加藤陽子
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加藤 陽子(かとう ようこ、1960年10月 - )は日本の歴史学者。東京大学教授。専門は、日本近代史。博士(文学)。戸籍名は野島陽子だが、論文等では旧姓の加藤に統一している。埼玉県大宮市出身。
『文藝春秋』をはじめとする逐次刊行物への寄稿も多い。新しいものはウェブサイトで公開している。
略歴
- 1979年 桜蔭高等学校卒業
- 1983年 東京大学文学部卒業(第二類 国史学専修)
- 1989年 東京大学大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程単位取得満期退学、山梨大学教育学部専任講師
- 1991年 山梨大学教育学部助教授
- 1994年 東京大学文学部助教授
- 1995年 東京大学大学院人文社会系研究科助教授
- 1997年 「徴兵制と近代日本」で東大博士(文学)
- 2007年 東京大学大学院人文社会系研究科准教授
- 2009年 同教授
- 2010年 『それでも日本人は「戦争」を選んだ』で小林秀雄賞受賞
- 2010年 内閣府公文書管理委員会委員
関係者・主張
大学院では、伊藤隆の指導を受ける。福田和也と対談や座談会を共にすることが多い。
保守的歴史学者の重鎮である師匠の伊藤隆とは正反対の政治的スタンスで、安倍晋三首相の歴史認識を批判し[1][2]、特定秘密保護法に反対し[3][4]、「安倍政権を特に危険だとみな」して集団的自衛権に反対する「立憲デモクラシーの会」呼びかけ人となっている[5]。
夫は東大文学部卒、元駿台予備学校・現東進ハイスクール日本史講師の野島博之。
著書
単著
- 『模索する1930年代――日米関係と陸軍中堅層』 山川出版社、1993年
- 『徴兵制と近代日本――1868-1945』 吉川弘文館、1996年
- 『戦争の日本近現代史――東大式レッスン!・征韓論から太平洋戦争まで』 講談社現代新書、2002年
- 『戦争の論理――日露戦争から太平洋戦争まで』 勁草書房、2005年
- 『戦争を読む』 勁草書房、2007年
- 『シリーズ日本近現代史(5)満州事変から日中戦争へ』 岩波新書、2007年
- 『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』 朝日出版社、2009年(第9回小林秀雄賞受賞) 胡適の日本切腹中国介錯論を紹介している。
- 『NHK さかのぼり日本史(2)―昭和 とめられなかった戦争』 NHK出版、2011年7月
- 『天皇の歴史08巻 昭和天皇と戦争の世紀』 講談社、2011年8月
共著
- (半藤一利・保阪正康・戸高一成・福田和也・中西輝政)『あの戦争になぜ負けたのか』 文春新書、2006年
- 佐高信 『戦争と日本人――テロリズムの子どもたちへ』 角川oneテーマ21、2011年2月
- 半藤一利 『昭和史裁判』 文藝春秋、2011年
共編著
訳書
- ルイーズ・ヤング『総動員帝国――満洲と戦時帝国主義の文化』(岩波書店, 2001年)
注
- ↑ 視点・論点 「"終戦の日"と歴史家の役割」 視点・論点 解説委員室:NHK
- ↑ 安倍首相の挑戦を正面から受けて立った歴史家・加藤陽子(天木 直人) - 個人 - Yahoo!ニュース
- ↑ (異議あり 特定秘密保護法案ワイド)軍事機密、何を招いた 加藤陽子さん:朝日新聞デジタル
- ↑ 特定秘密保護法への学者の会からの抗議声明 (内田樹の研究室)
- ↑ 立憲デモクラシーの会 呼びかけ人