幡多郡
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幡多郡(はたぐん)は、高知県、土佐国の西部にある郡である。古くは播多郡とも書いた。テンプレート:郡データ換算
以下の2町・1村を含む。
領域
明治維新時点での領域は現在以下のようになっている。太字の自治体は全域が、通常体は一部が郡域にあたる。
歴史
古代
平城宮跡で出土した木簡に、「播多郡嶋田里」と記されたのが、幡多郡の存在を示すもっとも古い証拠である[1]。国郡里制が施行されていた大宝元年(701年)から霊亀元年(715年)のものである。今ある文献で初めて記すのは、貞観2年(860年)6月29日、土左国播多郡の地10町を施薬院に与えた事を記す『日本三代実録』である[2]。
当初の郡域には、現在の四万十市・宿毛市・土佐清水市の全域が含まれていた。郡役所は中村(後の中村町、現在の四万十市)に置かれた。1942年(昭和17年)には幡多郡を管轄する幡多支庁が中村町に置かれた。
式内社
『延喜式』神名帳に記される郡内の式内社。 テンプレート:式内社一覧/header テンプレート:土佐国幡多郡の式内社一覧 テンプレート:式内社一覧/footer
近現代
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行に伴い、幡多郡に36の村が成立する。(36村)
- 1898年(明治31年)11月10日 - 中村が町制施行し中村町となる。(1町35村)
- 1899年(明治32年)12月20日 - 宿毛村が町制施行し宿毛町となる。(2町34村)
- 1914年(大正3年)1月1日 - 東上山村が大正村に改称。
- 1915年(大正4年)4月1日 - 山中村が富山村に改称。
- 1924年(大正13年)
- 1927年(昭和2年)11月3日 - 下田村が町制施行し下田町となる。(4町32村)
- 1928年(昭和3年)11月10日 - 西上山村が昭和村に改称。
- 1940年(昭和15年)11月3日 - 佐賀村が町制施行し佐賀町となる。(5町31村)
- 1941年(昭和16年)4月1日 - 上灘村が清水町に編入。(5町30村)
- 1942年(昭和17年)6月15日 - 和田村が宿毛町に編入。(5町29村)
- 1943年(昭和18年)
- 1947年(昭和22年)
- 1948年(昭和23年)4月1日 - 大正町の一部が高岡郡窪川町に編入。
- 1950年(昭和25年)11月3日(10町22村)
- 1951年(昭和26年)11月3日 - 奥内村が町制施行・改称し大内町となる。(12町20村)
- 1954年(昭和29年)3月31日(8町7村)
- 中村町・下田町・東山村・蕨岡村・後川村・八束村・具同村・東中筋村・富山村・大川筋村・中筋村が合併し、中村市が発足、郡より離脱。
- 宿毛町・小筑紫町・山奈村・平田村・橋上村・沖の島村が合併し、宿毛市が発足、郡より離脱。
- 8月1日 - 清水町・下ノ加江町・三崎町・下川口町が合併し、土佐清水市が発足、郡より離脱。(4町7村)
- 1956年(昭和31年)9月1日 - 大方町・白田川村が合併し、大方町が発足。(4町6村)
- 1957年(昭和32年)
- 1958年(昭和33年)4月1日 - 江川崎村・津大村が合併し、西土佐村が発足。(4町3村)
- 2005年(平成17年)4月10日 - 西土佐村が中村市と合併し、四万十市が発足、郡より離脱。(4町2村)
- 2006年(平成18年)3月20日(2町1村)
- 大方町・佐賀町が合併し、黒潮町が発足。
- 大正町・十和村が高岡郡窪川町と合併し、高岡郡四万十町が発足、郡より離脱。
明治22年以前 | 明治22年4月1日 | 明治22年 - 昭和19年 | 昭和20年 - 昭和29年 | 昭和30年 - 昭和63年 | 平成1年 - 現在 | 現在 | ||
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佐賀村 | 昭和15年11月3日 町制 |
佐賀町 | 佐賀町 | 平成18年3月20日 黒潮町 |
黒潮町 | |||
七郷村 | 昭和18年4月29日 大方村 |
昭和18年11月3日 町制 |
大方町 | 昭和32年4月1日 白浜を佐賀町に編入 | ||||
昭和31年9月1日 大方町 | ||||||||
白田川村 | 白田川村 | 白田川村 | ||||||
入野村 | 昭和18年4月29日 大方村 |
昭和18年11月3日 町制 |
大方町 | |||||
田ノ口村 | ||||||||
昭和32年4月1日 伊屋を中村市に編入 |
平成17年4月10日 四万十市 |
四万十市 | ||||||
中村 | 明治31年11月10日 町制改称 中村町 |
昭和29年3月31日 中村市 |
中村市 | |||||
下田村 | 昭和2年11月3日 町制 | |||||||
山中村 | 大正4年4月1日 改称 富山村 | |||||||
大川筋村 | 大川筋村 | |||||||
後川村 | 後川村 | |||||||
蕨岡村 | 蕨岡村 | |||||||
東山村 | 東山村 | |||||||
八束村 | 八束村 | |||||||
中筋村 | 中筋村 | |||||||
東中筋村 | 東中筋村 | |||||||
具同村 | 具同村 | |||||||
江川崎村 | 江川崎村 | 江川崎村 | 昭和33年4月1日 西土佐村 | |||||
津大村 | 津大村 | 津大村 | ||||||
清松村 | 大正13年7月1日 改称 清水村 |
大正13年9月15日 町制 |
清水町 | 昭和29年8月1日 土佐清水市 |
土佐清水市 | 土佐清水市 | 土佐清水市 | |
上灘村 | 上灘村 | 昭和16年4月1日 清水町に編入 | ||||||
伊豆田村 | 伊豆田村 | 昭和25年11月3日 町制改称 下ノ加江町 | ||||||
三崎村 | 三崎村 | 昭和22年11月3日 町制 | ||||||
下川口村 | 下川口村 | 昭和25年11月11日 町制 | ||||||
三原村 | 三原村 | 三原村 | 三原村 | 三原村 | 三原村 | |||
宿毛村 | 明治32年12月20日 町制 |
宿毛町 | 昭和29年3月31日 宿毛市 |
宿毛市 | 宿毛市 | 宿毛市 | ||
和田村 | 昭和17年6月15日 宿毛町に編入 | |||||||
小筑紫村 | 小筑紫村 | 昭和25年11月3日 町制 | ||||||
沖ノ島村 | 沖ノ島村 | 沖ノ島村 | ||||||
橋上村 | 橋上村 | 橋上村 | ||||||
平田村 | 平田村 | 平田村 | ||||||
山奈村 | 山奈村 | 山奈村 | ||||||
奥内村 | 奥内村 | 昭和26年11月3日 町制改称 大内町 |
昭和32年2月11日 大月町 |
大月町 | 大月町 | |||
月灘村 | 月灘村 | 月灘村 | ||||||
十川村 | 十川村 | 十川村 | 昭和32年8月1日 十和村 |
平成18年3月20日 高岡郡 四万十町の一部 |
高岡郡 四万十町 | |||
西上山村 | 昭和3年11月10日 改称 昭和村 |
昭和村 | ||||||
東上山村 | 大正3年1月1日 改称 大正村 |
昭和22年8月1日 町制 |
大正町 | |||||
昭和23年4月1日 折合を高岡郡窪川町に編入 |
高岡郡 窪川町の一部 |
脚注
参考文献
- 黒板勝美編、『日本三大実録』前編52頁(新訂増補国史大系)、吉川弘文館、普及版1971年。初版は1934年。
- 山下信一郎「古代土佐国の郡の変遷に関する覚書」、奈良文化財研究所・編集発行『文化財学の新地平』、2013年。