日本高等学校野球連盟
テンプレート:出典の明記 テンプレート:基礎情報 非営利団体 公益財団法人日本高等学校野球連盟(にほんこうとうがっこうやきゅうれんめい、英語表記:Japan High School Baseball Federation)は、日本の高校野球(男子)の統轄組織[1]で47都道府県の高等学校野球連盟を組織している。公益財団法人全日本大学野球連盟とともに上部組織として公益財団法人日本学生野球協会を構成している。略称は日本高野連(にほんこうやれん)または高野連(こうやれん)。
目次
概要
戦前に大阪朝日新聞社によって実施されていた全国中等学校優勝野球大会を運営する目的で1946年に結成された全国中等学校野球連盟が母体となっている。
第二次世界大戦終結によって、1947年に学制改革が実施され、中等学校が高等学校へ改組されると全国高等学校野球連盟と改称した。
さらに1963年には文部省から財団法人として認可され、同時に名称を改称した。
沿革
- 1915年8月 - 全国中等学校優勝野球大会開始。(主催は大阪朝日新聞、現:朝日新聞)
- 1924年4月 - 選抜中等学校野球大会開始。(主催は大阪毎日新聞、現:毎日新聞)
- 1924年8月 - 阪神甲子園球場完成、両大会とも同球場で実施されることになる。
- 1946年2月 - 全国中等学校野球連盟結成。
- 1946年12月 - 日本学生野球協会の傘下となる。
- 1947年4月 - 学制改革に伴い全国高等学校野球連盟へ改称。
- 1956年8月 - 全国高等学校軟式野球大会開始。
- 1963年2月 - 財団法人化に伴い日本高等学校野球連盟へ改称。
- 1978年8月 - 全国高校軟式野球大会を全国高等学校軟式野球選手権大会と改称。
- 2012年4月 - 公益財団法人化。
運営大会
組織構成
常任理事会と9の地区理事会で構成される全国理事会、評議員会、複数の委員会から構成。
- 総務委員会
- 財務委員会
- 審議委員会
- 審判規則委員会
- 技術・振興委員会
- 医科学委員会
- プロアマ健全化委員会
- 軟式部委員会
- 佐伯記念国際交流委員会
- 野球留学検討委員会
- 選手権大会運営委員会
- 選抜大会運営委員会
歴代会長
代 | 氏名 | 在任時期 | 野球殿堂 |
---|---|---|---|
初代 | 上野精一 | 1946年 - 1948年 | |
第2代 | 中澤良夫 | 1948年 - 1966年 | 1991年 |
第3代 | 佐伯達夫 | 1967年 - 1980年 | 1981年 |
第4代 | 牧野直隆 | 1981年 - 2002年 | 1996年 |
第5代 | 脇村春夫 | 2002年 - 2008年 | |
第6代 | 奥島孝康 | 2008年 - 現職 |
日本高野連による変革と社会貢献
- 21世紀枠の創設による、結果だけではない努力の評価による高校球児全体への啓蒙(しかし“努力”の基準も不明瞭、との批判がある)。
- 2003年の選抜大会からは新たに明治神宮大会枠・希望枠を設けた(希望枠は2008年の選抜大会をもって廃止)。
- 2006年の選手権大会の始球式では、人命救助で社会貢献した久美浜高校野球部の4名を指名した[2]。
- グラウンドでプレーする部員(試合)を茶化す、パロディーなどで笑いにする、など教育の一環として行われている高校野球の目的から著しく逸脱していると判断した場合には連盟が媒体に直接抗議を行い、制作に協力した施設や事業主らに対し罰則を与えるなど、放送、出版における健全性を高める運動を行っている[3]。
日本高野連に関する問題
応援への干渉
- 1994年の選手権大会では、エイサーの衣装で県代表校の応援に駆け付けた者達が、「奇異」や「華美」だとして連盟から自粛を求められた。テンプレート:要出典範囲
- 2001年の選手権大会には田中康夫長野県知事が地元の塚原青雲高校の応援に県のマスコットの着ぐるみを連れてきたが、それを中止させた。ただし、これはすでに全出場チームに禁止の通達が出されていたものであり、その通達を破った知事側に問題があるとの指摘もあるテンプレート:誰2。
- 2011年の選手権大会では次のような出来事があった。大会直前に習志野高校(千葉)の吹奏楽部顧問教師・石津谷治法は次のように発言した。「相手校の応援団やベンチからもしょっちゅう『うるさい』と言われるが、最高の褒め言葉と思っている。相手ベンチに向けガンガンプレッシャーをかけていく。」ナインの背中を押すため、攻撃中は管楽器のベル(音が出る部分)をバッターボックスに向ける。相手校が「タイム」をかけてマウンドに集まれば、マウンドに向きを変える。石津谷によるとこれは「相手ベンチからの指示を聞こえなくしたり、マウンド上での会話をしにくくしたりする。気の弱いピッチャーなら、この爆音にやられて崩れる」とのこと。[4][5]これに対し、高野連はこれを問題視。習志野高校学校関係者や習志野高校野球部・小林徹監督を呼び出し厳重注意した。石津谷が甲子園に姿を見せることはなかった。[6]この習志野高校吹奏楽部の試合妨害問題については、高野連に対して「スタンドの生徒、吹奏楽、応援団が一体となってこその高校野球」「音で邪魔した証拠はない」と”干渉しすぎ”との意見がある。しかしある新聞社は試合後に「ごう音のような吹奏楽による応援」、静岡高校の選手の感想として「グラウンド上では、声による意思疎通ができなかった」と報道しており、習志野高校吹奏楽部が試合の妨害を意図して爆音を発し、その結果、試合に重大な影響を及ぼしたことは事実である。[7]
ユニフォームへの干渉
- 1999年の選抜大会で優勝した沖縄尚学高校のユニフォームに「文武両道」の文字が入っていたため、高野連は「好ましくない」として説明を求め、同校はユニフォームから「文武両道」の文字を外した。[8]
報道の自由への干渉
- テンプレート:要出典範囲
- 読売新聞が2007年8月1日から2007年8月3日にかけ、3回シリーズで連載した高野連の在り方や問題点を取り上げた特集記事「高野連ってなに?」[9]の内容について、高野連が読売新聞に対し、記事の訂正と謝罪を求めていると発表した。これに対して読売新聞では、訂正の必要はないとしている。[10]
収益
- 選抜高等学校野球大会、全国高等学校野球選手権大会の収益は大会出場校への旅費、滞在費、雑費に還元される。1校20人(選手18人、責任教師1人、監督1人)を限度とし、参加者にはその代表校の所在地から大阪までの往復普通乗車運賃(新幹線、特急、急行料金を含む)、汽船は普通二等の乗船運賃を支給。沖縄、南北北海道代表校は航空運賃が支給される。
- 滞在費は抽選日から、その学校の試合終了した日までの日数に対し、1日1人7,500円が支払われる。前年度優勝校が全国大会に出場できなかった場合、優勝旗を返還する主将と同伴の責任教師に、規定による旅費、滞在費と滞在雑費(1人1日2,000円)が支給される。
公式戦への女性選手の出場
2012年時点では、規定で認めていない。しかし2008年、当時の渡海紀三朗文部科学大臣はアメリカでは女子選手も一緒にプレーしているという事例を挙げた上で女子の公式戦出場について検討または女子の練習参加を認めるべきとの認識を示した。[11]
なお、1995年には全国高等学校女子硬式野球連盟という組織が別に作られ、2012年時点で全国で6校が加盟、全国大会も行われている。[12][13]
その他
- 2005年の選手権大会に広島県代表校・高陽東高校が広島市への原子爆弾投下の8月6日午前8時15分に開会式に備えて集合した全チームと共に黙祷をささげようと計画をし、同行していた朝日新聞記者を通じて大会本部にも了承を得ていたにもかかわらず、連盟関係者は「原爆は広島だけのこと[14]。この場でみんなを巻き込むのは良くない」と発言した。さらに、選手を開会式の列から除外させた田名部和裕理事は「落ち着かないだろうと考え、練習場の隅に案内した」と追い出したことを認めた。テンプレート:要出典範囲田名部は「広島のことも長崎のことも含めて、大会行事として(終戦記念日の)8月15日正午に黙祷しており、原爆の日の黙祷を全体の行事とするわけにはいかない。」との事であり確かに形式上問題は無かった。しかし、原爆の事を知識としてしか知らず実感のわかない世代が増えるにつれて、こういった黙祷は原爆の事を伝えていく上では行ってもいいのではないかとの反論が上がり、その結果2006年の選手権大会から原爆が投下された8時15分の前後に「静粛な時間」を設け、その間に黙祷を捧げることは任意とすることを高野連が決定した。
- 2006年に行われた全国高等学校野球選手権秋田大会準決勝戦、本荘高校対秋田高校戦で、秋田が雨天ノーゲーム狙いでの遅延行為を行い、本荘は敬遠の球を空振り三振する、試合を終了させるため3塁走者がホームスチールを仕掛けタッチアウトになるなどのプレーを行った。本荘は審判から緩慢プレーとして注意を受け、秋田県高野連は本荘への始末書の提出を求めたが秋田は処罰対象とならなかった。
- 高野連が全国大会において過去に審判の誤審を認めた例は1984年の選抜大会、佐賀商高校対高島高校戦での判定1例のみである。なお、地方大会では多くの例がある。
日本高野連非加盟チーム
学校法人芦屋学園は2014年度から中学・高校・大学一貫の硬式野球チーム「芦屋学園ベースボールクラブ」を創設して関西独立リーグの兵庫ブルーサンダーズ傘下の育成チームとして活動することになった[15][16][17]。日本高校野球連盟に加盟しないため甲子園大会などの公式戦への参加や高野連加盟校の野球部との試合はできないが、社会人クラブチームや専門学校チームと「チャレンジリーグ」を創設する予定で、また、プロアマ規定の適用はなく実力があれば学年を問わず関西独立リーグの試合にも出場できるという[18][19][20]。
脚注
関連項目
外部リンク
テンプレート:Baseball-stub テンプレート:高校野球
テンプレート:都道府県別- ↑ 女子硬式野球別に存在する。
- ↑ テンプレート:Cite web - asahi.com
- ↑ http://www.sponichi.co.jp/entertainment/special/2007sodo/KFullNormal20070113093.html | 岡村が高野連に“逆遺憾の意”
- ↑ 甲子園2011(週刊朝日2011.8.15増刊号)
- ↑ TBSラジオ 安住紳一郎の日曜天国「気の弱いピッチャーをビビらせる」
- ↑ 週刊ポスト2012年8月10日号
- ↑ 2011/08/08 10:32 【静岡新聞】
- ↑ 実際には校訓などをユニホームに付けることを禁じる規定はなく(高野連が沖尚指導/「文武両道」の刺しゅうで 琉球新報1999年4月10日)、鹿児島実高校はユニフォーム左袖のエンブレム内に「不屈不撓」の文字を入れているが特に問題視はされていない。
- ↑ (上)憲章タテに巨大影響(中)税制優遇、収益還元(下)独自の組織論 変わるか - すべて読売新聞の記事より
- ↑ 高野連が読売新聞社に記事訂正求める 読売新聞サイト、2007年8月14日
- ↑ 2008年3月28日読売新聞
- ↑ http://www.girls-baseball.jp/gallery/
- ↑ 全国高等学校女子硬式野球連盟は日本高等学校野球連盟とは直接には全く関係が無い組織。
- ↑ 後にこの発言は誤報と判明。http://www.47news.jp/CN/200508/CN2005080801005978.html
- ↑ テンプレート:Cite news
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