出雲ドーム
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出雲ドーム(いずもドーム)は、日本の島根県出雲市の出雲健康公園内にある多目的ドーム施設。施設は出雲市が所有し、NPO法人出雲スポーツ振興21が指定管理者として運営管理を行っている。
概要・歴史
島根県を含む山陰地方の冬季は寒冷で雨や雪の日が多く、季節風も強いという気象条件に見舞われるが、1989年に出雲市長に就任した岩國哲人は「気候に左右される事なく、年間を通じて老若男女を問わず伸び伸びとスポーツ・レクリエーションを楽しめる施設」というコンセプトの下で、屋内型多目的体育施設の建設計画を立案した。また「建築的にも優れ、全国的にも注目される施設」として、当時市町村レベルでは例のなかった「ドーム型施設」を建設する事とし、更に出雲地方の伝統である木造りの技術を活かし、躯体を木造で建設する事とした。
こうして整備が進められ、出雲ドームは1992年4月29日、出雲市50周年を記念し、日本初の木造ドーム施設として開場した。躯体は直径140.7m、高さ48.9mで当時木造建築物としては世界最大級といわれた(なお、その後、1997年7月に出雲ドームよりも規模の大きい木造ドームである大館樹海ドームが秋田県大館市に完成している)。またスタンドを可動式とし、フィールドを多目的に使用できるよう設計されている。屋根は集成材によりアーチ状に支えられているが、開閉はできない。だが外壁が可動式(一部は完全開放可)となっており、自然換気が行えるようになっている。
現在、出雲ドームは軟式野球、ラグビー、サッカー、ソフトボールなどの屋外球技を始めとした各種スポーツイベントやコンサート(出雲ドーム2000人の吹奏楽など)、プロレス興行などに使われている。また、毎年10月に開催される出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)のゴール地点にもなっている。
出雲ドームを中心とした健康公園は1998年から園地の拡張や施設の拡充が行われた。また開場時のグラウンドは全面クレー舗装だったが、2000年に人工芝を敷設した。
出雲ドームでは開場当初、中国地区高等学校野球大会など高校野球(硬式野球)の公式戦を1992年春季に開催したことがあるが、フィールドの野球使用時の規格は両翼90m、中堅110mと狭隘な上に天井も低いため「打球が飛び過ぎる」という指摘が相次いだ事から、その後はアマチュア硬式の公式戦は行われておらず、練習試合や雨天時の練習などで使われている。
ドーム内の資料室には大野豊、梨田昌孝、和田毅らプロ野球をはじめとする島根県出身のスポーツ選手に関する資料・記念品が展示されている。
なお、出雲もくもくドームという愛称で呼ばれることもある。躯体が「木造」であることと、旧国名の出雲国に引っ掛けて、雲が「もくもく」と立ち込めるイメージから施工企業などにより命名されたものだが、市が定めた正式な愛称ではない。
施設概要
- 屋根:大断面構造用集成材による木質系立体張弦アーチ構造、テンション膜構造
- 建物高さ:48.9m(最高部53.9m)
- 外壁:ポリカーボネート製大型ジャロジー(うち8スパンは電動式で回転開放可)
- グラウンド面積:11,140.08m²
- (野球使用時)両翼:90m、中堅:110m
- (陸上競技使用時)250mトラック・100m直走路
- (ラグビー使用時)96m×64m、インゴール114m
- (サッカー使用時)100m×68m
- 内外野:人工芝(パイル長13mm)
- 照明設備:直接照明・間接照明併用(点灯パターンにより照度変更可能)
- スコアボード:LED式
- 収容人員:2,500人(座席)、最大:5,000人、グラウンド内使用:10,000人
公園内その他の施設
- クラブハウス
- 健康センター
- 多目的広場
- 少年野球・ソフトボール場(和田毅球場という愛称でも呼ばれている)[1]
- スケートボード場
- ゲートボール場
- いずもオロチコンビ(滑り台を内包する大型遊具)
交通
- 出雲市駅からタクシー約10分