孔子廟
孔子廟(こうしびょう)は、中国、春秋時代の思想家、儒教の創始者である孔子を祀っている霊廟(霊を祀る建物)。中国語では孔子庙(簡体字)/孔子廟(繁体字)(コンツーミャオ、テンプレート:ピン音・テンプレート:注音)という。一般的に孔庙(簡体字)/孔廟(繁体字)(コンミャオ、テンプレート:ピン音・テンプレート:注音)と呼ばれる。また関帝廟が武廟と呼ばれるのに対比して文廟とも呼ばれる。
孔子の生まれたとされる魯の国の昌平郷陬邑(すうゆう)、現在の山東省曲阜(きょくふ)に、孔子の死後1年目に魯の哀公が孔子の旧宅を廟にしたとされ、そこに孔子廟が作られたのがそもそもの始まりであった。その廟は、現在孔廟と呼ばれ、儒教の総本山として厚く信奉されている。その廟には、孔子やその弟子たちの像が安置され、『論語』が納められている。また、孔子に対する敬称のひとつ・夫子(ふうし)を使って単に夫子廟といった場合、南京にあるものを指す。
日本にある孔子廟
日本にも、各地に孔子廟がある。多くは儒学の学校に付随して建てられる。
有名なものでは東京都の湯島聖堂があり、江戸時代から設けられた。「昌平坂学問所」に付随して設置された。もともと朱子学の林羅山が上野忍が岡に先聖殿を築いたものを、江戸幕府が日本における儒教の学校として、湯島(御茶ノ水)に移築し、開き、林家の学問所としても発展した。また、最も見応えのあるものは、長崎の「孔子廟」である。江戸時代以降、外国貿易の地と定められ、唐人屋敷があった長崎に、明治26年(1893年)、清国政府と在日華人が協力して、中国の総本山並に伝統美あふれた「孔子廟」が作られた。この「孔子廟」には、孔子と72賢人石像や孔子の教えを始め、中国の文化・学術を伝える施設の「中国歴代博物館」も孔子廟の「大成殿」裏にあり、中国の貴重な資料とともに、一般に公開されている。
ほかに、足利学校(栃木県足利市)や閑谷学校(岡山県備前市)の聖廟、多久聖廟(佐賀県多久市)などが有名である。また日本最南の孔子廟は沖縄県那覇市にある至聖廟である[1]。もともとあった廟[2]は1676年に創建されたものであったが、沖縄戦により灰燼に帰したため、現在の廟は1975年に再建されたものである。
台湾にある孔子廟
ベトナムにある孔子廟
マレーシアにある孔子廟
マレーシア最初の孔子廟は檳城孔聖廟中華小學(zh:孔聖廟中華學校、en:Chung Hwa Confucian School)と言う小学校に位置している。清朝の大使の張弼士によって建てられた。その昔、多くの児童が登校初日には孔子廟に連れていかれて、儒教の教えに従い勤勉に勉学に励むという希望を書く儀式に出席したという[3]。
その他、マラッカにも馬六甲孔子大廈という学院が建てられており、そこでは毎年祭孔活動が行なわれている。
クアラルンプールにも吉隆坡尊孔独立中学(zh:吉隆坡尊孔独立中学)と言う学校が建てられており、そこでは毎年孔子の誕生日を祝い、孔子に関する講座が開かれている。
タイ王国にある孔子学院
儒学または孔子廟は時代に伴って色々な姿で社会に現れている。現在、タイ王国には12ヶ所に孔子学院が建てられている。それらは中タイ両国の学者達が一緒に計画したもので、『論語』を始め、中国語、中華文化、書道等の講座が提供されている。
- ソンクラーナカリン大学孔子学院
- プーケットにある ソンクラーナカリン大学大学孔子学院
- Mae Fah Luang 大学孔子学院
- チェンマイ 大学孔子学院
- Suan Dusit Rajabhat大学孔子学院
- タイ国立マハサラカム大学孔子学院
- Khon Kaen大学孔子学院
- Betong 大学孔子学院
- 農業大学孔子学院
- Bansomdejchaopraya RaJabhat孔子学院
- チュラロンコン大学孔子学院
- Traimit Wittayalai高校孔子課堂.(http://www.confucius.psu.ac.th/En/en_CIinThailand.aspx)
脚注
- ↑ この地はもともと“久米三十六性”と言われる中国からの移民とその子孫が居住していた地だったために建てられた。58号線沿いに『大門(うふじょう)』久米大通り沿いに『西武門(にしんじょう)』と言う地名が残っていることから如何に巨大な居留地だったかがわかる。
- ↑ 現在の国道58号線、日本銀行那覇支店前。
- ↑ SMJK School Portal - SMJK CHUNG HWA CONFUCIAN (School History)