少年ドラマシリーズ
少年ドラマシリーズ(しょうねんドラマシリーズ)は、1972年から1983年にかけてNHKが放映した、主に小中学生向けのテレビドラマシリーズ。
解説
1972年1月の放送開始から1973年3月までは土曜18時枠、1973年度から1977年度までは平日夕方の18時枠の帯番組として放映され、帯番組放映が終わってから1983年までは、特番として断続的に放映された。
SFからコメディ、海外作品などバラエティ豊かな作品群を提供している。
帯番組時代は大半が東京放送局(AK)製作だが名古屋放送局(CK)制作の作品もいくつもある。名古屋市とその近郊でロケが行われたものも多く、伊賀上野を舞台にしたものもあった。また、出演者が『中学生日記』と重複することもあった。
1973年度から1977年度まで18時台の海外ドラマは独立番組として放送されず、「少年ドラマシリーズ」の作品として放送された。
また、古手川祐子や紺野美沙子といった女優が少年ドラマシリーズで実質上のデビューを飾っている。
1970年代の作品は2インチVTRが高価であり、加えて著作権法の絡みなどから、作品の大半は放送後に上書き消去され、数作を除いてNHKには残っていないとされていた。しかし、フィルム撮影の「ユタと不思議な仲間たち」や当時の視聴者の録画テープを基にした「なぞの転校生」などとともに、現存していた作品は1989年前後にNHKソフトウェア(NHKエンタープライズ)のVISUAL VOOKレーベルからなどがセルビデオで発売された。
その後1998年に「ドラマ愛の詩」の放映開始で少年ドラマシリーズが再認識されるようになり、1999年にインターネットコミュニティ上で有志が資料提供などを募る「少年ドラマシリーズ復刻キャンペーン」を展開。そして当時の視聴者からVHS・ベータマックス等で録画されたビデオテープがNHKに寄贈された。NHKで歪みなどの映像修繕を経て、2001年に断片的でありつつも数編の作品がDVDビデオ化(販売元:アミューズ)され、再び視聴することが可能になっている。ただし、松本清張原作の「赤い月」は、NHKソフトウェアから発売の「懐かしのこども番組グラフィティー・夕方六時セレクション②」に収録、「長くつ下のピッピ」は、アズミックより発売。
また、映像以外の資料も公式にはあまり残されておらず、熱心な視聴者が記録を採っていたもの程度に留まるが、2001年にアスキー(現:アスキー・メディアワークス)からDVDビデオとの連動企画で少年ドラマシリーズのムック本、「NHK少年ドラマシリーズのすべて」が刊行されている。
作品一覧
タイトル | 放映開始日 | 放映終了日 | 原作 | 制作局 |
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タイム・トラベラー | 1972年1月1日 | 1972年2月5日 | 筒井康隆「時をかける少女」 | 東京 |
満員御礼 | 1972年2月12日 | 1972年3月25日 | 渡辺茂男 | 東京 |
ミルナの座敷 | 1972年4月1日 | 1972年4月29日 | 須知徳平 | 東京 |
とべたら本こ | 1972年5月6日 | 1972年5月27日 | 山中恒 | 東京 |
悲しみは海の色 | 1972年6月3日 | 1972年6月24日 | 山下喬子 | 東京 |
怪人オヨヨ | 1972年7月1日 | 1972年7月24日 | 小林信彦「オヨヨ島の冒険」ほか | 東京 |
少年オルフェ | 1972年9月2日 | 1972年9月23日 | 米沢幸男 | 東京 |
どっちがどっち | 1972年9月30日 | 1972年10月28日 | 大木圭 | 東京 |
続 タイムトラベラー | 1972年11月4日 | 1972年12月2日 | 石山透(原案 筒井康隆) | 東京 |
はつさんハーイ! | 1973年1月6日 | 1973年1月27日 | 由起しげ子「女中ッ子」 | 東京 |
コロッケ町のぼく | 1973年2月3日 | 1973年3月31日 | 筒井敬介 | 東京 |
暁はただ銀色 | 1973年4月2日 | 1973年4月11日 | 光瀬龍 | 東京 |
気まぐれ指数 | 1973年4月16日 | 1973年4月25日 | 星新一 | 名古屋 |
空飛べ!キャットウィーズル | 1973年5月7日 | 1973年5月23日 | 海外 | |
けんかえれじい | 1973年5月28日 | 1973年6月6日 | 鈴木隆 | 東京 |
あなたの町 | 1973年6月11日 | 1973年6月20日 | 宮原昭夫 | 名古屋 |
ロンドン大追跡 | 1973年6月25日 | 1973年7月4日 | アイルマー・ハル | 海外 |
つぶやき岩の秘密 | 1973年7月9日 | 1973年7月19日 | 新田次郎 | 東京 |
それ行け名探偵 | 1973年9月3日 | 1973年9月12日 | 城戸禮 | 名古屋 |
ぼくがぼくであること | 1973年9月17日 | 1973年9月26日 | 山中恒 | 東京 |
海のセバスチャン | 1973年10月1日 | 1973年10月24日 | 海外 | |
しろばんば | 1973年11月5日 | 1973年11月21日 | 井上靖 | 東京 |
マッティと大ちゃん | 1973年11月26日 | 1973年12月12日 | 佐藤愛子 | 名古屋 |
姉弟 | 1974年1月1日 | - | 郷志津子 | 東京 |
夕ばえ作戦 | 1974年1月14日 | 1974年1月23日 | 光瀬龍 | 東京 |
マリコ | 1974年1月28日 | 1974年2月6日 | 高谷玲子「静かに自習せよ」 | 東京 |
荒野の王子 | 1974年2月11日 | 1974年3月6日 | 海外 | |
ぼくのおじさん | 1974年3月18日 | 1974年4月12日 | 北杜夫 | 名古屋 |
まぼろしのペンフレンド | 1974年4月15日 | 1974年5月1日 | 眉村卓 | 東京 |
ユタとふしぎな仲間たち | 1974年5月6日 | 1974年5月8日 | 三浦哲郎 | 東京 |
おんぼろ車のドナおばさん | 1974年5月13日 | 1974年5月22日 | ノエル・ストリートフィールド | 海外 |
悦ちゃん | 1974年5月27日 | 1974年6月19日 | 獅子文六 | 名古屋 |
秘密の白い石 | 1974年6月24日 | 1974年7月17日 | グルンネル・リンデ | 海外 |
風の中の子供 | 1974年8月27日 | 1974年9月4日 | 坪田譲治 | 東京 |
霧の湖 | 1974年9月9日 | 1974年9月18日 | 久生十蘭「肌色の月」 | 東京 |
空中アトリエ | 1974年9月23日 | 1974年10月9日 | 武川みづえ | 名古屋 |
少年カウボーイ | 1974年10月14日 | 1974年11月6日 | 海外 | |
二十四の瞳 | 1974年11月11日 | 1974年11月20日 | 壷井栄 | 東京 |
アルプスのスキーボーイ | 1974年11月25日 | 1974年12月18日 | 海外 | |
春の太鼓 | 1975年1月3日 | - | 井原西鶴「本朝桜陰比事」 | 東京 |
末っ子物語 | 1975年1月6日 | 1975年1月15日 | 尾崎一雄 | 東京 |
太郎 | 1975年1月20日 | 1975年1月29日 | 曽野綾子「太郎物語・高校編」 | 東京 |
マッティと愉快な仲間たち | 1975年2月3日 | 1975年2月26日 | 佐藤愛子 | 名古屋 |
六年二組の春は… | 1975年3月3日 | 1975年3月12日 | 山中恒 | 東京 |
キヨ子は泣くもんか | 1975年3月17日 | 1975年3月26日 | 川北亮司 | 名古屋 |
赤外音楽 | 1975年4月7日 | 1975年4月16日 | 佐野洋 | 東京 |
ふたりの追跡 | 1975年4月21日 | 1975年5月14日 | 海外 | |
珍太郎日記 | 1975年5月19日 | 1975年6月11日 | 佐々木邦 | 名古屋 |
ジュンのあした | 1975年6月16日 | 1975年7月9日 | 井上明子 | 東京 |
リバーハウスの虹 | 1975年7月14日 | 1975年7月30日 | エセル・ターナー「Australian Seven Children」 | 海外 |
野菊の墓 | 1975年9月1日 | 1975年9月17日 | 伊藤左千夫 | 東京 |
長くつ下のピッピ | 1975年9月22日 | 1975年10月15日 | アストリッド・リンドグレーン | 海外 |
すばらしき友人 | 1975年10月20日 | 1975年11月12日 | 中村八朗 | 名古屋 |
なぞの転校生 | 1975年11月17日 | 1975年12月3日 | 眉村卓 | 東京 |
ぼくのテムズ川 | 1975年12月8日 | 1975年12月17日 | ペギー・ミラー | 海外 |
あおげばとうとし | 1976年1月3日 | - | 山中恒 | 東京 |
二十四の瞳 第2部 | 1976年1月5日 | 1976年1月14日 | 壷井栄 | 東京 |
幼年時代 | 1976年1月19日 | 1976年1月29日 | 室生犀星 | 東京 |
アルプスの少女ハイジ | 1976年2月2日 | 1976年2月11日 | ヨハンナ・スピリ | 海外 |
アケミの門出 | 1976年2月16日 | 1976年2月25日 | 早船ちよ | 名古屋 |
ママの卒業式 | 1976年3月2日 | 1976年3月17日 | 手島悠介「二十八年目の卒業式」 | 名古屋 |
いつわりの微笑 | 1976年4月5日 | 1976年5月6日 | 津村節子 | 東京 |
明日への追跡 | 1976年5月10日 | 1976年5月27日 | 光瀬龍 | 東京 |
長くつ下のピッピ-冒険旅行-・-海賊退治- | 1976年5月31日 | 1976年6月10日 | アストリット・リンドグレーン | 海外 |
地球防衛団 | 1976年6月14日 | 1976年7月1日 | 海外 | |
いたずらっ子エミール | 1976年7月5日 | 1976年7月22日 | アストリット・リンドグレーン | 海外 |
巣立つ日まで | 1976年9月6日 | 1976年10月1日 | 菅生浩 | 東京 |
森の秘密 | 1976年10月4日 | 1976年10月21日 | 海外 | |
兎の眼 | 1976年10月25日 | 1976年11月18日 | 灰谷健次郎 | 名古屋 |
快傑黒頭巾 | 1976年11月22日 | 1976年12月2日 | 高垣眸 | 東京 |
風の又三郎 | 1976年12月6日 | 1976年12月9日 | 宮沢賢治 | 東京 |
姉妹 | 1976年12月13日 | 1976年12月16日 | 畔柳二美 | 東京 |
安寿と厨子王 | 1976年12月20日 | 1976年12月23日 | 「山椒太夫」(説経節) | 東京 |
11人いる! | 1977年1月2日 | - | 萩尾望都 | 東京 |
未来からの挑戦 | 1977年1月10日 | 1977年2月11日 | 眉村卓「ねらわれた学園」「地獄の才能」 | 東京 |
きみはサヨナラ族か | 1977年2月14日 | 1977年3月3日 | 森忠明 | 名古屋 |
困ったなア | 1977年3月7日 | 1977年3月24日 | 佐藤愛子 | 名古屋 |
赤い月 | 1977年4月4日 | 1977年5月5日 | 松本清張「高校殺人事件」 | 東京 |
アン通り47番地 | 1977年5月9日 | 1977年5月26日 | The Kids from 47A | 海外 |
叱られ人生 | 1977年5月30日 | 1977年6月23日 | サトウハチロー「詩集」 | 東京 |
孤島の秘密 | 1977年6月27日 | 1977年7月21日 | The Lost Islands | 海外 |
幕末未来人 | 1977年9月5日 | 1977年9月29日 | 眉村卓「思い上がりの夏」「名残の雪」 | 東京 |
十三歳の夏 | 1977年10月3日 | 1977年10月27日 | 乙骨淑子 | 名古屋 |
白い峠 | 1977年10月31日 | 1977年12月1日 | オリジナル | 名古屋 |
スカイパトロール・チョッパーワン | 1977年12月5日 | 1977年12月22日 | 海外 | |
蜃気楼博士 | 1978年1月9日 | 1978年1月26日 | 都筑道夫 | 名古屋 |
その町を消せ! | 1978年1月30日 | 1978年2月23日 | 光瀬龍「その花を見るな!」 | 東京 |
寒い朝 | 1978年2月27日 | 1978年3月16日 | 石坂洋次郎 | 名古屋 |
ポンコツロボット太平記 | 1978年12月25日 | 1978年12月28日 | 石川英輔 | 東京 |
七瀬ふたたび | 1979年8月6日 | 1979年8月18日 | 筒井康隆 | 東京 |
オハヨウ先生こんにちは | 1980年8月4日 | 1980年8月11日 | オリジナル | 東京 |
ぼくとマリの時間旅行 | 1980年8月12日 | 1980年8月15日 | 小松左京 | 東京 |
家族天気図 | 1980年12月22日 | 1980年12月27日 | オリジナル | 東京 |
おとうと | 1981年8月27日 | 1981年8月28日 | 幸田文 | 東京 |
星の牧場 | 1981年11月2日 | 1981年11月3日 | 庄野英二 | 東京 |
あんずよ燃えよ | 1981年12月21日 | 1981年12月22日 | 室生犀星 | 東京 |
芙蓉の人 | 1982年4月1日 | 1982年4月2日 | 新田次郎 | 東京 |
おれたち夏希と甲子園 | 1982年8月2日 | 1982年8月6日 | 「野球狂の詩を唄う娘」 | 東京 |
だから青春 泣き虫甲子園 | 1983年6月14日 | 1983年10月11日 | あだち充、やまさき十三 | 東京 |
参考文献
- 増山久明編著 『NHK少年ドラマシリーズのすべて』アスキー、2001年 ISBN 978-4-7561-3800-2
関連番組
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- クラインの壷 - ドラマがNHKで「ジュニアドラマシリーズ」として放送された。ただし、シリーズ化はされなかった。
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