新・赤かぶ検事奮戦記
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:Sidebar with collapsible lists 『新・赤かぶ検事奮戦記』(しん・あかかぶけんじふんせんき)は、テレビ朝日系列の2時間ドラマ「土曜ワイド劇場」(毎週土曜日21:00 - 22:51)で放送されていたシリーズのひとつ。1994年から2005年にかけて放送。全17回。主演は橋爪功。
概要
司法試験を受験したのではなく、検察事務官から叩き上げで検事になった検事・柊茂の活躍を描く。
原作者は司法試験をクリアし、弁護士資格を持っている和久峻三。
フランキー堺主演の旧シリーズにはなかったナレーションに乾浩明を起用し、乾独特の語り口がドラマを引き立てている。また、原点回帰の観点から、原作には登場していたが旧シリーズには登場しなかった、赤かぶ検事夫妻の二人の息子(葉子の弟)も、このシリーズでは登場している[1]。
シリーズを通して、原作初期の舞台である飛騨高山のみが舞台であるが、近年の原作のレギュラーキャラである溝口警部と行天遼子警部補が登場している(ただし、行天警部補は14-16作までの3作のみの登場)。
旧シリーズが一時間枠でテンポ良く進むのに対して、今シリーズは良くも悪くも2時間サスペンスのお約束ごとをことごとく踏襲(温泉観光地でのロケ、犯行の手口が社会的影響に対してあたりさわりのなさ、最後は法廷シーンがあるものの、その前に、崖において犯人自らの告白で、事件のトリックを明かしてしまうなど)しているため、かなり趣が異なる。同じく、和久独特のプロットも回数を重ねるにつれてお粗末な物になってしまっており、旧作からのファンを落胆させた。
音楽については新規制作分もあるものの渡辺岳夫による旧シリーズの音楽も使われており、冒頭に流れるテーマソングも一貫して旧シリーズのものである[2]。
公式な終了アナウンスはないものの、2007年に同じく橋爪功主演・松竹制作による「土曜ワイド劇場」の新シリーズ『天才刑事・野呂盆六』がスタートしたことや、2009年にTBSの「月曜ゴールデン」にて中村梅雀主演による「赤かぶ検事奮戦記 京都転勤篇」の新作が放送された(制作は同じく松竹・京都撮影所)ことから、「新・赤かぶ検事奮戦記」シリーズは事実上完結となった。
2011年現在、ABCでは平日午後の2時間サスペンス枠で再放送している(制作順では無い)が、視聴者には突発的に編成されるのでいつまで続くかは未定である。
登場人物
柊家
- 柊 茂
- 演 - 橋爪功
- 岐阜地方検察庁高山支部の検事。名古屋出身。司法試験をクリアしたエリート検事ではなく、検察事務官を経て検事資格を与えられた、たたき上げの検事。飛騨高山の赤かぶ漬が大好物で、それが朝食に出なければ生きた心地がしないほど。普段から名古屋弁を使っているので取調べのときにも、刑事裁判の時にも名古屋弁をまくし立てる。しかし、上司と話す時は、標準語を話す。法廷では弁護士と対決しつつも、自暴自棄になったり自分勝手な証言をする被告人にたびたび説教する。求刑の際には‘罪を憎んで人を憎まず’で、裁判官に積極的に被告人の情状酌量を求めるなど、情に厚いところがある。
- 柊 春子
- 演 - 藤田弓子
- 柊検事の妻。夫である柊検事を立てつつも、上手い名古屋弁で言うべきことはしっかりと言う。原作では痩せぎすの柊と対比して「太っていること」が強調して書かれており「鬼瓦のような顔」と書かれている作品もある。
- 柊 葉子
- 演 - 畠田理恵(第1作 - 第2作) → 高田万由子(第3作 - 第13作) → 西條三恵(第14作 - )
- 柊検事の長女。司法修習生から弁護士。高田万由子が演じていた時代は弁護士という設定で、検事である父親と法廷で直接対決することが何度かあった。原作では法学部に進学して司法試験を目指した際、父である柊茂は「流石はワシの娘だなも!」と(当然)検事志望だと期待していたが弁護士志望と聞いて愕然とした。また、「両親とは似ても似つかぬ美人」と書かれている作品もある。
- 柊 正男
- 演 - 長野博(第1作 - 第2作) → 榎本雄太(第3作) → ヨースケ(現・窪塚洋介)(第4作 - 第9作) → 石川伸一郎(第10作 - 第13作) → 斉藤慶太(第14作 - 第16作)
- 柊検事の長男。
- 柊 誠二
- 演 - 国分博(第1作 - 第2作) → 菊池健太(第3作) → 土倉有貴(第4作 - 第13作) → 尾上寛之(第14作 - 第16作)
- 柊検事の次男。
岐阜県警察高山警察署
- 榊田(警部補)
- 演 - 渡辺哲
- 岐阜県警察・高山警察署の刑事。
- 岡田(警部)
- 演 - 谷村昌彦(第1作 - 第7作、第9作 - 第11作)
- 高山署の刑事。原作ではレギュラーキャラクターで、榊田警部補の上司。
- 溝口(警部)
- 演 - 石倉三郎(第14作 - )
- 高山署の刑事。原作ではレギュラーキャラクターで、行天遼子警部補の上司。
- 行天 遼子(警部補)
- 演 - 中島史恵(第14作 - 第16作)
- 高山署の刑事。原作では松本時代のレギュラーキャラクターで、柊に非常に協力的で、柊の妻・春子とも親しく、夫・行天珍男子(うずまろ)とともに柊と家族ぐるみの付き合いをしているが、ドラマでは柊に食ってかかることが多い。夫はドラマ未登場で妻と同じく警察官だが階級は1階級下の巡査部長。
- 米田(警部)
- 演 - 秋野太作(第8作、第11作 - 第13作)
- 高山署の刑事。
その他
- 吉沢(事務官)
- 演 - 小久保丈二
- 柊検事の補佐役。真面目一本な性格。
- 法眼 正法
- 演 - 羽場裕一(第2作) → 石丸謙二郎(第14作 - )
- 弁護士。原作では高山市に事務所を構える唯一の弁護士とされている。父親が僧侶なのでこのような名前になったという記述もある。
- 裁判長
- 演 - 波田久夫(第1作)、大木晤郎(第3作)、楠年明(第4作 - 第17作)、田中弘史(第8作)、亀井賢二(第15作)
- 小杉義男(嘱託医)
- 演 - 喜多村英三(第3作、第4作)
ゲスト
- 第1作(1994年) 「飛騨小糸坂の白骨 秘湯から消えた女と高山カラクリ人形の謎」
- 第2作(1995年) 「呪いの紙草履 越中八尾・おわら風の盆の謎 飛騨高山〜白骨温泉」
- 第3作(1996年) 「夢追い地蔵殺人事件 龍神温泉の美女と古銭の秘密 父娘が法廷初対決!」
- 第4作(1997年) 「飛騨路を火魔が走る! 墓の赤印は殺人予告」
- 第5作(1997年) 「飛騨古川からくり殺人! ヒスイ海岸と遺言状の謎 高山露天風呂〜越中天然洞窟湯」
- 第6作(1998年) 「北アルプス安房峠美女殺人事件 白骨温泉『泡の湯』に残された花と高山蝶の謎」
- 第7作(1998年) 「氷見線雨晴海岸から消えた女 カタツムリが見た飛騨9億円遺産相続殺人」
- 第8作(1999年) 「飛騨白川郷映画ロケ殺人事件 スター夫婦の醜い争いが惨劇を招く」
- 第9作(1999年) 「郡上八幡盆踊り 完全犯罪殺人 秘湯! 濁河温泉で密会したカップルの謎」
- 第10作(2000年) 「黒ユリは殺しのメッセージ 飛騨路美女連続殺人 ヒスイ海岸-糸魚川」
- 第11作(2000年) 「紫式部があやつる連続殺人 下呂〜高山〜新平潟 飛騨の人形に秘められた女の運命はいかに!!」
- 第12作(2001年) 「被告人は二度殺される 乗鞍〜高山〜名古屋殺人ライン 白い死体の謎!」
- 第13作(2002年) 「氷見〜高山ブリ街道連続殺人事件! 赤かぶ浮気がバレて家を出る」
- 第14作(2002年) 「愛と憎しみのダブル誘拐殺人事件 飛騨高山〜ヒスイ海岸を巡る欲望の渦」
- 第15作(2003年) 「飛騨古川祭り 起こし太鼓は涙に霞む 名門旧家入り婿殺人事件」
- 第16作(2004年) 「飛騨高山〜能登和倉 喪服の似合う人妻の秘密」
- 第17作(2005年) 「飛騨高山〜京都〜黒部 死体なき殺人! 内部告発者の妻は危険な香り」
スタッフ
- 原作 - 和久峻三
- 脚本 - 櫻井武晴、稲葉一広、土屋保文、吉田剛、大野武雄、保利吉紀、篠崎好
- 音楽 - 渡辺岳夫(第1作 - )、手塚理(第3作 - )、三協新社(第1作、第2作)
- 監督 - 岡屋龍一、杉村六郎
- ナレーター - 乾浩明
- プロデューサー - 辰野悦央、田村正志、平尾知也、内片輝、深沢義啓(ABC)・佐生哲雄、武田功、齋藤立太、嶋村希保(松竹)
- 制作協力 - 松竹京都映画(現・松竹京都撮影所)
- 制作 - ABC、松竹
放送日程
話数 | 放送日 | サブタイトル | 原作 | 脚本 | 監督 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1994年12月17日 | 飛騨小糸坂の白骨 秘湯から消えた女と高山カラクリ人形の謎 |
「被告人、名無しの権兵衛」所収 「小糸坂の白骨」 |
篠崎好 | 杉村六郎 | 20.8% |
2 | 1995年10月21日 | 呪いの紙草履 越中八尾・おわら風の盆の謎 飛騨高山〜白骨温泉 |
「呪いの紙草履」 | 保利吉紀 | 岡屋龍一 | 13.3% |
3 | 1996年テンプレート:09月21日 | 夢追い地蔵殺人事件 龍神温泉の美女と古銭の秘密 父娘が法廷初対決! |
「疑わしきは罰せよ」所収 「古銭はもの言わぬ証人」 |
16.6% | ||
4 | 1997年テンプレート:04月12日 | 飛騨路を火魔が走る! 墓の赤印は殺人予告 |
「疑わしきは罰せよ」所収 「火魔走る」 |
大野武雄 | 17.4% | |
5 | 7月19日 | 飛騨古川からくり殺人! ヒスイ海岸と遺言状の謎 高山露天風呂〜越中天然洞窟湯 |
「飛騨高山からくり人形殺人事件」 | 保利吉紀 | 17.4% | |
6 | 1998年テンプレート:04月11日 | 北アルプス安房峠美女殺人事件 白骨温泉『泡の湯』に残された花と高山蝶の謎 |
「殺人許可します」所収 「鬼ころし」 |
大野武雄 | 15.4% | |
7 | 10月10日 | 氷見線雨晴海岸から消えた女 カタツムリが見た飛騨9億円遺産相続殺人 |
「被告人、名無しの権兵衛」所収 「蝸牛庵の遺産」 |
吉田剛 | 12.8% | |
8 | 1999年テンプレート:01月16日 | 飛騨白川郷映画ロケ殺人事件 スター夫婦の醜い争いが惨劇を招く |
「飛騨白川郷メルヘン街道殺人事件」 | 保利吉紀 | 15.3% | |
9 | 7月10日 | 郡上八幡盆踊り 完全犯罪殺人 秘湯! 濁河温泉で密会したカップルの謎 |
「紅葉の下に猫がいる」所収 「悪女の手ざわり」 |
大野武雄 | 17.7% | |
10 | 2000年テンプレート:01月15日 | 黒ユリは殺しのメッセージ 飛騨路美女連続殺人 ヒスイ海岸-糸魚川 |
「黒ゆりは殺しのメッセージ」 | 保利吉紀 | 15.6% | |
11 | 7月15日 | 紫式部があやつる連続殺人 下呂〜高山〜新平潟 飛騨の人形に秘められた女の運命はいかに!! |
「京人形の館殺人事件」 | 大野武雄 | 14.3% | |
12 | 2001年テンプレート:07月14日 | 被告人は二度殺される 乗鞍〜高山〜名古屋殺人ライン 白い死体の謎! |
「呪いの紙草履」所収 「残酷な高原の朝」 |
吉田剛 | 14.4% | |
13 | 2002年テンプレート:02月23日 | 氷見〜高山ブリ街道連続殺人事件! 赤かぶ浮気がバレて家を出る |
「楊貴妃の亡霊」 | 土屋保文 | 16.9% | |
14 | 10月19日 | 愛と憎しみのダブル誘拐殺人事件 飛騨高山〜ヒスイ海岸を巡る欲望の渦 |
「法廷殺人の証人」 | 17.1% | ||
15 | 2003年12月テンプレート:06日 | 飛騨古川祭り 起こし太鼓は涙に霞む 名門旧家入り婿殺人事件 |
稲葉一広 | 14.3% | ||
16 | 2004年10月16日 | 飛騨高山〜能登和倉 喪服の似合う人妻の秘密 |
櫻井武晴 | 13.5% | ||
17 | 2005年テンプレート:08月13日 | 飛騨高山〜京都〜黒部 死体なき殺人! 内部告発者の妻は危険な香り |
「京都先斗町殺人事件」 | テンプレート:09.7% |
※視聴率はビデオリサーチ社調べによる関東地区のもの