廃墟からの復活
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廃墟からの復活(テンプレート:Lang-de-short)は、ドイツ民主共和国(東ドイツ)の国歌。ヨハネス・ロベルト・ベッヒャー(Johannes Robert Becher;1891年-1958年)作詞[1]、ハンス・アイスラー作曲[1]。
概要
詩人であり、東西ドイツ分断後にドイツ民主共和国の文化大臣を務めたベッヒャーにより作詞された[1]。歌詞には、ドイツの統一と第二次世界大戦による荒廃からの復活の願いがこめられている[1]。
当初は公の場で歌唱していた[1]が、1970年代に入りソビエト連邦から「einig Vaterland(アイニヒ・ファーターラント、一つの祖国)」という歌詞が東西分裂の現状にそぐわないと圧力が掛かったため、歌唱が禁じられ[1]、東西ドイツの統一を果たした1990年まで曲のみが演奏されることとなった[1]。
歌詞
- Auferstanden aus Ruinen
und der Zukunft zugewandt,
laß uns Dir zum Guten dienen,
Deutschland, einig Vaterland.
Alte Not gilt es zu zwingen,
und wir zwingen sie vereint,
denn es muß uns doch gelingen,
daß die Sonne schön wie nie
über Deutschland scheint, über Deutschland scheint. - Glück und Friede sei beschieden
Deutschland, unserm Vaterland.
Alle Welt sehnt sich nach Frieden,
reicht den Völkern eure Hand.
Wenn wir brüderlich uns einen,
schlagen wir des Volkes Feind.
Laßt das Licht des Friedens scheinen,
daß nie eine Mutter mehr
ihren Sohn beweint, ihren Sohn beweint. - Laßt uns pflügen, laßt uns bauen,
lernt und schafft wie nie zuvor,
und der eignen Kraft vertrauend
steigt ein frei Geschlecht empor.
Deutsche Jugend, bestes Streben
unsres Volks in dir vereint,
wirst du Deutschlands neues Leben.
Und die Sonne schön wie nie
über Deutschland scheint, über Deutschland scheint.
日本語訳
- 廃墟の闇より
未来に向けて立ち上がり
幸福のため奉仕せん
ドイツ-一つの祖国
過去の苦難を克服し
意志のままに団結する
われらは成功し
陽は今まで以上に光り輝く
ドイツを照らしながら ドイツを照らしながら - 平和と幸福が
ドイツ-わが祖国にあらんことを
世界の求める平和を
世界と共に求めよう
同胞と団結するとき
人民の敵を破り
平和の光よ導き給う
母が息子の死で
悲しまない世へ 悲しまない世へ - 耕そう 造ろう
学び 働こう
自由な新しい世代が
信義を生み出す
ドイツの若人よ
努力を惜しまずに
ドイツは復活し
陽は今まで以上に光り輝く
ドイツを照らしながら ドイツを照らしながら
脚注
関連項目
- ドイツの歌 - ドイツ連邦共和国の国歌。ヴァイマル共和政時代に正式の国歌とされ、ナチス・ドイツ時代には1番のみが歌われていた。
- 旗を高く掲げよ(ホルスト・ヴェッセルの歌) - 国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)の党歌であり、ナチス・ドイツ時代には第二国歌として扱われた。
- 皇帝陛下万歳 - ドイツ帝国の国歌。元々ハプスブルク帝国の国歌であったことや旋律がイギリス国歌『神よ女王を護り賜え』と同じこともあって広い人気を得られず、国歌としては非公式の扱いであった。
- 党の歌 - ドイツ社会主義統一党の党歌。
- Rance - 日本のアダルトゲームシリーズ。シリーズを通してBGMとして本曲のアレンジが使用されている。
外部リンク
- ドイツ民主共和国国歌 - YouTubeより。