新スタートレック

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テンプレート:Infobox television新スタートレック』(しんスタートレック、Star Trek: The Next Generation、略称:TNG)は、アメリカ合衆国SFテレビドラマシリーズ。『スタートレック』シリーズの実写テレビ番組としては第2作。1987年から1994年にかけてシンジケーション放送された。全7シーズン。

概要

第1作『宇宙大作戦』(通称:TOS)が3シーズン限り(1966年 - 1969年)で打ち切られながらも再放送で人気を得たことにより、1970年代に続編番組として『スタートレック:フェイズII』の企画も持ち上がる。しかし、そのアイデアが劇場映画版『スタートレック』(通称:TMP)に発展し、続編はテレビではなく劇場映画シリーズとして描かれるようになった。

1979年から1986年にかけて4作の劇場版が公開された後、1987年にテレビ版第2作としてTNGの放送が開始。TNGはTOSの続編ではあるが、時代を約80年後に設定し[1]、登場人物を総入れ替えした「次世代」の物語である[2]。なお、TNGの放送期間中にもTOSキャストによる劇場版が2本公開され、特に第6作の『スタートレックVI 未知の世界』は、TNGのバックストーリーとして惑星連邦クリンゴン帝国の歩み寄りを描き、TNGの主要キャラクターの1人であるウォーフの祖父も登場した。

当初、TNGは視聴率が振るわずに打ち切りの話なども浮かんでいたが、シーズン中盤から人気が上昇した[3]。しかし、TNGはテレビ作品としては第7シーズン限りで終了し、そのキャストは劇場映画版に移行した。TOSとTNGのキャストが競演する劇場版第7作が公開されたのが、TNG終了の約半年後である。

TNGの第6シーズン途中からは、スピンオフ番組『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』(通称:DS9)が並行放送され、TNGの終了後には新シリーズの『スタートレック:ヴォイジャー』(通称:VOYまたはVGR)のテレビ放送が始まり、先に始まっていたDS9と並行して放送された。なお、TNGはTOSの放送終了から18年のスパンを経て開始したが、以降『スタートレック:エンタープライズ』(通称:ENT)終了の2005年まで、『スタートレック』のテレビシリーズは19年の間継続的に放送されていた。

ちなみに、主要キャスト中でもジョナサン・フレイクスレヴァー・バートンは数本のエピソードで監督も兼任しており、その後のシリーズ作品でも監督を務めている。

特徴

女性の社会進出が広がったことを受け、前作に比べて女性士官の活躍が大幅に増えているのも特徴の1つである。例えば、ビバリー・クラッシャーは医療部門の責任者であり、上級士官の不在時には艦橋で指揮を執ることもある。これ以外にも女性の艦長・提督もゲストとして頻繁に登場するようになり、後続番組のVOYでは女性の艦長が主役を務めるまでに発展する。

TOSでは敵役としてクリンゴン人が人気を得たが、TNGでも強敵ボーグの登場がシリーズの人気獲得に大きく貢献した[3]。また、SF的なアイデアを盛り込んだ小道具としてはホロデッキの登場が作品世界を拡げた。ホロデッキ内の仮想世界という設定で、宇宙船内では存在し得ない情景や人物も時間・空間を問わずストーリーに無理なく組み込むことができ、演出面の制約はほぼなくなった。

あらすじ

ジェームズ・T・カークがU.S.S.エンタープライズを率いて5年間にわたる歴史的な調査飛行を終えてから約80年後の24世紀、その艦名を受け継ぐ惑星連邦宇宙艦エンタープライズ(U.S.S.エンタープライズ NCC-1701-D)は冷静沈着なピカード艦長指揮の下、時に人類未踏の星域への探索に、時に惑星連邦周辺諸国との交渉にと銀河を飛び回る。冗談と女好きなライカー副長、人間になることを望み、学ぶアンドロイドのデータ、惑星連邦とクリンゴン帝国との間で悩めるクリンゴン人ウォーフなど個性的なキャラクターたちが活躍する。

エピソードリスト

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放映

1987年9月28日 - 1994年5月23日放映(本国での放映日)。全7シーズン、178話。初回、最終回をはじめ、前後篇に分かれる大作エピソードもいくつかある(本国での放映では時間枠自体が通常の2倍ある場合や、シーズン最終話と次シーズンの1話目にまたがる場合(クリフハンガー方式)が多かった)。

日本では、地上波での放映は深夜枠での放送が大半でかつ枠の移動が多く、スーパー!ドラマTVなどでCS放送が始まるまでは、確実に視聴できる環境はなかなか整わなかった。

なお、日本語吹き替え版では「銀河系級(他のエピソードではギャラクシー級)の宇宙船」(第37話「埋もれた文明」)など、一部に訳語の不統一や誤訳が見られる。

本編は35ミリフィルムで撮影されていたが、特撮部分のデジタル合成のため、放送用のマスターテープはビデオテープだった、そのため画質があまり良くない。HDリマスター版製作時には35ミリフィルムからHDマスターを作成したため、新たに特撮部分を作り直している。

登場人物

階級、職業は第1シーズン、または登場時のもの。

レギュラー

セミレギュラー

オリジナルシリーズからのゲスト出演

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スタッフ

映画

TNGシリーズとしての映画作品は、以下の4作。2009年公開のスター・トレックはTNGシリーズではない。

小説

テレビシリーズや映画のノベライズ作品の他、独自ストーリーの作品も多数出版されている。初期の作品ではTOSの『宇宙大作戦』シリーズに対し、『新・宇宙大作戦』シリーズとなっていた。ただしST7のようにどちらとも解釈できる場合は『宇宙大作戦』となっている。邦訳はハヤカワ文庫など。

ゲーム

1995年に徳間書店(制作は、Spectrum HoloByte(英語))からSFC用ソフトとして『新スタートレック〜大いなる遺産IFDの謎を追え〜』が発売されている。

脚注

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  1. 劇中の台詞では大雑把に「100年後」とされていた。次第に正確な年代設定が明らかになったが、矛盾する部分もある。
  2. 厳密には、TOSとTNGの間にも別の世代(エンタープライズBと同Cの乗組員)が存在する。
  3. 3.0 3.1 ウルフ359の戦い#ストーリーの由来と影響を参照。
  4. ウーピー・ゴールドバーグは前作に登場したウフーラ中尉および演じたニシェル・ニコルズへの憧れから俳優を志したほどのトレッキーであり、彼女の方から出演を熱望したという逸話がある。ギャラは米俳優協会が定める最低賃金であり、彼女にとってはノーギャラ同然であるが、嬉々として演じたという。
  5. TNG本編以外では異なる(レジナルド・バークレー#日本語版の吹き替えを参照)。

関連項目

  • ダーモク語 - 作中の架空言語
  • マイケル・オクダ - 惑星連邦のコンピュータシステム (LCARS) などをデザインした。
  • スティーヴン・ホーキング - 「ボーグ変質の謎」(Descent)に本人のホログラム役として出演した。
  • 機動戦艦ナデシコ - 劇場版のブリッジ設定画やイメージボード多数にLCARSを模したアクセスコンソールが描かれている。
  • 今川泰宏 - トレッキーとして有名。自身の監督作品『機動武闘伝Gガンダム』において、OPにスタートレックのユニフォームを着た自分を登場させたり、アレンビーの名前を新スタートレックからオマージュしたり、劇中にボーグのモチーフを取り入れている。

外部リンク

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