各種学校
各種学校（かくしゅがっこう）とは、学校教育法（昭和22年法律第26号）の第134条に基づいて、「学校教育法の第1条に規定される学校」（一条校）以外で、学校教育に類する教育を行うもので、所定の要件を満たす教育施設のことである。各種学校は、公立のものは都道府県の教育委員会が認可し、私立のものは都道府県知事が認可する。したがって、各種学校に無認可校は含まない。
2007年（平成19年）改正前の学校教育法では第83条に規定されていたため（改正で51ヶ条増加）、83条校（はちじゅうさんじょうこう）と呼ばれることもある。
目次
概説
各種学校は、教養、料理、裁縫などの分野を教育する施設として設置されている。一般的に「塾」と呼ばれる教育施設が多く含まれ、例えば、そろばん学校（珠算学校一覧参照）、予備校、日本語学校、自動車教習所などがある[1]。インターナショナルスクールや朝鮮学校などの民族学校も大半は各種学校である。
誤って専修学校（専門学校、高等専修学校）と混同した例[2]があるが、専修学校と各種学校は学校教育法において明確に区別されている。
各種学校であるための条件は次の通りである。
- 学校教育法の第1条に掲げるもの（一条校）でなく、学校教育に類する教育を行うものであること。
- 当該教育を行うにつき他の法律に特別な規定のあるものでないこと。
- 学校教育法の第124条に規定する専修学校の教育を行うものでないこと。
所管は公立の各種学校については都道府県の教育委員会であり、私立の各種学校については都道府県知事である。
以前は学校教育法に専修学校の定めがなく、正系の学校（一条校）以外はすべて各種学校であったが、1975年（昭和50年）の法改正によって、専修学校の制度が新たに規定され、規定の規模を有した各種学校の大半が翌1976年（昭和51年）に専修学校に移行した。
一条校に比べてカリキュラムの自由が利くため、自由学園最高学部や日本聖書神学校、聖公会神学院、日本ルーテル神学校など大学や大学院並みの教育を行っていてもあえて各種学校としている教育施設もある。
各種学校と専修学校の違い
修業年限
授業時間数
- 各種学校では年間680時間以上である。
- 専修学校では年間800時間以上、ただし、夜間学科では450時間以上である。
生徒数
- 各種学校では教員数等を考慮して定める。
- 専修学校では40人以上である。
教員数
- 各種学校では3人以上で、課程や生徒数に応じて必要な教員数を配置する。
- 専修学校では3人以上で、その半分は専任であり、定員等によって定める。
入学資格
- 各種学校では課程に応じて独自に設定できる。
- 専修学校では、高等課程で中卒以上、専門課程で高卒以上、一般課程では独自に設定できる。
教員資格
- 各種学校では独自に設定できる。
- 専修学校では課程別の基準に従って規定されている。
種類と校名
- 予備校等
- 校名の例として、○○予備学校○○校、○○予備校、○○塾○○校、○○ゼミナール、○○セミナーなどがある。
- 服飾・料理関係
- 校名の例として、○○ファッションスクール、○○服装学院、○○洋裁学院、○○裁縫女学校、○○編物学院、○○服飾アカデミー、○○料理学院などがある。
- 看護系
- 校名の例として、○○准看護学院、○○看護学院、○○助産学校などがある。
- 事務関係
- 校名の例として、○○経理学校、○○珠算学校、○○珠算学院、○○タイピスト養成所、○○簿記学校などがある。
- 語学関係
- 校名の例として、○○外語学院、○○日本語学院などがある。
- インターナショナル・スクール
- 校名の例として、○○インターナショナルスクールなどがある。民族学校では母国名を冠することが多い（中華学校、朝鮮学校）。
- 自動車教習所
- 校名の例として、○○自動車学校がある。
- 宗教関係
- 校名の例として、○○神学校、○○神学院などがある。
- サポート校
- 校名の例として、○○高等学院がある。なお、早稲田大学高等学院と早稲田大学本庄高等学院は例外で、「高等学院」と称してはいるが一条校の私立高等学校である（「学校」を称するのは一条校の権利ではあるが義務ではない）。
脚注
関連項目
参考文献
外部リンク
- 北海道の私立各種学校一覧（北海道学事課、平成24年10月現在）
- 青森県の私立各種学校一覧（青森県総務学事課、平成22年5月現在）
- 岩手県の私立各種学校一覧（岩手県総務部法務学事課私学振興担当、平成25年5月現在）
- 宮城県の私立各種学校一覧（宮城県私学文書課、平成20年5月現在）
- 秋田県の私立各種学校一覧（秋田県学術国際政策課、平成19年度現在）
- 山形県の私立各種学校一覧（山形県教育庁総務課、平成20年5月現在）
- 茨城県の私立各種学校一覧（茨城県総務課、平成20年4月現在）
- 栃木県の私立各種学校一覧（栃木県文書学事課、平成20年4月現在）
- 群馬県の私立各種学校一覧（群馬県学事法制課、平成20年5月現在）
- 埼玉県の私立各種学校一覧（埼玉県学事課、平成25年5月現在）
- 千葉県の私立各種学校一覧（千葉県学事課、平成24年8月現在）
- 東京都の私立各種学校一覧（東京都生活文化スポーツ局、平成19年5月現在）
- 新潟県の私立各種学校一覧（新潟県文書私学課、平成19年度現在）
- 富山県の私立各種学校一覧（富山県文書学術課、平成19年4月現在）
- 石川県の私立各種学校一覧（石川県総務課、平成20年10月現在）
- 福井県の私立各種学校一覧（福井県大学・私学振興課、平成20年10月現在）
- 長野県の私立各種学校一覧（長野県私学課、平成20年5月現在）
- 岐阜県の私立各種学校一覧（岐阜県人づくり文化課、平成20年5月現在）
- 静岡県の私立各種学校一覧（静岡県県民部文化学術局、平成22年5月現在）
- 愛知県の私立各種学校一覧（愛知県学事振興課、平成20年5月現在）
- 大阪府の私立各種学校一覧（大阪府私学課、平成20年5月現在）
- 兵庫県の私立各種学校一覧（兵庫県教育課、平成20年5月現在）
- 奈良県の私立各種学校一覧（奈良県総務課、平成20年5月現在）
- 和歌山県の私立各種学校一覧（和歌山県総務学事課、平成20年5月現在）
- 山口県の私立各種学校一覧（山口県学事文書課、平成20年3月現在）
- 香川県の私立各種学校一覧（香川県総務学事課、平成20年4月現在）
- 高知県の私立各種学校一覧（高知県私学・大学支援課、平成20年5月現在）
- 福岡県の私立各種学校一覧（福岡県私学振興課、平成20年4月現在）
- 佐賀県の私立各種学校一覧（佐賀県私学文化課、平成20年7月現在）
- 大分県の私立各種学校一覧（大分県私学振興・青少年課、平成22年9月現在）
- 宮崎県の私立各種学校一覧（宮崎県文化文教・国際課、平成20年9月現在）
- 鹿児島県の私立各種学校一覧（鹿児島県学事法制課、平成20年5月現在）
- 沖縄県の私立各種学校一覧（沖縄県総務私学課、平成20年5月現在）
