會川昇

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テンプレート:存命人物の出典明記 會川 昇(あいかわ しょう、本名:会川昇〈あいかわ のぼる〉、1965年8月9日 - )は、日本脚本家東京都出身。早稲田高等学校卒業。師匠は作家の長坂秀佳

経歴・人物

1992年までは会川昇名義で脚本を書いており、三陽五郎伊坂秀樹などのペンネームを持つ。テンプレート:要出典範囲が公式には確認されていない。

主にアニメ特撮の脚本を手がける。高校時代に、テレビアニメ亜空大作戦スラングル』第29話「魔のミュータント部隊」でデビュー。それ以前から雑誌ライターとしても活動し、アニメ雑誌『アニメック』等に基騒などのペンネームで寄稿している。また特撮雑誌『宇宙船』では旧作指向だった誌面の中で積極的に新作を紹介し、ホビー誌『B-CLUB』では創刊以来2年近く編集に参加。『Ζガンダムを10倍楽しむ本』、上原正三長坂秀佳の脚本集を編むなど、編集者としても活躍した。長坂とは師弟関係を結んでおり、自身の結婚の際は仲人を長坂夫妻に依頼している。1980年代中盤から脚本専業となり、OVAで数多くの作品を執筆[1]

ラジオ番組にも多数出演しており、『波乗り!アニメジャーナル』のパーソナリティを務めていた頃は、スポンサー企業関連作品に対しても容赦のないアニメ評論を行っていた。

メインライターとしては『鋼の錬金術師』『十二国記』などを手がけている。オリジナルシナリオのアニメとしては、『天保異聞 妖奇士』の脚本を執筆。本来は4クール製作を予定としていたが、視聴率低迷などを理由に2クールで打ち切られるという結果に終わった[2]

2008年のインタビューでは、京都にあこがれを持っており自作で舞台にするのが念願だったが、同年公開の劇場版『炎神戦隊ゴーオンジャー』でようやく実現したと語る。同じインタビューでは、東映特撮の監督である長石多可男への敬愛の念を吐露しており、長石の仕事ぶりを見て「(戦隊シリーズを)もっと面白くしなきゃいけないと、決意を新たにしました」と話していた[3]。2013年に長石が逝去した折には「私にとって長石監督は仕事仲間などというのはおこがましく、いつまでも特撮ファンの小僧の話をまともに聞いてくれ、そして美しい映像によって東映のTV特撮シリーズを蘇生させた、絶対的な存在です。今もあの優しい顔が目に浮かびます。本当に残念です。もう一度お話したかった」と悼んでいる。

メタルヒーローシリーズウルトラシリーズスーパー戦隊シリーズ仮面ライダーシリーズと、特撮4大シリーズすべてに参加しており、2006年は『轟轟戦隊ボウケンジャー』にメインライターとして参加し、全49話中23本を執筆している。2009年には『仮面ライダーディケイド』にメインライターとして参加したが、1クール(第13話)終了時点で降板。本人は「とても悲しいことがあって、『ディケイド』を1クールで離れてしまったので、今完全に失業中です(笑)」とコメントしている[4]。2013年『仮面ライダーウィザード』で4年ぶりに東映特撮に復帰。

ブランクの後、2010年の『テガミバチ REVERSE』(脚本)を経て、2011年10月の『UN-GO[5](ストーリー及び全話脚本)で完全復帰した。

稀ではあるが、音だけで名を知った者から同音異字である哀川翔と間違われることがあり、月刊誌『アニメV』に勘違いを告白する読者投稿が掲載されたこともある。

受賞歴

作品

脚本

1983年
1986年
1987年
1988年
1989年
1990年
1991年
1993年
1994年
1995年
1996年
1998年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
  • UN-GO(ストーリー・脚本)
2012年
2013年
2014年

脚本集

  • 十二国記 アニメ脚本集 (1) - (5)(2002年 - 2004年、講談社X文庫ホワイトハート)
  • TVアニメ 鋼の錬金術師 シナリオブック Vol.1 - 4(2004年 - 2005年、スクウェア・エニックス)
  • 劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者 シナリオブック(2005年、スクウェア・エニックス)

オーディオドラマ

カセットドラマおよびドラマCDの脚本・脚色多数。代表作として

小説

  • 大魔獣激闘 鋼の鬼(1987年、徳間アニメージュ文庫)
  • ガンヘッド(正伝・1・2)(1989年、角川文庫)
  • 戦え!!イクサー1(上・下)(1989年、角川文庫)
  • 孔雀王 魔霊録(1992年、集英社スーパーファンタジー文庫)
  • フリーゲント(雑誌連載)
  • ダンガイオー(雑誌連載)
  • 南海奇皇(雑誌連載)
  • ハイドジーン(雑誌連載)
  • 超人機メタルダー「狼たちの宴」(『B-CLUB』掲載 三陽五郎名義) トップガンダーとクロスランダーの確執を描く。

吸血姫美夕、THE八犬伝の小説は新刊案内にまで掲載されたが、発売されなかった。

ラジオ

ゲーム

外部リンク

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ

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  1. 『アニメV』1988年1月号(学習研究社)のp.34「今さら友だちのWA! 会川昇さんの巻」において會川昇は「OVAで引っぱりだこの脚本家、会川昇さん」と紹介されている。このインタビューで、會川は最近の仕事として10数タイトルのOVAの脚本を挙げている。
  2. 『月刊アニメージュ』2009年7月号(徳間書店)
  3. 宇宙船』Vol.121(2008年、ホビージャパン社)
  4. 『オトナアニメ』vol.12(2009年4月、洋泉社)
  5. ノイタミナ前半枠。