大木喬任
大木 喬任（おおき たかとう、1832年4月23日（天保3年3月23日）– 1899年（明治32年）6月26日）は、日本の佐賀藩の武士、政治家。通称を幡六テンプレート:Clarify、民平テンプレート:Clarify。勲等は勲一等、爵位は伯爵。
経歴
出自
幕末
藩校の弘道館で学び、1850年（嘉永3年）副島種臣らと共に枝吉神陽の義祭同盟結成に参加。後に江藤新平や大隈重信らも加わり藩論を尊皇攘夷へと導くことを図るが果たせなかった。
明治新政府
1868年（明治元年）に新政府が樹立されると、大隈・副島・江藤らとともに出仕し、徴士、参与、軍務官判事、東京府知事などを務めた。江戸を東京とすること（東京奠都）に尽力した。1871年（明治4年）に民部卿、文部卿として学制を制定。1872年（明治5年）に教部卿を兼任。1873年（明治6年）、参議兼司法卿。1876年（明治9年）の神風連の乱と萩の乱の事後処理に当たった。
戸籍編成の主導権を巡り大蔵省の大隈と対立。大久保利通の側近となり、民部大輔として戸籍法制定を行い、のち民部卿に任命されるが、大隈の巻き返しで民部省は大蔵省に統合された。民法編纂総裁として法典編纂に関わる。のち元老院議長、参議などの要職を歴任した。
1884年（明治17年）、華族令施行によって伯爵に叙せられた。1888年（明治21年）に枢密顧問官、1892年（明治25年）に枢密院議長再任。
1899年（明治32年）に死去、享年67。
家族
大木氏は筑後国の蒲池氏の一族で、筑後宇都宮氏の宇都宮懐久の次男の資綱の嫡子大木政長を祖とし、資綱の兄の蒲池久憲の後裔の蒲池鎮漣の重臣で、のちに鍋島直茂に仕えた大木統光の子孫にあたる。
- 長男:大木遠吉（原・高橋内閣の司法大臣、加藤内閣の鉄道大臣を歴任）
- 娘（栃木の農家に嫁ぐ[1]）
- 娘:岡崎えん（喬任と芸妓の子。銀座の小料理屋の女将となり[2]、死後、吉屋信子により『岡崎えん女の一生』が執筆された）
資産
評価
教育制度や法典編纂の確立にも尽力したことから、明治の六大教育家の1人に数えられている。
関連文献
- 田中艸太郎、常安弘通著『大木喬任 辰野金吾』佐賀県青少年育成県民会議〈郷土史に輝く人びと〉、1971年3月
- 島内嘉市著『年譜考 大木喬任』アビアランス工房、2002年7月、ISBN 490128410X
- 西川誠「大木喬任」（伊藤隆、季武嘉也編『近現代日本人物史料情報辞典』吉川弘文館、2004年7月、ISBN 4642013415）
- 重松優「大木喬任伝記史料「談話筆記」について」（『ソシオサイエンス』第12号、早稲田大学大学院社会科学研究科、2006年3月）
- 佐々木隆「「大木喬任関係文書」所収司法・検察関係者書翰翻刻」（『参考書誌研究』第66号、国立国会図書館、2007年3月）
- 重松優「『大木喬任伯意見雑記』をめぐって」（『社学研論集』第10号、早稲田大学大学院社会科学研究科、2007年9月）
- 重松優著『大木喬任』佐賀県立佐賀城本丸歴史館、2012年2月、ISBN 9784905172055
脚注
関連項目
外部リンク
- 近代日本人の肖像 大木喬任（国立国会図書館）
- 憲政資料室 大木喬任関係文書（国立国会図書館）
- 枢密院文書 枢密院高等官転免履歴書 明治ノ一 大木喬任（国立公文書館）
- 古典籍総合データベース（早稲田大学図書館） - 大隈関係文書の大木喬任書簡などが閲覧できる
テンプレート:S-off
|-style="text-align:center"
|style="width:30%"|先代：
烏丸光徳
|style="width:40%; text-align:center"|テンプレート:Flagicon 東京府知事
第2代：1868年1月16日 - 1869年8月22日
|style="width:30%"|次代：
壬生基脩
|-style="text-align:center"
|style="width:30%"|先代：
伊達宗城
|style="width:40%; text-align:center"|テンプレート:Flagicon 民部卿
第3代：1870年7月10日 - 1871年9月11日
|style="width:30%"|次代：
（廃止）
|-style="text-align:center"
|style="width:30%"|先代：
（創設）
福岡孝弟
|style="width:40%; text-align:center"|テンプレート:Flagicon 文部卿
初代：1871年9月12日 - 1873年4月19日
第7代：1883年4月7日 - 1885年12月12日
|style="width:30%"|次代：
木戸孝允
森有礼（文部大臣）
|-style="text-align:center"
|style="width:30%"|先代：
嵯峨実愛
|style="width:40%; text-align:center"|テンプレート:Flagicon 教部卿
第2代：1872 - 1873
|style="width:30%"|次代：
（廃止）
|-style="text-align:center"
|style="width:30%"|先代：
有栖川宮熾仁親王
佐野常民
|style="width:40%; text-align:center"|テンプレート:Flagicon 元老院議長
第2代：1880年2月28日 - 1881年10月21日
第5代：1885年12月22日 - 1888年4月30日
|style="width:30%"|次代：
寺島宗則
柳原前光
|-style="text-align:center"
|style="width:30%"|先代：
伊藤博文
伊藤博文
|style="width:40%; text-align:center"|テンプレート:Flagicon 枢密院議長
第2代：1889年12月24日 - 1891年6月1日
第4代：1892年8月8日 - 1893年3月11日
|style="width:30%"|次代：
伊藤博文
山縣有朋
|-style="text-align:center"
|style="width:30%"|先代：
芳川顕正
|style="width:40%; text-align:center"|テンプレート:Flagicon 文部大臣
第4代：1891年6月1日 - 1892年8月8日
|style="width:30%"|次代：
河野敏鎌
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