後継誌ともいえる『ドリマガ』誌上の当時のスタッフへのインタビューで『源平討魔伝』の影響を受けて製作した事を公式に認めている。
関連書籍
- 必勝完ペキ本 月風魔伝(徳間書店)
関連作品
- 『コナミワイワイワールド』、『ワイワイワールド2 SOS!!パセリ城』
- コナミから発売された人気ゲームの主役級キャラクターが共演する作品。その中の一人に風魔(表記はそれぞれ「フウマ」、「ゲツ フウマ」)が出演している。
- 『遊☆戯☆王ゼアル オフィシャルカードゲーム』
- トレーディングカードゲーム。対を成すモンスターカードとして、風魔(表記は「月風魔」)と龍骨鬼が出演している。
- 『pop'n music 18 せんごく列伝』
- 音楽ゲーム。本作のアレンジ版BGMメドレー(ジャンル名:「月風魔伝」)が収録され、担当キャラクターとして風魔(表記は「月風魔」)が出演している。
- 『悪魔城ドラキュラ ハーモニー オブ ディスペアー』
- Xbox 360 XBLA、プレイステーション3用作品。最大6人のオンライン協力プレイが可能な2Dアクションゲーム 追加プレイアブルキャラクターとして風魔、追加ステージとして「第11章 月風魔伝」がDLC販売されている。
- 『オトメディウスX』
- グラディウスシリーズの流れを汲む、Xbox 360対応のオンラインSTG。自機に主人公風魔(の兄)をモチーフにした月士華風魔が、ボスキャラクターとして龍骨鬼が登場。特徴として敵味方双方の主要キャラクターが女性キャラクターとなっており、龍骨鬼も同様の扱いであるが、デザインは第二形態をモチーフにしている。
- 『モンスター烈伝 オレカバトル』
- 子供向けのアーケードカードゲーム。ボスキャラとして月風魔がゲスト出演しており、波動剣による斬撃、手裏剣攻撃、波動剣からの念動波など当ゲームを元にした攻撃をしてくる。必殺技「波動剣念動波」の際はエンディング風の演出(兄弟の霊が月風魔に重なる)が再現されている。BGMは「行け!月風魔」と「1000億光年の彼方」を組み合わせたオリジナルのものとなっている。