向かい飛車

向かい飛車（むかいびしゃ）は、将棋の戦法の振り飛車の一種である。先手ならば飛車を8筋に、後手ならば飛車を2筋に振る。

概要

相手の飛車先を逆襲しようと言うのがこの戦法の骨子である。三間飛車や四間飛車に倣って名前を決めると二間飛車となりそうだが、（居飛車の）相手の飛車と向き合っているので向かい飛車と呼ぶのが常である。相振り飛車になった場合には飛車は向き合わないが、この場合でも向かい飛車と呼ぶ。

対抗型での向かい飛車

対抗型での向かい飛車は、互いの飛車が向き合うため、飛車の素抜きを注意しなければならない。囲いは美濃囲いが主だが、状況によっては囲わずに戦闘に入ることもある。また美濃囲いにしても左金は囲いに使用せず、図のように左翼で攻撃の駒として使う場合が多い。これは飛車交換の際に飛車を打ち込まれる隙を無くすためである。居飛車側に隙が出来れば、飛車交換を迫れるように指すのが普通である。通常の振り飛車と違い自ら角交換を挑む戦法や、更に押し進めて角道を止めずに指す戦法もある。

相振り飛車での向かい飛車

昔に比べメジャーとなってきた相振り飛車では、角交換に強い位置なので指される事も多い。特に先手側は、向かい飛車にして玉を矢倉に囲うのが現在の主流である。その優秀さから一時期は相向かい飛車が相振り飛車の主流となったが、昨今は千日手問題から採用例は少なくなっている。なお矢倉に組んだ相手には四間飛車ほどの攻撃力を発揮できないと言われているが、相振り飛車で最初から四間飛車に振るのは得策で無く（美濃などの矢倉以外の囲いにされてしまう）、手損のリスクもあり振り直す例はそれほど多くない。