女流名人戦 (将棋)
ユニバーサル杯女流名人戦(ユニバーサルはい じょりゅうめいじんせん)は、報知新聞社が主催・株式会社ユニバーサルエンターテインメントが特別協賛する[1]、将棋女流棋士による日本の将棋の棋戦。
概説
現在行われている将棋女流タイトル戦の中では、本棋戦が最も古いものである。おおむね、毎年1月から2月にかけて行われる。挑戦手合制で、五番勝負の勝者は「女流名人」となる。1974年度創設。1993年度開催の第20期より、アルゼ株式会社 (2009年11月1日に株式会社ユニバーサルエンターテインメントに社名変更) が特別協賛となり、現在に至る。
また、男性棋戦の「名人」に敬意を表し、「女流名人戦」とせず、「女流名人位戦」という名称で創立されたが、本棋戦創立から40年経過したのを機に、第41期から「女流名人戦」へと名称変更した[2]。
しくみ
女流名人リーグと予選からなる。女流名人リーグの最上位が女流名人と五番勝負を戦い、先に3勝したほうが女流名人となる。当年度の女流名人は翌年度の棋王戦の予選に出場する事ができる。
第39期まではリーグ戦がA級・B級に分かれており、A級リーグの最上位が女流名人に挑戦していた。第40期より、実質的にB級リーグは廃止され、A級リーグの名称を「女流名人位リーグ」に変更[3]、さらに第41期より「女流名人リーグ」と改称された。
予選
前年度女流名人およびリーグ戦に残留している女流棋士を除くすべての女流棋士が参加する。予選通過者は5名(第40期のみ3名)で、通過者は女流名人リーグ(第39期まではB級リーグ)に参加する。
創設当初はC級リーグとして行われていたが、第25期(1998年)から現行のトーナメント方式に改められている。
持ち時間は2時間。
リーグ戦
女流名人リーグ内で10名の総当たり戦を行う。女流名人リーグの最上位者が女流名人に挑戦し、下位5名がリーグから脱落する。
同率の女流棋士が複数いる場合は、最上位のみプレーオフを行い、それ以外は順位上位のものが成績上位とする。
持ち時間は2時間。
- 第39期まで
- 第39期まではA級とB級のリーグからなり、定員はそれぞれ10名であった。A級リーグの最上位者が女流名人に挑戦し、下位3名がB級に降級する。B級リーグの上位3名がA級に昇級し、下位5名がリーグから脱落する。
- ただし第39期については、次期よりリーグが1つのみとなるため、A級下位6名・B級下位7名がリーグ脱落となる。翌40期の女流名人位リーグはA級からの残留者4名・B級からの残留者3名・予選通過者3名の合計10名で競われる。なお第40期の予選では、第39期のA級からの脱落者は準決勝(4回戦)からの登場とし、予選の各組に2名ずつ割り振られることとなった(B級からの脱落者は2回戦から出場)。
- 同率の女流棋士が複数いる場合は、A級の最上位のみプレーオフを行い、それ以外は順位上位のものが成績上位とする。
休場
順位戦と同様、病気などのやむをえない理由により、ある1年間の対局をすべて休場した場合、次期はリーグ脱落をせず、順位は「張出」となり、最下位に扱われる。順位戦と異なる点は、この場合でも脱落者・予選通過者の人数は通常と変わらず、リーグ戦の人数が一定に保たれている点である[4]。
女流名人戦五番勝負
女流名人と女流名人リーグ(第39期まではA級リーグ)優勝者が五番勝負を戦い、勝者が新たな女流名人となる。
持ち時間は各3時間。
クィーン名人
女流名人を通算5期獲得した女流棋士は「クィーン名人」の永世称号が与えられる。2014年2月現在、クィーン名人の資格を持つ女流棋士は中井広恵、清水市代、里見香奈の3名。
歴代五番勝負
年は五番勝負が行われた時点。1月から2月にかけて行われるため、年度とは1年ずれる。
※1975年から1981年までは三番勝負(先に2勝したほうが女流名人)。○●は女流名人から見た勝敗、千は千日手、持は持将棋。
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脚注
外部リンク
- 女流名人戦:日本将棋連盟
- スポーツ・協賛 > 女流名人位戦(株式会社ユニバーサルエンターテインメント公式サイト)
- ↑ 「ユニバーサル杯第38期女流名人位戦五番勝負第1局- 『清水市代の将棋』 を目指して」 『将棋世界』 2012年3月号、24頁。
- ↑ 女流棋戦名称変更のお知らせ 新名称「ユニバーサル杯女流名人戦」 - 日本将棋連盟、2014年3月17日。
- ↑ ユニバーサル杯「第40期女流名人位戦」システム変更のお知らせ - 日本将棋連盟、2012年7月14日。
- ↑ 順位戦では、休場者がいる場合に降級者・昇級者の人数調整が行われ、リーグ戦の定員を超えることもあったり、降級者が1人もいないこともありうる。詳細は順位戦を参照。